追記:本インタビュー後、S株式会社さまはなんと「楽天Shop of the Month」を受賞されました! おめでとうございます! 競合参入で売り上げが頭打ちになっていたところから、「楽天Shop of the Month」受賞まで持ち直すのはなかなか高い壁があったことと思います。プロのスキルをうまく活用しつつ、諦めず壁を登られたS株式会社さまの胆力があってこその結果ですね!
アジアでは、韓国・ソウル中心部の大型商業ビル「Lotte World Mall」に韓国のユニクロでは最大となる店舗をオープンする。タイのバンコクに、海外で初となる新しいデザインのロードサイド店舗を出店。バンコクの新しいロードサイド店舗は、単に服を買う店舗ではなく、「お客様が集う店舗」「ユニクロの企業姿勢を知っていただく店舗」をコンセプトに2023年春に日本国内でオープンした「ユニクロ 前橋南インター店」が原型。2019年に初出店したインドでも、主要都市への出店を予定している。
ZOZO(ゾゾ)は8月10日、服のお直しサービス「キヤスク」を手がけるコワードローブと連携し、生産支援プラットフォーム「Made by ZOZO(メイドバイゾゾ)」を通じてファッションブランドが通販サイト「ゾゾタウン」上でインクルーシブウェア(編注:障害の有無、体型の違い、性別などに関係なく、誰もが便利に使える「インクルーシブデザイン」の考え方を取り入れた服)を受注販売できるサービス「キヤスク with ZOZO」を開始した。ゾゾの生産プラットフォーム本部DX推進部で生産管理を担う長田富男氏とコワードローブ社長の前田哲平氏に協業の経緯と狙いなどを聞いた。
長田:「キヤスク with ZOZO」の商品は当事者の方にとって機能しているかが大事なので、特別支援学校に協力してもらった。困りごとなどのヒアリングをして作ったサンプルを試してもらい、当事者だけでなく介助者の意見も聞くなど、細かい部分まで検証しながら仕様を決めた。
通常、洋服は立ち姿を基準にデザインされていて、座ったときに格好いいシルエットにはならないが、「キヤスク with ZOZO」の第1弾商品は座った状態に特化したマスターピースをめざしている。腰から裾、もしくは腰から膝まで開閉できるファスナーをパンツの両脇に取り付けただけでなく、指がかけられるファスナーや、取り外しできる肩掛けベルトなど、さまざまな機能を盛り込んでいる。
第1弾商品のチェアーパンツを着用した画像(画像は「キヤスク with ZOZO」サービスサイトから編集部がキャプチャ)
前田: 「キヤスク」のサービスは障害のある子どもを持つ母親などがお直しを請け負ってくれていて、自分で入手できる材料を使っているが、「キヤスク with ZOZO」では既製品として展開するので、たとえば、パンツに合ったファスナーを使うなど、デザイン性も高くなる。
商品開発の課題をゾゾとの協業で解消
――「キヤスク with ZOZO」を利用する在庫面以外のメリットは。
前田: ファッションブランドがインクルーシブウェアを展開する上での課題は、身体の不自由な人が着やすいと思うポイントが1人ひとり違うので、商品開発に時間がかかる。サンプル数もたくさんとらないといけないので手間がかかるが、「キヤスク with ZOZO」で準備することで、それをベースにブランドは開発を進められる。
商品が売れないと事業として成立しないので、デザイン的には無難なものになりがちでブランドの個性が出しづらいが、「キヤスク with ZOZO」ではブランドのデザインをベースにしながら、着やすくなる機能を載せていける。こうした課題を解決できるサービスだと思う。
――インクルーシブウェアの領域はブルーオーシャンなのか。
長田:在庫ありきの生産方式で成長を続けるのは厳しいと思うが、「キヤスク with ZOZO」の仕組みであれば勝ち残れる。ニッチな市場ではあるが、十分にビジネスチャンスはある。
当たり前ですが、メディアの担当者さんは膨大な情報のなかから取り上げるニュースを探しているわけです。1通あたりにかける時間は2~3秒。プロだからこその判断とはいえ、初見のインパクトが重要になるので、ファーストビューに8割の力を注ぐようにしましょう。