前回+今回のまとめ&アクセス解析的な視点でのチェックポイント
前回+今回のまとめ&アクセス解析的な視点でのチェックポイント
最後にアクセス解析的な視点で見るべきポイントをまとめておこう。
- トップページについて
「楽天トラベル」のレンタカー予約のトップページは、比較をするのであればファーストビューの中央に位置している「レンタカーを日程から探す」の機能を使う。予約する人にとって非常に便利だ。
また、利用したいレンタカー会社が決まっている場合でも、楽天会員で楽天スーパーポイントを貯めている人なら、「楽天トラベル」をポータルのように利用してポイントを貯められるというメリットがあるのだろう(すべてでポイントが貯まるわけではないようだが)。
「楽天」ほどのサイトであれば、すでにA/Bテストなどで最適な表示パターンを研究していると思われる。このトップページに関しても、スクロール状況や実際のクリック状況を計測し、ファーストビューには最も使われる機能を配置すること、そしてその他のリンクは、例えばどういった順番で各レンタカー会社を配置したらよいのかを、データをもとに決定しているに違いない。
- 「楽天トラベル」全体のユーザー体験について
本文は「レンタカー予約」に焦点を当てたので触れなかったが、「楽天トラベル」全体のユーザー体験について少々気になった点を触れておきたい。
図18は「楽天トラベル」の最上部にあるタブの「観光案内」をクリックし(赤枠で囲んだ部分)、「たびノート」というページを表示した画面だ。「観光案内」というタブをクリックしたにもかかわらず、一番左のタブ「国内」が黄緑色になったままで、サブメニューの表示は消えている。
レンタカー予約ページからこのページに移動した場合に、一瞬現在いるページの確認方法が理解できなくなる。この「観光案内」のタブを黄緑色にして強調表示にするのが普通だろう。
また、下の図19は、「楽天トラベル」の最上部にあるタブの右から3つ目の「割引クーポン」をクリックし(赤枠で囲んだ部分)、「Rakupon(ラ・クーポン)」というページを表示した画面だ。
国内タブやサブメニューは「レンタカー予約ページ」とほぼ変わらず、コンテンツ部分だけ変わっている。これについても、クリックした場所に変化がないので、オヤッと感じた。
おそらく、よく使われるコンテンツメニューの露出はしたままにしておきたいという狙いなのだと思うが、通常予想される動きと異なる動作は、ユーザーを迷わせる可能性が高くなる。
サイト自体が巨大で、コンテンツも豊富なので、どのようなグローバルナビゲーションにすればよいのか簡単ではないとは思うが、楽天トラベル内を縦横無尽に利用してもらうようなユーザーテストを行なって、こういったナビゲーション機能面の改善点を洗い出してみることも必要だ。
- 「レンタカーを日程から探す」機能
レンタカー予約するために比較情報を取り出すための「レンタカーを日程から探す」がメインの機能になる。ここは表示をあえて控え目にしている機能の利用状況をまず押さえておきたい。
たとえば、カレンダー機能を使う人はどのくらいいるのか、車両タイプをクリックして乗用車以外を選択する人がどのくらいいるのか、といった機能の利用状況だ。
利用者が多ければ、フルに表示しないまでも、アイコンを目立たせること、文字の大きさを少し大きめに変更することなど、検討の余地が出てくるだろう。
あと、前回の「ニッポンレンタカー」では営業店舗の検索で、駅名や郵便番号など様々な検索方法が用意されていたが、実際にユーザーテストやアンケートなどで、直接ユーザーの声を聞いてみるのもよいだろう。ただし「こういう検索方法があったら使うか」といった質問をすれば、「あった方がいい」と答えるに決まっているので、検索でとまどったことなどがなかったかを聞くとよい。
その他のプルダウンやチェックボックスなどの機能に関しては、特に問題を感じなかったが、実際のタスクを与えるユーザーテストを行い、この機能で何か違和感を訴えるユーザーがいれば、その人の意見に耳を傾けてみよう。
- 検索結果ページ
ユーザーの検索条件によって、表示された候補店や車種の表示数は多かったり少なかったり様々だと思うが、再検索される割合と回数、再検索したときの条件変更の状況を把握したい。
再検索率が多く、検索する回数が多ければ、自分の思ったものが1度で出てこなかったということになるので、再検索した場合にどのような条件変更をして検索したのかを把握し、条件変更が多いパターンがあれば、その選択項目を検索画面に実装することを検討したい。しかしながら、おそらく条件変更のパターンは多岐にわたり分散しているのではないかと思うので、そう簡単に機能変更につながる発見は出てこないとは思うが。
あとは、さらにエリアを絞り込む機能として「市区町村から検索」と「駅から検索」の2つがあるが、これもどのくらい利用されているのかという数値は把握しておきたい。この絞り込み検索の利用が高くても、トップページの検索機能のところに実装する必要はないと思うが、利用頻度が極めて高いようであれば、目立たせる必要がでてくるだろう。
- 予約プロセス
予約に関しては確認が中心で、大した入力項目もなく問題点は少ないように感じたが、アクセス解析データでこの予約の流れの各ステップでの離脱率は把握しておきたい。
その上で、予約のタスクを与えて実際にやってもらうユーザーテストで各ページの問題点を洗い出していく方法がよさそうだ。各ページはもう少しコンパクトな表示にできるような気はしたので、ユーザーの生の声を聞いてみるのがよいだろう。
さて、この連載では、
- Webサイトのオーナーか管理者の方からの「かってに解析」してほしいリクエスト
- 「かってに解析」されたサイト運営者・管理者の方からの異論や反論
などを随時募集している。希望者は、(web-tan@impressrd.jp)までお寄せいただきたい。
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