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デジタル予算、マーケ施策とその効果、SNS活用、顧客体験向上への投資など【デジタルマーケティング大調査2022】 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

4 years 3ヶ月 ago
オンライン通販利用者1015人を対象に行ったデジタルマーケティング調査のまとめ

オンライン小売事業者に行なったデジタルマーケティング調査から、予算、戦術、メールやソーシャルメディアの成功例までを解説します。

『Digital Commerce 360』が2022年4月~5月にかけて実施した調査(オンライン小売事業者73社が対象)から、デジタルマーケティングの予算、実施した施策、費用対効果、顧客獲得戦略などをまとめました。

急成長するソーシャルメディアマーケティングについても、インフルエンサーの役割も含めて掲載。小売企業のデータ分析能力、すべてのマーケティング活動を支えるテクノロジーについても説明しています。

マーケ活動に占めるデジタルの役割が増加

デジタルマーケティングの予算は多岐にわたり、小売企業の規模、オンライン販売専業なのか、店舗展開をしているのかなどにも影響されます。また、デジタルエクスペリエンスが進化し、デジタルが担う役割が変化しているため、オンライン販売を開始してからの期間も考慮すべき点です。

今回の数字を集計すると、マーケティング全体のなかでデジタルに特化した活動の割合、予算の変化などは次のようになります。

マーケティング予算全体(総額)のうち、オフライン広告と比較したデジタル広告の比率
マーケティング予算全体(総額)のうち、オフライン広告と比較したデジタル広告の比率(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

2022年に小売事業者の66%がデジタルマーケティング予算を増加した一方で、23%は横ばいです。デジタル予算の現状を知ることで、一旦立ち止まり、年々どのよう変化が起きているのか振り返ることができます。

2021年と比較した2022年のデジタルマーケティング予算
2021年と比較した2022年のデジタルマーケティング予算(総額、出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

この先、同様の成長パターンで予測した場合、小売事業者の72%が来年はデジタル広告費が増加すると予測しています。

2022年のデジタル広告費の変化(2021年比)に関する予測
2022年のデジタル広告費の変化(2021年比)に関する予測(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

デジタルマーケティングの具体的手法と効果

小売業がどのような戦略をとっているかを見てみましょう。

デジタルマーケティング施策として、10社中7社がメール、検索エンジン、コンテンツマーケティング、そしてFacebookを採用。InstagramとYouTubeは60%が導入しており、その他のインフルエンサーマーケティングは58%が導入しています。モバイル広告も重要で、モバイル経由で多くの販売が行われており、同じく60%に達しています。

また、Amazonの広告(49%)とAmazon以外のマーケットプレイスの広告(51%)は、eコマースにおけるマーケットプレイスの役割の高さを反映しています。

デジタルマーケティングで行なっている施策
デジタルマーケティングで行なっている施策(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

予算の11%以上を特定の施策に費やす事業者も調査しました。その結果、検索連動型広告が41%、検索エンジンマーケティングが38%、Eメールが36%となっています。

デジタルマーケティングの予算に占める各施策の割合
デジタルマーケティングの予算に占める各施策の割合(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

最も効果的なマーケティング施策は、Eメール、検索連動型広告、検索エンジン、コンテンツマーケティングです。ソーシャル面では、Facebook(39%)、Instagram(21%)、YouTube(25%)、TikTok(18%)と続き、小売事業者のマーケティング活動の幅の広さが反映されています。

また、マーケットプレイスでは、Amazonの広告が38%と高いパフォーマンスを示しています。その他のマーケットプレイス広告は、調査対象者の26%にしか効果がありませんでした。

2021年のデジタルマーケティングで、効果のあった施策について
2021年のデジタルマーケティングで、効果のあった施策について(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

小売業は、新規顧客獲得に力を注ぐ必要があります。そのため、小売企業の半数以上がマーケティング予算の30%以上を新規顧客獲得に投下しています。新規顧客獲得に20%以下しか費やしていない事業者は29%。今こそ、新規顧客を継続的に獲得するために、最も効果的な戦術を活用し、最適化する機会です。

デジタルマーケティング予算で新規獲得施策に投じる割合
デジタルマーケティング予算で新規獲得施策に投じる割合(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

ソーシャルメディア広告の活用

ソーシャルメディア広告に注目します。調査対象となった小売事業者にとって、ソーシャルメディア広告がどのように機能しているかを理解したいと考えました。

調査結果によると、半数以上の小売事業者が、売上促進とブランド認知度向上のためにソーシャルメディア広告を利用しています。

ソーシャルメディア広告の目的
ソーシャルメディア広告の目的(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

「成功」しているのはFacebookで、オンライン小売事業者の52%はROI(費用対効果)は高いと感じています。以下はInstagramが42%、YouTubeが38%、LinkedInが32%となっています。

ROIの観点で成功したソーシャルメディア
ROIの観点で成功したソーシャルメディア(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

小売事業者は、ソーシャルメディアを最適化するためにさまざまな取り組みをしています。ソーシャルメディアマーケティングを最適化するために必要なリソースに関して、運用状況を調べました。

多くの場合(44%)は社内に1人の運用担当者を置いていますが、21%は複数のスタッフが運用に関与しています。3社に1社は、ソーシャルメディア広告の最適化のために代理店を利用しています。

その他に得られたインサイトとしては、ソーシャルメディアは常に変化しており、調査対象の25%が常にキャッチアップしている状態であると回答。ソーシャルメディア施策の推進をテクノロジーに依存していると答えたのはわずか12%でした。

ソーシャルメディアマーケティングをプラットフォームごとに最適化するために実施している取り組み
ソーシャルメディアマーケティングをプラットフォームごとに最適化するために実施している取り組み(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

インフルエンサーの活用

デジタルマーケティングの調査で、インフルエンサーに関する質問は必須でしょう。インフルエンサーの役割は多面的で、小売事業者のブランド認知度向上(40%)、Webサイトへのトラフィック誘導(30%)、売上促進(26%)に役立っています。

ただ、25%の小売事業者がインフルエンサーのコストが高過ぎると懸念しているように、一部の小売事業者にとっては難しい問題です。21%はインフルエンサーに興味はあるが、期待するROIを見出せていないと回答しています。

さらに、23%が適切なインフルエンサーを見つけるのが難しいと感じています。14%は、インフルエンサーが自社に適していないと考えており、10%は自社がインフルエンサーを利用すべきかどうかを理解するのに時間をかけています。実際にインフルエンサーを活用するには、どうすれば良いのでしょうか?

インフルエンサー活用について
インフルエンサー活用について(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

マーケティング活動をサポートするツール活用

小売業は、アナリティクスやデータの可視化を始めとして、マーケティング活動をサポートするために複数のプラットフォームを使用しています。今回引用したテクノロジーの多くは、すでに導入され、複数の役割を担っている可能性があります。

マーケティングプラットフォームやテクノロジーの活用について
マーケティングプラットフォームやテクノロジーの活用について(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

具体的な技術を1つ取り上げると、28%の小売事業者がマーケティング施策の強化のため、2022年にAIを導入、または導入する予定を立てていることがわかりました。

マーケティング目的で人工知能/機械学習の活用を採用または強化する場合のスケジュールについて
マーケティング目的で人工知能/機械学習の活用を採用または強化する場合のスケジュールについて(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

小売企業のマーケティングデータおよびアトリビューションの分析能力はまちまちです。調査結果を見ると、61%が自らを平均以上(6-10)であると見ている一方、39%は自分たちの能力が十分でないと評価しており、平均かそれ以下(1-5)と回答しています。効果的なデータ分析はビジネスの成功に影響を与えるため、すべての小売事業者は、必要なトレーニングやツールを得ることが不可欠です。

マーケティングのパフォーマンスデータやアトリビューション分析の効果
マーケティングのパフォーマンスデータやアトリビューション分析の効果(1〜10段階で、10が非常に効果的。出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)


マーケティング効果を上げるための課題は山積しています。回答者の41%が「施策の効果的な分析」を、30%が「効果的なデータ分析」を課題としてあげています。

小売事業者にとってより不満なのは、絶え間ないルールの変更、マーケティングミックスの多様化、そして収益性でしょう。これらも、マーケティング課題の上位にあげられています。

施策の組み合わせが理想的であることを理解していますが、それらをどのように展開するのが最善かを判断するのは困難です。そして収益性も課題です。30%がマーケティングキャンペーンの費用を課題としてあげています。費用をかけるのは簡単ですが、多くの場合、最終的な利益を無視しています。

マーケティングの観点から見た最大の課題
マーケティングの観点から見た課題(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

マーケティングの最新動向

小売事業者が直面するもう1つの課題は、サードパーティデータ対策です。今回の調査結果によると、32%のマーケティング担当者はこの課題への最適な対処法を模索中で、27%は戦略を変更していません。

これに対し、「調整中」と回答したのは21%でした。また、サインアップを促進するクリエイティブな方法を模索したり(26%)、ファーストパーティデータをより優先させる(25%)といった意見もあります。

AppleとGoogleがサードパーティデータを排除するポリシーを実施したことによるマーケティング戦略への影響
AppleとGoogleがサードパーティデータを排除するポリシーを実施したことによるマーケティング戦略への影響(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

小売業は、ブランドが大切にする価値観に基づくマーケティングに関してさまざまな戦略を採用しています。

小売業がマーケティングにブランドの価値観を取り入れることはよく知られていますが、この傾向についても調査しました。33%の小売企業が戦略を持っていませんが、同数の小売企業がeコマース体験に価値観を取り入れたマーケティングを組み込んでいます(33%)。

32%はソーシャルメディアに活用し、25%は場合に応じてブランドが大切にする価値を伝えています。今後については、どのような反響があるかテストしているグループ(14%)と、2022年の展開に向けて前向きに構築しているグループ(11%)がありました。

ブランドが大切にする価値観や大義に基づくマーケティングについて
ブランドが大切にする価値観や大義に基づくマーケティングについて(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

eコマースの低迷により、デジタルマーケティングの予算は流動的になるでしょう。適切な戦術を選び、その効果を測定することが、これまで以上に重要になります。Eメールなどの従来の手法や、進化し続けるソーシャルメディアを活用することは価値があります。

オンライン小売事業者は、自社ブランドにとって最高のパフォーマンスを実現するために微調整や最適化を行いながら、大きな成果を出すためにテクノロジーを活用することでしょう。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん、白川久美さん、中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360
Digital Commerce 360

海外向けECはなぜやった方がいい? 成功のポイントとは?【インターファクトリーとジグザグの対談】

4 years 3ヶ月 ago
2022年3月に資本業務提携を締結したインターファクトリーとジグザグが、コロナ禍を経た越境EC事情、越境ECを成功に導くヒントなどについて語り合った
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少子高齢化などを踏まえEC事業者が注目しているのが越境ECだ。クラウドコマースプラットフォーム「ebisumart(エビスマート)」のインターファクトリーは越境支援サービス「WorldShopping BIZ(ワールドショッピングビズ)」のジグザグに出資。資本業務提携を通じてebisumartユーザーの“越境EC”を成功に導くサポート体制を整えた。越境ECに詳しいインターファクトリーの渡邉洋祐氏とジグザグの鈴木賢取締役が、越境ECの現状、成功のヒントなどを語り合った。写真:吉田浩章

インターファクトリーの渡邉洋祐氏とジグザグの鈴木賢取締役が、越境ECの現状、成功のヒントなどを語り合っ

2022年、再燃する越境ECへの進出需要

新型コロナウイルス感染症拡大に伴いインバウンド需要が減少したため、日本製品をネットで購入する越境ECニーズが拡大している。EC事業者へのサポートを通じて、現状のマーケット、国内EC事業者による越境ECへの取り組みなどを2人はどのように捉えているのか。

鈴木賢取締役(以下鈴木) 2020年に越境ECニーズが急拡大しました。多言語対応・海外決済・海外配送までを一気通貫で提供する越境EC対応サービス「WorldShopping BIZ」導入サイトでは、前年比4-5倍といった勢いで海外ユーザー数や流通額が伸びました。コロナの影響で実店舗の売り上げが減少するなか、EC事業拡大の1つとして越境ECを検討・実施する事業者が増えたことも要因の1つです。ただ、2021年はその動きが一服したという感覚です。

渡邉洋祐氏(以下渡邉) 2020年後半から2021年中盤は越境ECへの事業者ニーズが一段落したという印象ですよね。それは越境ECが落ち着いたのではなくて、OMOやDXをメインに国内対策を事業者が優先していた影響でしょう。2021年中盤から、越境ECを検討しようと動き出す事業者が増えてきたと感じています。インターファクトリーは良いタイミングでジグザグと資本提携することができました。

越境ECは、自前主義よりも「まずはやってみる」

越境ECを検討する事業者は増えている。ただ、「どうすればいいのか」「何から始めればいいのかわからない」といった事業者も少なくない。越境ECの検討・スタートにおける重要ポイント、気をつけておきたいこととは?

鈴木 自社で越境ECの仕組みを作ろうとする、いわゆる自前主義はまず検討フェーズでは考えない方がいいですね。検討からスタートまで相当な時間を要してしまうからです。

大幅なサイト改修を伴わずに専用タグを自社ECサイトに設置するだけで越境ECに対応できる「WorldShopping BIZ」のように、手軽に越境ECをスタートできる環境がありますので、「まずはやってみること」が重要です。「WorldShopping BIZ」は決済や物流、カスタマーサービスもジグザグが担うため、EC事業者には「まずは越境ECをやってみてください」と話しています。

渡邉 私も過去、海外バイヤーによる転売目的での大量購入や海外からの不正購入で大きな損害を被った経験があります。海外向けのリスクを減らしたいといった事業者は少なくありません。たとえば、海外向けに販売できる商品を選定できるなど、自社で簡単にコントロールできるとハードルは下がりますよね。

鈴木 積極的に越境ECを始める事業者はごく一部で、環境を用意してもなかなか動かないのが圧倒的に多いです。そうしたブランドに「なぜ箱があるのに越境ECをやらないのか?」と聞いたところ、「ある商品は海外展開したくない」「一部商品のみにとどめたい」といった声があがりました。

「WorldShopping BIZ」では除外システムを開発、「ある商品は世界に向けて販売しない」「特定の国には販売しない」といったことを担当者ベースで設定できるようにしました。

また、オペレーションコストについても触れておきたいところです。越境ECを行うと、海外からの問い合わせ対応が発生するので、外国語を話せるスタッフの採用を検討しなければなりません。ただ、新たな人件費を賄えるだけの利益を海外向けで生みだせるのか? と聞かれると、社内では誰も答えられません。だって、やってみないとわからないですから。

渡邉 越境ECも実店舗の爆買いのように実現できるというイメージを持ち、高い理想を掲げる経営者も多いですよね。経営層から下りてきた大きな難題をどうすれば実現できるのか――。知識や経験もあまりないなかで現場は混乱し失敗してしまう、もしくは何もできないといったパターンは少なくありません。ECは、顧客のニーズを知り、どのようなアプローチができるのかを考え、広告などもしっかりターゲティングしていくことが重要です。

これは海外向けでも同じです。国別のニーズを1つひとつすくい上げ、対象マーケットを広げていくといった地道な取り組みも必要です。事業計画や予算計画なども一緒で、越境ECの課題となる言語・物流・決済、不正購入対策、カスタマーサポートなどをどのような規模感で、どのように体制を組むのかまずはイメージすることが重要です。

インターファクトリーの渡邉洋祐氏
インターファクトリーの渡邉洋祐氏(ビジネスディベロップメント部カスタマーサクセスチーム)

翻訳は完璧じゃなくていい、完璧主義からの脱却を

数多くのEC事業者の成功事例を見てきたインターファクトリーとジグザグ。クライアント事例を踏まえ、越境ECを成功に導くためのポイントに言及した。

鈴木 「WorldShopping BIZ」は既存サイトが日本語のままでも、海外ユーザーが買い物できる仕組み(海外IPアドレスとブラウザ言語を識別し、海外ユーザーに最適化した「多言語ナビゲーション」「かな入力が不要なフォーム」などを表示する)を提供していますが、導入企業の8割以上がまだ日本語のECサイトのみ。

しかし、日本語のサイトでも海外ユーザーは商品を購入します。ただ、もう少しフレンドリーな翻訳対応が日本企業側でできていると、確実にコンバージョン数は増えるだろうと感じています。

渡邉 “フレンドリーな対応”は重要ですよね。日本人の特性なのか、完璧主義が多く、何でも完璧にしなければいけないという考えを持っている方が多い。でも、固有名詞が含まれたりもするので完璧な翻訳って難しいですよね。商品名、新着情報、トピックスが追加されるごとに、それを全て多言語対応するのは非現実的。海外ユーザーはそこまでの対応は求めておらず、もっと違うことに注力する方が“フレンドリーな対応”となるかもしれません。

鈴木 “フレンドリーな対応”というのは、気持ちよく買ってもらうために、少しずつECサイトの内容を良くしていきましょうということです。ただ、どうしても完璧主義的なところが出てしまうことはありますよね。

ではどうすればいいか? たとえば、カテゴリーを日本語と英語で表記する方法は効果的です。ズボンのカテゴリーの場合、ズボン(pants)と併記するような方法です。カテゴリーを英語と併記すると、トップページからカテゴリーページ、商品ページといった誘導ができるようになります。これは結構重要なことで、日本語のわからない海外ユーザーにとってとても親切に映るので、コンバージョンも変わってくると思います。

渡邉 動線作りの工夫は重要ですよね。「WorldShopping BIZ」の除外システム機能を使い、まず5商品だけ海外向けに販売するカテゴリーを用意。そのカテゴリーだけを海外ユーザーが閲覧できるようにする、といった方法もできますよね。

鈴木 手始めに1か月ほど越境ECに対応し、どのような反応が出るのか、どういった影響が出るのかを見るということが「WorldShopping BIZ」なら可能です。問題がなければ、本格展開、専用サイトの開設、マーケットの拡大などいろんな選択肢に着手できるようになります。

ジグザグの鈴木賢取締役
ジグザグの鈴木賢取締役

海外マーケットに目を向けることの意義、重要性とは

日本だけに目を向けていると、商機を逸失する可能性があると鈴木氏、渡邉氏は言及する。海外には独自の買い物イベントがあり、トレンドも異なる。日本と海外を組み合わせることで、通年で販促イベントに参加するといったことも可能になる。

鈴木 海外では、ブラックフライデーのような世界的な買い物イベントが多い。たとえば、買い物イベントの時期に円安が重なれば、財布のひもが緩む海外ユーザーにとって日本製品はとても魅力的に映ります。思考を変えるだけで、販路、商機は一気に増えるんです。

越境ECを始める上で重要なことの1つに、思考のグローバル化もあげられるでしょう。特にアパレルECは世界トレンドで動いています。海外の買い物イベントに合わせて日本企業も動いていけば、商機は増えるのではないでしょうか。

渡邉 EC事業の年間計画では、販促スケジュールを立てますよね。たとえばアパレル業界では、イベントが何もなかったり、2月・8月に売り上げが落ち込むといったことがあります。しかし、海外に目を向けていればどうでしょうか? 国内向けでは買い物イベントはなくても、海外で行われていればそこで販促活動を行うこともできるかもしれません。

また、越境EC=外国人とイメージしてしまいますが、海外に住んでいる日本人もターゲットになります。その人たちにもきちんとアプローチをする手段にもなり得るわけですから。こうしたことを含めて、多くの事業者に、改めて可能なところから越境ECへ目を向けていただき、より安心安全な環境で海外マーケットのファン獲得にもつなげていただきたいと思います。

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石居 岳
石居 岳

OMO型店舗を拡大する青山商事、ネットとリアルの融合システム「デジラボ」を120店舗導入予定

4 years 3ヶ月 ago

青山商事は今期(2023年3月期)、「洋服の青山」120店舗にネットとリアルの融合システム「デジラボ」を導入する。2022年3月末時点で導入店舗数は155店舗。6月14日から順次開始し、来店した顧客に「洋服の青山」ならではの買い物体験を提供していく。

「デジラボ」は、ネット連携による豊富な在庫数とリアル店舗の接客サービスの両メリットを最大限に生かした青山商事の独自システム。導入店の店内には、全店の在庫と連動するタッチパネル式の大型サイネージやタブレット端末を複数設置。顧客はこれらの端末を使い1000万点以上ある在庫のなかから好みの商品を選ぶことができる。

青山商事が展開するネットとリアルの融合システム「デジタル・ラボ」
「デジタル・ラボ」のイメージ

販売員の接客を受けながら商品の色柄や着心地などを確認した上で購入することも可能。システムを利用して商品を購入すると商品は自宅配送になる。購入後は手ぶらで帰ることができ、後日店に商品を受け取りに行く手間も不要となる。

また、店舗とECサイトの両方を利用する併用顧客の拡大にもつなげている。

「デジラボ」の導入店では、同じ色柄のスーツをサイズ別で保有する必要がなく、限られたスペースで多くの種類を陳列できることから、開始当初は主に都市部の売場面積100坪未満の狭小店を中心に導入してきた。ただ、ネット連携による豊富な品ぞろえと利便性の高さなどが反響を呼んでおり、現在では全国の大型・中型店への導入も進めている。

システムを導入した店舗ではスーツ売り場の一部を縮小。オーダースーツコーナー・テレワークにも対応するビジネスカジュアル商品やレディース商品を拡充するなど、売り場の再構築を行っている。

中期経営計画で掲げたOMO戦略による顧客接点の拡大では、店舗とECを相互利用する併用顧客を増やし、店舗とECそれぞれの売上高を拡大する方針を掲げている。「デジラボ」の導入で、在庫の縮小と売り場スペースの創出によって新アイテムやサービスを投入。接客端末などを活用したオンライン接客で、顧客接点を拡大していく。

2022年3月期のEC売上は前期比横ばいの26億円だが、デジタル会員数は堅調に増加している。2021年3月末時点でメール会員、アプリ会員を中心としたデジタル会員は合計1283万人だったが、2022年3月末時点では前期比193万人増の1476万人に増加している。

青山商事のEC売上高の推移と計画
EC売上高の推移と計画

メールアドレスなどの顧客基盤は拡大。「デジラボ」のECシステム利用売上も着実に増えているという。

青山商事のデジタル会員の推移
デジタル会員数の推移

石居 岳
石居 岳

Hameeは化粧品事業を約100億円に拡大する計画。コマース事業の中期経営計画まとめ

4 years 3ヶ月 ago
Hameeが発表した3か年の中期経営計画では、最終年度のコマース事業における売上高は193億8300万円を計画。2022年4月期のコマース事業売上高は101億8900万円だったため、約9割増を見込む

携帯ストラップの仕入れ販売から、現在は販売額全体の約9割を自社製品が占めるになったHameeのコマース事業。携帯ストラップからスマホ関連グッズに転換、自社製品の取り扱いによるD2C、量販店への卸販売といたオムニチャネルを展開してきた。そして今、進めているのが既存事業を生かした新規事業。化粧品市場への進出など、Hameeが進めるコマース事業の中期経営計画をまとめた。

樋口敦士会長がモバイル周辺アクセサリーの企画・販売・ECを目的にマクロウィル有限会社を設立したのは1998年。2006年に商号をStrapyaNextに変更した当時、主力商材は社名の通り携帯電話用ストラップ。

時代は変わり、市場ではスマホが台頭。Hamee(2013年に社名変更)もその変化に対応し、自社で企画したスマホケースなどのグッズを扱うようになる。

かつては仕入れ販売が中心だったが、現在は販売額全体の約9割を自社製品が占める。価格競争の回避に加え、メーカーという立場から量販店への商品卸も手がける。量販店の流通網を活用しながら、リアルと卸、ネットのトレンドを把握して商品を展開するといったオムニチャネル的なビジネスモデルもHameeの強みである。

Hameeが手がるコマース事業
Hameeが手がるコマース事業(画像はHameeの中期経営計画から編集部がキャプチャ)

そんなHameeのコマース事業が進めているのがスマホグッズに次ぐ収益の柱作り。2021年にゲーミングモニターブランド「Pixio」を展開するPixio USA Inc.と独占販売代理店契約を締結。ゲーミングアクセサリー事業を始めている。

また、ライフスタイルブランド「iFace(アイフェイス)」から、コスメブランド「ByUR(バイユア)」を立ち上げ、コスメティクス事業(化粧品事業)に新規参入。2022年1月のリリース移行、ネット通販、卸販売を展開している。2022年2-4月期(第4四半期)には億単位の広告宣伝費を投下した。

ゲーミングアクセサリー事業のCAGR(年平均成長率)は25%増を計画。2025年4月期の売上高は11億円まで拡大させる。

ゲーミングアクセサリー事業の計画
ゲーミングアクセサリー事業の計画(画像はHameeの中期経営計画から編集部がキャプチャ)

大きな事業拡大を見込むのがコスメティクス事業だ。2023年4月期は7億円の売上高にとどまるものの、3か年の中期経営計画(中計)最終年度の2025年4月期は45億円まで拡大。2027年4月期は92億円の事業に育成する。

コロナ禍で化粧品市場は顧客ニーズが変化、特に若年層における「綺麗な素肌を保ちたい」「メイク中も素肌に負担をかけたくない」といったスキンケアニーズが広がっている。

ターゲットは、コマース事業のメインブランドで世界累計2000万個超(2020年12月末時点)を販売した「iFace」の主要顧客である若年層。「iFace」と親和性が高い分野であること、Hameeが保有する販売チャネルといったビジネスモデルを活用できるという。

現在の取り扱い商品はベースメイクが中心。今後、スキンケア、カラーメイク、ヘアケアまで広げる。

Hameeの化粧品事業の計画
コスメティクス事業の計画(画像はHameeの中期経営計画から編集部がキャプチャ)

「iFace」を中心としたモバイルライフ事業では、スマホケース以外の商品カテゴリーを強化する。「タブレットケース」「モバイルバッテリー」「PCケース」「AirPodsケース」のヒット商材を創出、全体売上高を拡大する。

Hameeのモバイルライフ事業の計画
モバイルライフ事業の計画(画像はHameeの中期経営計画から編集部がキャプチャ)

中計最終年度のコマース事業における売上高は193億8300万円を計画。2022年4月期のコマース事業売上高は101億8900万円だったため、約9割増を見込む。

Hameeのコマース事業の業績計画
コマース事業の業績計画(画像はHameeの中期経営計画から編集部がキャプチャ)
瀧川 正実
瀧川 正実

自社ECサイトでプライム会員の配送特典が受けられるAmazonの「Buy with Prime」でECの未来は変わるのか? | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

4 years 3ヶ月 ago
プライム会員の配送特典を自社ECサイトでも利用できるAmazonの「Buy With Prime」。このサービスの誕生でECの未来はどう変化するか? Shopifyとの関係性はどうなるのでしょうか?

Amazonは、「Amazonプライム」の配送特典をAmazon以外のECサイトでも使えるようになるサービス「Buy With Prime」を発表しました。このサービスの誕生で、ECの未来はどのように変化するのでしょうか?

自社ECサイトでもプライム会員特典が使える

Amazonで頻繁に買い物をするユーザーであれば、「Amazonプライム」を利用している人は多いのではないでしょうか。

送料無料で最短翌日に届くという利便性の高さから、一度利用すると離れられなくなるユーザーも多く、Amazon以外で買い物をしなくなるユーザーが増える要因の1つだと考えられます。

「Buy With Prime」はAmazonのスピード配送、プライム会員向けの無料配送、「Amazon Pay」を活用したシームレスなチェックアウト体験、無料返品などを、自社ECサイトを運営する事業者に提供する新しい機能です。

「Buy With Prime」の登場で、Amazonのサードパーティマーケットプレイスで販売する小売業者は、自社ECサイトに「Amazon プライム」を実装できるようになります。(参照元:https://www.aboutamazon.com/news/retail/prime-shopping-expands-beyond-amazon-com)

プライム会員のユーザーは、プライムのロゴが付いたECサイトでAmazonプライムでの購買と同じ体験を受けられるようになります。

プライム会員の配送特典を自社ECサイトで提供できるAmazonの「Buy with Prime」とは
「Buy with Prime」の表示イメージ

決済から配送までAmazonのサービスを活用できる

これまでも、Amazonの決済サービス「Amazon Pay」はAmazon以外のECサイトに提供されていました。

「Buy With Prime」の登場によって、決済だけでなくフルフィルメントサービス(通信販売やECサイトにおいて発生する受注、決済、ピッキング、配送などの一連の業務を行うサービス)もAmazonのプラットフォームを活用できるようになり、EC事業者は自社で配送サービスを保有することなく、自社ECサイトの運営が可能になります。

「Buy with Prime」のイメージ動画

「Shopify」の登場によって、数百万円のサイト制作費をかけなくても自社ECサイトの開設・運営が可能になったように、「Buy With Prime」の導入で、自社で発送担当のスタッフを雇わなくても、自社ECサイトが運営できるようになるのです。

これらはユーザーの利便性向上だけでなく、EC事業者の負担が減らせるというメリットがあります。(参考:「Buy With Prime」について)

「Buy With Prime」で“ECの覇者”の立場をより強固に

Amazonは、物流の各機能を統合・高度化し、需要と供給の適正化をはかったロジスティクスおよびフルフィルメントサービスによって大きく成長し、他社を圧倒しています。

2020年と2021年、Amazonは「アマゾンロジスティクス」の品質改善のため、800億ドルを費やしました。「Buy With Prime」によって、その投資が報われることになります。

また、「Buy With Prime」は「Amazon Pay」のシェア率に大きな影響を与え、「Amazon Pay」を利用した決済の増加にもつながります。また、プライム会員の継続性向上や、新規会員の増加にもつながると考えられます。

「Buy With Prime」はAmazonの“ECの覇者”としての立場を、より強固なものにする可能性が高いのです。

AmazonとShopifyの対立構図が鮮明に

Amazonの「Buy With Prime」開始を受け、AmazonとShopifyの対立構図がより鮮明になっています。

ここ数年Shopifyはフルフィルメント部門とロジスティクス部門の強化をめざしており、投資を強化しています。直近でも、EC向けロジスティクスプラットフォームを提供するDeliverrの買収を決定したばかりです。

ShopifyのCEOはツイッターで「Amazonは帝国を築こうとしており、Shopifyはそれに立ち向かうべく強化している」と語るほど、Amazonを意識した動きを見せています。

現時点で、「Shopify」で構築したECサイトで「Buy With Prime」が利用可能かどうかShopifyは言及していません。しかし、Shopifyにとって「Buy With Prime」は多くのメリットがあるのも事実です。

2億人を超えるAmazonプライム会員が、「Shopify」で構築したECサイトで商品を購入するようになれば、Shopifyの流通総額を増やす契機になるからです。

Amazon依存のリスク

一方で「Buy With Prime」をShopifyに導入することは、Amazon側に「Shopify」利用企業の情報や、販売している商品に関するデータを提供してしまうという懸念事項もあります。

また、Amazonが「Shopify」を利用しているECサイトのデータを用いて、自社サービスの改善に活用する可能性もあります。

まとめ

現在、「Buy with Prime」のプログラムは招待制となっており、フルフィルメント by Amazon(FBA)を利用していること、「Amazon Pay」に登録していることが導入条件です。

すぐに導入できる事業者は少ないですが、EC事業者、顧客の双方にとって利便性が高まるサービスであることは間違いありません。

これからのEC業界は、モール出品に依存しない小規模のECブランドが増え、個人や副業者でも物流コストをかけずにブランド運営が可能になる未来が訪れるかもしれません。

森岡 健太郎
森岡 健太郎

ヤフー、画像解析クリエイティブガイドを公開

4 years 3ヶ月 ago

ヤフーが「業種別 画像解析クリエイティブガイド」を公開。人工知能による画像解析を通じて、クリックされやすい広告表現要素を明らかにした。

業種別 画像解析クリエイティブガイド
https://ads-promo.yahoo.co.jp/online/ai_image_template2022.html
https://marketing.yahoo.co.jp/download/#creative

法人向けECサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」とBtoB取引向け後払い決済サービス「GMO掛け払い」が連携

4 years 3ヶ月 ago

ECサイト構築プラットフォームを提供するecbeing(イーシービーイング)は6月14日から、法人向けECサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」と、GMOペイメントサービス(GMO-PS)のBtoB取引向け後払い決済サービス「GMO掛け払い」を連携すると発表した。

「ecbeing BtoB」を活用してECサイトを構築する事業者は、短期間・効率的に「GMO掛け払い」を導入できるようになる。

経済産業省が発表した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、BtoC-EC市場規模は19兆2779億円、BtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は334兆9000億円。

BtoB、BtoCともにEC化が進むなか、ecbeingは法人向けECサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」を提供している。

「GMO掛け払い」は、定期的に利用のあるルート営業の取引先、サブスクリプション型サービスの利用客など、オンライン・オフラインのBtoB取引で利用できるBtoB取引向けの後払い決済サービス。与信審査・請求書発行・入金管理・未入金時の督促といった業務をGMO-PSが代行する。

瀧川 正実
瀧川 正実

ビックカメラがOMO戦略推進で「デジタルを活用した製造小売物流サーキュラー企業」をめざすと宣言

4 years 3ヶ月 ago

ビックカメラは、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し「デジタルを活用した製造小売物流サーキュラー企業」をめざすと発表した。

ビックカメラのパーパスは「お客様の購買代理人としてくらしにお役に立つくらし応援企業であること」の実現。重要経営課題の1つである「お客様エンゲージメントの向上」をめざし、「購買代理人としてのマーケティング力強化」に取り組んでいる。

デジタル技術の活用(DX)について、2022年1月にデジタル戦略部を新設、DX施策の検討を進めてきた。ビックカメラはこのほど、「デジタルを活用した製造小売物流サーキュラー企業」をめざすと宣言した。

購買代理人として、店舗とECのシームレスな結合を通じて顧客体験を向上するOMO戦略を推進。オフライン(店舗)とオンライン(ECを含めたデジタル)を意識することなく、希望のタイミングで場所を選ばず、自由に買い物を楽しめるようにする。また、店舗とECをまたがる顧客情報を統合、顧客1人ひとりに適した情報を提供する。

ビックカメラのOMO戦略
ビックカメラのOMO戦略

事業展開の機敏性、効率性を高めるシステム開発を実現するため、セールスフォース・ドットコム社が提供しているビジネスアプリケーション開発のためのクラウドプラットフォーム「Salesforce Lightning Platform」、RPAテクノロジーズのRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)である「BizRobo!(RPA)」、「AWS」を採用。システム開発の内製化を推進し、コストダウンを実現する。

まず、基幹システムのAWS移行を実施。「Salesforce Lightning Platform」を活用したデジタル基幹化をめざし、既存基幹システム機能の移行を推進(ダウンサイジング)、コストダウンを実現する。

ビックカメラはすでに「Salesforce Service Cloud」「Salesforce Marketing Cloud」を導入している。顧客基盤の整備、顧客接点の管理、店舗ECを含めたデジタルをまたいだ顧客データ分析、顧客へのパーソナライゼーション・コミュニケーションなどを実現できるようにする。

「Salesforce Lightning Platform」を開発基盤としたシステム開発の内製組織を進め、APIによるマイクロサービス化を実現する「MuleSoft」の導入も検討している。

石居 岳
石居 岳

競合のTV通販出稿戦略などを丸裸!テレビ通販番組のデータを可視化する「ordr」とは? | 通販新聞ダイジェスト

4 years 3ヶ月 ago
「order」は、他社はどの時間帯にどれくらいの量を出稿しているのか、そしてどんな訴求をしているのかなど、通販番組枠の検索が行えて通販番組の出稿戦略などを可視化することができる

PTPは、全国の通販番組枠の検索が行えて通販番組の出稿戦略などに役立てるサービス「ordr(オーダー)」をリリースして1年を迎えた。当初、通販番組検索サービスと位置付けて展開してきたが、この1年間に導入先などからの要望に応じた機能実装や改変に取り組んだことで、“通販DXサービス”に進化しているという。「ordr」のこの1年における動向、そして今後について有吉昌康社長に聞いた。

「order」を提供するPTP 有吉昌康社長
PTP 有吉昌康社長​​​​​

――「ordr」のサービスを提供しようとした狙いは。

「昨年5月にスタートした際に打ち出したのは、全国全ての地上波127局の通販番組、そしてBS主要6局の通販番組のデータを集めるということだった。日本全国の全ての通販番組をデータにして“見える化”すると宣言した。あたかもグーグルで検索したかのように、2ページ目、3ページ目を見ていくうちに気になる枠を探し当てることができるというイメージでスタートを切った」

「order」の説明動画(編集部が追加)

――その後、相次ぎ新たな機能の実装を行っていった。

「特に重要だったのが、昨年秋から年末にかけて取り入れた『効率検証』と呼ぶ機能だ。通販企業は受注数データ(呼量データ)を持っているが、毎日のように昨日は売れたのか、この1週間はどうだったか、数カ月間で見るとどうだったかということを気に留めている。データ自体はエクセルで管理するのが一般的だが、このエクセルというのが非常に不便な代物でもある。データベースとして膨大な数の通販番組に関する数値を何年分も蓄えていくとなると、エクセルは重くて開かなくなってしまう。また、データを管理していた担当者が辞めてしまって困っているという話も多く聞いた。そこで呼量データもクラウドで管理することを可能にして、『ordr』で効率検証を行えるようにした。1~2秒という瞬時でデータを見ることができ、前の月の状況、次の月の状況もすぐに切り替えながら確認できる。この効率検証が高い評価をいただいたことで、『ordr』が広がることになった」

「『50コールくらいしかないと予測していたのに、100コールもあり、これはうれしい悲鳴だけれども、なんでだろうか?』と、その要因を探るための機能が効率検証だ。100コールもあれば、この番組枠を次回も使いたいと思い実際に放映してみたら、20コールしかなかった。そのようなことの繰り返しが多いと聞いた。原因が分からないから、博打をうち続けるようなものになってしまうので、我々は効率の良し悪しの原因が分かるにはどうすればよいかを考えた。導入先とも相談したことだが、重要度が高いもののひとつが天気だった。本来であれば非常に好天に恵まれる季節の日なのに、ところが土砂降りに見舞われて3、4日も雨が降り続けて、皆が家に居たというシチューションだったから売れたというようなことが分かる」

――エリアごとそれぞれの天気のデータを提供するのか。

「エリアだけでなく、各エリアの時間帯ごとの天候、温度、そして湿度も。『ordr』を立ち上げれば自動的に表示でき、『昨日の午前11時の番組枠が効率よかったのは天気が悪かったためだったのか』と確かめられる」

――天気以外にも効率を左右する要素は他にもいろいろとありそうだが。

「以前の勤務先のシンクタンクで小売チェーンのシステムを担当していたことがあるが、先方の担当者の方から売り上げを左右する3つの要素として、CM(宣伝)、天気、そして地方イベントということを教えていただいた。これらは通販番組でも同様に当てはまる。CMというのは番組放映ということであり、2つ目が今述べた天気、そして残っているのが地域イベントだが、それも間もなく『ordr』で確認できるようにする。『昨日、売り上げが悪かったが、おかしい』と思ったら、ある地方では花火大会が開催されていた。大きな花火大会となると、地上波で放映することが多い。東京でも隅田川花火大会はテレビ東京が夕方から2~3時間ほど放送する。その時間帯は通販番組のレスポンスが取りづらくなると予測することできる。また、大相撲の放送も大きく影響する。多くの人、特に高齢者がNHKを見ているからだ」

――地域イベントに関する情報は都道府県レベルで提示するのか。

「そう。東京にいると、地方でどのようなイベントが大事か、お祭りでもどれが重要なのかということが分からないし、インターネットで調べても良く分からない。だが、それらを我々は全部調べた。地域イベントは毎年変わるようなことはないのだが、若い人でなく、60歳以上の人が関心を示すようなイベントは何かという点に目を付けていかなければならない」

――今年3月にはサービス開始から1年を迎えるに当たってイベントを開催した。

「『第1回通販DXカンファレンス』を開催して、比較的早期から『ordr』に着目して使っていただいている通販企業の担当者にお話していただいた。通販業界を皆で良くしていこうと企画した。つまり、今風の言葉にすると“DX”であり、古い仕事の仕方、つまり紙とエクセルなどで行うのは効率が悪く、そのような状況から脱却するための取り組みについて議論していただいた。当社としても昨年5月にローンチした際には、通販番組枠のデータというものがないという状況から始めたが、業界の課題は分からなかった。そこで通販企業の皆さんから話を聞いていくと、あれこれとおかしなことや、非効率なこと、非合理なことがあり、我々のように違う業界の人間の視点から見てみると、こうしたらいい、ああしたらいいと思うことがたくさんあり、アイデアの宝庫でもあった。そして、この1年でそれを実現してきた。皆さんから知恵を出していただいて、当社はIT企業なので技術で可能なことを実現していく。業務知識を教わりながら、これとこれを一緒にしてクラウドでやればいいじゃないかという風に提案させていただいている」

1年で28万の通販番組を蓄積

――昨年4月からデータを蓄積してきているが、この1年間ではどれほどの通販番組のデータが集まったのか。

「番組数では約28万だ。また、我々は“パート”と呼んでいるが、1つの番組で総合通販企業が複数の商品を販売しているケースもあり、その商品ごとにパートにわけて放映しているが、このパート単位では40万ほどになった」

――導入先企業で扱う商品で多いカテゴリーは。

「『ordr』の全データを見ると、健康食品と化粧品の比率が高く約6割。導入企業もこのデータの傾向と同じで、やはり健康食品と化粧品の会社が多くなっている。例えば、直近の1カ月のカテゴリー比率では、パート数で健康食品が33%であり、化粧品を合わせると全体の半分ほどを占める」

――1年で「ordr」の導入先数はどれほどになったか。

「30社ほどに導入いただいており、導入先合計の通販番組枠全体での枠数のシェアは4分の1を超える」

――今後1年でどの程度まで増やす考えか。

「3月にカンファレンスを行って以降、違った傾向が出ている。それまでは情報武装している大手の通販企業が一層の情報武装を狙っての導入が多かったが、最近は、中堅の通販企業からの問い合わせが増えており、どんどん導入が進んでいる。番組枠数のランキングで言うと、50~100位に位置する企業が相次いで導入するようになっている。1日当たり数枠しか放映しないような通販企業も使い始めるようになっている。ただし、そのような企業はリソースが少ないので、ただ単にツールを提供するだけでなく、使い方も併せて説明させていただき、コンサルティング的なことも行っている。6月下旬に第2回のカンファレンスを予定しているが、中堅企業向けのコンテンツも用意する。上位100社のうち7~8割の企業に導入いただけるよう期待しており、そうなると大半の通販番組の企業を網羅することになり、通販番組枠全体のシェアで9割程度にすることができる」

――今後の新たな機能実装の計画は。

「この先の1、2年はまだまだ新たに取り組まないといけないことがある。ひとつはコールセンターに関する部分だ。例えば、オペレーターは、お客様がどの番組を見て注文をしてきたかを尋ねる業務があるが、その作業は実は無駄なことであり、オペレーターは受電して成約するために待機しているわけで、余計な時間を省いて、次の受電に移ることで効率的に業務を回せる。我々としては、オペレーターに負荷をかけずにどの番組からの受電であるかが分かるような仕組みづくりを構築したいと考えている」

「どの放送局の番組、時間帯で良い結果が出たかを把握することは、次回の予測を立てる上での重要な情報ともなり、次回の番組枠の選定に大いに役立つ。そして、その先で機械を使った予測、いわゆるAIによる予測が可能になる。データが全部そろっている状態になれば精緻な予測が可能になる。しかも既に市場の4分の1のデータが入っている。これらのデータを使えばかなり精度の高い予測ができる。番組枠の効率が合うかどうか、1コール当たり〇〇円と見た場合、10コールであれば○○円で買えるな、と当然、皆さんも予測しているので、当社の予測とどちらが実際の結果に近いかを数社に依頼して勝負している。今のところ当社が勝っている(笑)。これをどんどんバージョンアップしていけば、さらに精度を上げていくことができる。通販企業にとって一番の核の部分であり、ここをもっとブラッシュアップすることで皆さんにより一層ご活用いただけることになる」

――そのコール予測に関する機能の実装はいつ頃になるか。

「現在、モデルの実証段階にあり、間もなく設計に入り、その後に開発を進めていくことになるだろう」

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

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通販新聞

「SDGs」に積極的な企業は「好感度が上がる」と消費者の約7割が回答

4 years 3ヶ月 ago

コクヨグループでオフィス通販を行うカウネットが実施した調査「SDGsと環境に配慮した商品について」によると、SDGsに積極的な企業は好感度が上がると消費者の約7割が回答した。

オフィスの実態や困りごとについて調査するコミュニティサイト「カウネットモニカ」会員全国の男女1141人を対象に実施した。

主な内容は次の通り。

  • 企業の「SDGs」に対する取り組みを知ると、その企業の好感度が上がると約7割が回答
  • 「SDGs」の17の目標の認知度は約8割。2021年8月実施の調査結果よりも約15%増加、内容まで把握している人は約3割で約9%増加
  • 「SDGs」の17の目標で、個人が最も取り組みたい/取り組むべきと思うものは「すべての人に健康と福祉を」。企業に対しては「働きがいも経済成長も」
  • 職場で再利用しているものは「コピー用紙」「クリヤーホルダー」「筆記具」が上位
  • 環境に配慮したアイテムの購入・使用への個人の関心度は約7割、2020年1月実施の調査結果よりも約9%増加した。職場の関心度は約4割で約11%増加した
  • 多少高価でも環境に配慮した商品を選びたい人は回答者のうち、約半数を占めた
  • 職場での環境配慮への取り組みは「ゴミの分別」「不用品のリサイクル」が上位

企業のSDGsの達成に貢献する活動やSDGsに関連した商品・サービスを提供する取り組みを知ると、その企業に対する好感度は上がるかを聞いた質問には、「そう思う」が28%、「ややそう思う」が43%で、約7割が好意的な回答だった。

コクヨグループでオフィス通販を行うカウネットが実施した調査「SDGsと環境に配慮した商品について」 SDGsに関連した商品・サービスを提供する取り組みを知った際の好感度について
SDGsに関連した商品・サービスを提供する取り組みを知った際の好感度について

SDGsに関連した商品やサービスを提供している企業について、感じている印象を自由記述で聞いた質問には、「企業の看板にSDGsがうたってあると、企業利益ばかりではなく、社会貢献活動にも熱心な会社だと思えるので、自分のできる形で応援したいと思う」「優良企業で利益追求だけにあくせくするのでなく、企業の持続性、将来性をも考えている会社。その結果良い製品を作り出していると思う」といった回答があがった。

一方、「SDGsに関連する取り組みは、企業にとって当たり前のことだと思う。SDGsで提唱されているから実施するのではなく、それ以前から実施している企業もあると思う。何でもSDGsに関連付けてアピールすると、逆に好感度は低くなる」という意見あった。

「SDGs」という言葉を聞いたことや目にしたことがある人は93%。2021年8月に実施した調査結果と比較すると約6ポイント高くなった。

コクヨグループでオフィス通販を行うカウネットが実施した調査「SDGsと環境に配慮した商品について」 「SDGs」という言葉を聞いたことや目にしたことがある人
「SDGs」という言葉を聞いたことや目にしたことがある人の割合

「SDGs」の17の目標の認知について聞いた質問には、「知っている」と回答した人が82%、2021年8月実施の調査結果よりも15ポイント程度増加。「内容まで把握している」と回答した人は約3割で約9ポイント増えた。

コクヨグループでオフィス通販を行うカウネットが実施した調査「SDGsと環境に配慮した商品について」 「SDGs」の17の目標の認知について
「SDGs」の17の目標の認知について

「SDGs」の17の目標で、個人が最も取り組みたい・取り組むべきと思うものについては、「すべての人に健康と福祉を」が16%、「平和と公正をすべての人に」が13%で上位。「日本の企業」について聞いた同様の設問では、「働きがいも経済成長も」が18%でトップだった。

コクヨグループでオフィス通販を行うカウネットが実施した調査「SDGsと環境に配慮した商品について」 「SDGs」の17の目標で、個人が最も取り組みたい・取り組むべきと思うもの
「SDGs」の17の目標で、個人が最も取り組みたい・取り組むべきと思うもの

環境に配慮した「認知やマーク」で知っているものは、「エコマーク」が87%でトップ、次いで「グリーンマーク」が69%、「再生紙使用マーク」58%、「WWFマーク」55%だった。

コクヨグループでオフィス通販を行うカウネットが実施した調査「SDGsと環境に配慮した商品について」 環境に配慮した「認知やマーク」で知っているもの
環境に配慮した「認知やマーク」で知っているもの

環境に配慮した「製品」で知っているものは、多い順に「リサイクル製品/再生原料使用製品」63%、「簡易包装製品」58%、「バイオマスプラスチック製品」57%だった。

コクヨグループでオフィス通販を行うカウネットが実施した調査「SDGsと環境に配慮した商品について」 環境に配慮した「製品」で知っているもの
環境に配慮した「製品」で知っているもの

職場ですぐに廃棄せずに再利用しているものを聞いた質問の回答は、「コピー用紙の裏紙を使用」が約8割に上った。その他、「クリヤーホルダーの再利用」が68%、「筆記具の替え芯を使用」が58%で続いた。

コクヨグループでオフィス通販を行うカウネットが実施した調査「SDGsと環境に配慮した商品について」 職場ですぐに廃棄せずに再利用しているもの
職場ですぐに廃棄せずに再利用しているもの

環境に配慮したアイテムを購入して使用することへの個人の関心は、「とても関心が高い」16%、「関心がある」50%で、約7割が関心ありと回答し、2020年1月実施の調査結果よりも約9ポイント増。職場について聞いた同様の設問では、「関心あり」と回答した人は約4割で約11ポイント増えた。

コクヨグループでオフィス通販を行うカウネットが実施した調査「SDGsと環境に配慮した商品について」 環境に配慮したアイテムを購入して使用することへの個人の関心
環境に配慮したアイテムを購入して使用することへの個人の関心

同じ商品であれば多少高価でも環境に配慮した商品を選びたいかどうかを聞いた質問には、「そう思う」14%、「ややそう思う」34%で、好意的な回答をした人が約半数を占めた。

コクヨグループでオフィス通販を行うカウネットが実施した調査「SDGsと環境に配慮した商品について」 同じ商品であれば多少高価でも環境に配慮した商品を選びたいかどうか
同じ商品であれば多少高価でも環境に配慮した商品を選びたいかどうか

職場で取り組んでいる環境に配慮した取り組みとしては、「ゴミの分別」が72%でトップ、次いで「不用品のリサイクル」45%だった。ゴミの削減や使用後商品の再利用など、環境に配慮したさまざまな取り組みが行われている。

コクヨグループでオフィス通販を行うカウネットが実施した調査「SDGsと環境に配慮した商品について」 職場で取り組んでいる環境に配慮した取り組み
職場で取り組んでいる環境に配慮した取り組み

環境に配慮した商品について、今後職場ではどのようなものを購入・使用したいかを聞いた質問への回答は、「コピー用紙・インク・トナー」が最も多い56%、次いで「文房具・事務用品」51%だった。

コクヨグループでオフィス通販を行うカウネットが実施した調査「SDGsと環境に配慮した商品について」 環境に配慮した商品について
環境に配慮した商品について

調査概要

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査時期:2022年5月12日~18日
  • 調査対象:全国の男女(「カウネットモニカ」会員)
  • 有効回答数:1141人
瀧川 正実
瀧川 正実

千趣会、ディノス、ヒラキ、カジメイクがコロナ禍でもが積極的に実店舗を出店する理由 | 通販新聞ダイジェスト

4 years 3ヶ月 ago
通販実施企業がECなどではリーチできない層やブランド認知向上などを目的に実店舗展開を加速しています。ディノス、千趣会、ヒラキ、カジメイクなどの事例を紹介

通販カタログやECチャネルではリーチできない層の開拓やブランド認知の向上に向けて、通販実施企業が実店舗展開を加速している。商業施設などではコロナ禍で空きテナントが目立つなか、街中の人出は回復し始めており、“オフラインへの攻め時”と判断する通販実施企業が増えてもおかしくない。コロナ前から店舗戦略を推進してきた企業や、新たにショールーミング型店舗に挑戦する事業者などの取り組みを見ていく。

ショールーミング型店舗を表参道や自由が丘に開店、新たな層にPR

DINOS CORPORATION(ディノス)は通販で展開する50代女性向けファッションブランド「DAMAcollection(ダーマ・コレクション)」の新商品などを展示するショールーミング型店舗を都内2か所でそれぞれ期間限定で開設する。

6月17日~19日までは表参道の路面店型レンタルスペース「GUM表参道」(広さ42平方メートル、所在地・港区北青山3-10-25)で、同24日~26日までは自由が丘の貸しスペース「自由が丘ポップアップスペース」(広さ43平方メートル、同・目黒区自由が丘1-29-1)で5月下旬に発刊した通販カタログ「ダーマ・コレクション盛夏号」で掲載した商品のうち、衣料品や鞄、靴、アクセサリーなど約70点を展示。来店者は展示する実物の素材感や質感、サイズ感などを確かめたり、試着もできる。

ただ、ショールーミング店のため、販売は行わず、店内で購入した商品は顧客の登録住所に後日、配送する。来店者には同社の通販サイトで販売する「DAMA」の商品購入時に使用できる10%引きクーポンや同社の通販サイトの会員に新規登録した来店者にオリジナルミニボトルをプレゼントする特典を付与する。

通販新聞 ディノス DAMAcollection ダーマ・コレクション ショールーミング型店舗
「DAMAcollection(ダーマ・コレクション)」の店舗

「DAMA」では店舗展開にも積極的で東京・有楽町と大阪・心斎橋にDAMAの商品を展示し、試着できるショールーミング型常設店「DAMAお客様サロン」を構えているほか、かつては首都圏の複数の百貨店にテナント出店(現状は東京・新宿の京王百貨店1店舗のみ)するなどリアルでの接点を重視してきた。

「DAMA」の商品は単価が高いものやまた、素材感にこだわった商品なども多く、実際に確かめてから購入したいとする顧客からの声も多く、店舗を設置することで固定客の育成や「DAMA」のターゲット層に合致する百貨店の来店者層にアピールし、新規顧客獲得を図る狙いのためだ。

通販新聞 ディノス DAMAcollection ダーマ・コレクションの商品を使用したコーディネート例
「DAMA」の商品を使用したコーディネート例(画像は「dinos」サイトから編集部がキャプチャし追加)

今回の期間限定店舗もリアル接点を重視した施策の一環だが、これまでの店舗との違いは「DAMA」とは接点がなかったであろう層へのPRと当該層の新規獲得が狙いという点だ。

前述通り、「DAMA」は50代女性を中心に展開しているが、展開する商品群は当該層よりも下の層にも当然、高い訴求力があると見る。「表参道や自由が丘というファッション感度の高い方々が多く訪れる場所に店舗を構えることでDAMAをご存じなかったお客さまにブランドの持つ世界観や商品の良さを知って頂き、認知が広がれば」(同社)という。

通販新聞 ディノス DAMAcollection ダーマ・コレクション ポップアップショップ
「DAMA」のポップアップショップ

今回、来店者に付与する10%引きクーポンの利用率や通販サイトの新規会員登録者数などを中心に効果を分析しながら、成果次第で再度、冬頃をめどに同様のショールーミング型店舗を設置したい考えだ。

都市型の小型靴専門店が好調

靴の通販などを手がけているヒラキは自社プライベートブランド(PB)商品を中心に取り扱う都市型の靴専門店について、コロナ禍となった2020年から本格出店を進めており、現状は10店舗まで拡大している。

通販新聞 ヒラキ 自社の靴専門店
ヒラキの店舗

もともと運営していた実店舗は靴商品を軸に食料品や日用雑貨、衣料、インテリア、寝具などを他社からの仕入れも含めて幅広く展開。2~4階建て郊外型の大型総合店として、本社のある兵庫県内に4店舗を構えていた。

都市型の靴専門店は、京阪神間の駅前などにある大型商業施設にテナント出店する形で店内面積は約66~165平方メートルと従来よりも限られたスペースの売り場に設計。それまで通販でメインに扱っていたPBの靴商品を中心に販売している。

16年に大阪市内にモデル店舗となる1号店を立ち上げ、その成果を踏まえた上で20年より2号店以降の出店を本格化。昨年度については上半期に3か店、下半期に2か店を出店(1か店は閉店)して、現在は合計10店舗体制となった。

今年に入り、コロナ禍で商品供給体制が遅延し、靴専門店でも一部商品の在庫が不足するという逆風もあった。しかし、4月からは緊急事態措置・まん延防止等重点措置などが解除されたこともあり、時短営業や外出自粛の影響が緩和。入居していた商業施設への客足が回復していった。

「コロナの真っ最中にリアル店舗を出店するのはどうかとも思ったが、今は結果としてやって良かった」(伊原英二会長兼社長)と説明。その言葉通り、今年4月には10店舗合計で月間4000万円を売り上げるまでに成長。すべての店舗で黒字化も達成している。

通販新聞 ヒラキ 自社の靴専門店一覧
PB商品を中心に扱うヒラキの店舗一覧(画像は「ヒラキ」サイトから編集部がキャプチャし追加)

靴専門店は、通販で主力となっている自社PB商品を扱うものの、ECへの誘導を必要以上に意図した仕掛けを行っているわけではない。

同社によると、通販で売れる商品が必ずしも実店舗で売れるとは限らず、またその逆の場合もあるため「そうした(売り場間の)ギャップを探る上で小型店舗をたくさん作ることで地域性など色々な部分でひとつのモニターとして使える部分がある」(伊原会長兼社長)と説明。開設した靴専門店を通じて、展開地域ごとのニーズを分析することにもつなげていくというのだ。

今年度も靴専門店は積極的に出店展開する考えでリアルでのブランド認知の拡大にもつなげていく考え。

千趣会、JR東日本と協業で駅ナカ・駅ビルの出店強化

千趣会は、資本業務提携した東日本旅客鉄道(JR東日本)との協業で、駅ナカや駅ビルなどでの店舗開設やポップアップ開催を積極的に実施している。

オフラインでの顧客接点を強化することで、カタログやECではリーチできない層を開拓するほか、顧客の声を吸い上げて商品開発にもつなげる。

店舗展開については、昨年10月に東京駅構内に開業した「ディズニーファンタジーショップ バイ ベルメゾン」の常設店が開設2か月強で約1万5000人が購入客を獲得するなど順調な出だしだったほか、「サラリスト」や「ホットコット」といったベルメゾンの人気商品を販売する催事をJR東日本の管轄エリアで多数展開し好評を得ているようだ。

6月3日~14日には、知的障がいのあるアーティストの作品を世に出しているヘラルボニーと共同開発したオリジナルアイテム17商品を販売するポップアップをJR横浜駅構内の催事スペースで開催するのと同時に、隣接する体験型ショールーミング店「JREモールカフェ」では「ヘラルボニー×ベルメゾン」の商品などを展示し、JR東日本グループの通販サイト「JREモール」に送客する。

通販新聞 千趣会 JR東日本 ヘラルボニーと共同開発したオリジナルアイテムを販売するポップアップショップ
ヘラルボニーと共同開発したオリジナルアイテムを販売するポップアップショップ

ヘラルボニーとのコラボについては、12人の作家の作品をモチーフとしたTシャツやバレエシューズ、ショルダーバッグ、傘、エプロン、おむつケースなどを開発し、買いやすい価格で提供する。

ヘラルボニーは外部企業とのコラボ商品を数多く展開しているが、ベルメゾンではアート作品が好きな人や福祉に熱心な人だけでなく、幅広い人が興味を持てて使いやすいように、「普段の暮らしに取り入れやすいデザインとアイテムを意識した」(千趣会)という。

コラボ商品のタグにはヘラルボニーという言葉を生み出した松田翔太氏直筆の「暮らしを、アートで心ゆたかに。」のメッセージがデザインされている。

なお、「ヘラルボニー×ベルメゾン」のポップアップはJR東京駅のグランスタ東京イベントスペースでも6月20日~7月3日に開催する予定だ。

カジメイクが新宿マルイに初の店舗開設

レインウエアなどの製造販売を手がけるカジメイクは5月27日、新宿マルイ本館7階に同社が運営する通販サイト「AMETOHARE(アメトハレ)」の実店舗(約60平方メートル)を開設した。

同社として初のリアル店舗は、その場では商品を販売しないショールーミング型で出店。ブランド認知の向上とECチャネルの強化を図る。

通販新聞 カジメイク 新宿マルイに開設した店舗「AMETOHARE(アメトハレ)」
新宿マルイ本館に開設した「AMETOHARE(アメトハレ)」の実店舗

レインウエアの購入者は都市部の30代~40代女性が多く、新宿マルイの客層と近いことや、丸井が“売らない店”へとビジネスモデルの転換を加速していることから、初のオフライン展開としてベストと判断したようだ。

実店舗では、レインウエアを中心に防水バッグやレインブーツなど常時20~25アイテムを展示。応援購入サイト「マクアケ」で2000万円超を集めたレインポンチョやその新作も試着できる。

店内にはスタッフが常駐し、自転車用に設計されたレインウエアなど、アイテムの特徴や機能を体感できるコーナーに加え、実際の商品を手に取ってフィッティングできるスペースも設けた。

商品の購入は、商品近くのQRコードから「アメトハレ」の商品詳細ページにアクセスし、購入してもらう仕組みとなる。

通販新聞 カジメイク 「AMETOHARE(アメトハレ)」ではQRコードを読み取って商品を自宅で受け取る
店舗内にあるQRコードを読み取ってECサイトで注文、自宅で商品を受け取る
(画像は「アメトハレ」サイトから編集部がキャプチャし追加)

カジメイクはホームセンターなどへの卸がメインだが、約3年前に自社ECを開設し、一般消費者との接点を増やしている。

今回のショールーミング型店舗でも顧客の意見を吸い上げて次の商品企画に反映させるとともに、自社ECに送客することで顧客化とLTVの向上につなげる。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
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通販新聞

とにかく安っ! 急成長のファッションEC「SHEIN(シーイン)」ってご存じですか?【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

4 years 3ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年6月6日〜12日のニュース

サイトのどこを見ても「お得」「安い」が出てくるSHEIN(シーイン)。その成り立ちとユーザー層、プロモーションについての記事があったので紹介します。

近頃なにかと話題のECサイトの利用者層

アメリカ発(中国発とも?)ファストファッションEC「SHEIN」、その世界を凌駕するモデルはどのように生まれたか | BRIDGE
https://thebridge.jp/2022/06/how-shein-became-chinas-tiktok-for-e-commerce

SHEINは、中国に拠点を置くファストファッションのオンライン企業で、洋服からアクセサリー、靴まで、激安価格で世界中に販売している。女性をターゲットにしたプラットフォームとしてスタートしたこのサイトは、現在では子供や男性向けの品揃えを増やしている。

みなさん「SHEIN(シーイン)」はご存じでしょうか? 最近急激に話題になっているECサイトです。私の周りでもここで買い物をする人がちらほらいます。海外のECサイトなのでところどころ日本語がおかしなところもあるものの、なにしろ商品が安いので買う人が増えているんですよね。

超安い価格で大きな多様性を実現 …… SHEINの商品は驚くほど安く、概ね20米ドル以下であり、ZARA、ASOS、H&M、Boohoo といった競合の商品が相対的に高く見えるほどだ。さらに、このプラットフォームでは、常時約60万点の商品が販売されている。また、デザインからデリバリまでのリードタイムを5〜7日と短くしたことも、競合を圧倒している。ロイターの報道によると、同社は設計から生産まで3日という、より短い納期を目指している。ZARAの衣料品が約3週間かかるのと比較すれば、SHEINの魅力は明らかだろう。

SHEIN
SHEIN
https://jp.shein.com/ からキャプチャ

タイムセールとはいえTシャツが数百円で買えてしまうってすごくないですか? そりゃ売れますよね。他にもとにかくお得・安いという訴求がすごいです。どこを押してもお得な情報のページに行くんじゃないかと思えるほどです。

革新的ビジネスモデルでファストファッションの黒船に?「SHEIN」ユーザー急増の理由を探る | マナミナ
https://manamina.valuesccg.com/articles/1812

これだけ安いと若い人たちが買うのかなと思いきや、「30代が18.4%、40代が22.9%、そして50代以上が42.4%と全体の約半数を占めている」とのこと。これは意外。

SHEIN(Webサイト)ユーザー 年代構成
SHEIN(Webサイト)ユーザー 年代構成
(集計期間:2021年5月~2022年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
https://manamina.valuesccg.com/articles/1812から編集部でキャプチャ

「世帯年収は400万円未満の層でネット利用者全体と比べても最も多い」という結果になっていて、こちらは商品の価格帯からしても納得ですよね。

SHEIN(Webサイト)ユーザー 世帯年収
SHEIN(Webサイト)ユーザー 世帯年収
(集計期間:2021年5月~2022年4月、デバイス:PC&スマートフォン)
https://manamina.valuesccg.com/articles/1812から編集部でキャプチャ

実際にSHEINのサイトを見ても、デジタルが苦手な方でも対応しやすいよう会員登録が簡略化されていたり、支払い方法がクレジット以外にコンビニ払いなどが用意されていたり、購入までの導線が比較的親切な印象でした。さらに季節の折には、毎回大型の割引企画が用意され、さらにお得に購入ができるのです。

安いだけではなく使い勝手も工夫されています。まだまだ伸びそうな気配のSHEIN。商品がかぶっている場合はかなりの脅威ですよね。ネットの世界は急に強力なライバルが現れますので、日ごろから情報収集が欠かせません。

関連リンク

今週の要チェック記事

Pinterest アドとは?設定方法、注意事項、実際に配信してみた上での所感についても解説 | PPC-LOG
https://ppc-log.com/pinterest-advertising/7345/

Pinterest アドを配信する上で注意したい15のポイント| PPC-LOG
https://ppc-log.com/pinterest-advertising/7427/

Pinterestアドについての詳しい記事がありました。これから出稿してみようという人は参考に。

Brand Protection Report | amazon
https://brandservices.amazon.co.jp/progressreport

「40億件以上の悪質な出品を事前に阻止」「250万件以上の悪質業者による新規出品アカウントの開設を2021年に阻止」したそうです。すごい。

家計消費状況調査 ネットショッピングの状況について(二人以上の世帯) | 総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/joukyou/pdf/n_joukyo.pdf

旅行関係が急増中。となるとそれに関連したものも伸びますよね。

月曜日は4年連続で最も人気のある「購買」曜日、一方人気が最も低いのは日曜日 | eコマースコンバージョンラボ
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/76964

海外のデータですがなんかわかりますよね。気が重い月曜日に買い物でストレス発散。

EC利用者1000人に聞いた「購買行動に影響を与えるデジタルマーケティング」【消費者調査まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9860

こちらも海外のデータ。依然としてメールが強いようです。

地元の「おいしい」を届けたい!移動販売30年・老舗パン屋の挑戦 | BASE U
https://baseu.jp/25285

30年もパンの移動販売を続けてきた人でもすぐに使えてしまうのがBASEの良いところ。

丸亀製麺ユーザーが、他の店を利用するのはどんなとき? 競合はなんとマクドナルド | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2206/09/news050.html

香川、徳島あたりかよほどのうどん好きでない限りは、そんなに頻繁に食べませんからね。となるとこの結果も納得。

【後発店舗の運営戦略 #3】ライバルに埋もれない表現 | ECコンサル坂本のブログ「ECバカ一代」
https://www.commerce-design.net/blog/archives/5411

「みんなに好かれる」ことを諦める必要があります。と書かれています。全方向を見るのは大手の戦略ですよね。

今週の名言

「力あるから安心感」“マッチョだらけ”の介護施設 業界に旋風起こす…実業団設立で人材続々【愛知発】 | FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/articles/-/365721

「介護の仕事って素敵ですよ」って推すより、「楽しい会社が介護やっていますよ」の方がいいんだろうなって。まだまだ福祉の会社、ちょっとした工夫でどれだけでも可能性あるって思っています

職の良さを推すよりも会社のことを推す。確かに楽しい会社であれば職は問わない人も多そうですよね。楽しい会社に入ってその職が好きになることもあるでしょうし。やはり「楽しさ」はどんな業界でも重要ですね。

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

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小さい会社のウェブマーケティング必勝法

森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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森野 誠之
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「ダウンサイズ広告」と拡張現実

4 years 3ヶ月 ago

大日本除虫菊「お風呂の防カビムエンダー」が、新聞で「ダウンサイズ広告」を展開。3日連続で広告のサイズが縮小。最終日の広告にはQRコードがあり、そこからインスタグラムの拡張現実エフェクトが起動して、巨大な新聞広告が表示される。小さな労力、大きなリターン。

ダウンサイズ広告
https://www.kincho.co.jp/cm/ad_paper/
新聞広告でっかくしました
https://www.instagram.com/ar/735230650954092/

アイケイがTV通販子会社を通じコンビの化粧品事業「Nanarobe」を買収

4 years 3ヶ月 ago

生協ルートを通じた通販代行事業などを手がけるアイケイは子会社を通じて、コンビが運営する自然派化粧品ブランド「Nanarobe(ナナローブ)」の化粧品事業を買収する。買収価格は非公開。

6月8日に事業譲渡契約を締結。アイケイは6月30日、コンビから事業を譲り受ける予定。

「Nanarobe」はコンビが2009年2月に立ち上げた自然派化粧品ブランド。機能性食品原料の研究ノウハウ、開発した素材を美容成分に活用させた「コロカリア(酵素処理ツバメの巣)」を原料とする商品群を扱う。

アイケイは子会社を通じて、コンビが運営する自然派化粧品ブランド「Nanarobe(ナナローブ)」の化粧品事業を買収
「Nanarobe」のECサイト(画像は編集部がキャプチャ)

事業を譲り受けるのはテレビ通販やEC運営などを手がける連結子会社のプライムダイレクト。薬用シワ改善シリーズ「Luxer」といった化粧品のダイレクトマーケティングも手がけており、コンビの化粧品事業買収はシナジー効果が発揮できると判断した。

なお、事業買収に伴い、アイケイとコンビは業務提携を締結する。コンビはアイケイに対して、美容成分の研究開発と原料生産、供給業務を行なっていくという。

瀧川 正実
瀧川 正実

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