インタビュー

検索エンジン最適化のために知りたい「良い」ページの判断

検索エンジン最適化のために知りたい「良い」ページの判断

●編集部 グーグルがどんなページを「良い」ページだとみなすのか、わかりやすく説明してください。

アダム・ラズニック氏

●アダム 画像、PDF、Flashなど、グーグルのロボットはさまざまな種類のファイルに対応していますが、どんな内容なのかを理解できるかでいうと、やはりテキストやHTMLが一番ですね。グーグルは、中身をより良く理解できればできるほど、ユーザーに対してより適切なものを提示できますからね。

グーグルが「良い」ページだとみなすのは、「オリジナル」で「強力な」コンテンツです。グーグルは、検索ユーザーに対して価値があるページに報いたいと思っています。価値があるページとは、ユーザーが役に立つと感じたり楽しんだり、ブックマークしたり他人に教えたくなったりするようなページです。

そういったコンテンツができたら、そのコンテンツが役に立つことがグーグルにもわかるようにしてください。

たとえば、あなたがレストランを経営していて、そのレストランのサイトに日替わりランチの情報が掲載されているとします。その場合、レストランの名前や、そのページにどんな情報が書かれているのかを、ページのタイトルタグにテキストで明確に示すのが重要です。この例ならば、「日替わりランチメニュー」のページであることを書くわけですね。そうすると、そのページが何に関するページなのかをグーグルがより良く理解できますし、さらにユーザーがブックマークしたり他人にメールで情報を送ったりする場合にも、わかりやすいですよね。

●編集部 グーグルは積極的に有料リンクに対処しようとしていますが、日本語のページでも、積極的に有料リンクを見つけて対処しようと動いているのでしょうか?

●アダム そうですね。グーグルには、ウェブ検索で示される情報を公平な状態に保ち、検索ユーザーを守ることをミッションとしている専門のチームがあります。そのチームの役割は、ウェブスパムへの対応からウイルスのような悪質なプログラムからユーザーを守ることなど多岐にわたります。

●編集部 そのチームは英語で書かれたページだけでなく、日本語やフランス語のページに対しても活動しているのでしょうか?

●アダム もちろん。すべての言語です。それぞれの言語や市場を理解したうえで、対応する検索結果の質をより良くする専門家をそろえています。

この活動と先ほどの話は、実は車の両輪のようなものなのです。というのも、片方では良いコンテンツは検索ユーザーの目に触れやすいように優先する方向で動いていて、もう片方では検索結果に悪質なページが入り込まないようにしています。その両方によって、検索ユーザーが、重要で関連性の高い良いコンテンツを見つけられるようになるのです。

●編集部 ウェブ検索の順位付けアルゴリズムで、ヤフーとグーグルが最も異なる点はどういったところでしょうか?

●アダム 競合の検索エンジンに対しては、常に敬意をもっていますから、我々がどのようにして検索結果の質を保っているかを説明しておきましょう。

グーグルでは、検索結果の順位付けや関連性に関して、サンプルグループなどの評価プロセスをもっていますが、全体としては、アルゴリズムの変更に対しては、常に現状との比較を行っています。毎週、検索品質エンジニアが5~10個、場合によってはもっと多くの順位付けアルゴリズムをテストしています。どの場合でも、新しいアルゴリズムで出てくる検索結果と、現状のアルゴリズムで出てくる検索結果を比較して、新しいほうが優れていることを明らかにすることが求められています。それも、各国向けのものを含めた全世界での検索結果に対してです。ですから、我々は他の検索エンジンと比較するのではなく、自分自身と比較して進化していっているのです。

●編集部 アクセスカウンタなどのウィジェットにリンクを含める場合、どういった場合にOKで、どういった場合にNGだと判断されるのでしょうか?

●アダム ウィジェットを作って配布する人が注意しておくべき点は2つあります。

1つ目は、そのウィジェットを利用する人が、そこにリンクが含まれていることを知ったうえで利用するようにすることです。ですから、リンクは目に見える状態である必要がありますし、かつ、目立たない形にしてはいけません。

もう1つは、ウィジェットの一部として張られるリンクと、個別に手動で張られるリンクでは、リンクの価値が異なることを理解しておくことです。ウィジェットによって自動的に張られた大量のリンクよりも、関連性のある編集コンテンツから個別に手動で張られたリンクのほうが、より重要だとみなされます

もし、あなたがウィジェットを配布しようとしていて、そこにリンクを含めることでグーグルにおけるサイトの評価にどういった影響を与えるのかを正確に理解していないのならば、リンクにrel="nofollow"属性を付けておくことをオススメします。そうすれば、ブランディングや直接のトラフィック誘導といった役割はそのままに、検索エンジンからスパムリンクだとみなされる心配はなくなりますから。

●編集部 ドメイン名の所有者が変わると、過去のリンク評価がリセットされる場合があるといわれていますが?

●アダム Webサイトに大きな変更があったときに我々がリンクをどう扱うかは、場合によります。

ドメイン名の所有者が変わったとしても、サイトのコンテンツが変わっていなければ、リンクに対する評価は変わりません。

逆に、ドメイン名は変わっていなくても、サイトのコンテンツやテーマが大きく変わった場合には、リンクの評価を以前と同様にしておくのは、検索ユーザーにとってメリットではないと考えるでしょう。

サイトがグーグルの検索結果でどう評価されるかに関しては、ドメイン名の登録データベースで所有者の名前よりも、サイトのコンテンツやテーマのほうが影響が強いのです。

rel="canonical"はどんなときに使うのか?

●編集部 URLの正規化というのは、どういったときに使うといいのでしょうか?

●アダム まずURLの正規化とは何かについて説明しておきましょう。これは、あるコンテンツを示すURLがいくつかある場合に、どのURLを使うべきなのかを、ユーザーやグーグルに対して指示するものです。URLを正規化するには、301リダイレクトやrel="canonical"属性を使います。リダイレクトでは、正規化したURLに転送されるので、ユーザーは1つのURLしか目にしないことになります。rel="canonical"では、アクセスするページのURL自体は多様なままで、正規化したいURLを提示する仕組みですね。

●編集部 rel="canonical"の使いどころを教えてください。

アダム・ラズニック氏

●アダム わかりやすいところでいうと、セッションIDやアクセス元を追跡するためのパラメータがURLに含まれている場合ですね。この場合、301リダイレクトしてしまうとセッションIDやアクセス元がわからなくなってしまいますからね。でも、URLのパラメータが違っていても表示されている内容は同じなので、rel="canonical"を使って、検索エンジンに対して正規化したURLを教えておくのです。

URLの正規化を指定しておくと、2つのメリットがあります。

1つは、コンテンツに対する評価を1つのページに集約するようにグーグルに教えられることです。たとえば、同じコンテンツのいろんなバージョンのURLに対してリンクが張られているとリンクの評価が分散されてしまいます。しかし、rel="canonical"でURLを正規化しておけば、すべてのリンクの評価が、正規化したURLに対してまとめられます。

もう1つは、ユーザーに対して、より使いやすい簡潔なURLを示せることです。ブックマークしたり、友人にメールでURLを送ったりする場合に、短いURLのほうがいいですよね。

ちなみに、グーグルはこれまでも、同じコンテンツに対してURLが複数バージョンある場合、どれが最適なURLかを推定する仕組みがありました。rel="canonical"属性は、それをサポートする役割を果たすものです。

●編集部 セッションIDや追跡パラメータ以外ではどんな場合に使うのがいいのでしょうか?

●アダム 商品一覧の並べ変えができるページなどで使うといいでしょう。たとえば、ネットショップで商品一覧ページがあり、「人気順」や「値段順」で並べ替えて表示できるとします。「人気順」でも「値段順」ではURLが別になりますが、違うのは商品の並び順だけで、表示されているコンテンツが同じだとしたら、URLの正規化を使って「商品一覧」の標準URLを指定しておくといいでしょう。

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