RFPでは失敗する? CMSをうまく選ぶためのチェックリスト
CMSを選ぶ場合、要件をまとめたRFP(提案依頼書)を各ベンダーに配布し、具体的な提案を受けて製品やベンダーを選定する、「入札方式」が一般的であり好ましいとされている。ところが、この方法にはワナが多く、導入作業中や運用後に後悔することも多い。今回は、効果的にCMS選定を進めるためのポイントをいくつか紹介しよう。今回はいつもと趣向を変えてチェックシート式としたので、該当する個所をぜひチェックしてほしい。
1. システム管理者よりも利用者の評価を優先する
システム管理よりもコンテンツ管理のほうが、関わる人数も利用頻度も多い。管理しやすいが使いにくいシステムでは本末転倒だ。入札を行う場合は、評価者の選定に気を付けよう。
コンテンツを管理する人は、特定できているか?
クリエイターからレビュー者まで、漏れなく網羅しておくこと。導入時の評価者の割合を、運用後の実情に合わせているか?
システム管理者よりも利用者の割合が多いハズ。利用者の評価を優先しよう。「コンテンツやサイトを今後どうしていきたいのか」を明確にしているか?
評価以前に、“将来像”の認識を合わせておこう。
2. 利用者のシナリオやコンテクストに沿って評価する
Webサイトを評価する場合、個々のページやデザイン要素を中立的な視点で見るのではなく、ペルソナやシナリオを作り、利用者のシナリオやコンテクストを明確にしてから評価を行っていくのが効果的だ。同じように、CMS製品も機能の有無や見た目の美しさではなく、利用者のシナリオやコンテクストを踏まえて評価しよう。
デモや評価は、利用シナリオに沿って行われているか?
時間軸やコンテクストを加味したエクスペリエンスを評価しよう。パッと見の美しさに惑わされていないか?
デザインや操作性は慣れれば大きな違いにはならない。利用シーンや状況に沿っているかが重要だ。熟練時に、さらに生産性を高める方法はあるか?
初心者を卒業したときのために、ショートカットやUIモード変更などが用意されていることは、意外と重要だ。「ポカヨケ」(勘違いや作業ミスを防止する仕組み)は十分か?
操作ミスを起こしそうな個所、タイミングについて考慮されている製品は優秀と言える。さらにUNDO(元に戻す)機能を備えていれば万全だ。機能要求は最低限かつシンプルに抑えているか?
想定した機能がなくても、他の機能の組み合わせや運用の工夫によってやりたいこと/やるべきことが実現できるなら問題はない。細かい機能を要求するのではなく、ベンダーがベストと考える方法を引き出すようにしよう。
3. 将来の変化を見越しておく
CMSは、初期導入プロジェクトよりも、運用期間のほうが長いという事実を忘れないようにしたい。運用開始後に問題になるのは、変化への対応だ。導入したCMSが足かせになってしまうのは避けたいところだ。
あらゆる変化を想定したか?
ブランド刷新、ビジネスモデル変更、M&A、上場、不祥事発生、天災などなど…、CMS導入後にもさまざまな変化は起こりうる。すべてに備えることはできないが、視野に入れておくことは大切だ。変更のコストは見積もったか?
仮に変更が発生した場合、その影響範囲や作業量、リスクやコストはどれくらいか、アバウトでよいから想定しておこう。運用後は、誰がどこまで対応するのか?
運用後に、テンプレートやワークフローなどの変更が必ず発生する。その影響範囲や作業量、リスクやコストはどれくらいか、アバウトでよいから想定しておこう。
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