基本編

そもそもアクセス解析ではどんな項目が記録されるのか

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そもそもアクセス解析ではどんな項目が記録されるのか

アクセス解析ではどのような情報を解析できるのだろうか。基本的なサーバーログ型で解析できる項目を見てみよう。

訪問者がブラウザーでページを表示しようとするたびに、ウェブサーバーは図2のような項目をログファイルに保存する。これがアクセス解析で利用できる情報だ。

図2 サーバーのアクセスログに記録されている項目。
図2 サーバーのアクセスログに記録されている項目。

この例では、訪問者はa.htmlというページを見たいと要求した(3)。また、このサイトのindex.htmlにあるリンクをクリックしてきたことがわかる(6)。時間は、日本時間の2006年2月15日、午前0時10分12秒だ(2)。このユーザーは、Windows XPでIEを使っているらしい(7)。

「200」の応答コードが示されているので、このリクエストは正常終了している(4)。もしこれが「404」なら、a.htmlへのアクセスがあったがa.htmlはサーバーに存在しなかったことがわかる。つまり、リンク切れが起こっているため、index.htmlに書かれているa.htmlへのリンクを修正する必要がある。

このユーザーは191.168.1.107というIPアドレスを使っている(1)。

解析時に訪問者のIPアドレスの情報をDNSサーバーに問い合わせれば、どの接続業者の会員か、どの会社のLANから見ているかを調べることもできる。高度なサービスならば、都道府県を割りだして日本地図上に描き出してくれる場合もある。「店舗があるのに広島県からのアクセスが少ないな、もっと“広島”というキーワードでSEOしなければ」といった判断ができるありがたい項目だ。

ページビュー、ヒット、リクエスト
その数値は何を表す?

ユーザーがウェブページを表示する際には、さまざまなアクセスが発生する。HTMLやCGIなどのコンテンツそのもの、GIF、JPG、Flashなどのビジュアル素材、PDFやEXEなどのダウンロードファイル、さらには訪問者が意識できないJavaScriptやCSSなどの舞台裏ファイルなど、アクセスの内容は多岐にわたるのだが、この「アクセス」は大きく3つに分けられる。

  • ユーザーが「このファイルのデータが欲しい」とサーバーに送った要求は(エラーであっても)すべて“リクエスト”と呼ばれる。
  • リクエストされたファイルがサーバーに存在した場合、そのファイルが画像であれページであれ何であれ、“ヒット”と呼ばれる。
  • ヒットのうち、HTMLやPHP、CGIなどのコンテンツとなる「ページ」に対するアクセスが“ページビュー(PV)”と呼ばれる。

画像が10個使われているページに1回アクセスがあれば11ヒット/1PVになり、画像が1つもない文字だけのページに5回アクセスがあれば5ヒット/5PVになるのだ。

ウェブビーコン方式では「ページ」以外にはビーコンを埋め込めない場合も多い。最近はPVが重視されているので通常は問題ないのだが、商品をクリックすると別ブラウザーが開いて拡大画像だけを表示するサイトなどでは、どの商品の拡大画像が多く見られているか、つまりどの商品への関心が高いかを調べるには画像へのアクセスを分析できるソフトが必要だ。

解析ツールの用語定義をしっかり把握
ツールによって異なる定義や表現

ヒットやPVの意味はわかっていても、初めてアクセス解析を行うときは、その他の用語にとまどう人も多いだろう。マーケティングの世界では耳慣れない言葉や固い翻訳語が混ざるために、難しい印象を受けがちだ。各ツールには、どんな情報を重視すればウェブマーケティングが成功しやすいか、という願いが含まれているので、それぞれの特色を反映した言葉づかいになっているだけである。

アクセスに関する数字は、PVやヒットを束ねる形で大きく次の3つに分かれる(ツールによって表現が異なる場合がある)。

  • “訪問”:サイトを訪れてから出ていくまでのアクセスを1つの訪問と考えたセット(図3
  • “訪問者”:IPアドレスとエージェント(OSなどの情報)から見た1人の人のアクセス
  • “ユニークブラウザー”:クッキーなどから同じマシンを使って訪れたと判断できる一連のアクセス
図3 アクセスと訪問。
図3 アクセスと訪問。

たとえば1200ヒット/550PVを解析すると100訪問あり、ユニークブラウザーは80となるが、同じ期間に何度も訪れている訪問者のうち何人かがダイアルアップで訪問ごとに違うIPアドレスだったので延べ人数としては90訪問者となる、といった具合で数字が変わってくる。

解析ツールによっては“新規訪問者”と“リピーター”を区別してカウントできるものもある。マーケターとしては、気になる数字だが、延べ人数だけで大丈夫と考えるウェブマスターもいる。どんなデータが必要なのかをよく考えて、解析ツールを選ぶようにしたい。

ロボット訪問の驚くべき数!
「訪問」には何が含まれるか

ウェブサイトを訪れるのは人間だとは限らない。たとえばインターネットマガジンのウェブサイトでは、40%程度のページビューが人間以外によるものだ。表2のように検索エンジンのロボットには頻繁に多くのページをクロールしていっているし、登録したサイトが更新されたかどうかをチェックする自動巡回プログラムも増えている。ページビューにしても訪問にしても、こうした人間以外のアクセスをどの程度除外/区別しているのかはアクセス解析ツールによって異なるが、多くの解析ツールでは設定によってある程度変更できる。初期設定のまま複数のソフトを使うと数字が大きく異なる場合があるが、正しく設定して、欲しい情報が適切に表示されるように調整しよう。

表2 あるサイトの1か月の例だが、Googleのロボット(Googlebot)は月に16万PV、Yahoo!のロボット(Yahoo! Slurp)は5万回もサイトを訪れている! GoogleとYahoo!のロボットがこんなに訪れるサイトも珍しくない。
エージェントに記録されたロボット名ページビュー数訪問回数
Googlebot/2.1(http://www.google.com/bot.html)164,2014,246
Mozilla/5.0(compatible; Yahoo! Slurp; http://help.yahoo.com/help/us/ysearch/slurp)105,17051,905

人間の訪問も、サイトによって大きく異なる。社員からのアクセスが大量に含まれているサイトでは、そのIPアドレスを除外しないと正確な顧客動向はつかめないだろう。営業部がみんなノートパソコンのブラウザーを立ち上げると自社サイトを表示するように設定している場合、たくさん来ていると思ったら社員ばかりだった、ということもある。

携帯サイトを含んでいると、IPアドレスが基地局に依存するため、アクセスの最中にIPアドレスが変わる場合もあり、人数が特定しづらいこともある。

集計できる項目にはどんなものが?
集計結果の組み合わせで深い分析を

前述のように、アクセス解析ではさまざまな情報を解析できる。つまり、情報を組み合わせれば、さらにたくさんの項目を分析できるわけだ。たとえば、ある人の2つの連続したリクエストが次のようになっていたとしよう。

12時5分10秒 index.htmlをリクエスト
12時5分22秒 a.htmlをリクエスト

この場合、index.htmlを12秒見てからa.htmlに移動したことになる。ここから各ページや訪問者の滞在時間を分析できる。じっくり見せたいページの平均滞在時間が長いと良いが、短いとちゃんと読まれていないので、ユーザーニーズとすれ違っていると考えなければならない。ただし、「じっくり見せたいページ」がどれかをウェブマスターが理解していなければ適切な分析はできないことに注意が必要だ。

つまり、アクセス解析ソフトは、どんな優秀なものでも、多く利用者が解析ニーズに合った「分析の素材」を提供するものに過ぎない。出た結果を読み取る段階では、使う側がいくつかの数字を組み合わせることが欠かせないのだ。

あるサイトが10万訪問、20万PVあるとしよう。アクセス解析ソフトの仕事はこうした項目をそれぞれ集計することだ。どちらの数字も大きくてすばらしいと言いたいところだが、2つの数字をつき合わせると、1訪問あたり2PVしか見られていない。同じページビュー数で2万訪問ならば、平均10PVで良く閲覧されるすばらしいサイトということになる。2万訪問よりも10万訪問が良い、とは限らないのだ。

4割が1ページしか見ずに帰るようではSEO対策も効果なし

訪問の最初のページを「エントリー(入り口)ページ」と呼ぶ。

たとえば、アクセス解析ソフトの表示では、index.htmlが1,000訪問の入り口となっていたとしよう。これだけ見れば、このページは集客力のあるすばらしいページに見える。ところが、「1ページしか見ないで帰った訪問」という項目を見ると、600訪問ではindex.htmlページだけを見て他のページは見ないで帰っていたとしたらどうだろう。このページは、集客力は大きいが、サイト内の他のページに人を導かない問題ページだとわかる。

実際に、多数の訪問を集めているのに1ページだけで帰る人が多い問題ページは意外に多い。多くのサイトでは、総訪問者数の4~6割が1ページしか見ていないのが実情である。これではウェブからの効果は期待できない。

この状況でSEO対策をやっても、効果は上がらないだろう。SEOで1万人増えても、うち6千人が1ページしか見ないで帰ってしまっているとしたら、「費用対効果」のはるか以前の話と言う他ない。

アクセス解析を行うのは、「数字を見て記録する」ことが目的ではない。こうした問題の所在をつきとめ、より効果が高まるようにサイトを改善するためだ。思わぬ長所が発見できる場合もある。

次回からは、どうやって問題を見つけて改善するか、長所を見つけてそれを伸ばすか、具体的な例を挙げて見ていくことにしよう。

図4 直帰率と入り口数のバランスとSEOの効果。
図4 直帰率と入り口数のバランスとSEOの効果。

※この記事は、『Web Master完全ガイド vol.2』掲載の記事です(掲載時タイトル「実践!アクセス解析道場」)。

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