Webがダメなのは、Web担当者じゃなくて会社に問題がある!?
Webがダメなのは、Web担当者じゃなくて会社に問題がある!?
瞳さんがいま転職して一番苦労していることが知りたいです。生活消費材メーカーにおけるWeb担当者の悩み!
そうですね。まずは、そもそも入社の仕方が、ヘッドハントというか、その会社のちょっと偉い人に引っ張ってきてもらった流れで、いざ会社に入ってみたら、超アウェイな感じなのよね。
それは大変ですね……。
私はあまり気にするタイプじゃないけど、周りは気にする、みたいな。
私も一年前にアドレボに転職してきたときはむちゃくちゃアウェイな感じで緊張しました……。
でも、結果を出すことを求められているから、何か解はないのか探しています。
なるほどぉ。チームは何人くらいいらっしゃるんですか?
チームというか。まだチームも部署もない状態なんで、いったん経営企画部付けで入ったの。なので、チームという感じではないのよね。
Webの担当者は何人で?
実質は、ひとりですね……。だから、社内調整など非常に大変です。
え! ひとり!! それは大変だ……。いままではどうしていたんでしょうね
広報がちょこちょこと、っと感じみたい。Webの技術的なサポートは情報システム部門がこれまでずっと担当してきたので、Web担当がいたといえばいたんだけど、Webマーケティングという意味ではゼロからのスタートってことになるわね。
となると、コーポレートサイトも、その中にある個別の商品ページも全部瞳さんが担当するってことですか?
実際の作業は外注さんにお願いすると思うけど、責任者っていう点ではそうね。この状態はかなりひどい方に思えるけど、ちょっと前までの企業サイトって、けっこうこんな感じのところ多かったのよね。信じられないかもしれないけど。でもこれは、Web部門というよりは、会社の経営や組織の問題であて、経営者層がWebに理解がないことがそもそも問題であることが多いのよ。
うーん、なるほど。
今回、村上佳代さんに手伝ってもらって、私のシーズン1のマンガを書籍化したのも、そういう経営陣の人にWebを理解してもらいたい、という動機だったりするんだけどね。経営者の人たちって、マンガ読んでくれるのかしら(笑)。
人気ウェブ連載「Webマーケッター瞳シーズン1」を書籍化!
マンガとストーリーに沿った丁寧な説明でWebマーケの本質をわかりやすく解説。企業のマーケティング担当者のみならず、ウェブに関わるすべての人々が楽しみながら学べる入門書。
- 著者 :村上佳代ほか
- 出版社 :インプレスジャパン
- 発売日 :2011/4/22
- 形態 :単行本(ソフトカバー) 272ページ
- 価格 :¥1,890 (本体 ¥1,800+税)
となると、経営陣の方に(生活消費材メーカーにとっての)Webの役割をしっかりと説明できないといけないってことですね。ROI(投資対効果)の話になりそう!!
そうなの。
「Webを使えばどれだけ商品は売れるんだ!」って。
一般論として、Webマーケティングは企業にとって新しいファンクションであることは明白です。でも、バリューチェーンに適切に組み込まれていないの。人員の配置も行き当たりばったりでテキトーだったり。結果として、属人化して、いまだに個人個人の知識やスキルに頼ってるケースが多いんです。もうWebマーケティングは、個人ががんばれば何とかなる時代じゃない。企業をあげて組織でやっていく時代なの!(と直接、面と向かって言ってあげたいわ・笑)
Webサイトがなくなる日
最近創刊した主婦の友社の「主婦の友新書」って「もし○○がなくなったら?」という一貫したテーマを設定してて、『パチンコがなくなる日』とか『ドルがなくなる日』とか『バラエティ番組がなくなる日』『霞ヶ関がなくなる日』『コンビニがなくなる日』なんて本が出てるんですよ。それを見てて、もし仮に「Webサイトがなくなる日」という日がやってきて、生活消費材メーカーが、Webサイト閉める!って決断をしたら……。マーケティングコミュニケーション全体にどのくらいの負のインパクトがあるんだろう……って考えちゃいました。これはソーシャルメディアも同じですけど。そこからとことん考えていくと、必要なもの、不要なものが見えてくる気がします。
テレビがなくなる日、は?
それはありえない!! テレビCMはやっぱり大切!! ってなるじゃないですか。じゃぁ、生活消費材メーカーにとってのコーポレートサイトは?って。某調味料メーカーは驚異的な数のレシピが掲載されたサイトを、気の遠くなるような予算をかけて作ってますが、それが全部なくなったら売上はどのくらい減るの?って聞かれたらなんて答えるんでしょうね……。例えばですけど……。
でも、やっぱり、企業情報の発信とか、IRなど投資家向けのサイトは絶対必要ね。それから、今回の震災のように有事に必要な情報を発信する機能も。
ですです。同意。
問題は商品ページ。
ですです。マーケティング領域。逆に、ここを突き詰めて考えていくと、やっぱりWebはなきゃいけない!って解が見つかるんじゃないかって気がして。企業の現場って、なんとなく昔からやってるから、とか、他社もやってるから、とか、時代だから、とかって多いと思うんです。
携帯サイトもスマホ対応もそう。でも、それ本当にいるの?って。
それは、言えてます。みんな仲良しこよしなのよ、日本の企業って実は。やって当然のものになったので、無くすわけにはいかない。
でもこれってWebだけじゃなくて、すべてについて言えることなんですよね、きっと。とか言ってみる。
そうそう、そういう感じですよね。Webがあることで、経済活動がまわり始めてますからね。
生活消費材メーカーがWebを使って顧客とコミュニケーションしたいとして、実際の顧客のうち、どれぐらいの割合と深いコミュニケーションが取れるんでしょう。生活消費材メーカーだと、ターゲットとなる購買者数は数百万~数千万人ですからね。
コミュニケーションは浅くていいんです。でも、0では困る。
もちろんWebやソーシャルが不要ってことじゃなく、すべて全体のコミュニケーションの中で最適に組み合わせることが大切だと思うんですよ。もしWebサイトがなくなったときに、「意外になくてもいけたじゃん」じゃ困ります。だからこそ私たちは、なくてはならない解を見つけたい。
黎明期のWebの担当者の方が情熱があったかもしれない。今は、異動でやってきました、正直Webってよくわかりません、みたいな人も多いので。
Webの仕事をしていると、Webサイトを使ったり、ソーシャルメディアを使ったりという、本来は手段であるべきことが目的化しているのを目にすることが多いんです。でも、だからこそ「Webもソーシャルメディアもちゃんと必要なんですよ、だって~~だから」の、その先を見つけたい。常に意識しながら仕事したいですね。
それは本当にそう思う。なぜWebを使うのか、Webを使って何を達成したいのか。そういった根源的な認識を持った人が、どんどん増えてほしいなぁ。特に、会社の上層部や、上司、組織でいったら人事部門ね。うーん。燃えてきた! シーズン2もがんばるわよ。今日はどうもありがとう、美咲ちゃん!今度はぜひうちの会社に遊びに来てね。
こちらこそ、ありがとうございました。瞳さんのご活躍、楽しみにしてマス!
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