前回+今回のアクセス解析的に着目すべきポイント
前回+今回のアクセス解析的に着目すべきポイント
さて最後に、アクセス解析的にはどういうところに着目して数字を見たらよいかについて述べる。
- ユーザーがよく利用する機能(ページ)を調べる
前回の冒頭に「このサイトユーザーの主目的は、スケジュールに合わせた列車の検索・選択と予約ということになろう」と書いたのだが、ユーザーがどの機能(ページ)をどのくらい使っているのかに応じて、トップページのレイアウトや、「きっぷ・旅行予約」のページなどの改善に活かしたい。
またトップページ、「きっぷ・旅行予約」、「JR券申込」ページといった主要なページのクリックマップやヒートマップなども確認して、リンクの配置構造や目立たせ具合などに活かしたい。
- ユーザーテストの実施
ユーザーが切符予約を行う際の手順は、タスクとしていくつかに定型化できると思うので、具体的な予約・申込のタスクを数人の被験者に試してもらい、操作しながら、迷った点などを話してもらうことで、改善ポイントを探ってみたい。
- A/Bテストの実施
サイトの機能を使う前に、まずはログインさせるという誘導がよいのではないかという話をしたが、ログインを前提とした流れの作りをすることで、目的を達成するまでの閲覧ページ数が減少(改善)するのではないかという視点で、A/Bテストをしてみるのも、おもしろいかもしれない。
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電車やバス、飛行機といった公共交通機関のWebサイトは、Webを使い慣れていないふつうのユーザーが利用する可能性も高い。にもかかわらず、たいていのサイトは、とてもわかりにくく、使いにくい。バスの経路を調べるのは、比較的Web化が進んでいそうに見える東京や神奈川でさえ、いつも一苦労だ。
今回の「えきねっと」はJR東日本の運営するサイトだが、ふつうのユーザーは、おそらく自分がいまアクセスしているのは複数あるJRのどこのサイトかなんてことは気にしないだろう。ユーザーにとって重要なのは、自分の乗りたい列車の切符が、買えるのか買えないのか、買えるならスムーズに買えるかどうか、それだけであって、「JR東日本のサイトなんだから、JR東海やJR西日本の列車の切符を買おうとすれば、買いにくいのは当たり前」という作りでは、正直困ってしまう。
「かってに解析」は、できるだけふつうの人の視点で、いろいろなWebサイトの利用行動をシミュレーションして、アクセス解析に生かそうというのが、狙いの1つである。Webリテラシーの低いユーザーも使う可能性の高い公共交通機関のWebサイトであれば、できるだけ多くのユーザーが、スムーズに購買できるサイトであることが望ましいのではないだろうか。
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さて、この連載では、
- Webサイトのオーナーか管理者の方からの「かってに解析」してほしいリクエスト
- 「かってに解析」されたサイト運営者・管理者の方からの異論や反論
などを随時募集している。希望者は、(web-tan@impressrd.jp)までお寄せいただきたい。
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