【米国イベントレポート】ネットの未来を創るベンチャー企業が世界中から集結した「TechCrunch50」

新興企業の登竜門「TechCrunch50」

2008年9月8日から10日にサンフランシスコで、最もホットなIT系ベンチャー企業が集まる「TechCrunch50」が開催された。入場料が2,995ドル(約30万円以上)という高額にかかわらず、世界中から1700人以上が集まり、会場は熱気と躍動感で包まれていた。

同カンファレンスでは、事前に応募があったスタートアップ企業の中から、おもしろい内容のサービスをもつ企業を審査員が選考し、カンファレンス当日、選ばれた企業がプレゼンテーションデモを行う。

今年は、応募総数約1000社の中からファイナリスト52社が選抜され、自社サービスを紹介した。

ファイナリストの52社:
http://www.techcrunch.com/2008/09/08/announcing-the-techcrunch50-finalists/

TechCrunch50画像1
会場入り口
TechCrunch50画像2
各社がプレゼンを行うステージの様子

今年は初めて、日本からも3社がノミネートされ、熱気高まる会場でデモを行った。ファイナリスト52社に勝ち残り、1000人を超える聴衆の前でデモを行った日本企業のサービスは下記の3つだ。

  • Rinenの「OpenTrace」
    環境レーティングシステムと称したこのサービスは、商品を原材料までさかのぼって、産地からの輸送にかかる燃料まで含めた商品単体の環境負荷を割り出すサービス。企業はその結果を刷りだしたステッカーを商品に貼って環境への取り組みをアピールできる。
  • 頓知(Tonchidot)社の「Sekai Camera」
    iPhone専用のソーシャル・タグ・ツール(詳細は後述)。
  • 日立の「Gazopa」
    類似画像検索エンジン。日立製作所の社内ベンチャーが立ち上げた。「形状」を検索キーとして、世界中のWebサイトから集めた画像のなかから似た画像を探し出してくれる。

その他、下記の2社がデモ出展し、日本からは全部で5社が参加した。

  • Adlib社の「Waget」
    モバイル向け店舗・レストラン情報提供サービス。店の電話番号を件名に書いてメールをWagetに送ると、URL、地図、割引クーポンなどがメールで返信される。また、ユーザー自身が情報をデータベースに追加できる。
  • Mulodoの「Deckkr」
    Firefox 3のエクステンション。タブやウィンドウを切り替えなくてもいろいろなウェブの検索ができる。
TechCrunch50画像3
デモ展示場の様子

iPhoneを使ったソーシャル・タグ端末「Sekai Camera」

その中で、iPhoneのカメラを利用し、そこに写る目の前の現実世界とそれに関する情報をタグで結ぶ「Sekai Camera」の井口氏のプレゼンは特に鮮烈で、印象深かった。

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日本から参加したTouchidotの井口氏。個性あふれる存在感を見せた。
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パネリスト参加していたティム・オライリーが疑心暗鬼に投げかける質問に対し、個性あふれる回答で会場を笑いの渦に巻いた。

同サービスを利用し、iPhoneのカメラを通して自分の周辺の現実世界を見ると、周辺にあるものやサービスに関する情報が、ポップアップで表示される。たとえば、秋葉原でこのサービスを利用すると、周辺にある電家製品店から提供されているディスカウント商品情報や、商品に関する詳細情報を取得したりできる。また、秋葉原を背景に、自分の好きなアニメキャラクタと一緒に写真を撮り、それを友人とシェアしたりもできる。

技術的には、位置認識技術、加速度センサー、タグなどを利用し、その場所と関連するネット上のデータを連動させており、同サービスの応用範囲や用途は幅広そうだ。

数多くのベンチャー企業を見ていると、過半数はどうしても、どこかで以前見たことがあるような内容のサービスが多かったりする。しかし、「Sekai Camera」は、まったく斬新、かつクリエイティブな印象を与え、満場の大喝采を浴びた。

舞台には、プレゼンを行うベンチャー企業に加えて、それらサービスに対して賛否評論を言う専門家パネリストもいるのだが、他の参加企業にはもっと辛口なコメントをする専門家パネリストも、うち1人が、グーグルに買収される可能性があるのではといったことを言及するほどだった。

これに対し、同じくパネリスト参加していたオライリー・メディアのティム・オライリー氏はもう少し辛辣な質問を投げかけた。しかし、井口氏は吉本風の切り返しで、会場を爆笑の渦に巻き込んだ。同サービスは、後日、現地のさまざまなメディアやブログでもかなり取り上げられ、今回最も愉快で話題になったサービスの1つだといって間違いなかろう。ティム・オライリー氏の質問に対し、技術面での詳細説明を端折った部分があったため、中には、技術的な実現性を疑問視する声もあったが、iPhoneアプリの未来の可能性をいち早く垣間見せてくれたという点で、注目度は高かった。

なお、このデモはインターネット上の下記サイトでも見られる。
http://www.techcrunch50.com/2008/conference/presenter.php?presenter=71#video

同社のデモは、日本のネット企業の海外市場における可能性を強烈に感じさせてくれた。米国に渡る日本のネット企業の歴史に残る一幕だったようにも思う。

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日立からはGazopaの名で参加
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米国でもモバイル向けサービスを提供する企業が増えてきた
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新たなSNSの形を提案する企業
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