基本編

どうしても行き止まりになるファイルのタイプとは?

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どうしても行き止まりになるファイルのタイプとは?

ウェブサイトには、検索上有利で、入り口になりやすいページというのがある。皮肉なことにそうしたページは行き止まりになりやすいページでもあったりする。代表的なのは「PDF」だ。PDFファイルでもリンクを設置できるのだが、多くのサイトでは何のリンクもないPDFファイルをアップロードしている。PDFファイルをダウンロードして「よい情報を手に入れた」と喜んでいる人でも、リンクがないのだからそこで帰らざるを得ない。実際解析してみると、PDFが入り口になると95%の人がすぐに帰ってしまう。ところが検索エンジンはPDFが大好きで、よく上位に紹介してしまうのだ。

「細かな情報を伝えるページ」も入り口になりやすい。Q&Aのアンサー、ユーザーサポートの詳しい説明、研究開発部門の詳しい論文など、どれも検索から訪問者を集めやすいページだ。ユーザーでないと意味がないはずのサポートページに、ユーザーではない人が検索からたくさん訪れていたという、もったいない事例もある。

検索エンジンは、更新されたページの方が上位に表示されやすいので、更新頻度が高い「ニュースリリース」も多くの人を集めてしまうコーナーだ。しかも、Yahoo!ニュースなどがリンクを張ってくれたりすると、リンクポピュラリティも高くなって、非常に検索で紹介されやすいページになる。そこに「ニュースリリースの目次へ戻る」なんてリンクがあっても、訪問者のニーズにぜったい応えることはできないのだ。

こうした行き止まり型ページが入り口になることには注意が必要だ。入り口になったページだけを見てすぐに帰ることを「直帰」と呼んでいるが、図5の式で直帰率を計算してみると、50%を超える直帰率になっていることが多い。中には直帰率90%、つまり「1000人もそこに来てくれたのに、900人はすぐに帰っていました」というページさえある。これは決して珍しいことではない。こうしたページが増えているため、今や多くのサイトで、全訪問者のほぼ半数が1ページしか見ないで帰っているのだ。これでは効果が出るはずはない。そんな状況を放置したままで、コンバージョンレートを測ってもあまり意味をなさないだろう。

直帰率(%)=そのページだけを見て帰った直帰回数 ÷ そのページが入り口になった回数 × 100
図5 直帰率(%)=そのページだけを見て帰った直帰回数 ÷ そのページが入り口になった回数 × 100

ポートフォリオ分析で見つけ出すカイゼンすべきページとは

実際にアクセス解析した結果から、1つのポートフォリオを作って、サイトを改善するための“見える化”を行ってみよう。

図6を見てほしい。このポートフォリオでは、横軸に「入り口になる回数」(入り口回数)をとっている。右へ行くほど入り口回数が多いページ、左は入り口回数が少ないページだ。

図6 ポートフォリオ分析で改善すべきページを見つけ出す
入り口回数(集客力)が多くて、来た人を帰らせないという、集客力と誘導力のバランスのとれたページが理想。このポートフォリオの右下の隅に向かって各ページが移動していくように調整しよう

縦軸には、ページごとの直帰率をとる。上に行くほど直帰率が高く、下ほど直帰率が低い。これに実際にアクセス解析したページをプロットしていけば、すべてのページを4つのグループに分類できるわけだ。

第1グループ

図の右上、第1グループに属するページは、「多くを集客しているが、すぐに帰らせてしまうページ」。集客力が高いだけに非常にもったいないページだといえる。しかし、そのページに集客力があること自体は悪いことではないので、直帰率を下げ、図で下に向かって移動するように対策を行う。

第1のグループに属するページを特定したら、ぜひ、その1ページだけを対象に絞り込み解析を行ってほしい。そうすれば、そのページを訪れた訪問者の動機が明らかになる。どんなキーワードで検索してサイトに来ているかを見ればよいのだ。そのキーワードにまつわる情報を見ようと思って来ている人が多いのだから、それに対応したリンクを追加することが対策の基本だ。「りんご」で検索して来た人が多いなら、

りんごについてもっと詳しい情報をご用意しています

ということをリンクにするのだ。

要は、サイトに訪れる人がどんなニーズを持っているかが掴めるのだから、その人に向かって話しかけ、誘ってやること。営業マンなら、どう誘えば着いてきてくれるか、自社商品の特色に結び付けられるか、知っているはずだ。

第2グループ

左上の第2のグループは、「まだあまり入り口にはなっていない上に、来たら帰らせてしまうページ」。少しもったいない状態だ。本当はまず直帰率を引き下げる施策を打つべきだが、第1のグループよりも入り口回数が少ない分、問題度も強くはない。

そうたくさんのページに手を加えられるわけではないとすれば、このグループは後回しにするのが賢明だろう。優先順位は第1グループのページのほうが上だ。

サイトの成長因子を見つけて育てること

第3グループ

左下の第3のグループはどんなページ群だろうか。「まだあまり入り口にはなっていないが、来たら帰らせないページ」だ。これはよい。入り口になる回数を増やしてやれば、効率よくサイト内の巡回を増やすことができるだろう。これらのページこそサイトの成長戦略の要、あなたのサイトの成功のポテンシャルだといえる。これらのページがもっと入り口になるようにしてやればよいのだ。

第1のグループと同じように、1つのページだけを対象に絞り込み解析をし、そのページに訪れている人のニーズを探り出す。あとはそのニーズでもっと人が来るように、SEOやSEMを行えばよい。

ところが、現実にはこれと逆行することばかりが行われている。つまり、やみくもにサイト内に重要なキーワードを埋め込むような「適当SEO」を行ったり、たくさんのキーワードから同じページにリンクするような「適当リスティング広告」を出したりしているサイトが多いのだ。

そうすると何が起こるか。そう、第2のグループに属している、「まだあまり入り口にはなっていない上に、来たら帰らせてしまうページ」の入り口回数ばかり増えていくことになるのだ。“慌てるSEOは貰いが少ない”という格言を覚えておこう。これではコストばかりかかって効果が上がるはずがない。

第4グループ

理想は右下の第4のグループ、「多くを集客して、来たら帰らせないページ」だ。ここに入るページが増えれば、あなたのサイトは成功に向かって動き出す。

このポートフォリオは、ぜひオフィスにでも貼り付け、「第1グループのページに行った直帰率低減策はうまくいったから、次は同じ第1グループのこのページだ」といった具合に、順番に対策していってほしい。

集客力はあるのに行き止まりとなっているページを発見して改善する緊急対策。意外なニーズに応えて地味に活躍しているページを伸ばす成長戦略。この2つを順番に展開すれば、サイトは必ずよくなるのである。

※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウ vol.4』掲載の記事です。


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