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ニールセンとビデオリサーチ、クロスメディア測定で協力

1 year 3ヶ月 ago

ニールセンとビデオリサーチが、日本市場におけるクロスメディア統合リーチソリューションの開発を目的に戦略的パートナーシップを締結。

Nielsen & Video Research renew partnership with goal of cutting-edge, de-duplicated cross-media measurement solution for Japan
https://www.nielsen.com/news-center/2024/nielsen-video-research-renew-partnership-with-goal-of-cutting-edge-de-duplicated-cross-media-measurement-solution-for-japan/
ニールセンとビデオリサーチ、革新的なクロスメディア統合リーチソリューション開発を目的としてパートナーシップを締結
https://www.videor.co.jp/press/2024/240910.html

noreply@blogger.com (Kenji)

【卸企業の経営課題】受注業務をアナログで行う企業の半数超「粗利が低い」、デジタル化の懸念は「初期投資の高さ」がトップ

1 year 3ヶ月 ago

BtoBプラットフォームの運営などを手がけるインフォマートは、受注業務をアナログな手法(FAX・電話など)で実施している卸事業者を対象に、経営課題に対する実態調査を行った。

現在の経営課題について聞いたところ(複数回答)、圧倒的に多かったのが「粗利(売上総利益)が低い」で51.4%。「特にない」が21.9%、「人手が不足している」が19.0%、「デジタル変革への対応ができていない」が12.4%で続いた。

BtoBプラットフォームの運営などを手がけるインフォマートは、受注業務をアナログな手法(FAX・電話など)で実施している卸事業者を対象に、経営課題に対する実態調査を行った
現在感じている経営課題

経営課題について「特にない」と答えた回答者に、十分な対策が取れていると感じているか質問、「あまり感じない」が51.3%で過半数を占めた。次に「やや感じる」が26.9%、「全く感じない」が15.4%。「あまり感じない」と「全く感じない」を合計すると、66.7%で対策が取れていないと感じていることがわかった。

BtoBプラットフォームの運営などを手がけるインフォマートは、受注業務をアナログな手法(FAX・電話など)で実施している卸事業者を対象に、経営課題に対する実態調査を行った
約7割が経営課題に対して「十分な対策が取れていない」

「あまり感じない」「全く感じない」と答えた回答者にその理由を聞いたところ(複数回答)、「日々の運営に追われ、戦略的な計画が後回しになっているため」が32.7%で最多。さらに「業務が属人化しており、業務のフローを変えることが難しいため」が23.1%、「新しい技術やシステムに投資するための資金が不足しているため」が21.2%、「デジタルやITに関するリテラシーが低いため」が17.3%だった。

BtoBプラットフォームの運営などを手がけるインフォマートは、受注業務をアナログな手法(FAX・電話など)で実施している卸事業者を対象に、経営課題に対する実態調査を行った 現在感じている経営課題
経営課題に対して対策が取れていない理由

受注プロセスのデジタル化に関して期待する効果については(複数回答)、「業務負荷軽減による利益向上」が31.4%で最多。以下、「特にない」が27.6%、「オペレーションコストの低減」が24.8%、「手作業による入力ミス情報の不整合の減少」が23.8%だった。

BtoBプラットフォームの運営などを手がけるインフォマートは、受注業務をアナログな手法(FAX・電話など)で実施している卸事業者を対象に、経営課題に対する実態調査を行った
受注プロセスのデジタル化に期待する効果

一方、受注プロセスのデジタル化において懸念している課題は(複数回答)、「初期投資の高さ」が41.0%で突出している。次が「従業員への研修と技術取得」で20.0%、「既存システムや、ほかのビジネスツールとの互換性」が17.1%となっている。

BtoBプラットフォームの運営などを手がけるインフォマートは、受注業務をアナログな手法(FAX・電話など)で実施している卸事業者を対象に、経営課題に対する実態調査を行った
デジタル化における課題

調査概要

  • 調査内容:卸企業の経営課題に関する実態調査
  • 調査対象:受注業務をアナログな方法(FAX・電話など)で行っている卸企業の経営者・役員
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2024年5月24日〜5月27日
  • 回答者:105人
松原 沙甫

ジャパネットが元社員の出戻り転職「ウェルカムバック採用」を強化する理由/デジタルサポート価値ランキング、1位はヤマト運輸【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

1 year 3ヶ月 ago
2024年9月6日~2024年9月12日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. ジャパネットが元社員の出戻り転職「ウェルカムバック採用」を強化する理由+現在の働き方

    通販事業からスタートしたジャパネットグループは、スポーツ・地域創生事業、旅行業、BS放送事業といった事業が増え、現在はグループ会社16社、社内に存在する職種数は100種類以上となった。会社や従業員の成長にあわせて、人事制度や働き方・オフィス環境も大きく変化させている。

    2024/9/9
  2. デジタルサポート価値ランキング、1位はヤマト運輸で価値換算は194億円、2位は楽天カード、3位はPayPay

    23分野123企業・サービスのデジタルサポートおよびコールセンターについて利用経験者による評価を行う「顧客サポート調査2024」の調査結果から「デジタルサポート価値」ランキングを発表した。

    2024/9/9
  3. 2024年8月の「Googleコアアップデート」はどうだった? 今後サイト運営者が心がけていきたいこと【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2024年8月5日~9月5日のニュース

    2024/9/10
  4. 「何を言っているのかわからない」。セシールの“あのフレーズ”のラジオCMが復活、ニッポン放送で放送スタート

    1983年から放送していたセシールのテレビCMでは、最後に流れるフランス語のサウンドロゴ「cecile~Il offre sa confiance et son amour~」について、「何と言っているのか?」「別の言葉に聞こえる」などと話題となった。

    2024/9/10
     
  5. 阪急交通社の1to1コミュニケーション成功事例。アフターコロナの旅行ニーズを拡大させるオンライン接客術とは

    会話を起点とした購買行動を促す「Cコマース」を展開する企業や有識者に、取り組みや成果をインタビューする連載。今回は阪急交通社に、成功につながった施策を聞く。ホストは、EC事業者のマーケティング支援を手がけるMicoworks【第3回】

    2024/9/9
     
  6. 良品計画、宿泊事業の新プロジェクト「MUJI room」をスタート

    「MUJI room」は、既存の宿泊施設のなかに、無印良品のある暮らしを体感できる場を作るプロジェクト

    2024/9/6
     
  7. パナソニックHDのデジタルとリアルを融合させたECビジネス「ハックツ!」とは

    不定期で体験イベントを実施するなど、デジタルの利便性とリアルな体験を同時提供するのが「ハックツ!」の特徴。地域にある複数の魅力的な店舗の商品を1つのプラットフォームで注文できるようにしている

    2024/9/11
     
  8. ビックカメラが基本送料を無料に。購入金額2000円以下でも送料無料、配送料金の詳細ページでは「送料当社負担」と表現

    送料無料の対象外となる商品もあり、一部メーカー直送品は別途送料がかかるほか「一部の離島・山間部地域は、別途送料が発生する場合がある」としている。

    2024/9/10
     
  9. 【通販・EC市場予測】「拡大」が53%、消費動向は「横ばい」44%。物価高による消費マインドの低下を懸念

    通販市場の今後の景況感と、消費動向の予測を通販実施企業にアンケート調査し、その回答結果をまとめた。市場は「拡大」多数も、消費動向は「横ばい」「下向き」の予測が多く、慎重な見方をしている企業が多く見られた

    2024/9/10
     
  10. 日本航空(JAL)がECモール「JAL Mall」にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入

    複数項目を組み合わせた絞り込み、マイル情報も表示するサジェストなどを実装し、UX向上やサイト内回遊率アップにつなげる

    2024/9/10
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

スポーツ向けプロテイン・サプリメントブランド「DNS」、第一三共ヘルスケアが運営へ

1 year 3ヶ月 ago

第一三共ヘルスケアは9月11日、プロテインやアミノ酸などのスポーツ食品・サプリメントブランド「DNS」を譲受すると発表した。

日本産業推進機構グループが管理・サービス提供するファンドなどが出資するDNSのブランド「DNS」を展開するニュートリション事業と関連資産を譲受する

「DNS」ブランドはスポーツ栄養学に基づいて開発されたプロテインパウダーやドリンク、EAAなどのサプリメントを展開。スポーツ量販店やECに販路を持つ。20年以上にわたりアスリートから支持され、プロ・アマを含めさまざまなスポーツ競技の500を超えるチームが愛用しているという。

製品開発には、栄養学の最新の研究成果を積極的に取り入れ味や飲みやすさにこだわっている。国際的アンチ・ドーピング認証プログラムである 「INFORMEDCHOICE(インフォームドチョイス)」を国内メーカーとして初めて導入し認証を取得するなど、安全性や品質管理にも力を入れている。

スポーツ人口の増加やアクティブなライフスタイルの広がりを受け、プロテインの国内市場は成長が続いている。そのなかで第一三共ヘルスケアでは、今後もプロテインやサプリメントの需要は持続的に拡大していくと見込みブランドを譲受。製品開発力や販路をもとに「DNS」のスポーツニュートリション領域における一層の拡大をめざす。製薬会社としての知見やマーケティングといったノウハウを応用し、新たな領域や顧客層の開拓も視野に入れ、ブランドの一層の強化と付加価値のさらなる向上を図るとしている。

第一三共ヘルスケアでは、OTC医薬品など機能性スキンケア・オーラルケア・食品へと事業領域を拡張。コーポレートスローガン「Fit for You 健やかなライフスタイルをつくるパートナーへ」を掲げ、実現に向けて取り組んでいる。「DNS」譲受により、日々の健康に欠かせない栄養・運動分野へ本格参入し、生活者のQOL(生活の質)向上に貢献していくとしている。

鳥栖 剛

JR貨物列車の一部運転再開も、ヤマト運輸、佐川急便で荷物の配送に一部地域で配送遅延発生

1 year 3ヶ月 ago

日本貨物鉄道(JR貨物)による不正行為で車両点検のため運休となっていた貨物列車が運転を再開したものの9月12日現在、ヤマト運輸や佐川急便では依然、一部エリアで宅配便の配達に遅れが生じている。

ヤマト運輸

荷物の配送に1日以上の遅れが生じる見込みがある対象エリアは次の通り。発送対象日は9月10日に発送された荷物。

  • 東京、関東地域(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)から九州地域、北海道宛ての荷物
  • 九州地域(福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県)、北海道から東京、関東地域宛ての荷物

ヤマト運輸のお知らせ

佐川急便

一部エリアで、荷物の配送に1日以上の遅れが生じている。9月12日以降発送分の荷物についても、代替輸送手段への切り換えを順次進めている。

荷物の遅れは、全国から全国向けの一部で発生しているが、特に影響が大きいのは次の通り。発送対象日は9月9日以降に発送された荷物。

  • 関東・中部・近畿⇒北海道・九州
  • 九州⇒関東

佐川急便のお知らせ

◇◇◇

JR貨物では9月、車輪の組立時に関する検査データで不正な差し替えが行われていたことが判明。これに伴い、車両の検査や点検のため車両の運用停止や貨物列車を運休していた。

ヤマト運輸は佐川急便は、一部荷物の輸送に貨物列車を利用していることから、JR貨物の列車運休に伴い、荷物の配送に遅れが生じている。

松原 沙甫

「新規顧客の獲得」「越境EC拡大」「遊休スペースの収益化」などに経営リソースを投入、ティーライフの中期経営計画

1 year 3ヶ月 ago

ティーライフの3か年の中期経営計画(最終年度は2025年7月期)では「新たな顧客層の獲得」「越境EC拡大」「物流センターの遊休スペース収益化」などに注力し、経営リソースを投入している。

ティーライフが進める2023年7月期から2025年7月期の3か年の中期経営計画では「差別化戦略の推進」「将来の成長に向けた挑戦」「強固な経営基盤の構築」の3つを方針に、オンリーワン商品の開発・育成、ファンマーケティングの強化、海外進出への投資、DX推進などを重点施策として掲げている。

ティーライフの3か年の中期経営計画
ティーライフでは2025年7月期を最終年度とする3か年の中期経営計画が進行中(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

現在は5つのテーマについてプロジェクトを立ち上げ、経営リソースを投入している。プロジェクトは①新たな顧客層の開拓②越境ECの拡大③遊休スペースの収益化④新規収益不動産の取得⑤グループシナジーの創出――の5つ。

ティーライフの3か年の中期経営計画
ノンカフェイン製品拡充による若年層開拓など5つのプロジェクトを推進(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

新たな顧客層の獲得に向けては、ノンカフェイン製品の拡充を行い若年層の開拓を図る。子育て世代を中心にSNSで人気の高いクリエイター「つむぱぱ」とコラボしノンカフェイン製品ブランド「CHA+OCO(ちゃとこ・仮)」を開発を推進。そのほか、スケートボードの愛好者をターゲットとする、スポーツを楽しむこどもたちの水分補給をサポートするペットボトルタイプのノンカフェインのルイボスティー製品を開発していく。

ティーライフの3か年の中期経営計画
新たに開拓したいターゲット層に人気のクリエイターとコラボしノンカフェイン製品を開発していく(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

越境EC拡大については、米国向けBtoB領域に進出。米国のカフェやレストランなど日本食を求めるバイヤーと日本のメーカーをティーライフが仲介するマーケットプレイス「Glocal Depot(グローカル・デポ)」を展開していく。仕組みとしては国内メーカーは米国バイヤーから注文を受けた商品をティーライフの倉庫に出荷。ティーライフが海外へと出荷する。

ティーライフの3か年の中期経営計画
BtoB越境ECプラットフォーム「Glocal Depot」を構築する(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

既存物流センターの改修も行っており、越境物流の拠点としても活用するなど遊休スペースの収益化を図る。物流センターの新設も検討している。グループシナジーの創出については、カンパニー制を採用しているグループ内リソースの最適化を図っていく。

ティーライフの2024年7月期の売上高は前期比3.4%減の130億100万円。ECモール内の競争激化による苦戦や「紅麹問題」が影響しサプリメントの販売が伸び悩んだとしている。営業利益は同33.0%減の5億5100万円、経常利益は33.2%減の5億6400万円、当期純利益は46.6%減の3億1900万円だった。仕入価格やエネルギー価格・人件費・物流コスト上昇の影響を受けたほか、積極的な広告宣伝活動や海外展開に向けた先行投資により減益となった。

2025年7月期の業績予測は、売上高が前期比0.9%減の128億8200万円。営業利益は21.0%増の6億6700万円、経常利益は同15.2%増の6億4900万円、当期純利益は同32.5%増の4億2300万円を計画。引き続き「紅麹問題」により機能性表示食品・サプリメント市場の成長が鈍化することを予想し減収を見込む。

一方、収益改善と先行投資の効果により利益を確保する計画。なおティーライフでは中期経営計画において当初は2025年7月期に売上高150億円達成を掲げていたが、次期中期経営計画の早い段階での達成を目指すとしている。推進する5プロジェクトにより売上の積み上げを図っていく計画だ。

ティーライフの3か年の中期経営計画
若年層開拓や越境EC拡充などで売り上げを積み上げ売上高150億円達成をめざす(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
鳥栖 剛

イケアが自社製品専用の中古品マーケットECに参入、リユースEC事業の成長戦略とは | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

1 year 3ヶ月 ago
Ikeaがデジタル中古品市場に参入しています。製品の寿命を伸ばし、循環型社会に貢献する取り組みです。テスト展開後、グローバル展開を視野に入れています

家具販売大手Ikeaはスペインとノルウェーで、「Ikea Preowned(イケア・プレオウンド)」という中古品再販マーケットプレイスの試験運用を始めました。顧客同士が中古のIkea家具を直接売買できるように設計。現在、スペインの首都マドリードと、ノルウェーの首都オスロでテスト運用しており、テストが成功すればグローバルで展開する可能性があります。

Ikea、自社製品専用の再販プラットフォームをテスト展開

Ikeaグループの親会社で世界中のIkea店舗の大半を運営するIngka(インカ)グループは、消費者同士が自分の所有するIkea製品を出品したり購入したりできるP2P(ピアツーピア)型の中古品再販マーケットプレイスを試験運用しています。試験運用は12月末までです。

「Ikea Preowned」に出品されている中古のIkea製品の一例(画像は「Ikea Preowned」から編集部がキャプチャ)
「Ikea Preowned」に出品されている中古のIkea製品の一例(画像は「Ikea Preowned」から編集部がキャプチャ)

Ingkaグループのジェスパー・ブローディンCEOは「まずはオスロとマドリードから始めますが、Ingkaグループが抱いているビジョンはもっと大きな規模です」と、米LinkedIn(リンクトイン)社が運用するビジネス特化型のSNS「LinkedIn」に投稿しました。

IngkaグループCEOのジェスパー・ブローディン氏による「LinkedIn」への投稿(画像は「LinkedIn」から編集部がキャプチャ)
IngkaグループCEOのジェスパー・ブローディン氏による「LinkedIn」への投稿(画像は「LinkedIn」から編集部がキャプチャ)

試験運用により、中古品の売買というサステナビリティな取り組みの一環で、お客さまがIkea製品をより低価格で入手しやすくなります。家庭生活における人々のニーズを満たす手法として、今までよりも深いインサイトが得られるでしょう。(ブローティン氏)

米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』は、2024年のIkeaのEC売上高は107億6000万ドルに達すると予測しています。

年度別のIKEAのEC売上高の遷移(2024年度の数値は『Digital Commerce 360』の予測。単位:ドル。出典:『 Digital Commerce 360』企業レポート。データは2024年8月時点)
年度別のIKEAのEC売上高の遷移(2024年度の数値は『Digital Commerce 360』の予測。単位:ドル。出典:『 Digital Commerce 360』企業レポート。データは2024年8月時点)

中古品プラットフォームの展望

ブローディン氏は「Ikea Preowned」の試験運用の発表で、Ingkaグループは「デジタル中古品市場に対する顧客の行動や関心、そしてそれがビジネスの観点でIngkaグループにとってどのようなメリットをもたらすのかを理解するため」に、「Ikea Preowned」の試験運用を開始すると説明しました。

現在、「Ikea Preowned」は無料で利用できますが、「将来的にはIngkaグループが『控えめな料金』と表現する利用料金を導入するかもしれない」と、ブローディン氏は国際経済紙『Financial Times』のインタビューに説明しています。

これまでのところ、「Ikea Preowned」に出品されている製品のほとんどは、リビングルーム、子供用家具、収納などのカテゴリーに分類されています。

購入者は、「Ikea Preowned」で気に入った中古のIkea製品を予約し、出品者と会う約束をし、製品の状態を直接確かめてから購入を確定することができます。気に入らない場合は、購入をキャンセルして払い戻しを受けることができます。

製品の出品者は、自分が撮影した写真と設定した価格でIkeaの製品を「Ikea Preowned」に出品することができ、それについてIkeaのアルゴリズムがプロモーション画像、サイズ、製品の詳細情報を追加。各出品物には、組み立てガイドや手入れ方法の情報も加えられます。

出品後、出品者は製品が購入された場合の金額の受け取りを、銀行振込、今後の購入時に15%割引の適用を受けられるIkeaのギフトカードのどちらかを選ぶことができます。

出品者が撮影した画像と設定した価格の一例(画像は「Ikea Preowned」から編集部がキャプチャ)
出品者が撮影した画像と設定した価格の一例(画像は「Ikea Preowned」から編集部がキャプチャ)

中古家具市場で存在感を増し続けるIkea製品

Ikeaの家具はすでに、越境ECプラットフォームの「eBay」、不要品の売買、求人などを個人ができるコミュニティーサイト「Craigslist(クレイグスリスト)」、個人間で製品を売買できる掲示板「Gumtree(ガムツリー)」、Facebookでコミュニティのメンバーからアイテムを購入したり、アイテムを販売したりできる「Facebook Marketplace」などのオンライン転売プラットフォームにおいて、個人間で売買される製品の定番となっています。「Ikea製品は現在、中古家具市場の10%を占めています」(ブローディン氏)

このことに加えて、Ikeaは一部の店舗で、顧客から使用済みの家具を買い取り、中古品として再販売する買い戻しプログラムを実施しています。

売上の基盤を実店舗からECにシフト

Ikeaは、Ikea製品の売買専用オンラインプラットフォームである「Ikea Preowned」を提供することで、他社とは一線を画そうとしています。中古品市場でより大きなシェアを獲得し、売り上げの軸を実店舗から、成長中のオンライン販売部門に移すことが目標です。

世界の中古家具市場は2024年以降、毎年6.4%成長すると予測されており、ブローディン氏はこれを受けて「消費者は高額な品物をリーズナブルに購入するために中古品を選ぶという大きなトレンドを反映している」と強調しています。

中古品の流通でサステナビリティに貢献

Ingkaグループは、中古製品の売買を後押しする「Ikea Preowned」は、製品の寿命を伸ばすための取り組みの一環であると説明。Ikeaグループは、店舗での買い戻し、部品交換、古いマットレスを再利用しているオランダの子会社RetourMatrasのようなリサイクルプログラムなど、製品の寿命が伸びることにつながるさまざまなサービスをすでに提供しています。

マットレスの回収・再利用を行っているRetourMatras(画像はRetourMatrasのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)
マットレスの回収・再利用を行っているRetourMatras(画像はRetourMatrasのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)

こうした取り組みは、Ikeaが掲げるサステナビリティの目標に沿ったものであり、まだ使える製品が処分されてしまうのを防ぐことで循環型経済に貢献しています。

英コンサルティング事業者Deloitteと、循環型の経済システムを推進するCircle Economy財団が共同で作成した「グローバル・サーキュラリティ・ギャップ・レポート2024」によると、循環型経済はメガトレンドの域に達したことが明らかになっています。循環型経済に関する議論、討論、記事の量は、過去5年間で約3倍に増加しました。

しかし、世界経済における再生資源のシェアは依然として低下傾向にあり、2018年の9.1%から2023年には7.2%に低下し、5年間で21%減少しています。

レポートは、循環型経済を推進し、循環型経済に反する有害な行為にはペナルティーを科す政策を導入するために、政府、金融関係者、市民が協力して改革に取り組むことが必要だと説明しています。また、適正な価格を設定して、循環型経済への解決策に向けた資金提供ができるように調整することを求めています。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

めざすは女子店イメージの刷新、男性衣料の比率増や断熱実験体験などの「#ワークマン 女子女子」新型店舗とは

1 year 3ヶ月 ago

ワークマンは2024年9月24日、埼玉県所沢の複合商業施設「エミテラス所沢」に「#ワークマン女子 エミテラス所沢店」を開店する。顧客の要望を踏まえ、従来の女子店のイメージを刷新するのが特徴だ。

<本文>
ワークマンは8月31日現在、1019店舗を展開し、そのうち「#ワークマン女子店」は66店舗。「#ワークマン女子店」に対する改善点を顧客に聞いたところ、次の3点が主に寄せられた。

  • 女性と男性の主力衣料品のテイストが異なり店舗に統一感がない
  • 女性衣料に較べて男性用が少なすぎる(現状は2対1)
  • 使用頻度が少ない機能性衣料やアウトドアカジュアルが多く、次の来店動機が高まらない

こうした課題を踏まえ、「#ワークマン女子 エミテラス所沢店」では女性と男性の衣料品売場に統一感を出し、従来の女子店のイメージを刷新した。

具体的には、女性と男性ウエアのテイストをそろえるため、女性は「大人かわいい」、男性は「大人カジュアル」にして控えめなデザインで統一。さらに、女性と男性衣料の比率を1対1にした。ただ、女性物は好調なためアイテム数は据え置く。

「大人カジュアル」コーナー ワークマン
「大人カジュアル」コーナー

男性は落ち着いた女子店限定品を大幅に増やす。これにより、アイテムの売場構成比を女性衣料は35%、男性衣料は35%、、靴は15%、キッズは10%、鞄/帽子は5%にする。

このほか、業界最大手と競合する購入頻度の高い製品を女子店の最重点アイテムにする。肌着においては冬物の売り場を拡大。秋冬物は防寒肌着やメリノウール肌着で攻勢をかける。また、トレンド品が中心のWorkman Colorsブランド品のアイテム数を増やして、顧客の来店頻度を高める。さらに、男性の大人カジュアルを強化。機能性商品をカジュアル製品に導入し、定価は最大手の半額に設定する。

「エミテラス所沢店」の売場面積は498平方メートルで、ショッピングモール内の女子店としては全国最大規模。また、独自開発の断熱シートと吸光発熱綿を組み合わせ、外部環境を無効化する新素材を用いた「XShelter着る“断熱材”」シリーズのウェアを5アイテム陳列した初の店舗としても話題となっている。

松原 沙甫

アフィリエイト広告運用企業の77.7%がASPを複数利用、63.8%がワンタグツールを導入

1 year 3ヶ月 ago

フルスピードが実施したアフィリエイト広告運用の実態調査結果によると、アフィリエイト広告を運用している企業の約8割が複数のアフィリエイト・サービス・プロバイダ(ASP)を利用しており、6割以上が複数のASPのデータなどを一元管理するワンタグツールを導入していることがわかった。

調査は7月18日に、ジャストシステムが提供する「ファストアスク」によるインターネット調査を実施。アフィリエイト広告を行っている企業のマーケティング担当者188人から有効回答を得た。

ASPを何社利用しているか聞いたところ、2社以上のASPを利用していると回答した企業は77.7%にのぼった。

フルスピードが実施したアフィリエイト広告運用の実態調査結果
利用ASP1社のみは11.2%だった

アフィリエイト広告用のワンタグツールの導入状況について聞いた質問に対しては、、「導入している」が63.8%。すでにアフィリエイト広告運用に取り組んでいる企業の多くが「複数ASPの利用」と「ワンタグツールの活用」を行っていることがわかった。

フルスピードが実施したアフィリエイト広告運用の実態調査結果
ワンタグツールの導入率は63.8%だった

利用しているASPの数によって、成果への悩みや満足度に違いがあるかも調べた。ASPの利用社数別に「CV数の少なさへの悩みの有無」を聞いたところ、ASP利用数は1社または2社のみの場合は「成果・CV獲得数に悩みを持つ」と回答した割合がそれぞれ約21%。「悩みを持たない」は1社のみが約5%、2社のみが約17%と、ASP利用数が少ない企業では悩みを持つ割合が多い。

一方、ASPを3社以上利用している企業では悩みありが約48%に対し、悩みなしは約60%。ASP利用社数が多い企業ほど、成果・CV獲得数への悩みが少ない傾向にある。この結果からフルスピードでは「利用するASPの数を増やすことで成果獲得につながる」と考察している。

フルスピードが実施したアフィリエイト広告運用の実態調査結果
ASPを3社以上利用する企業では「成果・CVに悩みなし」が約68%に

アフィリエイト広告運用における悩みについても聞いた。「成果承認作業(重複した成果がないかの確認)が大変」が44.1%でトップで、次いで「メディア管理(どのメディアで成果が発生したか、などをまとめる作業)が大変」(42.6%)、「メディア管理(紹介されている掲載面に問題がないかどうかのチェック)が大変」(38.3%)だった。アフィリエイト広告を運用する企業は「メディア管理」や「成果承認作業」といった管理に関わる工数に悩みを抱えている。

フルスピードが実施したアフィリエイト広告運用の実態調査結果
運用の悩みには成果承認作業やメディア管理が上位となった

利用するASPの社数とワンタグツールの利用率の相関についても調べた。ワンタグツールの利用率が最も高かったのは「6社以上利用している企業」で約93%。次いで「5社利用」の約78%で、以下もASP利用社数の多い順でワンタグツールの利用率が高いという結果となった。

フルスピードが実施したアフィリエイト広告運用の実態調査結果
利用ASPの数が多いほどワンタグツールの導入率も高い傾向となった

複数のASPを利用する企業ほど管理工数が増える傾向が高く、そのため運用管理の効率化を実現するワンタグツールの必要性が高くなっていると見られる。ASP利用数が増加するほどワンタグツールも利用されることがわかった。

鳥栖 剛

宅配便ロッカー×無人自動配送ロボの組み合わせで無人配達。ヤマトなど3社が実証実験

1 year 3ヶ月 ago

北海道・石狩エリアで9月11日から、車道を走行する無人自動配送ロボットと宅配便ロッカーを組み合わせた無人宅配の実証実験がスタートした。

ヤマト運輸と、車両型の無人自動配送ロボを開発する京セラコミュニケーションシステム(KCCS)、オープン型宅配ロッカー「PUDOステーション」を展開するPackcityJapanの3社が共同で実施する。

実証実験の内容は、「PUDO」を搭載した中型・中速無人自動配送ロボが公道を走行し、荷物の受け取り手の自宅から徒歩1分圏内の場所まで届けるというもの。走行中は遠隔で監視者がモニタリングし、状況に応じて無人自動配送ロボットを遠隔操縦する。車道実証のための許可として、北海道運輸局から保安基準緩和認定を受け北海道警察から道路使用許可を取得。石狩市の協力を得て実施する。

実施期間は9月11日から10月下旬まで。対象エリアは石狩市緑苑台東地区で、対象地域の「クロネコメンバーズ会員」宛の宅急便で実験する。クール宅急便、着払い、代金引換、120サイズ以上の荷物は対象外としている。

利用者は、①クロネコメンバーズのユーザーは荷物の配達予定通知が来たら受け取り場所を「宅配便ロッカーヤマト運輸緑苑台実証実験用」を選択②ヤマト従業員が無人自動配送ロボの「PUDOロッカー」に荷物を格納③無人自動配送ロボが走行し、受取ユーザーの自宅付近に接近したらユーザーに通知を発出④ユーザーは無人自動配送ロボの到達地点まで足を運び、PUDOロッカーの開錠操作を行う――この流れで荷物を受け取ることができる。

ヤマト運輸と、車両型の無人自動配送ロボを開発する京セラコミュニケーションシステム(KCCS)、オープン型宅配ロッカー「PUDOステーション」を展開するPackcityJapanの3社が共同で車道を走行する無人自動配送ロボットと宅配便ロッカーを組み合わせた無人宅配の実証実験をスタート
「クロネコメンバーズ」の受取場所指定変更や通知機能を用いて実験する

各社は地域特性に適した無人自動配送ロボの社会実装に向けた新たな配送サービスの実現をめざす。無人自動配送ロボットを活用した物流サービスの実用化に向けた実証実験を継続するとしている。

なお今回の実証実験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募し、2022年6月にKCCSが採択された「革新的ロボット研究開発基盤構築事業/自動配送ロボットによる配送サービスの実現」の取り組みの一環。KCCSとヤマト運輸では2022年から中速・中型無人自動配送ロボットによる個人向け配送サービスの実証実験を行い、実用化に向けた検証を進めている。

鳥栖 剛

【JR貨物列車運休の影響】ヤマト運輸、佐川急便で荷物の配送に遅延が発生

1 year 3ヶ月 ago

日本貨物鉄道(JR貨物)が輪軸組立作業時の不正行為によって車両点検を行い、全貨物列車が運休となっている影響で、ヤマト運輸と佐川急便は9月11日までに、一部エリアにおいて荷物の配送に遅れが生じていると発表した。

ヤマト運輸

次の地域において荷物の配送に1日以上の遅れが生じる見込み。対象は9月10日~11日に発送された荷物。

東京、関東地域(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)から九州地域、北海道宛ての荷物
九州地域(福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県)、北海道から東京、関東地域宛ての荷物

ヤマト運輸のお知らせ

佐川急便

一部荷物の輸送に貨物鉄道輸送を利用していることから、預かった荷物の配送に遅れが生じている。対象は全国から北海道、東北地域、関東地域、北陸地域、関西地域、九州地域向けの荷物。

9月11日以降の発送分の荷物については代替の輸送手段への切り替えを検討。遅延を最小限に抑えるために最善を尽くすとしている。

佐川急便のお知らせ

松原 沙甫

エアークローゼットが期間限定で「有楽町マルイ」にパーソナルスタイリングの体験型店舗をオープン

1 year 3ヶ月 ago

エアークローゼットが提供する月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」は丸井と連携し、9月11日(水)~11月11日(日)の期間限定で「有楽町マルイ」にパーソナルスタイリングの体験型店舗をオープンした。

「パーソナライズされたファッション体験」を提供

エアークローゼット airCloset パーソナルスタイリング診断 体験型店舗 有楽町マルイに期間限定でオープン
期間限定で「有楽町マルイ」に体験型店舗をオープン(画像は予約サイトからキャプチャ)

体験型店舗では、「airCloset」のプロのスタイリストがユーザーのファッションの悩み・好み、なりたいイメージ、着用シーン、サイズなどを踏まえたパーソナルスタイリング診断を実施、ユーザーに直接コーディネートを提案する。その場で提案した商品を購入することも可能。プランおよび利用の流れは次の通り。

プラン詳細(担当スタイリストによって提供メニューは異なる)

  • スタンダードプラン【パーソナルスタイリング診断】:休日7700円、平日6600円(いずれも税込)/所要時間50分
  • カラープラスプラン【カラー診断付 パーソナルスタイリング診断】:休日8800円、平日7700円(いずれも税込)/所要時間60分
  • 骨格プラスプラン【骨格診断付 パーソナルスタイリング診断】:休日8800円、平日7700円(いずれも税込)/所要時間60分
  • プレミアムプラン【骨格+カラー診断付 パーソナルスタイリング診断】:休日9900円、平日8800円(いずれも税込)/所要時間70分

利用の流れ

  1. プランを選択し、事前予約を行う
  2. 予約完了後、事前アンケートに回答
  3. 予約日当日、パーソナルスタイリング診断をもとに、プロのスタイリストがコーディネートを提案する
  4. コーディネートを試着。気に入った商品はその場で購入可能

従来のファッション系診断サービスでは、診断結果のみで実際のコーディネート提案が含まれない場合も多く、ユーザーが診断結果をどう活用すれば良いのか悩んでしまう実態があるという。

体験型店舗ではパーソナルスタイリング診断を実施した後に洋服の提案までを一貫して提供、診断結果をどのように日常のファッションに取り入れるかをスタイリストが具体的にアドバイスする。

さらに、その場で洋服の購入までできることで、一般的なスタイリストによるショッピング同行(3~7時間程度)よりも短時間(1時間程度)で買い物まで行えるため、タイパの良いショッピングにもつながるという。

新たなファッション消費の創出をめざす

エアークローゼットは、「airCloset」を通じてユーザーが全国各地で手軽にパーソナルスタイリングを楽しめるよう、オンラインでサービスを提供している。一方で、ファッションの新たな楽しみ方となる「パーソナルスタイリング」をリアルで体験できる機会も重要だと捉え、体験イベントを不定期で実施してきた。

オフラインでのタッチポイント拡大を目的に、体験の提供を軸とした店舗戦略を掲げている丸井と連携し、パーソナルスタイリングの体験型店舗を期間限定で出店する。

エアークローゼットは、店舗をパーソナルスタイリングに興味はあるものの、まだサービスを利用していない潜在的なユーザーが、気軽にパーソナルスタイリングを試せる場所にしたいと考えている。また、「airCloset」利用ユーザーには、スタイリストに直接ファッションの相談ができる、パーソナライズされたファッション体験の提供につなげる。

藤田遥

小売業界の祭典「NRF APAC」から学ぶ、日本の小売・ECが“イマ”取り組むべき「顧客体験」「テクノロジー」「組織変革」のあり方

1 year 3ヶ月 ago
「NRF APAC」で注目されたキーワードとは? ドミノ・ピザの事例やリテールメディア成功のための「4つのC」も解説
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「NRF」とは、National Retail Federation(全米小売業協会)が毎年ニューヨークなどで開催している小売業を中心とした世界最大規模のマーケティングカンファレンスだ。最新のリテールテックの紹介や小売業界のトップマーケターによるプレゼンテーションが行われている。2024年6月、「NRF」のAPAC版(以下「NRF APAC」)がシンガポールで初開催され、50以上の国と地域から約5500人が集まった。

「NRF APAC」に参加した楽天グループ マーケットプレイス事業 アカウントイノベーションオフィス ヴァイスジェネラルマネージャーの秦俊輔氏とRoktのビジネス開発 ディレクター大野皓平氏に、日本の小売企業、EC企業などが自社のビジネスに生かせる現地で得たヒント、印象に残ったキーノートなどを聞いた。

キーワードは「顧客起点」「データ活用」「テクノロジー・AI活用」

Eコマースソリューションを提供するRoktは「NRF APAC」に「ゴールドスポンサー」として参加し、日本から参加したリテール企業の現地での情報収集やネットワーキングのサポートを行った。

非常に盛り上がったイベントで、参加者全体の1割くらいが日本からの参加者だった。ユニクロ、イオン、ドン・キホーテなど日本人のスピーカーによる講演もあり、アジアのなかでも日本の存在感を感じられるイベントだった。(大野氏)

Rokt ビジネス開発 ディレクター 大野皓平氏
Rokt ビジネス開発 ディレクター 大野皓平氏

「NRF APAC」全体を通じて大野氏が読み取ったキーワードは、①顧客起点 ②データ活用 ③テクノロジー・AI活用 ――の3つ。

顧客と向き合うためにオンライン、オフラインでデータを収集するためにどのような仕組みを用意するのか、収集したデータをどのように顧客体験へフィードバックしていくのか。その実現のため、AIなどテクノロジーの活用の重要性が高まっていることも感じられたという。

「NRF APAC」の様子
「NRF APAC」の様子

キーノートでは「顧客第一」「徹底的正直」がテーマに

楽天の秦氏は、特に印象に残ったセッションにドミノ・ピザのクリストファー・トーマス・ムーアCDOによる基調講演をあげた。

「Meeting Consumer Needs Through Tech-Driven Innovation(テクノロジー主導のイノベーションを通じて消費者のニーズに応える)」と題したセッションでは、「顧客第一」「徹底的正直」をキーワードに進化を遂げたドミノ・ピザについて語った。ドミノ・ピザのDXによるリブランディングから、顧客体験の向上につながるプロモーション戦略までについて解説する内容だったという。

ドミノ・ピザによるキーノートセッションの一幕
ドミノ・ピザによるキーノートセッションの一幕

ドミノ・ピザのセッションでも「顧客起点」「データ活用」「テクノロジー・AI活用」が重要なテーマだった。

米国のドミノ・ピザでは売り上げの8割以上がデジタルチャネルからの注文になっており、ビジネスの改善に役立つデータ整理の仕組みが整っていることで、イノベーションへの継続的な取り組みが可能になっている。

同社は顧客離れで業績不振に陥った2010年以降、デジタルチャネルの分析などを通して顧客の声に耳を傾け、顧客が求めるものを探ってきた。その結果、具体的にはAIスピーカーやスマートウォッチからピザの注文ができるシステムや、Googleマップとの連携による配達など先進的な取り組みを進めている。

特に印象深かったのは、顧客調査で出てきた「おいしくない」「届くのが遅い」といったバッドレビューをあえてプロモーションで活用したという話だ。まさに「徹底的正直」の体現。顧客からは自分たちの良くない点を認めて、これから変わろうという姿勢がある会社と映り、信頼を勝ち取ることができた。

またイノベーションを起こす原則として「イノベーションは広告になる」ということを掲げているのもユニーク。顧客の声を聞き、新しいチャレンジを発信していくことで、それ自体が口コミで広がる。こうした考え方のもとチャレンジしていくというのは、多くの企業のビジネス拡大において参考になるのではないか。(秦氏)

楽天グループ株式会社 マーケットプレイス事業 アカウントイノベーションオフィス ヴァイスジェネラルマネージャー 秦 俊輔氏
楽天グループ株式会社 マーケットプレイス事業 アカウントイノベーションオフィス ヴァイスジェネラルマネージャー 秦 俊輔氏

リテールメディアで重要な4つの「C」とは?

Roktの大野氏は、印象に残ったセッションに元コカ・コーラのヴァイスプレジデントを務めたサイモン・マイルズ氏によるリテールメディアに関するセッションをあげた。

セッション名は「Global Retail Media: insights unfold, Stories untold(グローバルリテールメディア:展開されるインサイト、語られないストーリー)」。リテールメディアのポテンシャルや市場が拡大するなかでおさえておくべき課題などについて、次の4つの「C」にまとめて解説する内容だった。

CLARITY(明確な効果計測)

「エンゲージメント」「購買前の行動」「コンバージョン」「新たに生まれた価値」の4つの観点での明確な効果計測の必要性と、目標を立てそこをめざすことの重要性を指摘。特にメーカー視点ではシンプルなレポートをしていくことが大事だと説いた。

CAPABILITY(実施能力)

社内における実現性について、リテールメディアが自社にとって有効なビジネスだとわかっても、実現できるのかという課題がある。経営層はリソースの最適化を実現する組織作りが必要であり、エキスパートとしてリテールメディアに特化した専門知識を持つ組織も必要だ。そして人事や財務といった部署も含め、組織全体でリテールメディアについて一定の理解を得ていくことが必要だと説明した。

COLLABORATION(コラボレーション/協働)

社内外における協働が重要。社内で全体戦略を共有し、部署ごとでサイロ化しがちな意思決定を取り払い、議論していくことが必要ということだ。

CONSUMER FOCUS(顧客視点)

あくまでも「顧客ありき」であることが基礎だと説いた。

たとえば、ECサイトで広告事業を行うとなると、マーケティングや営業、UX開発やセキュリティまで、いろいろなステークホルダーが同じテーブルについて議論する。それが最初の大事なコラボレーションということ。また、社内外で連携していく上で、透明性をコラボレーションすることが非常に重要だと説明していた。(大野氏)

サイモン・マイルズ氏がリテールメディアについて語ったキーノートセッション
サイモン・マイルズ氏がリテールメディアについて語ったキーノートセッション

日本の小売り・EC事業者が今取り組むべきこととは?

両氏は「NRF APAC」参加を踏まえて、日本の小売り・EC事業者が今取り組むべきポイントについて、それぞれ2つずつ提言キーワードをあげた。楽天の秦氏があげたのは「徹底的に顧客に向き合う」と「AI活用の推進」だ。

顧客の顕在的なニーズだけでなく、潜在的なニーズまで捉え、満足度の最大化を図っていく必要がある。そのためには徹底的に顧客に向き合っていくしかない。また蓄積されたデータを有効活用していくのにAIは必要不可欠。これによって成果レベルが上げられる。顧客体験の向上にはデータとAIをうまく組み合わせていくことが重要

また顧客体験の向上から付帯収益を得るという観点で「リテールメディア」という方法はやはり有効。EC事業者であれば必ずユーザーデータと、ECサイトなどという「面」を持っている。ここをうまくメディア化することで収益源にできるチャンスがやってきていると思う。すでにある資産を使ってアクションを起こせていない企業は、まずやれるところからやってみることが重要ではないか。(秦氏)

Roktの大野氏があげたキーワードは「データの正しい活用」と「コラボレーション」だ。

Roktの調査では、ファーストパーティデータの活用がユーザー自身にメリットがあるのであれば、そのECサイトをもっと使いたいと考えるユーザーは、グローバルで見ても多い。日本ではさらに多いことがわかっている。こうした背景を踏まえてリテールメディアの活用を含め「正しいデータ活用」が今後さらに進むことに期待したい。

またさまざまな取り組みにあたって他部署との連携やパートナー企業と目線を合わせて一緒に進めていく「コラボレーション」も重要だ。(大野氏)

楽天・Roktはリテールメディア支援を提供

楽天グループとRoktは、ECをベースとしたリテールメディア支援を手掛けている。楽天ではメーカー向けに、「楽天市場」を起点に購買行動データを活用した広告ソリューション「Brand Gateway」を提供している。

このソリューションでは「楽天市場」内にブランドキャンペーンページを制作し、データを活用して楽天経済圏内外の広告枠で集客し、来訪ユーザーを最終的に商品販売ページへと誘導する。楽天ユーザーとの接点を創出し、間口を広げることや、ナーチャリングを目的としたコミュニケーション施策として活用できる

また、接触ユーザーおよび購買分析を一気通貫で実施することで、楽天でしか得られない顧客理解を深める取り組みを実現している。

楽天の「Brand Gateway」の概要
楽天の「Brand Gateway」の概要

またRoktでは、ECサイトのリテールメディア化を支援するソリューション「Rokt Ecommerce」を提供。ECサイトで顧客が買い物を完了した直後の「サンクスページ」(購入完了ページ、購入確認画面)で、Rokt独自のAI・機械学習技術を用いて導入ECサイトが所有するファーストパーティデータを分析。顧客それぞれにとって関連性の高い外部広告主からのオファーを、購入直後にリアルタイムで表示する。

「Rokt Ecommerce」はサンクスページで外部広告主によるオファーを表示できる
「Rokt Ecommerce」はサンクスページで外部広告主によるオファーを表示できる

広告主営業のほか運営管理は基本的にRoktが実施するため、EC事業者は社内リソースに負担をかけずに広告事業を開始できる顧客体験を損なわない優良な広告ラインアップから、自社と競合しない広告主や商品・サービスのカテゴリのみを表示するようコントロールしつつ、質の高いオファーをサンクスページで表示する。

楽天グループサイトの購入完了画面で表示されるRoktプレイスメントの例
楽天グループサイトの購入完了画面で表示されるRoktプレイスメントの例

楽天グループもRoktのパートナーとなっており、「楽天ブックス」や「楽天チケット」などにおいて「Rokt Ecommerce」による広告表示を行っている。秦氏は両者のパートナーシップについて次のように語った。

資産価値があるのに今までマネタイズできていなかった部分を、Roktと連携することで新たな収益源にできた。AIが今後進化していけばさらにパーソナライズされた情報が届けられ、データを活かしてユーザーに嫌われないような広告を出せる。非常に面白い取り組みだと感じている。(秦氏)

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鳥栖 剛

GMOメイクショップ「makeshop byGMO」「GMOクラウドEC」のエンタープライズプラン、月額6万500円→5.5万円、初期11万円→1.1万円へ値下げ

1 year 3ヶ月 ago

GMOメイクショップは9月9日、ECサイト構築SaaS「makeshop byGMO」とECサイト構築ソリューション「GMOクラウドEC」の「エンタープライズプラン」の価格を大幅に値下げした一方、サービス内容を拡充した。

「エンタープライズプラン」の新料金は、月額費用が従来の6万500円(税込)から5万500円(同)に、初期導入費用は11万円(同)から1万1000円(同)に値下げした。

また、「BtoBオプション」「定期購入オプション」など人気商品の一部を、プラン料金内でサブスクとしての使用を可能にした。

内容の拡充や価格の値下げによって、ECへの新規参入やECサイトのアップグレードなどにかかるコスト負担を軽減、事業者によるECへの取り組みを支援するという。

GMOメイクショップは、多くの事業者にとってEC化を阻む大きな障壁となっているのが費用面と指摘。ECサイト構築にかかる初期費用やオプション機能の追加料金は、ECへの新規参入やサイトのカスタマイズを希望する事業者にとって大きな負担となっているとし、値下げに踏み切った。

松原 沙甫

パナソニックHDのデジタルとリアルを融合させたECビジネス「ハックツ!」とは

1 year 3ヶ月 ago

パナソニック ホールディングスとコミュニティ活動の運営などを手がける三茶ワークカンパニーは9月2日から、三茶ワークカンパニーが運営するコワーキングスペースを活用して、パナソニックHDが運営するECサイト「ハックツ!」のサービス提供を開始した。

「ハックツ!」は地域にある複数の魅力的な店舗の商品を1つのプラットフォームで注文できるECサイトで、商品は注文者に配送せず、指定の受取スポットで直接渡す仕組みを採用。配送にかかる個々の工程をカットすることで、採れたて・でき立ての新鮮でおいしい商品を提供している。

不定期で体験イベントを実施するなど、デジタルの利便性とリアルな体験を同時提供するのが「ハックツ!」の特徴。人と人、モノとモノをつなぐことで顔が見える関係を構築し、地域内での経済循環を生み出す仕組みの構築に取り組んでいる。

パナソニック ホールディングスとコミュニティ活動の運営などを手がける三茶ワークカンパニーは9月2日から、三茶ワークカンパニーが運営するコワーキングスペースを活用して、パナソニックHDが運営するECサイト「ハックツ!」のサービス提供を開始
「ハックツ!」のビジネススキーム​​​​​​

「ハックツ!」が新たに展開する世田谷エリアでは、三茶ワークスが運営するコワーキングスペース「茶や」に商品の受取スポットを設置。出店者や注文者が交流できる場として活用することで、世田谷区での新たなコミュニティの形成をめざす。

パナソニックHDは、「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現に向けた取り組みを推進。各地域の人々の豊かな暮らしの実現をめざしている。

その一環としてECサイト「ハックツ!」は2023年5月、神奈川・藤沢市でサービスの提供を開始した。世田谷区はサービス提供の2地域目となる。今後、世田谷区と藤沢市で地域を越えた交流促進にも取り組む予定。

パナソニック ホールディングスとコミュニティ活動の運営などを手がける三茶ワークカンパニーは9月2日から、三茶ワークカンパニーが運営するコワーキングスペースを活用して、パナソニックHDが運営するECサイト「ハックツ!」のサービス提供を開始
世田谷区はサービス提供の2地域目

 

松原 沙甫

働く20~30歳代女性に聞いたSNS利用実態。利用1位はインスタ、2位はX、投稿ユーザーの約7割が購入品について発信

1 year 3ヶ月 ago

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表した。これによると利用するSNS1位はInstagramで、SNS投稿をするユーザーの約7割が購入品について発信していることがわかった。

調査は8月26日~28日にインターネット調査を実施。調査対象は全国の20歳代~30歳代の働く女性でSNSを利用している計500人。そのうち、商品購入後に商品サイトに5回に1回以上レビュー・口コミを投稿する人は250人。

使っているSNSについてはは20歳代・30歳代ともに1位は「Instagram」、2位が「X」、3位が「YouTube」だった。「TikTok」は20歳代で36.4%、「Facebook」は20歳代が10%、30歳代で20%だった。1日あたりのSNSの利用時間は「1時間以上2時間未満」が22.6%。

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表
「TikTok」は20歳代が多く、「Facebook」は30歳代が多い傾向に

SNSを利用する目的は「情報収集」が80.8%で1位。次いで「息抜き」(57.0%)、「娯楽として」(46.2%)が続いた。「発信・投稿」と回答した人は4割弱。約6割は閲覧用、いわゆる“見る専”でSNSを使っているようだ、

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表
SNS利用者の6割は「見る専」として使っているようだ

SNS利用目的の回答を「商品サイトによくレビューを投稿する人」とそうでない人に分けて比較した。よくレビュー投稿する人は「発信・投稿」が56.8%で、レビュー投稿しない人の22.4%と大きな差がある。「友人・知人との話題を得るため」の回答割合も大きな差があり、よくレビューを投稿する人は誰かに何かを発信しようとする意識が強い傾向が見られた。

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表
レビュー投稿を良くする人では「発信・投稿」の割合が高くなった

SNSで発信・投稿をしている人を対象に、発信・投稿を行うSNSについて聞いた。「Instagram」(84.3%)「X」(84.3%)が同率で1位に。利用率1位だった「Instagram」に、投稿率ではXが並ぶ結果となった。

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表
発信の場としてインスタとXは同率で並んだ

SNS投稿をする際の、公開範囲についても調査。どのSNSも、非公開よりも全体公開で投稿している人の方が多かった。

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表
どのSNSも「全体公開」で投稿する割合が多くなった

また日頃から商品サイトにレビューを投稿している人の方が、SNSでも全体公開で発信する傾向にある。

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表
よくレビュー投稿する人は全体公開の割合が高い傾向に

全体公開で投稿をする理由は、「好みが合う人の共感を得たいから」が40.3%でトップ。次いで「たくさんリアクションが欲しいから」(37.0%)となった。全体公開は誰でも閲覧できることから「推しに見てもらいたい・繋がりたいから」(13.6%)という回答も一定数集まった。

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表
共感やリアクションを多く得るため全体公開する傾向があった

全体公開でSNS投稿をしない理由についても聞いた。「個人情報の特定が心配だから」「身近な人からリアクションがもらえればよいから」「大勢に知らせたいことがないから」という回答が上位となった。

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表
全体公開しない人は「特定」される懸念が大きいようだ

SNS投稿をする人のうち、SNSで購入した商品について投稿したことがあるかを聞いたところ、約7割が投稿している。頻度は「毎回投稿する」(23.2%)、「たまに投稿する」(47.5%)となった。

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表
約7割がSNSで購入商品について投稿

商品サイトによくレビューを投稿する人の回答に絞ってみると、「毎回投稿する」(30.3%)、「たまに投稿する」(52.8%)となり全体より頻度が高い傾向に。8割以上がSNSでも購入した商品について投稿していることがわかった。

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表
よくレビュー投稿する人ほどSNSでも購入商品について投稿する

一方、あまり商品レビューを投稿しない人のうちSNSで購入した商品について「毎回投稿する」の回答は5.4%、「たまに投稿する」(33.9%)と少ない傾向だった。

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表
あまりレビュー投稿をしない人はSNSでの購入商品についての投稿もわずか

商品サイトにレビューを投稿する理由についても調査。トップは「商品の魅力を伝えるため」(48.0%)だった。

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表
レビュー投稿の理由は「商品の魅力を伝えるため」がトップに

購入した商品についてSNSに投稿する理由も聞いた。レビューをよく投稿する人では「商品の魅力を広めるため」が49.2%で1位。一方、商品レビューをあまり投稿しない人は、「商品を購入したことを伝えるため」(45.5%)が1位と考え方の違いが浮き彫りになった。そのほかの傾向としては「購入を悩んでいる人のため」という人は、レビューをあまり投稿しない人は0だったが、レビューをよく投稿する人では24.6%と大きな差があった。

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表
SNSでのレビュー投稿も「商品の魅力広めるため」が上位に

SNSに投稿された商品レビューを参考にするかについて聞いた質問では、75%が「参考にする」と回答。SNS上のレビュー・口コミは、多くの人にとっては参考になる情報であり、商品の新たな魅力や使い方を知るきっかけにもなっているようだ。

ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japanは9月10日、「働く女性の商品レビューとSNS活用に関する調査」の結果を公表
4人に3人がSNSに投稿されたレビューを参考にしている
鳥栖 剛

売れる理由を一番知っているのは誰? それは「お客さま」! ユーザーの声+客観的なデータから売るチャンスを創出しよう | 強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

1 year 3ヶ月 ago
EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関連するテーマを設定し、判断をするための考え方を解説します【連載8回目】

「EC事業を内製化する」――それは必ずしも、「Webサイトやコンテンツの制作スキルを身につける」「リスティング広告の運用を自社内で行う」「自社サイトのシステム改修をECチーム内で解決する」ことを意味しません。ECに関係する専門的な領域は、すでにいち担当者の努力でどうにかなる時代ではなくなっています。

EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関係するテーマを設定、その判断をするための「考え方」を伝える8回目の連載も、「情報管理」の重要性について解説します。

強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座
  1. ECのマーケティングとは? 「売り上げを伸ばす」ってどういうこと? EC事業の内製化に大切なポイントを解説!
  2. 客単価が2倍=売り上げも2倍!はウソ? 事例に学ぶ売上の公式の「真実」とは
  3. コンバージョン率が高い=良いECサイト? 「割り算」で算出する数値には注意しよう!
  4. ECサイトのアクセス数アップのポイントは、自社にとって「エンゲージメント」が高いユーザーを意識すること
  5. ユーザーが自社を「選んでくれた理由」「知ってくれた理由」を分析しよう! 商品作り&顧客作りに重要なポイントを解説
  6. 「生の声」「問い合わせ」の情報を蓄積して、ユーザーへの提案の「解像度」を上げることが大切!
  7. 「なぜ売れたのか」疑問を持とう! ユーザーの目的からニーズを探るためには「情報管理」が重要になる
  8. 売れる理由を一番知っているのはお客さま! ユーザーの声+客観的なデータから売れるチャンスにつなげよう

ECのマーケティングは「ヒト・モノ・カネ・情報といった自社のリソース」と「外部のマーケティングソリューション」を組み合わせて、「結果としての売り上げと利益を最大限に伸ばす」ことが求められます。

つまり「EC事業の内製化」とは「業務の内製化」ではなく、「判断の内製化」なのです。ECの戦略・方針、日々のアクション・行動、そしてソリューションの選択が成果につながっているか、これだけは社内のネットショップ担当者でなければ判断ができません。

「強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」では、ECマーケティング人財育成(ECMJ)が、こうした判断を行えるEC担当者育成に向けたポイントを解説します。

「チャンスの芽」を「チャンス」に変えるためにも、情報管理が大切

ネッタヌネッタヌ

前回の「まとめ買い」の話、面白かったぁ。お客さまからの「まとめ買い」注文が重なったというところから、あそこまで掘り下げていくんですね。

石田

いつも言っているとおり、チャンスの芽は日常にあふれている。

チャンスは誰でも気付くでしょう? 大切なことは「チャンスの芽」に気付いて、「チャンスの芽」を「チャンス」に変えていくことなんだ。そのためにも「情報管理」が大切だね。

ネッタヌネッタヌ

今回も実際にあった情報管理の「体験談」ですよね?

石田

うん。今回も私がコンサルティングで実際に経験した話を元にして、「情報管理」の重要性を説明していくね。(よりわかりやすくするため、実際の事例に少し変更を加えています)

仕入れ当初、商品はまったく売れなかった

石田

今回もネットショップで実際にあった話だ。そのネットショップは「玩具」を問屋さんから仕入れて販売している小売型のネットショップ。もともと実店舗で商売をしていて、並行してECサイトを運営している。

ネッタヌネッタヌ

既存の事業があって、ECに新しい販路を拡大する会社さんですね。

石田

そうそう。このネットショップが販売している「玩具」はゲームやプラモデルではなくて、キャラクターグッズ。「キティちゃん」や「リラックマ」のグッズってあるでしょう、ああいった商品ね。

ネッタヌネッタヌ

ネッタヌのグッズはなかった?

石田

(無視)そのネットショップに問屋さんから1つの依頼があった。「あるご当地モノのキャラクターグッズが大量に余っていて、それを安い仕入れ価格で実店舗に置いてくれないか」というものだった。

そこで、そのキャラクターグッズを少しだけ仕入れて、実店舗だけではなくネットショップにも商品を登録した。

ネッタヌネッタヌ

それで、そのキャラクターグッズは売れたの?

不良在庫になっていた商品が突然売れた! それに喜ぶだけじゃダメ

石田

いや、まったく売れない。だってもともと不良在庫になっていた商品だもん。ネットショップの担当者も、商品を登録したことすら忘れていた。しかし、ある日……。

ネッタヌネッタヌ

突然、売れた???

石田

そう。なぜか突然、注文が入った。一瞬にして、仕入れていた在庫が売れた。

そこでネットショップの担当者さんがすぐさま問屋さんに問い合わせたんだよね。「あの余っていた商品が突然売れたんですが、まだ在庫はありますか?」って。そうしたら「まだ200個くらい在庫があって、相変わらず倉庫で眠っているよ」と。

ネットショップの担当者さんはひとまず在庫を押さえてもらい、ECサイトでの在庫数を「200個」に設定して再度販売を始めた。

ネッタヌネッタヌ

え、それってもしかして……。

石田

うん。瞬発的に追加分の200個が売れたのよ。

ネットショップの担当者さんが問屋さんに連絡すると、大喜び! そりゃそうだよね、ずっと自社倉庫に200個の在庫が眠っていたんだから。そして、このネットショップの担当者さん、ECに関わるメンバーも大喜び! 「明日の発送業務は忙しくなるぞ」と。

ネッタヌネッタヌ

問屋さんが悩んでいた不良在庫がなくなって、ネットショップのメンバーも売り上げを作ることができて、みんなハッピーですね!!

石田

……。(石田がネッタヌ君のことをじーっと見ている)

ネッタヌネッタヌ

これは、もしかして……。いつものあの言葉が……?!

石田

喜ぶだけ?

売れる理由を一番知っているのはお客さま

石田

まず、発売からまったく動かなかった商品に突然200個以上も注文が入るって、普通に考えておかしいよね。というか「おかしい」と考えるべきだよね。

ネッタヌネッタヌ

そ、そうでした。

石田

実はね。問屋さんにある200個の在庫が売り切れて、キャラクターグッズの商品ページが「在庫切れ」状態になっても、お客さまからの問い合わせが電話とメールでひっきりなしに入っていた。「このキャラクターグッズ、次の入荷はいつですか?」って。

ネッタヌネッタヌ

ということは、もっとニーズがある可能性がありますよね。

石田

そう。そこで、ネットショップの担当者さんに問い合わせの電話をくれたお客さまに直接聞いてもらったんだ。素直に「このキャラクターグッズ、先日から大量にご注文いただいていて、お問い合わせもたくさんいただいているのですが、なぜなのでしょうか?」って。

ネッタヌネッタヌ

石田さんがよく言っている「一番理由を知っているのはお客さま」ですね。

石田

そうしたら、「このキャラクターグッズ、あるアーティストの非公式グッズだって、SNSでめちゃくちゃ話題になってますよ!」ってお客さまが教えてくれたんだよ。

理由はお客さまに直接聞こう!

石田

このキャラクターグッズは「バンビ(小鹿)」のキャラクターなんだけど、ご当地モノとして「いちご(苺)」の模様が施されていたのね。

そのアーティストグループに「バンビ(小鹿)」というニックネームのメンバーと、「いちご(苺)」が好きなメンバーがいて、このキャラクターグッズを知ったファンの人たちが「このキャラクターグッズを持って、みんなでライブに行こう!」と話題になったらしいんだ。

ネッタヌネッタヌ

それって、そのアーティストグループのことを知らなかったらまったくわからない情報ですよね?

石田

そうなんだよ。だから「お客さまに直接聞く」のがもっとも早いし確実なんだ。

超情報化社会のなかで、人の得ている情報が多様化しすぎているから、まったく想像のつかないことが、思いも寄らないところで起こっているんだよね。こんなことは、会議室でいくら議論したってわからない。

ネッタヌネッタヌ

でも、情報を教えてくれたお客さまはこのキャラクターグッズ、買えなかったんだぁ……。

石田

いや、買えた。最終的には「単独生産」に踏み切った。

EC内製化 お客さまに直接聞くことで売れた理由が明確になる ECMJ 人財育成
お客さまに直接聞くことで売れた理由が明確になる

ファンのSNSの力を活用

石田

さっき話した通り、商品完売後も毎日のようにお客さまから「次の追加販売はいつですか?」という問い合わせがきていた。

そこで、ネットショップの担当者さんが問屋さんを通じてメーカーさんに連絡を取り、「商品の追加生産」の依頼を出した。けれど、メーカーさんはリスクを抱えたくないので断った。

ネッタヌネッタヌ

まあ、それまで不良在庫で眠っていた商品ですからねぇ。「一時的に話題になっただけでしょ」と思うのはわかりますよね。

石田

そこで、「すべての在庫を持つので『単独生産』ができないか」と聞くと「5000個以上なら」という返答があった。つまり、ネットショップで5000個以上の注文を受けなければいけないわけだ。担当者さんは困った、そして迷った。

ネッタヌネッタヌ

もし4000個しか売れなかったら、1000個在庫になっちゃうわけですもんね。200個からいきなり5000個はハードルが高い……。

石田

ただね、5000個以上売れる可能性はあると考えた。なぜなら、このアーティストグループの公式ファンクラブの会員数を調べたら、なんと50万人もいることがわかったんだよ!

ネッタヌネッタヌ

ええ~~!! 50万人?! じゃあ、ファンクラブ会員さんの1%でも買ってくれれば、5000個達成……!

石田

そこで、これまで問い合わせしてくれたお客さま、すでにキャラクターグッズを購入してくれたお客さま全員にメールを送った。「5000個ご予約注文をいただければ、単独生産することができます。ファンのみなさん、力を貸してください!」って。そうしたら、SNSの力ってめちゃくちゃすごいね。初日に2000個の予約注文がきた。

ネッタヌネッタヌ

ファンのみなさんが拡散してくれたんですね。ファン同士がSNSでつながっている、現代のマーケティングですよね。

石田

そう。いちネットショップでは到底リーチできないところまで情報が拡散されて、結果6500個の予約注文を受けることができたんだ。

ネッタヌネッタヌ

これこそ、ハッピーエンドですね!

石田

いや、その後、このキャラクターを使った別商品を企画したりして、しばらくマーケティングは続いたんだよね(笑)

ネッタヌネッタヌ

さすが商売人!!

EC内製化 客観的なデータから売れる根拠をつかみ、仕掛けていく ECMJ 人財育成
客観的なデータから売れる根拠をつかみ、仕掛けていく

「気付いた」ことに疑問を持ち、掘り下げてチャンスにつなげよう

石田

というようなことがあったんだけど、「情報管理」の大切さを伝えられたかな?

ネッタヌネッタヌ

今回もよくわかりました。もし突然の注文に気付かなかったら、問屋さんに連絡しかなったら、お客さまに理由を聞かなかったら、ファンクラブの会員数を調べなかったら――6500個の注文はなかったわけですもんね。

石田

そうだね。もし突然の注文に「気づいていた」としても、「まあ、いっか」でスルーしてしまったら、その先は広がらない。トヨタ社の「なぜを5回繰り返す」と同じで、「チャンスの芽がチャンスになりえるか」しっかり掘り下げないとね

ネッタヌネッタヌ

売り上げやセッション数などの定量情報だけじゃなくて、お客さまのレビューや問い合わせなどの定性情報もしっかり管理するようにします!

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

石田 麻琴

EC事業の売上を伸ばすノウハウをまとめた書籍「図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書」の第2版を9/14発売、書籍解説セミナーも開催

1 year 3ヶ月 ago

これからは、2020年に発売したEC担当者向け書籍「図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書」(刊:技術評論社)の内容を最新のトレンドやノウハウを詰め込み内容を大きくアップデートした第2版を、2024年9月14日(土)に発売する。発刊を記念し、書籍の内容を著者が解説する無料オンラインセミナーも9月17日(火)に実施する。

これから 書籍 発売
初版をアップデートした第2版を9月14日に発売

EC入門書に

「図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書」は、ECサイトを運営する上で最低限必要だと考えられる「集客」「Web接客」「Google Analyticsの設定」「基礎的なSEOやSNSの知識」などを、図解と文章で網羅的にまとめた書籍。

急遽ECの担当者になった、これからECへの参入を考えている、何から勉強したらいいのかわからない、どのような知識が必要なのかわからない――といった担当者に役立つ入門書という。

改訂第2版は、「PCからスマホサイトへ購入チャネルシェアの逆転」「SNSマーケを中心とした集客方法と集客チャネルの変化」「UGCによる接客ツールの多様化」「Googleアナリティクスのバージョンアップ」「生成AIで変わる商品説明やバナー広告」など最新の市場環境に即した内容へ前回の刊行からアップデートした。目次は次の通り。

「図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書」改訂2版の目次
第1章:ECの基礎知識とEC担当者のお仕事
第2章:ECビジネスで知っておきたいこと
第3章:企画から開店準備までで学ぶECサイト制作の知識
第4章:ECサイトの集客方法<SEO&SNS編>
第5章:ECサイトの集客方法<ウェブ広告編>
第6章:購入率を上げるECサイトの接客術
第7章:もっとECサイトの売上を伸ばすためのECサイト分析と改善
第8章:ECサイト運用の王道! リピーター対策
第9章:多店舗展開で売上アップ! ECモールへの出店

書籍の概要

  • 発行・発売:技術評論社
  • 著者:これから
  • 価格:税込2200円
  • 仕様:単行本(ソフトカバー)256ページ
  • 発売日:2024年9月14日
  • ISBN:978-4297143695

発売記念セミナーで書籍の内容を著者が解説

オンラインセミナーに登壇する著者は、これから取締役の川村拓也氏。EC運営における売上アップにつながるノウハウなどについて講演する。

▼「『図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書』改訂記念セミナー ECサイト売上アップに直結する実践テクニック」(9/17開催)

セミナー   これから  川村拓也 EC 書籍
9月17日に無料オンラインセミナーを配信し、著者が書籍の内容を解説する

セミナーは、「図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書」のさらに深い内容を知りたい人、ECのマーケティングに携わる人にお勧めという。

川村拓也氏 プロフィール

1982年生まれ。2004年、IT系上場企業に新卒として入社。 ECサイトのコンサルティング営業を行う部署に所属し、同期85名の中で最短にて管理職昇格。その後全国拠点の拠点長を歴任し、2012年1月株式会社これからに創業メンバーとして参画、取締役就任。 小規模ショップから東証1部上場企業まで、500社以上のECサイト戦略について支援。年間50回以上のセミナー登壇やイベント講演を行い、日本全国のECサイト売上向上をめざす。

開催概要

  • イベント名:『図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書』改訂記念セミナー ECサイト売上アップに直結する実践テクニック
  • 日時:2024年9月17日(火)13:00~14:00
  • 開催方法:Zoom
  • 参加費:無料(事前申し込み必要)
  • 主催:これから
  • 詳細と申し込みhttps://corekara.co.jp/seminar/20240917seminar/
高野 真維

世界初の物流ロボットなど先端自動化システムを導入したビームスの新物流拠点「ビームス ウエアステーション」とは

1 year 3ヶ月 ago

ビームスは都内の物流拠点「ビームスウエアステーション」を拡張移転し、9月25日から全面稼働させる。物流ロボットなど複数の最新システムを導入したほか、自社ECサイト用の撮影スタジオやカスタマーサービスデスクなどの機能も備える。延床面積は移転前の約2倍となる約9000坪に拡張する。

「ビームス ウエアステーション」はビームス最大の物流拠点。東京都江東区新砂から同区塩浜(深川地域)に拡張移転する。移転に伴い江東区南砂町に構えていたサテライト機能も集約する。ビームスの物流体制は、東日本エリアを「ビームス ウエアステーション」、西日本エリアを「ビームス 関西ロジスティクスセンター」(大阪府交野市)が担っていく。

「ビームス ウエアステーション」には、複数の先端自動化システムを導入。リニアモーター式ロボット「CUEBUS(搬送タイプ)」、自律型ケースハンドリングロボットシステム「HaiPick SYSTEM」を導入する。将来的な生産年齢人口減少を見据えた自動化による省人化を進める。

「CUEBUS(搬送タイプ)」は、トラックからの荷受けの後、自動でハンガーラックの搬送を担うリニアモーター式ロボット。搬送ルート上に自動検品ゲートを設置し、商品タグに取り付けられたRFIDタグの自動読み取りにより検品作業を自動化し、作業効率の向上を実現したという。同ロボットの導入はビームスが世界初という。

「ビームス ウエアステーション」には、複数の先端自動化システムを導入。リニアモーター式ロボット「CUEBUS(搬送タイプ)」、自律型ケースハンドリングロボットシステム「HaiPick SYSTEM」を導入する
世界初導入という「CUEBUS(搬送タイプ)」でハンガーラックの自動搬送を行う

「HaiPick SYSTEM」は商品の入庫・保管・出庫を自動化するシステム。高さ約4.7メートルのラックを構え、自律型ケースハンドリングロボット(ACR)が1台で複数のコンテナの入出庫を行う。天井高を有効に活用し、多品種少量の商品も効率的な保管を実現。同システムによって店舗や自社EC顧客の仕分けも自動化する。

「ビームス ウエアステーション」には、複数の先端自動化システムを導入。リニアモーター式ロボット「CUEBUS(搬送タイプ)」、自律型ケースハンドリングロボットシステム「HaiPick SYSTEM」を導入する
ロボットが高さ約4.7mのラックに複数のコンテナの入出庫を行う

ビームスグループでは、アパレル・雑貨・家具・アートなどを扱う国内外約170店のセレクトショップ運営のほか、オリジナル商品の海外向け卸事業、企業・自治体とのBtoB取引における協業など、業容を戦略的に広げている。「ビームス ウエアステーション」の拡張移転と先端自動化システムの導入は、物流面における今後のビジネスへの持続的な対応を図るためとしている。

鳥栖 剛

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