4. プロトタイプに投資する
4. プロトタイプに投資する
CMSはまだ発展途上であり、売る側にとっても使う側にとっても、導入後の予測がしにくい。不確定要素を減らすため、プロトタイピングしてみるのも効果的だ。多少コストがかかっても、導入失敗や運用後の不具合を減らせるなら安いものだ。
利用シナリオをベンダーに伝え、自社向けのデモをしてもらうことは可能か?
無償で個別対応してくれるかはベンダーや導入規模によるので、まずは打診してみよう。実際のコンテンツを使い、部分的な実装をしてもらうことは可能か?
制作会社やシステム会社に発注し、自社のコンテンツを使ったテンプレートやワークフローを実装すると、より現実的でわかりやすい評価が可能になる。ただし、部分的な実装では見極めにくい問題点も内在することに注意したい。実際の利用者を使ってユーザビリティテストをすることは可能か?
さらにコストがかかるが、リアルなコンテンツ管理を、リアルなユーザーが評価するのが、もっとも確実だ。
5. 製品固定でベンダーのみ選ぶ
プロトタイプなどによる慎重な評価の結果、ベストな製品は1つしかないというケースもある。社内の購買規定で入札が必須の場合もあるだろう。そういう場合は、特定製品を指定しつつ、その販売代理店や導入ベンダーを入札で選定しよう。
販売代理店のサポート体制は充実しているか?
販売代理店は、製品価格の割引率や保守サポート体制、製品の知識・経験などで評価するとよい。実装ベンダーの提案内容は充実しているか?
実装ベンダーは通常どおり、提案内容や見積金額などで評価するとよい。
6. 複数の製品を選ぶ
あらゆるサイトに適したCMSは存在しない。対象サイトや関係者が幅広い場合は、それぞれに適した製品を選ぶという方法もある。
サイトをパターン化し、CMS製品を使い分けるケースは想定したか?
複数CMSの導入も1つの手段だが、増えすぎるとROIや生産性が下がるため、ある程度の集約は必要だろう。-
コンテンツを一元管理するリポジトリと、編集や配信を行うCMSは分離可能か?
これは今後の最新トレンドとなるだろう。他のCMSやSharePoint、DAM※からCMSにコンテンツを取り込む機能が実装されつつある。ただし難易度が高いことを忘れずに。※編注 「DAM」とは、デジタルアセット管理のシステムを指す。文書だけでなく、写真、動画、設計図など、あらゆる情報資産(アセット)を管理するシステムのこと。CMSがDAMの機能をもつ場合もある。
以上、ざっくりとチェックシート形式でまとめてみた。参考としてほしい。
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この記事の筆者
清水 誠(しみず まこと)
Webビジネス歴24年。UXとIAの分野を開拓後、楽天やWebCrewなどの事業会社においてIT・UX・アナリティクス活用による改革を推進。2011年に渡米し、Adobe Analytics(SiteCatalyst)の企画・開発・啓蒙に携わる。2014年に帰国し独立。コンセプトダイアグラム提唱者。
執筆・セミナー多数。2008年文部科学省アドバイザー委員。2014年Web人賞受賞。
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