企業ホームページ運営の心得

ぼくたちの失敗。たとえばぼくが釣ったら

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の八十

彼方からの手紙

「失敗しましたね」担当編集者からメールが来たときにはすでに遅し。公開されており変更できません。メディア報道に加えて、「ネット」での盛り上がりを考えれば織り込むのが基本だったのに……「悔しいです!!」とお笑いコンビ「ザブングル」のギャグが口をつきました。

何かというと、第75回コラム「キャラ立ちぬ。マンガ文化の恩恵をうけるなり」で平城遷都1300年祭りの「キャラ騒動」を取り上げたのであれば、その主人公「せんとくん」とライバル「まんとくん」をタイトルに織り込むことで、より多くの読者の興味を引き込めたのであろうことへの反省と悔しさを噛みしめたのです。しかも、タイトルと見出しの重要性を「ネタ」にしようとしていた矢先に。

そんな東スポに騙されて

新聞のイメージ画像

電車通勤をしなくなり残念に思うのが「東スポ」を毎日チェックできなくなったことです。東スポ=東京スポーツは駅やコンビニで販売されている夕刊紙で、過激な見出しと過剰な解釈が特徴です。宇宙人、人面魚、ゴム人間。眉に唾を塗りたくなるのですが、最近では「サザンオールスターズの活動休止」、古くは「宮沢りえヘアヌード」といったスクープもあるので侮れません。

新聞スタンドに納められたときに見えない折りたたまれた裏側に「疑惑」や「?!」マーク、もしくは「か?」とつけて疑問系にして逃げ場を用意しているのですが、思わず手に取りたくなる「見出し」に何度も騙され……いや、楽しませてもらいました。「ネット用語」でいうところの「釣られる」といったところでしょうか。

見出しやタイトルは興味を惹かせてコンテンツを読ませるためにあり、客の耳目を集められない「釣れない見出し」は失敗です。東スポの巧みな見出しは心地よく騙してくれます。

SEOと煽りと見出し

SEOの解説で「見出し」である「h(見出しタグ)」ばかりが言及されるのは悪い冗談ではないでしょうか。コンテンツとその見出しが重要なのは言うまでもありませんが、検索結果には「タイトル」と「要約」が表示され、その「見出し」はタイトル(タグ)が採用されると知るならば、こちらも説明しなければ片手オチです。SEOを施し、検索結果の1ページ目に表示されているのにアクセス数が伸びなければ、この見出しのせいかもしれません。このとき「クリックしたくなるタイトル」とキーワードの羅列ならばどちらが「釣れる」でしょうか?

「風呂釜洗浄」でSEOを施した際にタイトル(タグ)を「雑菌が一杯! 風呂釜洗浄」としました。きれい好きが無視できないであろうという狙いです。類例の多い「風呂釜洗浄なら●●」という社名との組み合わせならばどうでしょう? 超有名企業ならともかく、「●●」を知らなければ効果はありません。しかし、「雑菌」ならばわかりますし、「一杯」とあれば無視は難しいでしょう。

見出しやタイトルは煽り気味ぐらいがちょうどいいのです。

こうやるシンコベーション

説明や解説で長文となる場合は幾つかの「章」に分け、それぞれ「小見出し」をつけると読みやすくなります。小見出しには答えを示し知的満足を与えなければなりません。「ネットで検索」した利用者は「すぐに答え」を望み、数行読み、わからないものは捨て、「自分にわかる答え」を検索し始めるのです。自分の理解力に原因を求めず、常に責任は相手にあると考える傾向があります。この傾向は、見て貰うことで出会いが始まる「商売用」だからこそ意識しなければなりません。

少し上級者向けに小見出しでメリハリをつけるという手法もあります。同じく章に小見出しをつけていき、答えも示していきます。但し、その章では答えの解説はせずに、次の章へと委ねる「シンコペーション」です。

夢見る少女じゃ始まらない

アクセントを意図的にずらすことをシンコペーションといいます。ドラムが一拍早くシンバルをいれてグルーブ感をだすように、小見出しで「予告」をしておいて、その章では軽く触れ、詳しくは次章に譲ることで読者を「釣る」のです。そして前章からここまでが「シンコペーション」となります。

姑息と罵られても、卑怯と罵倒されても、見て貰うことが見出しの使命です。東スポのように「曲解」すれすれでも、詳しくは次章へと誘導してでも目に触れ、読んで貰わなければなりません。また、非難を気にしてはなりません。何もしない人が一番声高に文句を言うものです。告白もせず、ナンパもできない人が説く「明るい男女交際」や、ウブなネンネの妄想です。出会わなければ恋が始まらないように、出会わなければ商売は生まれません。検索エンジンでサイトを「目にした」としても、クリックしてくれなければ意味がないのです。

見出しとウェブと平田と聖子

目を惹く見出しが思い浮かばないときは「オリコン」をチェックします。お気づきの方もいるかもしれませんが、今回のタイトルはドラマの主題歌となった森田童子さんの曲(「ぼくたちの失敗」「たとえばぼくが死んだら」)からで、失敗に気がついた私の心象風景を表しています。また、冒頭の失敗は松田聖子さんの「風立ちぬ」。堀辰雄さんではなく。小見出しは原典がわからないかも知れませんが流行歌よりのインスパイア。

流行歌からのインスパイアは広告業界では「定番」です。流行歌は耳馴染みのよい言葉や語感をあらかじめ用意してくれています。

最後にもう1つ失敗を告白します。松田聖子さんのチョイスです。Web担当者Forumの想定読者、いわゆる「ペルソナ」は32才の平田祐介さん。1976年生まれと仮定すると、曲が発表された1981年では5才ですから、松田聖子さんより「サンバルカン」を見ていたことでしょう。だから平田さんをターゲットにするなら「大迷惑!? せんとくんとまんとくんゆるキャラ決戦!」といったところでしょうか。

歌は世に釣れ、もとい連れといいますが、見出しを流行歌から求めるならお客さんの世代も織り込まなければ効果は半減します。自戒を込めて。

余談ですが風立ちぬの1981年はガンプラ世代の私にとっては「哀・戦士」。マチルダさんは共通体験です。

♪今回のポイント

出会わなければ始まらない夏、もといウェブ。

タイトルや見出しに情念を込めて。

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