ネットショップ担当者フォーラム

飛行機の機内を通販・ECの“売り場”に。ジャパネットとスターフライヤーの新たな取り組みとは

3 years 6ヶ月 ago

ジャパネットホールディングスは、スターフライヤー機内での通販・ECを本格化する。

スターフライヤーと資本提携したジャパネットHDが機内販売システムを独自開発。国内5路線全便で機内販売システムをリニューアルしてモバイルオーダー化、販売商品の選定から配送までを連携して運営する。

機内販売における購入用紙への記入を廃止し、手持ちのスマホやタブレットで購入できるようにする。手持ちのスマホやタブレットの機内モードとWi-Fiをオンにすると、購入専用の機内ネットワークに接続し、購入希望商品のQRコードを読み込む仕組みをい実装。機内誌の商品ページに設置した二次元バーコードを読み込み、必要な情報を入力するだけで注文できる。

搭乗時に機内誌から読み込んだ二次元バーコードは24時間利用が可能。移動時間に左右されず、着陸後も買い物が楽しめる。

ジャパネットホールディングスは、スターフライヤー機内での通販・ECを本格化
モバイル端末からの購入イメージ

ジャパネットHDが配送面をサポート。従来、機内での手渡しだった購入商品を、自宅や希望の送付先に配送する。航空機の着陸後すぐに出荷・発送し、最短で翌日配達を可能にする。福岡発から羽田着15時到着便で搭乗時に購入した商品は、翌日に北九州エリアへ配送できる。

機内誌で販売する商品は、ジャパネットが厳選した「スターフライヤー限定販売商品」に一新する。食品・酒類は産地にこだわった逸品を用意。生活雑貨品はジャパネットの通信販売でも好評の商品をスターフライヤー限定仕様で用意する。

機内販売のリニューアルは2023年3月1日から実施する。ただ、機内でのショッピングについては機内ネットワークの調整、設置許可が下り次第開始する。

ジャパネットとスターフライヤーは2022年に資本業務提携。機内エンターテインメントサービス・物販事業・旅行事業における連携を強化し、搭乗者への利益を高め、利用者が安心して空の旅が楽しめるサービスの拡大に取り組んでいる。

石居 岳

明太子の「ふくや」は「Amazon Pay」をどう活用したのか? 老舗メーカーが新規顧客獲得&マーケティング事例を語る

3 years 6ヶ月 ago
Amazonアカウントでログインや決済ができる「Amazon Pay」。辛子明太子で有名な福岡の「ふくや」がその効果を語った
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ECビジネスはコロナ禍を経てもなお堅調だ。しかし課題はある。特に実務者レベルで常に話題になるのが、会員登録の煩雑さによるカゴ落ちだ。せっかく購入を決めた消費者が名前や住所、クレジットカード番号の入力でつまずき、買い物を諦めてしまう。店側は最低限の情報は入力してもらう必要があり、単純に簡略化はできない。どうすればスムーズに買い物を楽しんでくれるだろうか。

福岡名物の辛子明太子の製造販売で知られるふくやが、解決策として選んだのが「Amazon Pay(アマゾン ペイ)」だ。「Amazon Pay」は「Amazonアカウント」に登録した情報を外部ECサイトでもそのまま利用できる決済手段で、その利便性の高さから利用者が増えている。

ふくやの瀨﨑拓也氏(営業第一部 ネット通販課 マネージャー)とアマゾンジャパンの井野川拓也氏(Amazon Pay事業本部 本部長)が決済手段の多様化、そしてマーケティングツールとしての「Amazon Pay」の魅力を語った。聞き手・進行役は「ネットショップ担当者フォーラム」編集長の瀧川正実が務めた。

通販の歴史も長い明太子の「ふくや」

ふくやの創業は1948年(昭和23年)。創業者の川原俊夫氏が、戦時中の幼少期に韓国・釜山で味わった「たらこのキムチ漬け」の味を再現しようと、引き揚げ先の博多でチャレンジを繰り返した。そこから誕生したのが「味の明太子」だという。

いまや70年超の歴史を誇る企業だが、通販の参入はかなり早かった。1970年には航空便を利用した全国配送を開始、1985年には受注センターを開設した。また1997年1月に自社ホームページを開設。同年12月にはネット通販システムを導入し、1999年7月には「楽天市場」へ出店した。現在も「Yahoo!ショッピング」へ出店するなどECに注力している。

2005年6月、ネット通販システムをリニューアルし、自動受注を開始。2016年から2017年の自社サイトの再リニューアルに合わせて現行の自社ECシステムを開発。ページのスマートフォン対応も行われた。

コールセンター経由の受注の約8割が60代~80代なのに対して、EC経由では約7割が40代~60代となっているなど、販売チャネルで年齢層が大きく違っている。若い層については、外部企業とのコラボレーション企画が奏功しているという。

地元サッカーチームやアニメとのコラボ缶詰などを展開することで、今までリーチできていなかったお客さまに商品を届けられることがわかった。通常は30代の割合が15%ほどだが、コラボ商品となると約2倍の30%の利用率になることもある。(瀨﨑氏)

ふくやの瀨﨑拓也氏(営業第一部 ネット通販課 マネージャー)

サイトリニューアルに合わせて「Amazon Pay」を導入

2016年のサイト再リニューアルまでは、特にモバイルECの領域での課題が多かったと瀨﨑氏は振り返る。

リニューアル前は会員登録をしないと買い物ができなかったため、初回購入のハードルを下げる必要があった。具体的にはゲスト購入機能を追加しなければならないと考えていて、このタイミングで「Amazon Pay」を導入した。(瀨﨑氏)

「Amazon Pay」は、「Amazonアカウント」に登録されている配送先住所や支払い方法情報を使って、「Amazon」以外のECサイトでも決済を行えるサービスで、ふくやのような自社ECサイトでの導入が広がっている。

ふくやの場合、ECサイトに訪問してから注文最終確認画面にたどり着くまで、6ページ分の画面移動が必要だった。新規顧客の場合は、それ以外に会員登録手続きも加わる。

通常の画面移動
通常の画面移動

ところが、「Amazon Pay」を導入した場合は4ページ分の移動で済む。また、氏名やクレジットカード情報などを改めて入力し直す必要もないため、一般的なゲスト購入機能よりさらに利便性が高い。

「Amazon Pay」の導入によるユーザビリティの向上
「Amazon Pay」の導入によるユーザビリティの向上

エントリーフォームで3割~5割が離脱? 「Amazon Pay」が何を変える

ユーザーは入力の手間を削減でき、店側はユーザーに登録の一手間という心理的ハードルを下げさせて売り上げの拡大が期待できる。双方にメリットがあるのが「Amazon Pay」だ。日本では2015年にサービスを開始したが、井野川氏はそのサービス立ち上げに携わったメンバーの1人だ。井野川氏はEC事業者と面談する機会が多いが、会員登録に関する悩みは非常によく聞くという。

名前や住所を入力するフォーム画面でサイトから離脱してしまうユーザーが3割~5割に達するという声もある。その点「Amazon Pay」は、Amazonアカウントに保存されている情報をそのまま使うので、カゴ落ちを防ぐ効果がとても大きい。(井野川氏)

アマゾンジャパン合同会社の井野川拓也氏(Amazon Pay事業本部 本部長)
「Amazon Pay」の概要

ふくやでは、2017年に「Amazon Pay」の導入が完了した。当初の利用率は7%ほどだったが、2021年度は約15%に伸長。前述のコラボ缶詰の販売などにあたっては、44%前後に達することもあった。コラボ商品が想定する客層、ふくやの通常送品の客層を考慮すると、新規顧客獲得に「Amazon Pay」が大きく貢献したと言えそうだ。

また、ふくやECサイトへの「Amazon Pay」導入にあたっては、Amazon側のエンジニアによるサポートが充実しており非常にスムーズだったという。

「Amazon Pay」の4つのメリット

「Amazon Pay」には多くのメリットがあるが、消費者には4つのメリットがあると井野川氏は改めて説明する。

① 利便性

「Amazonアカウント」を使ってそのままログイン・決済できるため、メールアドレスを登録したりパスワードを考えたりする手間が不要。また個別のECサイトごとのパスワードを覚えておく必要もない。「Amazon Pay」を使えば「Amazonアカウント」のID(メールアドレスまたは携帯電話番号)とパスワードさえしっかり覚えておけばよい。

② スピード

情報入力の手間が減るので、買い物すると決めてから購入完了するまでのスピードが速くなる。

③ 安心感

クレジットカード番号の漏えいリスクを考慮して、ECサイトにクレジットカードを登録したくないと考える層は一定数いる。「Amazon Pay」では、Amazonアカウントに登録されたクレジットカード情報は購入するECサイトに共有されないため、漏えいの懸念は相対的に減らせる。また「Amazonマーケットプレイス保証※」の対象になるのもメリットだ。

※Amazonマーケットプレイス保証:Amazon Payでの商品の購入において、購入者を保護するためにAmazonが提供している保証。詳しくはこちら

④ お得

「Amazon Pay」では現在、キャンペーン対象となるECサイトで「Amazonギフトカード」の残高分で決済すると、購入額の0.5%~1%をポイントとして還元するキャンペーンを実施している。

ユーザーにとっての「Amazon Pay」のメリット

不正受注の防止にも威力を発揮

一方、ECサイト運営者側が「Amazon Pay」を導入するメリットとはなにか。瀨﨑氏、井野川氏がここまで話してきたように、住所・クレジットカード情報の入力や、会員登録にかかる手間が軽減されることで、新規顧客の獲得、コンバージョン率(CVR)が高まることが期待できる。

それに加えてあげられるのが不正取引対策だ。「Amazon Pay」では、世界各国のAmazonで利用している不正検知システムがそのまま利用されているため、信頼度は高い。越境型のEC詐欺への対応もよりスピーディに行われており、ECサイト側が不正注文を受ける心配も減るという訳だ。

導入企業にとっての「Amazon Pay」のメリット

一般的に、家電などの型番商品は転売されやすく、不正注文に悩む事業者は多い。ふくやにおいても、代金引換で注文された商品を配送したところ、該当住所が存在しないようなケースもあるという。だが「Amazon Pay」は、日ごろ使っているAmazonアカウントに登録された配送先住所やお支払い方法を利用するため、そうしたトラブルが起こりにくいと瀨﨑氏は指摘する。

たとえばブランド品のECサイトでは、いたずら注文への備えとして入力された住所をGoogleで検索して調べたり、電話したり(有人でコストをかけて)対応しているとも聞く。「Amazon Pay」では、不正注文が起こりにくく、不正取引に対する工数が削減できたという声はよくいただく。(井野川氏)

「Amazon Pay」利用は着実に増加

ふくやでは「Amazon Pay」導入の前年、2016年はスマートフォンからの購入比率が25%だったが、導入後の2017年は29%へと増加。そして直近の2022年には51%を記録するなど、PCからの購入比を超えるレベルとなった。CVRも着実に伸びているという。

加えて、「Amazon Pay」の利用キャンペーンを実施したところ、新規顧客の獲得数が目標の3倍に達するケースもあった。「多くのお客さまの間に『Amazon Pay』なら簡単に買えるというイメージがしっかり浸透しているのではないか」と瀨﨑氏は分析する。

また「ログインIDを忘れた」という問い合わせも減少した。こうした問い合わせは年に1度だけ、ギフトでふくや商品を購入している顧客に多いと想像できるが、これも「Amazon Pay」によって緩和されている可能性がある。

ただECサイト運営者としては、「Amazon Pay」で新規顧客を獲得しつつ、最終的にサイトでも会員登録をしてくれるのが理想だろう。

井野川氏からは、「Amazon Pay」を使ってお客様が初めてECサイトで購入されるのと同時に、自動的に入力された氏名やメールアドレス情報を使って会員登録を行っている事業者の事例が紹介された。つまり、顧客が許諾して初回購入と同時に会員登録すれば、メールアドレス情報を使ってマーケティングメールを送ることが可能となる。Amazon Payを使って購入ハードルを下げると同時に、会員登録促進も可能となるのだ。

「Amazon Pay」は決済手段でありマーケティングツールでもある

「Amazon Pay」が立ち上げ期から大きく変わったのは、購入額や利用額に対してポイントを還元する制度だ。前述の通り、Amazonギフトカードの利用額に対して、Amazonプライム会員には1%、通常会員には0.5%がAmazonギフトカードで還元されるプログラムだ。

つまりコード決済サービスやクレジットカードと同様、決済事業者がキャンペーンを主導し、加盟店がその恩恵を受けられるというサイクルが「Amazon Pay」にも持ち込まれているのだ。瀧川編集長も「『Amazon Pay』はもはやマーケティングツールになってきた」と評する。

セールをやった分だけ、お客さまに多く買っていただくことはできるが、そこで獲得したお客さまにどうすれば2回目、3回目と買い続けていただけるかが、EC事業者にとっての悩み。ギフトカード還元プログラムや、(許諾したアカウントに対する)プロモーションメールも、継続的な購入につながる仕組みになっている。(井野川氏)

瀨﨑氏も、サイトで「Amazon Pay」に対応しているというロゴを掲出すること自体が一定の信用となり、ひいてはユーザーの安心感につながり、マーケティング効果も生み出せるのではないかと分析。「Amazon Pay」導入の波及効果は大きいと語った。

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森田 秀一

【景品表示法の改正案まとめ】故意の不当表示に100万円以下の直罰規定、違反状態を早期是正する「確約手続き」など導入 | 【通販・EC関連の法改正】景品表示法・消費者契約法・特定商取引法の見直し動向

3 years 6ヶ月 ago
景品表示法の改正案では、事業者の自主的な取り組みを通じて早期の是正を図る確約手続き、行政処分を経ずに100万円以下の罰金を科す直罰規定の新設などを規定している

故意の不当表示には措置命令などを経ずに100万円以下の罰金を科す規定、繰り返し違反に対する課徴金の割増しなどを規定した景品表示法の改正案を、政府は2月28日に閣議決定した。

景品表示法の改正案は、①事業者の自主的な取り組みの促進②違反行為に対する抑止力の強化③円滑な法執行の実現に向けた各規定の整備等――が主な改正事項。

故意の不当表示には措置命令などを経ずに100万円以下の罰金を科す規定、繰り返し違反に対する課徴金の割増しなどを規定した景品表示法の改正案
景品表示法の改正案の主な改正事項

①事業者の自主的な取り組みの促進

違反行為に対する抑止力強化、端緒件数の増加・事件処理期間の長期化へ対応するために、事業者の自主的な取り組みを通じて早期の是正を図る確約手続きを導入する。

優良誤認表示などの疑いのある表示を行った事業者が是正措置計画を申請し、内閣総理大臣から認定を受けた時は、措置命令や課徴金納付命令の適用を受けないようにする手続き。迅速に問題を改善する制度を創設することで、「事業者の自主的な取り組みを促進して迅速に問題を是正してもらう」(河野太郎消費者担当相)

現行の行政措置は、指導と措置命令・課徴金命令しかない。課徴金制度の導入で事件処理も長期化していることから、確約による表示の早期是正を図る。

現行の景品表示法では、法令違反の疑いがあった場合、調査を通じて違反行為が認められれば措置命令または課徴金納付を命令する。違反行為が認められないものの違反の恐れががあれば、行政指導を行うという方法がある。

課徴金制度における返金措置の促進を狙い、返金措置の弾力化を進める。特定の消費者へ一定の返金を行った場合に課徴金額から当該金額が減額される返金措置に関し、返金方法として金銭による返金に加えて、電子マネーなど第三者型前払式支払手段も許容する。

返金措置の利用件数はこれまで、4件にとどまっている。現行制度では金銭以外による返金は認めていないが、金銭以外の手段も可能にすることで返金措置の利用を促進する。

②違反行為に対する抑止力の強化

繰り返し違反行為を行う事業者に対する規制を強化する。その1つが課徴金制度の見直し。

景品表示法に違反し、措置命令または課徴金納付命令を受けたものの、繰り返し違反行為を行う事業者が存在する。こうした事業者に対しては現行の制度では十分な抑止力が働いているとは言い難いため、抑止力を強化する。

課徴金の計算の基礎となる事実を把握することができない期間における売上額を推計することができる規定を整備。違反行為からさかのぼって10年以内に課徴金納付命令を受けたことがある事業者に対し、課徴金の額を1.5倍に加算する規定を新設する。

また、優良誤認表示・有利誤認表示を故意に行った事業者に対し、行政処分を経ずに100万円以下の罰金を科す直罰規定も新設する。

③円滑な法執行の実現に向けた各規定の整備等

BtoC-ECの国際化への対応として、措置命令などにおける送達制度の整備・拡充、外国執行当局に対する情報提供制度を創設する。外国に本社を置く事業者による問題のある表示が確認されていることへの対策。

また、適格消費者団体による開示要請規定を導入する。適格消費者団体が事業者に対し、「相当な理由」がある際に事業者へ表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の開示を要請できるようにする。そして、事業者は当該要請に応ずる努力義務を負う旨の規定を新設する。

◇◇◇

景品表示法の改正案は今後、今国会に提出。河野太郎消費者担当相は記者会見で、「速やかに国会で審議をして成立したい」とコメントした。

記者会見を行う河野太郎消費者担当相
瀧川 正実

アパレルEC「カポックノット」が、サステナブル業界で地位を確立した3つの秘密を解説【深井代表インタビュー】 | 「ECタイムズ」ダイジェスト

3 years 6ヶ月 ago
天然素材「カポック」を活用したサステナブルファッションブランドを運営するKAPOK JAPAN代表の深井喜翔さんが、ブランドの成功につながった3つの秘密を解説

今回は、天然素材「カポック」を活用したサステナブルファッションブランド「KAPOK KNOT(カポックノット)」を運営するKAPOK JAPAN代表の深井喜翔さんへのインタビューです。

「KAPOK KNOT」はECに始まり、現在では渋谷・宮下パークにリアル店舗を構えるなど、どんどん注目を集めています。サステナブル以外の観点からも強みをもつ素材選びや販売戦略が成功し、順調にファンが拡大しているKAPOK JAPAN。同社ならではの取り組みを紹介します。

サステナブルファッションブランド「KAPOK KNOT(カポックノット)」を運営するKAPOK JAPAN代表の深井喜翔氏

大量生産、大量廃棄が前提のアパレル業界に疑問。深井喜翔氏の人物像は?

みなさんは、「KAPOK KNOT」というファッションブランドをご存知でしょうか? 「カポック」とは、木の実由来の天然素材の名称で、現在「大量生産・大量廃棄」で環境への悪影響が懸念されているアパレル業界において、注目されている新素材を指します。

実は私(「ECタイムズ」編集長の“みなつ”氏)、深井さんのことは以前から存じ上げておりまして、「サステナブルブランド」という一見トレンドの波の中でポジションを確立していく手腕について、一度お話を伺いたいと常々思っておりました。

かくいう私も、洋服はもっぱらECで買う派の人間でして、「アパレルEC」の分野は日々無関心にはいられません!

今回は、深井さんが「カポック」にこめた思いをお聞かせいただきつつ、「KAPOK KNOT」躍進(やくしん)の秘密に迫っていきたいと思います!

KAPOK JAPAN株式会社 CEO 深井喜翔氏
KAPOK JAPAN株式会社 CEO 深井喜翔氏

1991年生まれ、大阪府吹田市出身。1日に10回以上「カポック」と発する自称カポック伝道師。2014年慶應義塾大学卒業後、ベンチャー不動産、大手繊維メーカーを経て、家業である創業75年のアパレルメーカー双葉商事に入社。

現在の大量生産、大量廃棄を前提としたアパレル業界に疑問を持っていたところ、2018年末、カポックと出会い運命を確信。「KAPOK KNOT」のブランド構想を始め、クラウドファンディングで新規事業を開始。

2020年には、「KAPOK KNOT」の運営を軸としたKAPOK JAPAN株式会社を設立。双葉商事の後継ぎおよび、スタートアップのKAPOK JAPAN、両社の経営に参画中。

サステナブルな新素材「カポック」をビジネスに

――まず、深井さんとカポックの出会いについて、ぜひ教えてください!

深井:大学時代から、持続可能性のあるビジネスに関心がありました。これからの社会、そのようなビジネスでないと続いていかないだろうな、と。

“遊休資産”と言われるような「社会で余っているけど、本当は誰かのためになるもの」を使ってビジネスを起こしていきたいという気持ちは、ずっとありました。

中途で旭化成に入社し、座学で「カポック」の存在を知りました。「これを使いビジネスを組み立てたい!」と思い立って動き始めたのが始まりです。

「カポック」は木の実のため、木を伐採する必要がないんです。インドネシアの自生植物から採れるため、少ない水で育ちますし、農薬はほとんど必要ありません。

「カポック」から作られた繊維は発熱するという特徴から、通常ダウンに使われるような水鳥の羽と同じ暖かさを発揮します。環境に優しい、サステナブルな素材で、ずっと考えていたビジネスのビジョンとマッチすると思いました。

軽くて暖かいからこそ売れる。ユーザーのメリットに焦点を当てた商材が成功のポイントに

――近年、環境に優しいテックファッションの波は来ていますよね。「キュプラ」(編注:天然素材を原料とする再生繊維のひとつ)や「サボテン」など、複数のサステナブルファッションの素材がある中で、なぜ「カポック」だったのでしょうか?

深井:「カポック」の機能性に引かれました。「カポック」は確かに環境に優しいのですが、それだけではないんです。

まず、「カポック」から作られる繊維は中が空洞になっているという特徴があります。そのため、非常に軽く、コットンの1/8の軽さと言われています。また、「カポック」は空気の層が湿気を吸って温かくなるという吸湿発熱という機能を持っています。「たった500gでダウンの暖かさ」を実現できるのはこのためです。

サステナブルブランドの多くがやりがちなミスとして、「地球に優しい」を消費者の購入動機として設定してしまうというものがあります。

実は消費者は「地球に優しい」だけの理由では購入しないんです。「機能性が高い」から購入の動機になるんですね。

ユーザーメリットを考えたプロダクトであること。ビジネスをしていく上で、これは見失ってはいけないポイントだと思います。

「カポック」の利点は地球環境にやさしいほか、軽くて暖かいこともあげられる
「カポック」の利点は地球環境にやさしいほか、軽くて暖かいこともあげられる

アパレルD2Cでポジションを確立した「KAPOK KNOT」躍進の秘密とは?

2022年はピッチコンテスト(編注:スタートアップなどの起業家を対象に、投資家などの審査員に対して自らの事業計画をプレゼンテーションするイベント)「KANSAI BUSINESS PLAN CONTEST produced by KFS」で優勝されるなど、アパレルD2Cという競合他社が多い世界でポジションを確立されている「KAPOK KNOT」。ここからは、そんな「KAPOK KNOT」が躍進している秘密に迫っていきたいと思います。

「KAPOK KNOT」は2022年のピッチコンテストで優勝した経緯をもつ
「KAPOK KNOT」は2022年のピッチコンテストで優勝した経緯をもつ

秘密① Web3の時代でも、「地道な努力が実を結ぶ」に変わりはない

――印象的だったのは、ブランド立ち上げ時のクラウドファンディングです。たくさんの応援コメントにあふれ、大成功のクラファンでしたね! 成功の秘訣は何だったのでしょうか?

深井:「ECタイムズ」というメディアの名前と逆行するようですが、「地道に足で稼いだ」ことが大きかったです。この時期は本当に、毎日スーツケースに「カポック」のダウンを入れて持ち歩くくらいでした。笑

会う人会う人にプレゼンをして、プロダクトにこめた想いを伝え続けましたね。

――スーツケースに……!?  すごいですね。笑

深井:でも実際、ECでも「全てオンラインで」が絶対に正解ということはなくて、たまにはアナログだったり、地道だったり、そういう工夫や努力が実を結ぶことは往々にしてあるかと思います。

結果として思いを受け取ってくださった方々が多くクラウドファンディングで応援をしてくださったので、ブランドとしてスタートすることができましたね。

――Web3の時代に逆行するようですけど、割とアナログな「地道な努力」「プロダクトへの愛」これはやはり軽視できませんね。

応援コメントが多く寄せられているMAKUAKEのページ
応援コメントが多く寄せられているMAKUAKEのページ

秘密② ECからのスタートで「ブランディングに重きを」

――「KAPOK KNOT」は、初めはECショップからのスタートですよね。ECからスタートしたことによって、何かメリットなどはありましたか?

深井:店舗と比較して、ECは最初はやるべきことが明確で、比較的ローコストでスタートできるというメリットがあります。

そのおかげで、時間的余裕が生まれ、他のことに力を割けた。もっと言えば、「ブランディングに力を割けた」というのはありますね。乱立するブランドの中で自社のポジションを明確にするには、非常に重要なポイントですから。

ネットの世界だけにとどまらず、現代においてブランドは群雄割拠です。ECでは、消費者には「検索結果」という膨大な海の中から「KAPOK KNOT」というブランドを選んでもらわないといけない。

最初にECからスタートして、ブランディングを甘く見ずしっかり行ったのはよかったですね。

うちの場合は、昔からの友人に企業のCI(編注:コーポレートアイデンティティ。企業の存在価値や独自性を、体系だったイメージやデザインで発信することで、企業ブランドを社会に浸透させていくビジネス戦略)を仕事としている者がいまして、彼に知見を借りつつ取り組みましたね。

実は2022年は、女優の二階堂ふみさんとのコラボも実現しました。元々二階堂さんがスタイリストさんに「アニマルフリー」のオーダーを出されていて、その中でうちの「KAPOK KNOT」を知っていただいたという経緯です。

ECでブランディングに力を入れていなければ、二階堂さんの目に留まることはなかったと思うので、しっかりやってきて良かったな、と思いましたね。

「KAPOK KNOT」は女優の二階堂ふみさんとコラボレーションしたことも
「KAPOK KNOT」は女優の二階堂ふみさんとコラボレーションしたことも

秘密③あえて実店舗展開。オンラインでの信用獲得につなげるねらい

――「KAPOK KNOT」は2022年、渋谷・宮下パークにリアル店舗をオープンされましたよね! おめでとうございます!

深井:ありがとうございます!

――ECで展開していたところからの、リアル店舗への進出にはどのような意図があったのでしょうか?

深井:2022年のiOS14のアップデート以降、Web広告のパフォーマンスに懸念を感じていました。オンライン一本足打法では拡大しきらないかもな、と。オンライン・オフライン両輪で展開することで、より売り上げの拡大にコミットしていきたいというのが狙いです。

店頭顧客は約半数が購入

深井:店舗の方だと、購入率がかなり高いんです。店舗に来てくださった方のうち、約50%の方が購入されます。リアルにプロダクトに手を触れていただくということの重要性を感じますね。

一方、オンラインでは、やはりどうしても立地的に店舗にいけない方にリーチできます。オンライン・オフラインのシナジーとしては、「リアルな店舗がある」という信頼感がオンラインでの購入につながっているというのがありますね。

ECサイトと店舗の両輪で、両方のメリットをくみ取りつつ運営していくことに可能性を感じますね。

「KAPOK KNOT」はオンラインと実店舗それぞれの強みを実感している
「KAPOK KNOT」はオンラインと実店舗それぞれの強みを実感している

ECの知見は「外から取り入れ、中に貯める」

―― 逆にECを進めていくにあたって、苦労した点はどんな点でしたか?

深井:これは途中で気づいたことなんですけど……。社内にECの担当者をおいて、外部からの知見をそこに貯める体制を作ることの重要性を感じます。うちもECについては初心者のところからスタートしたので、やはり外部の知見が必要だということでコンサルの方にお願いしたんですよね。

でもその時は、外部の知見を内部のものとするための体制が充分ではなかったんです。ノウハウはやはり全て素晴らしいものなので、社内でそれを吸収していく体制を作ることはECを伸ばす上で重要ですよね。

――「外部の人材(コンサルタント)を使うこと」を「内部に知見がたまらない」とイコールで捉え、「やはり正社員で採用すべきでは」という意見もあるかと思います。

深井:そういう意見もありますね。ただ、「外部の人材(コンサルタント)を使うこと」と「内部に知見がたまらない」はやはり必ずしもイコールではないですよね。内部だけで完結していては、内部にないものを取り入れることは難しいので。

ECは特有のノウハウがあると思いますので、その特有のものはちゃんと蓄積していくことがECの売上アップにつながりますよね。

自社のサステナブルブランド拡大を視野に

――「KAPOK KNOT」の躍進の秘密、たっぷりと聞かせていただきありがとうございました! ではここで、今後の「KAPOK KNOT」の展望についてもお聞かせください。

深井:僕たちがめざしているものとして、「サステナブルブランドのグラデーションを作る」というものがあります。

極端にユーザーメリットを放棄し「サステナブル」に振り切ったブランドでもなく、ビジネスとして「お金を稼ぐ」に振り切るものでもなく、「ユーザーメリットもある、けど持続可能性のあるブランド」に成長することをしてめざしています。

実は現在組織としても拡大期でして、こういうビジョンに共感してくださる方にたくさん来て欲しいですね! ゆくゆくは、KAPOK JAPANの中に、「KAPOK KNOT」以外にもさまざまなサステナブルブランドができる未来がやってくるとうれしいなと思います。

まだまだここからなので、これからも頑張っていきたいですね!

――深井さんの素敵な思い、アパレルECで成長する秘訣(ひけつ)、どれもとてもワクワクする内容でした。

深井:ありがとうございました!

ECタイムズ

ネッ担編集長などECメディア4社が“ECの未来”を語る&EC動画活用などを学ぶ定例会【 イーコマース事業協会が3/11開催】

3 years 6ヶ月 ago

一般社団法人イーコマース事業協会(以下EBS)は3月11日(土)、定例会および勉強会を開催する。定例会は新大阪の開場でトークセッションと情報交換会を実施。会員でなくても申し込み可能。

勉強会は会員向けに、中小企業を対象にYouTube専門のコンサルティングを行っている酒井祥正氏が登壇し、最新のECの動画活用について講演する。

▼EBSの定例会および勉強会の詳細はこちら

【勉強会】企業YouTubeの成功事例などを解説

勉強会は「2023年最新版! EC動画活用 勉強会」と題して13時25分から開催する。酒井氏はユーチューバーの育成やYouTubeのマーケティング支援などを行うゴールデンモンキーの代表取締役。企業チャンネルの成功事例や運営方法などについて詳しく解説する。定員は66人。会員のほか、サポート会員も参加可能とする。

勉強会では動画活用に関する実践的なノウハウを紹介する
勉強会では動画活用に関する実践的なノウハウを紹介する

【定例会】本紙編集長らイーコマースメディア4社が業界の最新トピックスを議論

定例会は同日の15時55分から開催。本誌編集長の瀧川正実、日本流通産業新聞 取締役 第2編集部 部長 手塚康輔氏、MIKATA 専務取締役 小林敬介氏、翔泳社 ECzine編集部 木原静香氏の4人が、「2023年どうなる? メディアが語るイーコマースの未来」と題したメディア座談会を行う。

大手ECモールの動向、物流業界の2024年問題、最新のAI活用、SNS、越境など、今知っておきたい情報をイーコマースのメディア4社がトークセッションする。

インプレス ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長 瀧川 正実
インプレス ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長 瀧川 正実
日本流通産業新聞社 取締役 第2編集部 部長 手塚 康輔氏
日本流通産業新聞社 取締役 第2編集部 部長 手塚 康輔氏
MIKATA 専務取締役 小林 敬介氏
MIKATA 専務取締役 小林 敬介氏
翔泳社 ECzine編集部 木原 静香氏
翔泳社 ECzine編集部 木原 静香氏

開催概要

  • 日時:2023年3月11日(土)13:25~
  • 日程:
    • 13:25-14:55 勉強会「2023年最新版! EC動画活用 勉強会」
      ゴールデンモンキー 代表取締役 酒井祥正氏
    • 15:10-15:40 委員会
    • 15:55-17:45 定例会「2023年どうなる? メディアが語るイーコマースの未来」 
    • 18:30-20:30 情報交換会 
  • 参加費:
    • 勉強会……無料(EBS会員およびサポート会員のみ参加可能)。
    • 定例会……EBS会員は無料。友好団体(J-FEC、TEK)会員は3000円。非会員は5000円。
    • 情報交換会……5500円。募集人数は30人
  • 詳細・参加申し込み:https://202303ebs.peatix.com/
高野 真維

丸井が公式ネット通販「マルイウェブチャネル」にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」とレコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」を導入

3 years 7ヶ月 ago

丸井は、公式ネット通販「マルイウェブチャネル」にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」と、レコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」を導入した。

検索機能の改善、UI向上をサポート

「マルイウェブチャネル」は、1000以上のブランドを公式に取り扱っており、ファッション、コスメ、キッズ、スポーツ、アウトドア、アニメグッズなど幅広いカテゴリーの商品を展開するECサイト。

2製品の連携で、検索結果の最適化に加え、ブランド側の注力商品をオススメとして上位表示するなど、クロスセルを促進するといった効果が期待される。

商品検索結果と関連性が高く、使用頻度の高い絞り込み項目をサイト上部に表示することで、ユーザーは1アクションで簡単に絞り込むことができる。

丸井 マルイウェブチャネル ZETA SEARCH ZETA RECOMMEND 絞り込み項目の表示
使用頻度の高い絞り込み項目の表示で、UI向上をめざす

全商品データをもとにこだわり条件(「素材・組成」「柄デザイン」「着丈」など)が商品にタグ付けされており、条件に当てはまらない場合は機械学習によって近しいこだわり条件を反映する。

丸井 マルイウェブチャネル ZETA SEARCH ZETA RECOMMEND 機械学習 こだわり条件
機械学習でこだわり条件を更新し、絞り込み機能の改善に寄与

「ZETA SEARCH」とは

ECサイト内の検索における「絞り込み」「並び替え」の設定の自由度・柔軟性を追求したEC商品検索・サイト内検索エンジン。

キーワード入力時のサジェスト機能や、もしかして検索、ドリルダウン式の絞り込み、事前に検索結果の該当数を表示するファセットカウントなど、多数の検索機能を有している。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA SEARCH」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)

「ZETA RECOMMEND」とは

パーソナライズされたレコメンドで潜在ニーズを発掘し、収益とユーザーの満足度向上を支援するマーケティングソリューション。

購買履歴、閲覧履歴、検索履歴などの行動履歴を元にした各ユーザーの特徴づけを行い、リアルタイムにレコメンドを提示する。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA RECOMMEND」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

「モバイルで+91%、デスクトップで+56%のCVR向上が期待できる」Shopifyのワンページチェックアウト機能は期待大!【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

3 years 7ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年2月20日~2月26日のニュース

2023年2月21日に開催された「Shopify Editions Winter ‘23」。100種類以上の新製品や機能追加をリリースしたことが発表されましたが、最も気になったのはワンページチェックアウト。CVRが上がりそうですね。

カート周りの機能追加が注目です

Shopify Japanが注目新機能を発表 コンバージョン・エンゲージメント促進、B2B円滑化など | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/12429

「Shopify Editions Winter ‘23」では、「Built to Last」をテーマとして設定。急速にあらゆる環境やビジネス状況が変化し続ける中でも事業者が成長し続けることができる、未来を見据えたビジネス基盤構築を実現するアップデートを、次の9つのトピックスに分けて発表した。

  • コンバージョンを促進する
  • 複数のチャネルで販売する
  • グローバル展開を進める
  • B2Bで事業を拡大する
  • 顧客を発掘し、エンゲージメントを促進する
  • フルフィルメントと配送
  • ビジネスを運営する
  • Shopifyで構築
  • コンポーネントを選択

「Shopify Editions Winter ‘23」では9つに分類して新製品や機能追加が発表されました。「すべてを知りたい」という方は関連記事のリンクからご確認ください。たくさんありすぎて紹介しきれませんので、個人的に最も気になった機能を紹介します。「コンバージョンを促進する」のワンページチェックアウトです。

Shopify Editions Winter ‘23における新機能発表【参加レポート】 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/31303

現在のCheckoutページは商品をカートに追加してから決済が完了するまで次の3つのページに分かれています。

  • 配送先住所の入力
  • 配送情報の選択
  • 決済情報の選択

(中略)
One-page Checkoutにより、今まで3ページだったCheckoutページが1ページになります。配送先情報や決済方法の選択は1ページでできるようになるのです。

ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ Shopify チェックアウト機能
ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ Shopify チェックアウト機能
ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ Shopify チェックアウト機能
(画像は「Shopify Editions | 23年冬」サイトから編集部がキャプチャ)

注文完了まで3ページ必要だったのが1ページになります。皆さんご存知のカゴ落ちはページ数が増えるほど増えてしまいますので、1ページになればカゴ落ちが減ることは容易に想像がつきます。

遷移するページ数が3ページから1ページになることで、複合的な要素が絡み合う形にはなりますが、梅田さんはShop Payの数値を参考に「モバイルで+91%、デスクトップで+56%のCVR向上が期待できる」と話しました。

モバイルではほぼ2倍、デスクトップでも1.5倍くらいになるというのは驚異的です。もちろん、商品や決済方法によって大きく変わると思いますが、CVRが上がるのは間違いなさそうです。

気になる日本の商習慣対応も「Checkout Editor」という機能が追加されますので、フリガナの入力やポイントプログラムにも対応します。使えるようになるのを楽しみに待ちましょう!

関連記事
Shopify Editions | 23年冬 | Shopify 日本
https://www.shopify.com/jp/editions/winter2023

今週の要チェック記事

ヤフー、ポイント戦略大転換の反響は? 日曜日の高還元施策の廃止に「売れない」の声 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10622

「ショッピングモール事業だけを成功させるという考えはやめることになる」(ネッ担メルマガより)。かといってこのままではないはずなので、次の動きが気になります。

STORES、ネットショップへの集客を支援する「Google で集客」機能を提供開始 | STORES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000130.000031375.html

Google Merchant Centerによる商品連携と「無料リスティング」。無料リスティングは意図しないものが出てしまうこともあるので注意ですね。

後発でも検索上位は狙える?楽天市場で売上アップ まずは「アクセス数」に着目しよう | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/12360

【動画つき】一問一答!楽天SEOの「キーワードの入れ方」7つの疑問にお答えします! | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog-staff/20230223-rseo-faq-adding-keywords/

楽天関連の記事を2つ。セオリーがあるのでそこを押さえておきましょう。

商品を知ったきっかけの多くは「TV・ラジオ」、買える場所を調べる方法は「Google・Yahoo!検索」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10673

見つかりやすさは重要ですね。SEOやリスティング広告を活用しましょう。

Google 広告で、つねに、広告費の7倍以上の売上を達成!秘訣は、写真・キーワード・ターゲットにこだわること | BASE U
https://baseu.jp/28254

本当にこれくらいでいいと思います。運用者を入れるのはもっと売れてから。

【第2の宅配クライシスは本当か?】前回との違いを分析 今回は「小幅」「柔軟」な値上げか?! | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/8175

「以前の『宅配クライシス』は、宅配会社が荷主獲得競争で長年値下げしてきた反動もあった。今回は外部環境による影響が大きく、以前の宅配クライシスとは様相が異なる」とのこと。

今週の名言

今日から始められる問題解決の基本 | semlabo|note
https://note.com/semlabo/n/n61bbb35a73f0

まず最初に行うことは、一本筋の通った理想の仮説を立てることだ。あくまで理想で構わないし、仮説で構わない。

試行錯誤の「試」は仮説を立てることから。仮説という基準がないと良い悪いの判断がつかないのでその次につながっていきません。

筆者出版情報

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【2022年の広告費】ネット広告は約3.1兆円で14%増、マスコミ四媒体広告は前年割れ。ECプラットフォーム広告は1908億円

3 years 7ヶ月 ago

電通が2月24日に公表した「2022年 日本の広告費」によると、2022年1~12月における日本の総広告費は前年比4.4%増の7兆1594億円で過去最高となった。社会のデジタル化を背景としたインターネット広告が、広告市場の成長を後押しした。

電通が2月24日に公表した「2022年 日本の広告費」
電通公表の「2022年 日本の広告費」 媒体別広告費(2020年~2022年)
媒体別広告費(2020年~2022年)

インターネット広告費

「インターネット広告費」(インターネット広告媒体費、物販系ECプラットフォーム広告費、インターネット広告制作費の合算)は、同14.3%増の3兆912億円。2兆円を超えた2019年からわずか3年で約1兆円増加した。総広告費におけるインターネット広告費の構成比は43.5%。

インストリーム広告を中心とした動画広告需要は前年に続き高まっており、デジタルプロモーションの拡大も市場の成長に寄与。特にコネクテッドTVの利用拡大を受け「テレビメディア関連動画広告費」は、同40.6%増の350億円と増加した。

「インターネット広告制作費」は、同9.2%増の4203億円に増加。動画広告市場の拡大や運用型広告における広告制作数の増加が影響した。「物販系ECプラットフォーム広告費」も引き続き在宅需要の高まりに伴い、同17.0%増の1908億円だった。

マスコミ四媒体広告費

マスコミ四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア広告費の合算、それぞれの広告費には制作費も含まれている)は同2.3%減の2兆3985億円。内訳は、新聞広告費が同3.1%減の3697億円、雑誌広告費が同6.9%減の1140億円、ラジオ広告費は同2.1%増の1129億円、テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連)は同2.0%減の1兆8019億円。

ラジオ、衛星メディア関連の広告費が前年を上回り、「新聞広告費」「雑誌広告費」「テレビメディア広告費」は減少した。

プロモーションメディア広告費

プロモーションメディア広告費(屋外、交通、折込、DM、フリーペーパー、POP、イベント・展示・映像ほかの合算)は、同1.7%減となる1兆6124億円。

屋外、交通、折込が前年を上回ったが、DM(ダイレクト・メール)は同1.9%減の3381億円だった。個人用の在宅向けDMや、BtoB営業目的のオフィス向けDMなどの広告需要が一巡し減少した。外出自粛の緩和に伴い、観光・旅行などの交通・レジャー関連や、通信販売、金融・保険などでの利用が増加したという。

石居 岳

ジャパネット、カタログ通販のノウハウ活用してスターフライヤーの通販&旅行連動の機内誌を制作 | 通販新聞ダイジェスト

3 years 7ヶ月 ago
スターフライヤーは運航する航空機内で配布する機内販売カタログを刷新。ジャパネットホールディングスが制作を担う。リニューアルに伴い、機内販売の売上拡大をねらう

航空会社のスターフライヤーは運航する航空機内で配布する機内誌を刷新した。資本業務提携を結んだジャパネットホールディングスが制作を手がけ、著名人へのインタビュー記事などの読み物のほか、機内販売カタログとして食品や家電など同機内誌限定商品を紹介、商品は乗客宅まで配送する。ジャパネットグループが持つ販売やカタログ制作ノウハウを活用し、機内誌の内容を強化して機内販売による売り上げ拡大などを見込む狙い。

ジャパネットホールディングスが制作を担う機内誌(画像内の人物は創業者の髙田明氏)
ジャパネットホールディングスが制作を担う機内誌(画像内の人物は創業者の髙田明氏)

ページ数は40Pに倍増、著名人の視点で各地の魅力を紹介

スターフライヤーでは毎月発行してきた機内誌「Mother Comet」(体裁・B5判、20ページ)を3月1日から、ジャパネットが制作を手がける「S magazine J catalog」に刷新する。体裁はB5サイズと従来の機内誌と同様だが、総ページ数は40ページと倍増させる。なお、発行は奇数月隔月おきとなる。

機内誌は右開きからは読み物を、左開きからは機内販売カタログとして販売商品を紹介する内容となっている。

読み物ページでは毎号1組ずつ、地域に根差した活動を行う著名人らに、自身と地域とのエピソードやよく行く店、よく買う土産、おすすめの観光コースなどに関するインタビュー記事などを巻頭特集として掲載。

「その人ならではの視点で語られる地域の魅力を観光ガイドブックとはまた違った切り口でお届けする」(同社)という。なお、3月発行号ではジャパネットたかた創業者で前社長の髙田明氏が登場する。

スマホや機内放送と連動した仕掛け、ジャパネット仕様の限定商品を展開

また、就航地である北九州を中心としたグルメスポットや観光地の情報を、当該テーマに精通したスペシャリストがその詳細について説明する「今月の『よりみち』マップ」では空港や主要駅から行きやすいスポットに厳選して紹介する。

なお、スマートフォン上で地図表示とリンクするQRコードも合わせて掲載。乗客が就航地に到着後、紹介したスポットに行きやすいような工夫を施している。このほか、北九州の食や文化を取り上げた機内モニターで放送する番組と連動した読み物なども掲載する。

「今月の『よりみち』マップ」では空港や主要駅から行きやすいスポットを厳選して紹介
「今月の『よりみち』マップ」では空港や主要駅から行きやすいスポットを厳選して紹介

機内販売ページでは食品や酒、雑貨、家電など幅広い商品を紹介。基本的には同機内誌でのみ販売する商品を掲載する。ジャパネットたかたが展開する通販で取り扱う商品であっても仕様を変えているという。搭乗客が購入を希望する商品は自宅に直接配送する。

◇◇◇

ジャパネットホールディングスとスターフライヤーは2022年9月に資本業務提携を結び、現状、ジャパネットホールディングスはスターフライヤー株式を議決権ベースで14.2%を保有する第2位株主となっている。

今回のジャパネットによるスターフライヤー機内誌のリニューアルは資本業務提携の一環となる。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

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通販新聞

スマホ決済サービス利用場所の上位は「コンビニ」「スーパー」「ドラッグストア」

3 years 7ヶ月 ago

MMDLaboが運営するMMD研究所が発表した「2023年1月スマートフォン決済利用動向調査 第2弾」によると、スマホ決済サービス利用場所の上位は「コンビニ」「スーパー」「ドラッグストア」だった。調査対象は18歳~69歳のスマホ決済サービスユーザー1800人。期間は2023年1月27日~1月31日。

スマホ決済サービス使い始めた理由は「ポイントがたくさん貯まる」「会計がスピーディー」

調査対象者全員にメイン利用しているスマホ決済サービスを使い始めた理由を聞いたところ、QRコード決済サービスでは「ポイントがたくさん貯まるから」(40.3%)、スマホ非接触決済サービスでは「会計がスピーディーに終わるから」(35.4%)がそれぞれトップだった。

MMD研究所 調査データ スマートフォン決済利用動向 スマホ決済サービスを使い始めた理由
スマホ決済サービスを使い始めた理由(決済方法別、上位10位抜粋、各n=900/複数回答可、出典:MMD研究所)

スマホ決済サービス利用場所の上位は「コンビニエンスストア」「スーパー」「ドラッグストア」

調査対象者全員に、メイン利用しているスマホ決済サービスをどのような場所で利用しているか聞いたところ、最多は「コンビニエンスストア」(59.8%)で、次いで「スーパー」(43.1%)「ドラッグストア」(39.7%)だった。

MMD研究所 調査データ スマートフォン決済利用動向 スマホ決済を利用する場所
スマホ決済を利用する場所(n=1800/複数回答可、出典:MMD研究所)

コンビニエンスストア、スーパー、ドラッグストアについて、メイン利用しているスマホ決済サービスの利用有無と頻度を聞いた。コンビニエンスストアは「nanacoモバイル」ユーザーの82.7%、「au PAY」ユーザーの73.3%、「d払い」ユーザーの68.0%が利用していることがわかった。

MMD研究所 調査データ スマートフォン決済利用動向 コンビニエンスストアでのスマホ決済サービス利用有無と頻度
コンビニエンスストアでのスマホ決済サービス利用有無と頻度
(サービス別、各n=150、出典:MMD研究所)

スーパーでは「モバイルWAON」ユーザーの77.3%、「PayPay」ユーザーの51.3%、「iD」ユーザーの49.3%が利用していることがわかった。

MMD研究所 調査データ スマートフォン決済利用動向 スーパーでのスマホ決済サービス利用有無と頻度
スーパーでのスマホ決済サービス利用有無と頻度(サービス別、各n=150、出典:MMD研究所)

ドラッグストアでは「楽天ペイ」ユーザーの55.3%、「d払い」ユーザーの54.0%、「au PAY」ユーザーの49.3%が利用していることがわかった。

MMD研究所 調査データ スマートフォン決済利用動向 ドラッグストアでのスマホ決済サービス利用有無と頻度
ドラッグストアでのスマホ決済サービス利用有無と頻度(サービス別、各n=150、出典:MMD研究所)

スマホ決済サービスのチャージ方法、「PayPay」は「銀行口座から」がトップ

調査対象者全員にメイン利用しているスマホ決済サービスのチャージ方法・連携方法について聞いたところ、最も利用しているQRコード決済サービス上位の「PayPay」は「銀行口座からのチャージ」(28.0%)、「d払い」は「スマートフォン料金と合算払い」(44.7%)がそれぞれ最多だった。

MMD研究所 調査データ スマートフォン決済利用動向 QRコード決済サービスのチャージ方法・連携方法
QRコード決済サービスのチャージ方法・連携方法
(サービス別、上位3位抜粋、各n=150、出典:MMD研究所)

最も利用しているスマホ非接触決済サービス上位である「モバイルSuica」は「クレジットカードからのチャージ」(56.0%)、「iD」は「クレジットカードとの連携」(60.0%)がそれぞれトップだった。

MMD研究所 調査データ スマートフォン決済利用動向 スマホ非接触決済サービスのチャージ方法・連携方法
スマホ非接触決済サービスのチャージ方法・連携方法
(サービス別、上位3位抜粋、各n=150、出典:MMD研究所)
調査実施概要
  • 調査タイトル:「2023年1月スマートフォン決済利用動向調査 第2弾」
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2023年1月27日~1月31日
  • 調査対象:18歳~69歳のスマホ決済サービスユーザー
    QRコード決済サービス(PayPay、d払い、楽天ペイ、au PAY、メルペイ、LINE Pay)、もしくはスマホ非接触決済サービス(モバイルSuica、iD、楽天Edy、QUICPay、nanacoモバイル、モバイルWAON)のいずれかのサービスをメイン利用している人(各n=150)
  • 有効回答:1800人
  • 設問数:9問
藤田遥

ヤフー「Yahoo!ショッピング」の「超PayPay祭」、販促コストは大幅縮小の見通し

3 years 7ヶ月 ago

ヤフーがECモール「Yahoo!ショッピング」で3月1日から3月21日に開催する「超PayPay祭」は、販促コストを大幅に縮小する見通しだ。

そのため、「第4四半期(2023年1-3月期)のショッピング事業取扱高、売上収益は厳しい状況が見込まれる」(Zホールディングス)。2022年1-3月期のショッピング事業取扱高は4514億円で、売上収益は873億円。

「PayPay払いで5%のポイント還元」のほか、3月16日から21日は最大で合計10%のPayPayポイントがたまる施策などを用意するという。詳細は3月1日午前0時公開予定。

ヤフーは「2020年代前半に国内物販EC取扱高No.1」というeコマース取扱高に関する経営目標を変更。従来の「ポイント・販促中心」から、「グループアセットを最大限活用することに注力し、成長と収益性のバランスを両立」に変えた。

Zホールディングス ヤフー 経営目標の変更
経営目標の変更(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

そのため、ショッピングモール事業へのポイント還元投資はいったん抑制。コストコントロールの範囲内で取扱高の成長に取り組むとしている。

2022年10-12月期(第3四半期)のショッピング事業取扱高は前年同期比1.4%減で着地。一方、キャンペーン内容変更でコスト最適化が進み、2022年10-12月期における「Yahoo!ショッピング」の粗利率は前四半期(2022年7-9月期)と比べて8.4ポイント改善したという。

ヤフー 四半期ベースのeコマース取扱高の推移と伸長率
物販系取扱高と成長率の推移(画像はIR資料からキャプチャ)

厳しい状況を見込む2023年1-3月期の「Yahoo!ショッピング」取扱高だが、コマース事業の調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は、販売促進費の効率化で前年同期比で増益となる見通し。

瀧川 正実

【送料値上げの背景】ヤマト運輸と佐川急便が運賃引き上げ、日本郵便も値上げの可能性。主因は燃料高騰と2024年物流問題 | 通販新聞ダイジェスト

3 years 7ヶ月 ago
宅配便の届出運賃について、佐川急便は平均8%、ヤマト運輸は同10%の値上げを表明。日本郵便も値上げに動く可能性は大きいと見られている

佐川急便とヤマト運輸が4月、宅配便の届出運賃を引き上げる。佐川急便は平均8%、ヤマト運輸は同10%の値上げを表明しており、個別契約となる大口の通販企業へもそれぞれ同程度の引き上げを求めていくと見られる。燃料代などエネルギーの高騰に加え、いわゆる物流業界の「2024年問題」を1年後に控え、宅配便業界が動き出した。「宅配クライシス」から6年、再び通販企業が大きな課題に直面することになそうだ。

【佐川急便値】飛脚宅急便、飛脚クール便、飛脚ラージサイズ宅配便など値上げ

佐川急便は4月1日、宅配便の「飛脚宅配便」などの運賃を引き上げる。「飛脚宅配便」の60サイズを関東から関東へ送る場合の料金は現行の770円が850円となり、80円アップ(160サイズまでの5サイズの上げ幅は80~132円)。また、同サイズを関東から関西へ送る場合、現行の880円が970円と90円のアップになる(160サイズまでの5サイズの上げ幅は90~162円)。

【佐川急便値】飛脚宅急便、飛脚クール便、飛脚ラージサイズ宅配便など値上げ

値上げの理由として、エネルギーや施設・車両等の価格高騰、労働力コストの上昇、物流の24年問題に対応した従業員とパートナー企業の労働環境改善などを挙げている。

佐川急便は、22年12月末、公正取引委員会が実施した独占禁止法上の優越的地位の濫用に関する緊急調査で、複数の協力企業に対して「労務費、原材料価格、エネルギーコスト等の上昇分の取引価格への反映の必要性について、価格交渉の場において明示的に協議することなく、従来どおりに取引価格を据え置くこと」(「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」)などに該当する行為を行っていたとして、社名が公表された。このような事態もあったことが運賃値上げの大きな理由の一つになったとも見られる。

「飛脚宅配便」のほか、一部サイズの「飛脚クール便」、「飛脚ラージサイズ宅配便」なども値上げする。「飛脚クール便」は、140サイズ20キログラムと同30キログラムの2つを対象にクール便の追加料金(「飛脚宅配便」の料金に付加する料金)をそれぞれ715円から880円、935円から1100円に引き上げる(いずれとも165円の上げ幅となる)。

大型宅配便の「飛脚ラージサイズ宅配便」は関東から関東に送る場合、170サイズが現行の2420円が2600円と180円の値上げ(260サイズまで6サイズの上げ幅は180~425円)。関東から関西へは、170サイズで現行の3135円から3360円と225円の値上げとなる(260サイズまで6サイズの上げ幅は225~555円)。

親会社のSGホールディングスは1月27日に行った23年3月期第3四半期決算説明会における質疑応答で、今回の届出運賃の改定による業績影響について、届出運賃が適用される荷物(一般ユーザーが送る荷物)は、全体の2%程度とし、影響は小さいとの見方を示した。法人客を対象とする個別の契約運賃には直接的な影響はないとするも、引き続き適正運賃収受の取り組みを実施していくとした。

【ヤマト運輸】宅急便、宅急便コンパクト、EC専用商品のEAZY、国際宅急便を値上げ

一方、ヤマト運輸は4月3日から値上げする。資源・エネルギー価格、原材料価格の上昇に伴うインフレ傾向に加え、労働力減少による賃金や時給単価の上昇、24年問題を控えた物流事業者を取り巻く外部環境がこれまで以上に厳しさが増すとして、コスト吸収のための引上げとしている。

運賃引き上げの経緯などについて、2月6日開催の親会社ヤマトホールディングスの23年3月期第3四半期決算説明会で「昨年春頃から物価上昇があり、想定を超えるような上げ幅だった。また、10月にも値上げの動きがあり、秋頃から検討を始めていた」(栗栖利蔵副社長)と述べた。上げ幅についてはサイズ、重量、地帯により異なり、最小で1%、最大で64%になるとした。

【ヤマト運輸】宅急便、宅急便コンパクト、EC専用商品のEAZY、国際宅急便を値上げ

また、栗栖副社長は、届出運賃を毎年度改定する意向も示した。据え置きの場合も含めて、毎年2月上旬ごろに4月から適用する運賃を発表するという。

値上げは宅急便のほか、宅急便コンパクト、EC専用商品のEAZY、国際宅急便も対象にする。届出運賃は個人や小口利用の法人などを対象とする運賃だが、個別契約する大口利用の法人にもこれから引き上げへの協力を求めていく。

新運賃の例を見ると、宅急便コンパクトと宅配便を関東から関東へ送る場合の新たな運賃(現金決済)は、コンパクトが40円の上げ幅となり、60~200サイズの8サイズの上げ幅は10~880円。関東から関西へ送る場合の上げ幅はコンパクトが50円、60~200サイズの上げ幅20~1440円となる。

◇◇◇

6年前の宅配クライシスでは、値上げはヤマト運輸が先行し17年10月1日から改定。そして佐川急便は同年11月21日から、日本郵便は翌年3月1日からと、三者三様の値上げ開始時期だった。今回はヤマト運輸、佐川急便とも発表後の2カ月程度での実施となる。発表から実施までの時期が短いのも今回の特長とも言える。原材料費価格やエネルギー価格の急激な高騰で、一刻も運賃引き上げを行っていかないとならいという宅配便事業者の焦りが滲む。

そして、以前から重要な課題と見られていた24年問題を1年先に控え、対応策を急がなければならない事情もある。

この1年、通販企業は原材料費の値上げに直面し、コスト増大に苦しめられてきているが、宅配便運賃の引き上げが加わることになる。コロナ禍にあって拡大基調になった通販業界だが、コロナ収束に向かいつつある中、売上高の反動減、そしてコストアップを余儀なくされ、より一層かじ取りが難しい経営環境となりそうだ。

日本郵便は2月14日時点で値上げについての発表はなかった。一方で、同社は中小企業庁から「価格交渉促進月間(22年9月)フォローアップ調査の結果」で、郵便物や荷物の配達・集荷などの業務で、協力会社から価格交渉や価格展開に関して厳しい評価がされた。同社は2月20日から、協力会社とのパートナーシップ構築に向けた取り組みを開始すると発表。このような事態にある同社も値上げに動く可能性は大きいと見られる。

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通販新聞

ヤフーなどが使う地図サービス「Mapbox」とは? ソフトバンクも出資するマップボックス・ジャパン社長に聞く | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム

3 years 7ヶ月 ago
Web上の検索・地図サービスにおいては“Google一強”とも言われる時代の2020年に設立されたのがマップボックス・ジャパン合同会社。「米国発」の地図サービス「Mapbox」を展開しています

検索エンジン、地図アプリともに日本国内のシェア率1位を誇るGoogle。近年では飲食店などの「お店探し」にも利用されるようになりました。Web上の検索・地図サービスにおいては“Google一強”とも言われる時代の中、2020年に設立されたのがマップボックス・ジャパン合同会社(以下、Mapbox Japan)です。

Mapboxは、実はGoogleと同じく「米国発」の地図サービス。Yahoo! MAPなどの国内地図プラットフォームに地図テクノロジーを提供する他、2021年8月には7社と合同で「マップアドネットワーク」を立ち上げ、独自の地図広告プラットフォームを展開しようとしています。

圧倒的な強さを誇るGoogleに対し、Mapboxの“勝算”はどこにあるのでしょうか。今回口コミラボ編集部では、Mapbox Japan 最高経営責任者CEO 高田 徹氏にお話を伺いました。

Mapbox Japan 最高経営責任者CEO 高田 徹氏
▲Mapbox Japan 最高経営責任者CEO 高田 徹氏

「地図にも選択肢を」“Google一強”の現状に感じる疑問

Mapbox Japanは、地図情報サービスの開発プラットフォームを提供する米国Mapbox Inc.と、世界でビジネスイノベーションを牽引するソフトバンク株式会社がタッグを組み、2020年3月に設立されました。

高田氏は、元々Yahoo! JAPANでメディア広告事業を担当、現在はソフトバンク株式会社の事業開発統括本部長を兼務しながら、Mapbox JapanのCEOとして地図サービスの革新に努めています。

高田氏「今まさにビッグプレイヤーが市場を席巻している状況ですが、『地図って、1種類でいいの?』と思っています。選択肢はあった上で、どれかを選べる方が良いはずですよね。

Mapbox Japan 最高経営責任者CEO 高田 徹氏
▲Mapbox Japan 最高経営責任者CEO 高田 徹氏

地図サービスがなかなか増えない理由は2つあると思っていまして、1つは『地図を作るのが大変すぎる』こと。例えば建物、お店、地点の情報を集めて…他にも道路や公共交通機関などの情報もなければいけないですよね。さらに、高頻度で更新もしていかなければならない。

もう1つの理由は、『地図でのマネタイズが難しい』こと。今のユーザーは『地図は無料で使えて当たり前』だと思っているので、地図を有料で使おうという発想は基本的にありません。

コストがかかるにもかかわらず、地図それ自体でマネタイズするのは非常に難しいことから、自社で開発・提供できる企業は当然限られてきます」

「どんな人でも地図のサービスを作れる」未来を目指して

高田氏「そこでMapboxは、地図情報をカスタマイズし、自社オリジナルの地図を開発できるサービスを提供しています」

Mapboxの地図表示システムは、地図サービス「Yahoo! MAP(Yahoo!地図)」や決済システム「PayPay」内の地図などにも導入されています。表示速度が速く、あらゆるスマートデバイスで使用可能な上、導入されるサービスに合わせた細かなカスタマイズができるといいます。

Yahoo! MAP(Yahoo!地図)にもMapboxの地図システムが使われている
▲Yahoo! MAP(Yahoo!地図)にもMapboxの地図システムが使われている:画像はYahoo!地図ブログより

高田氏「Yahoo!のサービスだけでなく、全国紙の電子版などのメディア様でご利用いただいたり、不動産や交通系の企業様、さらには自治体様など、『オリジナルの地図を作りたい』とお考えの方に幅広くご利用いただいています」

地図を邪魔しない広告のあり方

そしてMapbox Japanは2022年10月、”地図自体でのマネタイズ”の可能性を広げるべく、「プロモーテッド・ピン広告」の有料版をリリースしました。

高田氏「Web媒体の広告といえば、検索結果のリスト上に表示する『リスティング広告』やWebページ内の掲載枠に画像や動画を表示する『ディスプレイ広告』がありますが、これらはあくまで検索エンジンやニュースサイトに特化した広告の表示方法。地図にそのまま適用してしまうと邪魔になってしまい、エンゲージメントも下がってしまうんです。

そこで、今回の新しい広告では、“地図を邪魔しない”ように表示するにはどうすればいいのかを試行錯誤しました」

Mapbox「プロモーテッド・ピン広告」
▲Mapbox「プロモーテッド・ピン広告」

プロモーテッド・ピン広告は、地図上に広告主独自のアイコンが配置され、タップすると広告主の情報が記された「広告カード」が表示される仕組みです。

地図の一角に表示するようなタイプの広告と違い、ユーザーがタップしてはじめて表示される広告であるため”地図を邪魔しない”設計に。さらに、タップすることで表示される「広告カード」上に写真やメニュー、最新のお知らせを表示できるなど、掲載できる情報が増えるという広告主側のメリットもあるそうです。

地図業界全体の収益化を目指す

それでも、「ピン広告が唯一の正解ではない」という高田氏。今後も広告フォーマットを増やすとともに、各社と連携して地図業界を盛り上げたいと意気込みます。

高田氏「本来、地図は書店などで購入するものだったはずですが、インターネット上の地図やスマートフォンの地図アプリの登場で、『地図は無料で使えて当たり前』の認識が消費者の間に広がりました。

『地図を売る』ということが難しくなってきた今の時代。単独で勝つのは難しいことから、『マップアドネットワーク』を立ち上げ、ヤフー株式会社、株式会社ゼンリンほか、計7社と連携して地図広告のリーチを増やす取り組みを始めました。

Mapboxが7社と連携する「マップアドネットワーク」。参加企業:ヤフー株式会社、株式会社ゼンリン、ジョルダン株式会社、株式会社ナビタイムジャパン、株式会社駅探、ジオテクノロジーズ株式会社、株式会社マップル
▲Mapboxが7社と連携する「マップアドネットワーク」。参加企業:ヤフー株式会社、株式会社ゼンリン、ジョルダン株式会社、株式会社ナビタイムジャパン、株式会社駅探、ジオテクノロジーズ株式会社、株式会社マップル

自社だけでは難しいかもしれませんが、業界内の多くの会社様と連携を進めておりますので、勝算はあると考えています。

今後も地図業界全体が収益化の糸口を見出だせるよう、プロダクトの開発と各社との連携を進めていきます」

この記事を書いた「口コミラボ」さんについて

「口コミラボ」は、様々な地図アプリ・口コミサイトの監視、運用、分析を一括管理できる店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディアです。近年、企業の評判管理が重要視されるなか、特に注視すべきGoogleマイビジネスを活用したローカルSEO(MEO)や口コミマーケティング、それらを活用した集客事例から、マーケティング全般、店舗経営のハウツー、業界動向データにいたるまで幅広い情報を紹介します。

口コミラボ

ギフティの2022年通期売上は27%増の47億円。経常利益は41%増の3.5億円

3 years 7ヶ月 ago

デジタルギフトサービス「eギフト」を手がけるギフティの2022年1~12月期(通期)決算は、売上高が前期比26.8%増の47億2300万円、営業利益は同17.6%増の3億6200万円、経常利益は同41.7%増の3億5200万円だった。

法人向けの「giftee for Business」の利用企業(DP)数と案件数が高い成長率で伸長し、業績をけん引した。利用企業(DP)数は1456社(前期比45.6%増)、案件数は1万185件(同29.5%増)。eギフト発行企業(CP)数も堅調に増加している。

eギフトの利用企業数、案件数とともに伸長が目立っている(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)
eギフトの利用企業数、案件数とともに伸長が目立っている(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)
eギフトを発行する企業数も堅調に推移した(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)
eギフトを発行する企業数も堅調に推移した(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)

当期純利益は前期比92.7%減の1000万円と大幅減。期初予想(2億1500万円)を大幅に下回った。出資先複数社の株式の減損損失(合計1億8600万円)、業務提携先との開発継続見合わせに伴う無形固定資産の除却損(2100万円)による特別損失の計上が影響した。

2023年12月期の成長戦略は?

2023年の通期業績は売上高67億8800万円(前年同期比43.7%増)、営業利益8億1300万円(同124.1%増)を見込む。

eギフトプラットフォームの拡大、地理的な横展開、M&Aによるそれらの実現の強化・加速を図る。新たなコンテンツ・用途・領域の開発による潜在市場の拡大、新規サービスの提供にも取り組む。M&Aに加え、スタートアップへの出資も引き続き積極的に行う。

なお、純利益の予想数値は非開示。減損損失・法人税等調整額などの精緻(せいち)な見積もりが困難であることを理由としている。

2023年通期の業績予想一覧(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)
2023年通期の業績予想一覧(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)

ただ、流通額、売上高は高い成長性を継続すると予想する。EBITDAマージン(売上高に占めるEBITDAの割合。EBITDAは減価償却前の営業利益)は、単体ベースでは伸長するものの、収益構造が異なりかつ投資先行フェーズである子会社の売上高・費用の増加で、連結ベースでは微増にとどまる見通し。

2023年通期は売上高、流通額、EBITDAともに大きな飛躍を見込む(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)
2023年通期は売上高、流通額、EBITDAの予想(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)
高野 真維

ZOZOTOWN、Amazon、楽天よりもNPSが高いファッションECサイトはMAGASEEK、その理由は?

3 years 7ヶ月 ago

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」によると、顧客ロイヤルティを測る指標の「NPS(ネットプロモータースコア)」が最も高いのは「MAGASEEK(マガシーク)」だった。

調査対象は、Amazon Fashion(アマゾンファッション)、MAGASEEK 、Rakuten Fashion(楽天ファッション)、SHOPLIST.com by CROOZ(ショップリスト)、ZOZOTOWN、マルイウェブチャネル(マルイのネット通販)。

NPSのトップはMAGASEEKで-13.7ポイント。2位はZOZOTOWNで-15.6ポイント、3位はSHOPLIST.com by CROOZの-16.5ポイント。対象6社の平均NPSは-20.1ポイント。トップ企業とボトム企業の差は15.5ポイントだった。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」
NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門

アパレルECサイトのロイヤルティの要因を19の項目別に分析。業界全体では「ブランドや商品の品揃えの豊富さ」「サイズ表記や身長別の着丈など商品の掲載情報の詳細さ・正確さ」「自分に合ったサイズ・大きさの商品がある」といった商品の品ぞろえや掲載情報に関連する項目、「コストパフォーマンスの良さ」がロイヤルティ醸成に寄与している。

一方、ロイヤルティを向上させるために今後改善が期待される項目として、生地感や着用感といった「写真から実際の商品イメージがつきやすいこと」、「おすすめ機能・レコメンデーションの適切さ」「欲しい商品の探しやすさ・検索のしやすさ」といったサービス・機能面がロイヤリティー醸成ポイントにあがっている。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 ロイヤルティの要因を19の項目別に分析
ロイヤルティの要因を19の項目別に分析

マガシークは「公式アプリの使いやすさ」で評価が高かったほか、業界全体の課題項目であった「写真から実際の商品イメージがつきやすいこと」「欲しい商品の探しやすさや検索のしやすさ」、レコメンデーションの適切さといった機能面でも高い評価を獲得した。
2位のZOZOTOWNは「ブランドや商品の品ぞろえの豊富さ」、3位のSHOPLISTはコストパフォーマンスの良さがそれぞれ評価された。

公式アプリの利用経験、アパレルECサイトを使う目的、求める機能などは?

公式アプリの利用経験を調査したところ、全体の51.9%が公式アプリを利用。公式アプリの利用有無別にNPSを分析したところ、公式アプリ利用者のNPSは-10.4ポイントで、公式アプリ非利用者よりも高くなった。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 公式アプリの利用経験
公式アプリの利用経験

公式アプリ利用有無別に、ECサイトやアプリでの商品検索や購入といった機能に関連する5つの項目ごとに満足度平均を比較した。最も差が大きくなったのは「おすすめ機能・レコメンデーションの適切さ」。「欲しい商品の探しやすさ・検索のしやすさ」が続いた。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 機能に関連する5項目ごとの満足度平均
機能に関連する5項目ごとの満足度平均

対象となったアパレルECサイトを利用する目的を調査した結果、「店員の接客がなく、じっくりと商品を探して購入できるため」が43.4%。「自分が必要としている商品だけを購入することができるため」(42.8%)、「実店舗に比べて商品が探しやすいため」(35.2%)が続いた。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 アパレルECサイトの主な利用目的
アパレルECサイトの主な利用目的

今後求める機能について、「自分の体形やサイズを簡単に測定できる機能」が最多の31.1%。「オンライン上で自分が試着したイメージをできる機能」が25.9%、「過去の購入履歴から、自分の好みやサイズをお薦めしてくれる機能」が22.1%。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 アパレルECサイトに求めている機能
アパレルECサイトに求めている機能

今後の継続利用意向を0~10の11段階で聞いたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.4ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)7.8ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は5.6ポイント。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 推奨セグメント別継続利用意向
推奨セグメント別継続利用意向

調査概要

  • 調査対象企業:Amazon Fashion(アマゾンファッション)、MAGASEEK 、Rakuten Fashion(楽天ファッション)、SHOPLIST.com by CROOZ(ショップリスト)、ZOZOTOWN、マルイウェブチャネル(マルイのネット通販)
  • 調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち上記アパレルECサイト利用者
  • 調査方法:NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間:2023年1月12~18日
  • 有効回答者数:2159人
  • 回答者の属性:性別は男性が38.0%、女性が62.0%。年代は20代以下が17.8%、30代が23.3%、40代が28.9%、50代が15.0%、60代以上が15.1%

NPSとは?

推奨度が高ければ高い顧客ほどリピート率が高く、クチコミによる新規顧客の獲得にもつながるため、企業はNPSを向上させることで収益を上げることができるとされている。

NPSは次のように計測する。

「友人に(特定商品などを)すすめたいと思いますか?」と顧客に質問し、0~10点で推奨度を計測。次のように分類する。

  • 0~6点を付けた人 → 「批判者」
  • 7~8点を付けた人 → 「中立者」
  • 9~10点を付けた人 → 「推奨者」
ネットショップ業界(EC業界)のNPSに関する調査結果
NPSの計測方法

NPSは、「推奨者」の割合(仮に40%)から「批判者」の割合(仮に25%)を引いた数値(40%-25%=15%)のことを指す。「推奨度」を聞くことで、顧客がどれほど企業・ブランドに対してロイヤルティがあるかを数値化する。

石居 岳

ヤフー、ポイント戦略大転換の反響は?/アダストリアが語るメタバース市場【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

3 years 7ヶ月 ago
2023年2月17日~2023年2月22日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. ヤフー、ポイント戦略大転換の反響は? 日曜日の高還元施策の廃止に「売れない」の声

    2022年10月にヤフーは「PayPayモール」と「ヤフーショッピング」を統合。これに伴うポイント戦略の大きな方向転換に「売れない」となげく出店者も多くみられている

    2023/2/20
  2. 「メタバースは大きなビジネスチャンスになる」「先行者利益を得るなら2023年がカギ」。アダストリアが語るメタコマースの可能性と描く未来

    アダストリアは新たなマーケットとしてメタバース市場に注目。EC業界の“メタコマース”を先導している。メタバース市場の魅力や取り組み、将来像をアダストリアのメタバースプロジェクトマネージャーに聞いた

    2023/2/21
  3. 東武鉄道がネット通販事業に進出、グループ共通ポイント「TOBU POINT」会員向けにECサイト「TOBU MALL」を展開

    東武バス、東武百貨店、東武トップツアーズ 東武ホテルマネジメント、日光金谷ホテル、東武商事、東京スカイツリー、東武動物公園などが出店する

    2023/2/21
  4. 最も利用しているスマホ決済サービスのトップは「PayPay」で2位は「楽天ペイ」。利用サービス数の平均は2.7個

    MMD研究所が実施した「2023年1月スマートフォン決済利用動向調査 第1弾」によると、スマホ決済サービスを併用している割合は62.6%だった

    2023/2/22
  5. 楽天の国内EC流通総額は12.3%増、アマゾン日本事業の売上高は5.7%増。勢いはどっちにある?【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年2月13日~2月19日のニュース

    2023/2/21
  6. 2023年の家計状況は6割が「悪くなる」。理由は「値上げ」「期待できない賃上げ」など

    家計対策では「節約」が最多。年代別・世帯年収別でも「節約」と回答する割合が多い。400Fは「物価上昇による家計圧迫から消費に消極的な姿勢が強く、2023年は消費の低迷が予想される」とコメントしている

    2023/2/22
  7. オルビスが流通センターに導入した最新のAMR(自律走行搬送ロボット)とは?

    国内では事例が少ない倉庫ピッキング作業におけるAMRの本格実用化で、省人化&効率化を達成し、倉庫内出荷作業の生産性および顧客利便性のさらなる向上をめざす

    2023/2/21
  8. 商品を知ったきっかけの多くは「TV・ラジオ」、買える場所を調べる方法は「Google・Yahoo!検索」

    調査対象の半数以上のユーザーが商品を探し回って店舗をハシゴした経験がある。「食品・健康食品」はTVで知ったモノを、「化粧品」はSNSで知ったモノを探したことがあるユーザーが多く、売っている場所をネットで検索する人が多いこともわかった

    2023/2/22
  9. 注目を集めるEX(従業員体験)とは? EXを高める方法や効果を事例を交えて解説

    従業員の満足度、エンゲージメントを高めることを目的としたEX。日本企業に応じたEXとはどのようなものでしょうか?

    2023/2/20
  10. ecbeing、「LINEミニアプリ部門」のパートナーに認定

    「LINEミニアプリ部門」は「LINEミニアプリ」のサービス導入実績、アクティブに活用されている店舗数を基準に認定されるパートナー制度。ecbeingは2021年から、EC事業者向けにLINEミニアプリの提供・導入支援を始めている

    2023/2/20

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    資生堂の2022年グループEC売上は3500億円規模。EC化率は33%で2025年に4割が目標

    3 years 7ヶ月 ago

    資生堂の2022年12月期決算におけるEC売上高は約3522億円規模で、為替影響と事業譲渡の影響を除いた数値から算出した売上成長率は同1%増だった。

    連結売上高は前期比0.9%増の1兆674億円。EC化率は前期比1ポイント減の33%だった。

    中国市場のダブルイレブン鈍化が影響したものの、ハイプレステージブランド・製品ラインを中心に健闘、全体でのプラス成長を維持した。

    国内におけるEコマース売上高は、1ケタ台半ばの伸長率だったという。2022年9月にローンチした新会員サービス「Beauty Key」の会員獲得数は目標を超えて推移、アプリやCRMによる購買が寄与しているという。

    中国におけるEコマースは、第4四半期(2022年10-12月期)において、ダブルイレブン市場の成長が鈍化したものの、年間ではプラスを維持した。

    2025年にはグローバルEコマース売上比率40%をめざす。媒体費に占めるデジタル比率は引き続き90%で、特に日本と欧州事業にフォーカスしていく。

    日本市場ではアプリダウンロード数を伸ばす活動に注力し、愛用者基盤の構築、OMOの進化へとつなげていく。

    資生堂の2022年12月期決算におけるEC売上高は約3522億円規模で、為替影響と事業譲渡の影響を除いた数値から算出した売上成長率は同1%増
    今後の目標値(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    石居 岳

    コンバージョンUPに直結する施策、EC事業者が課題解決のために投資する領域とは? | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    3 years 7ヶ月 ago
    ある調査では、カスタマーエクスペリエンスやデジタルマーケティングなどへの投資が、小売事業者が2023年に取り組む項目の上位になっています。その他、調査結果から小売事業者の考えや傾向を解説します。

    オンライン通販事業者が 2023 年の成長計画を達成するためには、よりコンバージョンに力を入れる必要があります。

    米国のEC業界誌大手『Digital Commerce 360』が実施した「2023年パフォーマンスとコンバージョンに関する調査」には、小売事業者73社が回答。年末年始の業績、KPI、投資戦略、成長機会、潜在的な課題、年間を通じたコンバージョン促進要因などを探った調査結果から、自社ECサイトのコンバージョン率を向上させるためのヒントを見つけてください。

    記事のポイント
    • コンバージョン率は2022年比で上昇
    • オンライン通販事業者は、ユーザーエクスペリエンスと、2023年の目標との乖離(かいり)を縮小するために尽力している
    • カスタマーエクスペリエンス、Eコマース、プラットフォーム、デジタルマーケティングへの投資が、2023年の取り組みリストの上位にあがっている

    コンバージョンなど収益に関する数値の現状と傾向

    ホリデーシーズンの売上成長と成果

    コンバージョンは、オンラインにおける収益創出の要です。アクセス解析ツール「Adobe Analytics」によると、オンラインの2022年ホリデーセールスは、前年比3.5%上昇にとどまっているため、コンバージョン改善に向けたさらなる取り組みが必要のようです。

    『Digital Commerce 360』が実施した「2023年パフォーマンスとコンバージョンに関する調査」によると、小売企業の57%がホリデーシーズンの売り上げを伸ばした一方、22%は「横ばい」、21%は「売り上げが減少した」と答えました。

    2022年ホリデーシーズンの売上伸長率(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    2022年ホリデーシーズンの売上伸長率(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    回答した小売事業者によると、カスタマーサービスの向上(29%)、サイトパフォーマンスの改善(22%)などカスタマーエクスペリエンスに関する成果をあげた企業が目立ちました。

    カスタマーエクスペリエンスに関する成果

    • カスタマーエクスペリエンスの最適化:15%
    • 顧客満足度の向上:10%
    • パフォーマンスを含むサイト体験の向上:8%
    • モバイル体験の向上:5%

    成長性に関しては、27%が「トップラインの成長と収益の増加」、「マーケットプレイスの売上成長」は25%に達しました。「収益性の向上」(18%)、「モバイル販売の拡大・浸透」(14%)と回答した事業者は、それほど多くありませんでした。一方、「厳しい環境下での労働力管理による生産性向上」(21%)は大きな効果と言えるでしょう。

    また、マーケティングの成果も注目されています。小売企業の26%が「新たなマーケティング施策」、22%が「マーケティング費用の効率化」をあげています。また、15%が「顧客獲得の成功」「顧客維持率の向上」につながったとしています。

    サプライチェーンについては、23%が「サプライチェーンの課題への対応」を、物流面で「フルフィルメントの迅速化」(18%)、「倉庫業務の改善」(11%)、「新規サプライヤーの獲得」を成果にあげています。

    「2022年のホリデーシーズンにおけるEコマースの最大の成果は何か」(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)出典:Digital Commerce 360による小売事業者73社への調査(2023年1月)
    「2022年のホリデーシーズンにおけるEコマースの最大の成果は何か」(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)出典:Digital Commerce 360による小売事業者73社への調査(2023年1月)

    コンバージョン率や平均注文金額などの各種KPIについて

    KPI(重要業績評価指標)は、小売事業者が同業他社と比較して自社のパフォーマンスをベンチマークするのに役立ちます。コンバージョン率は、「ウェブサイトの収益」(57%)、「収益性」(51%)とともに、64%の小売事業者が2021年よりも上昇しました。

    調査対象となった小売企業の半数弱は、「平均受注額(AOV)」が47%増加し、「マーケットプレイスのパフォーマンス向上」は44%でした。

    各種KPIの達成度合いについて (出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    各種KPIの達成度合いについて(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    コンバージョン率は、小売事業者の57%が、2%もしくはそれ以下であることが判明。一方、2%以上のコンバージョン率だったのは43%でした。その内訳は次の通りです。

    • 1%から5.0%:21%
    • 5%以上:13%
    • 該当なし:9%

    Amazonを含むマーケットプレイスのコンバージョン率を見てみると、自社サイトよりも低いことがわかります。

    ECサイト別コンバージョン率の結果

    • 0%~1%
      • 小売事業者の自社サイト:25%
      • Amazon:30%
      • その他のマーケットプレイス:30%
    • 1.1%~2.0%
      • 小売事業者の自社サイト:31%
      • Amazon:28%
      • その他のマーケットプレイス:20%
    •  2.1%~5.0%
      • 小売事業者の自社サイト:20%
      • Amazon:6%
      • その他のマーケットプレイス:8%
    • 5.1%以上
      • 小売事業者の自社サイト:13%
      • Amazon:6%
      • その他のマーケットプレイス:9%
    • 該当なし
      • 小売事業者の自社サイト:9%
      • Amazon:36%
      • その他のマーケットプレイス:33%
    コンバージョン率について(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    コンバージョン率について(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    小売事業者のオンライン平均注文金額(AOV)は、100ドル以上が54%、100ドル以下が46%とほぼ同率。もちろん、これは商品の品ぞろえや消費者の購買行動に直接関係しています。

    AOV率について(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    AOV率について(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    2023年にオンライン通販事業者が投資するポイント

    ユーザーエクスペリエンスの向上に努める傾向が顕著

    賢い投資をするためには、常に自社の状況を確認することが賢明です。最適なユーザーエクスペリエンスを「10」と設定して、1から10までで自社の評価をしてもらったところ、「9」または「10」と評価したのは9%。57%のオンライン通販事業者は「6」から「8」の間で評価しました。残りの34%は6点以下です。

    裏を返せば、オンライン通販事業者は向上心にあふれていると言えるでしょう。8点以上のユーザーエクスペリエンスを実現したいと考えている通販事業者は67%。8点未満はわずか33%でした。次のグラフが示すように、小売事業者はユーザーエクスペリエンスに関するギャップを縮めようと努力しています。

    最適なユーザーエクスペリエンスを「10」とした場合の自社評価

    • 8~10点
      • ​​​​​​​現在:24%
      • 2023年目標:67%
    • 6~7点
      • ​​​​​​​現在:42%
      • 2023年目標:23%
    • 5点以下
      • ​​​​​​​現在:34%
      • 2023年目標:10%
    自社ユーザーエクスペリエンスの評価(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    自社ユーザーエクスペリエンスの評価(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    カスタマーエクスペリエンスへの注力が最多

    Eコマースへの投資は、「カスタマーエクスペリエンス」「Eコマースプラットフォーム」「デジタルマーケティング」「パーソナライゼーション」が優先順位の上位を占め、軒並み上昇しています。

    「カスタマーエクスペリエンス」は71%に達し、また、2023年に「増える」と予想される投資のトップもカスタマーエクスペリエンスで、71%でした。

    「パーソナライゼーション」(51%)、「Webデザイン」(45%)、「カスタマーサービス」(45%)が続きました。

    デジタルマーケティングに注力する事業者の割合は55%に達しており、マーケティング費用は増加するでしょう。「ソーシャルメディア」は49%、「SEO」も44%が投資すると回答しています。

    チャネルの観点では、49%が「マーケットプレイスの成長」に期待しており、マーケットプレイスへの取り組みが進んでいます。一方、「オムニチャネル」は18%にとどまりました。

    「オペレーション」への投資は43%が増加しており、「倉庫やフルフィルメント管理などのロジスティクス」は39%。倉庫業務を含むロジスティクスは31%で、18%のサプライチェーンとともに増加しており、いずれも重要な改善がもたらされるはずです。

    2022年比で2023年に投資増を見込んでいるテクノロジー分野 (出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    2022年比で2023年に投資増を見込んでいるテクノロジー分野(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    コンバージョンを促進するためには、カスタマーエクスペリエンスに重要な投資を行う必要があり、66%がその重要性を認めています。他にも、「カスタマーサービス」(46%)、「パーソナライゼーション」(27%)、「返品無料」(14%)などがあげられています。

    コンバージョン促進には、テクノロジーの役割も非常に重要です。「Eコマースプラットフォームへの投資」が54%でトップ、「Webサイトのパフォーマンス/スピード」が45%で上位にランクインしています。また、「Web解析/データ」も38%が重要視しています。

    物流は「倉庫管理」を重視する傾向に

    デジタルマーケティングは、コンバージョンを促進する上で重要であると40%が回答。コンバージョンを物流の観点から考えた場合、37%が「倉庫管理」、23%が「サプライチェーン」、19%が「マーケットプレイスでの取り組み」をあげています。

    コンバージョンの最適化において、2023年に投資が重要だと思うデジタルマーケティング (出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    コンバージョンの最適化において、2023年に投資が重要だと思うデジタルマーケティング(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    コンテンツの観点からは、オンライン通販事業者の3社に1社が、2023年にコンバージョンを最適化するためには、Webデザインとブランド価値の紹介が重要であると考えています。

    その他の要素では、「動画/ライブストリーミングコンテンツ」(21%)、「ロイヤルティプログラム」(19%)、「ブログ/編集コンテンツ」(16%)、「企業情報ページ」(14%)は、調査対象の5社に1社のみがあげています。

    コンバージョンの最適化において2023年に投資が重要だと考えるコンテンツやデザインの項目 (出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    コンバージョンの最適化において2023年に投資が重要だと考えるコンテンツやデザインの項目
    (出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    マーケティング施策は「SEO」「Eメール」が上位

    コンバージョン率を向上させるためには、戦術に加え、マーケティング施策が最も重要です。「SEO」(48%)、「Eメール」(39%)、「ソーシャルメディア」(18%)がその代表施策です。

    商品面では、「在庫水準の最適化」(36%)、「プライベートブランド/独占販売商品」(26%)があげられています。「チャネルを超えた一貫した体験」は36%、「物流」は34%で引き続き重要な役割を果たし、「ユーザーテスト」も22%でした。

    カスタマーサービス関連の数字は低く、「ライブチャット」が19%、「バーチャル相談/予約」が8%と、おそらくアフターコロナの影響を受けているようです。

    コンバージョン率を向上させるために投資が重要だと考えるマーケティング施策 (出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    コンバージョン率を向上させるために投資が重要だと考えるマーケティング施策(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    コンバージョン率を向上させるWebサイトの施策とは?

    小売事業者は、コンバージョン率を向上させるために多くの戦術を重要視しています。オンライン通販事業者の47%は「サイト内検索」、「主要ページのアップグレード」(44%)、「モバイルサイトの改善」(38%)を重要視。また、21%は「コール・トゥ・アクションボタン(編注:自社のWebページを訪れたユーザーに、購入など、何かしらの行動を起こしてもらうための要素)の改善」も要因としてあげています。

    商品に目を向けると、「情報と画像の向上」が42%、「画像の洗練度」が37%と、圧倒的な支持を得ています。

    チェックアウトに関しては常に改善の余地があり、29%がステップ数を減らすことを提案し、同数が「サインアップとチェックアウトの簡素化」をあげています。

    商品マッチングツールなど、コンバージョンを促進するためのインタラクティブツールは21%に上りました。この方法はニッチな傾向があり、家庭用品やアパレルなどのカテゴリーで有効なため、普及率は低くなっているようです。

    また、同じ数の小売事業者が、ソーシャルメディアの投稿からのリンクの埋め込みをあげています。ソーシャルメディアの場合、その魅力と利用は若い消費者により浸透しており、その層をターゲットとする特定の小売事業者にとってより価値のあるものとなっています。

    コンバージョン率を向上させるために投資が重要だと考えるECサイトの施策(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    コンバージョン率を向上させるために投資が重要だと考えるECサイトの施策(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    2023年にオンライン通販事業者が直面する課題とは?

    2023年にオンライン通販事業者が直面する重要な問題は、インフレや消費者行動の変化に対応しながら、費用対効果の高いマーケティング、UXの改善などを通じて、計画的な成長を実現することです。

    2023年に小売事業者が自社のビジネスにプラスの影響を与えるために取るべき最も重要な行動について、寄せられた回答のいくつかを統合することで、今後の展望を示すことを試みてみました。

    調査対象社の62%が回答した第1位の回答「収益性」を中心に、今後の展望を考えてみます。収益性に関しては、「収益性の向上」「収益性のKPIと一致するような流通戦略の見直し」などがありました。

    これまでに続き、2023年に取り組むべきだと考える課題(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    これまでに続き、2023年に取り組むべきだと考える課題(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    収益に貢献するものとして、「費用対効果の高いマーケティング」との回答が60%に上りました。何が最も重要な活動になるかに関しては、マーケティング費用や顧客セグメンテーションの最適化から、収益性の高い売上の拡大まで多岐にわたりました。

    ある企業はマーケティングの強化、また別の企業はデジタルマーケティングのコスト削減をあげています。いくつかの小売事業者は、検索マーケティングへの投資や、新たなマーケティング施策への注力をあげました。

    また、「ソーシャル広告の拡大」「Facebookのオーディエンステスト」「販売アフィリエイトの強化」など、より具体的なターゲットへのアプローチも回答に上りました。ある企業は適切な顧客の発掘に注力し、別の企業はロイヤルティプログラムと顧客維持の拡充に期待を寄せています。

    さらに、53%が「計画的な成長の達成」、21%が「マーケットプレイスの売上拡大」と回答しました。

    ユーザーエクスペリエンスの向上に課題をもつ事業者が多い結果に

    カスタマーエクスペリエンスの観点からは、「ユーザーエクスペリエンスの向上」が55%に上りました。さらに、「カスタマーサービスポリシーの調整」も21%があげています。

    カスタマーエクスペリエンスは、最も重要なものとして注目されている項目の1つですが、他にも注目されている課題は以下の通りです。

    • チームの再編成
    • オンライン体験の改善
    • カスタマージャーニーの変更
    • 顧客エンゲージメントの強化

    人材については「スタッフの増員」「プラットフォームとインテグレーションのアップグレード」「採用プロセスの改善」「無駄のない経営」「チームと目標の編成」「従業員のスキルアップ」などがあげられています。

    戦略面では、調査対象の小売企業の約半数が「今後もインフレとの戦いに直面する」と回答しており(49%)、約同数の小売企業(44%)が「消費者行動の変化に直面している」と回答しています。

    インフレの時代にあって、「商品価格の調整」(27%)と「在庫商品の最適化」は、「オムニチャネルの提供」(23%)と同様、25%の要因として残っています。ある企業は在庫の絞り込みを、他の企業は平均単価の引き下げや引き上げを指摘しました。

    さまざまな計画があげられましたが、ポジティブなものもあれば、ネガティブなものもありました。その内容は、流通の拡大、事業への資金投入の増加、異なる方向への転換など多岐にわたっています。

    いくつかの企業は、重要なチャネルとしてEコマースへの移行、消費者への直接販売(DtoC)、WalmartやTarget(編注:ウォルマートとターゲットは米国のスーパーマーケットチェーン)を含むより多くのマーケットプレイスへの参入を検討しています。

    また、「低業績を解消する必要がある」「企業再編が必要である」「克服できない不正行為により既存のEコマースサイトを閉鎖することになるだろう」と考える企業もありました。

    サプライチェーンとロジスティクスも、小売事業者にとって依然として最重要課題となっており、以下のような懸念があげられています。

    サプライチェーンとロジスティクスに関する懸念

    • 輸送業者による配送の遅延:27%
    • サプライチェーンに関する懸念:23%
    • フルフィルメントの需要に応えること:22%
    • 当日配送の可能性:15%
    • 倉庫業務の適応:12%

    小売事業者は、倉庫のアップグレードや複数輸送業者による配送システムへの移行を、プライオリティの高い計画としてあげています。

    また、直接的には取り上げられていませんが、多くの小売事業者が以下のようなテクノロジーにも言及にしています。

    • 新しい Eコマースプラットフォーム
    • アナリティクスの改善
    • サイト内検索
    • AIとディープラーニング
    • プロセスおよびワークフローの改善

    課題は無限にあり、2023年にECを成長させるためには、小売事業者の決意が必要です。増加するKPIを継続的にクリアしていくためには、ユーザーエクスペリエンスのモニタリングが不可欠です。資金は常に限られているため、賢い投資をすることが重要な結果をもたらすでしょう。

    サイトエクスペリエンスからマーケティング、基盤となるテクノロジーに至るまで、コンバージョン率と収益性の向上を目標とする小売事業者にとって、やるべきことはまだまだ沢山あるのです。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん、白川久美さん、中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360

    2023年の家計状況は6割が「悪くなる」。理由は「値上げ」「期待できない賃上げ」など

    3 years 7ヶ月 ago

    お金のオンライン相談サービス「お金の健康診断」を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が実施した物価上昇と賃上げに関するアンケート調査によると、物価上昇を実感していると回答した割合は約98%に達した。

    なかでも「非常に感じる」と回答した割合は約76%で、2021年7月の調査と比べると約20ポイント上昇した。

    「お金の健康診断」を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が実施した物価上昇と賃上げに関するアンケート調査 物価上昇を実感している割合
    物価上昇を実感している割合

    値上げによる家計への影響を聞くと、約半数が「値上がりによる家計への負担を非常に感じている」と回答。「やや負担に感じている」も含めると約90%が負担を実感している。

    「お金の健康診断」を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が実施した物価上昇と賃上げに関するアンケート調査 値上げりによる家計への影響
    値上げりによる家計への影響

    値上がりによって減らそうと考えている消費の第1位は「食費」、2位は「水道光熱費」、3位は「趣味費」。世帯年収別の回答結果を見ると、世帯年収1000万円未満は約53%が「趣味」の消費を減らすと回答している。

    「お金の健康診断」を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が実施した物価上昇と賃上げに関するアンケート調査 値上がりによって減らそうと考えている消費
    値上がりによって減らそうと考えている消費

    大企業を中心にベアを含む賃上げの動きが活発化しているが、「自身が勤める会社において賃上げの予定はない」と回答した割合は約53%。「賃上げされた、または賃上げの予定がある」と回答したのは11%にとどまった。

    「お金の健康診断」を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が実施した物価上昇と賃上げに関するアンケート調査 勤務先の賃上予定について
    勤務先の賃上予定について

    こうした状況を踏まえ、2023年の家計状況を聞いたところ、約63%が「非常に悪くなると思う」または「少し悪くなると思う」と回答。その理由として「止まらない値上げ」「ウクライナ情勢」「原発再稼働の見送り」「賃上げは期待できない」などがあがった。

    「お金の健康診断」を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が実施した物価上昇と賃上げに関するアンケート調査 2023年の家計状況について
    2023年の家計状況について

    家計対策では「節約」が最多。年代別・世帯年収別でも「節約」と回答する割合が多い。400Fは「物価上昇による家計圧迫から消費に消極的な姿勢が強く、2023年は消費の低迷が予想される」とコメントしている。

    「お金の健康診断」を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が実施した物価上昇と賃上げに関するアンケート調査 今後の家計対策
    今後の家計対策

    調査概要

    • 調査方法:Webアンケート
    • エリア:全国
    • 回答者:「お金の健康診断」ユーザー663人
    • 調査期間:2023年1月31日(火)〜2月2日(木)
    瀧川 正実

    「猫様の飼い主にとって買いやすく続けやすいサービスにする」。IoTデバイス+EC+データで“猫と一緒の生活”を支えるビジネスとは

    3 years 7ヶ月 ago
    猫の健康を管理する「Catlog」を普及させ、継続的に利用してもらうには、まず飼い主にとっての利便性を高めなければいけない。そのために決済を重視し、「Amazon Pay」を導入したRABOに話を聞いた
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    猫を飼う人にとって、猫は家族の一員であり、大切な存在だ。そんな家族と長く一緒にいられる世界をめざし、飼い主や猫自身も気付かないようなわずかな変化を検知して日々の健康を管理する「Catlogシリーズ」を開発したRABO。多くの飼い主や獣医師からの注目を集め、利用する猫の数は拡大し続けている。飼い主にとって、購入しやすく継続して使いやすいサービスにするために、自社ECでは買い物体験を重視する。伊豫愉芸子社長に、「Catlogシリーズ」や自社ECの取り組み、RABOの今後の目標について聞いた。

    RABO 代表取締役社長の伊豫愉芸子氏
    代表取締役社長の伊豫愉芸子氏

    猫の体調のわずかな変化も早期検知する「Catlogシリーズ」

    「世界中の猫と飼い主が、1秒でも長く一緒にいられるように 猫の生活をテクノロジーで見守る。」をミッションに、猫の体調や生活を見守る「Catlogシリーズ」を展開しているRABO。

    RABOが登場したAmazonのテレビCM(詳細はこちら)

    猫専用の首輪型ウェアラブル端末「Catlog(キャトログ)」や、猫用トイレに敷くだけで排泄物の量や回数、体重などを記録する「Catlog Board (キャトログボード)」から得たデータを、飼い主がスマートフォンアプリで見られるサービスを提供している。

    「Catlog」を付けていれば、飼い主が留守中でも猫の様子がリアルタイムで把握できるほか、運動量や食欲などのデータから、不調の兆候や給餌量の目安もわかるようになる。

    「Catlog」は、首輪に内蔵した超小型の加速度センサーで猫の行動データを24時間計測。首元の微細な振動がどの行動に当てはまるのか機械学習で判定し、健康を管理する
    「Catlog」は、首輪に内蔵した超小型の加速度センサーで猫の行動データを24時間計測。首元の微細な振動がどの行動に当てはまるのか機械学習で判定し、健康を管理する

    また、泌尿器疾患にかかりやすい猫にとって、「Catlog Board」は異常につながるわずかな変化の早期検知に役立つほか、ダイエット中の猫の体重・体調を手間なく管理することが可能となる。

    「Catlogシリーズ」は、猫の予防医療に貢献する画期的なサービスとして多くの飼い主や獣医師から関心が持たれており、現在およそ2万匹の猫が利用しているという。

    「Catlog Board」は、トイレの下に置くだけで排泄情報や体重を計測できるボード型IoTデバイス

    セキュリティと利便性を重視、自社ECの決済に「Amazon Pay」を採用

    「Amazon Pay」はAmazonアカウントを持つユーザーであれば、住所やクレジットカード情報などを入力する必要なく決済を完了することが可能。「Amazon Pay」を選ぶユーザーは多いだろうと判断し、ECサイトに導入している。

    RABOは従来からアマゾン ウェブ サービス(AWS)を利用したり、Amazon.co.jpに商品を出品しており、Amazonのサービスに対して厚い信頼を持っていたため、決済においても迷うことなく「Amazon Pay」の導入を決めたという。

    自社ECを運用するうちに、クーポンの発行やサブスクリプションの導入など提供サービスの拡充を実現するため、利用していたASPサービスから2022年に自社開発で柔軟性の高いECサイトへと刷新。

    ユーザーが選ぶ決済手段の割合は月ごとに変動はあるものの、およそ半数以上が「Amazon Pay」を選んでいることから、リニューアル後も決済手段はクレジットカード決済と「Amazon Pay」を用意した。

    RABOの決済手段はクレジットカードと「Amazon Pay」の2種類
    決済手段はクレジットカードと「Amazon Pay」の2種類

    RABOは「Amazon Pay」を利用する有効性について、伊豫氏は次のように話す。

    EC事業者が自社で決済手段を作り込むことは難しく、特に私たちのようなベンチャー/スタートアップ規模の企業だと、セキュリティ対策の負担も大きくなる。その点、「Amazon Pay」はAmazonの堅固で世界水準のセキュリティレベルをそのまま享受できることが魅力だ。また、Amazonアカウントを持っている人は全国にたくさんいらっしゃるので、「Amazon Pay」は決してアーリーアダプターだけの決済手段ではない。「Catlogシリーズ」がターゲットとする「猫様を家族だと思って大切にしている人」という幅広い層からも、使いやすい決済手段になっている。(伊豫氏)

    RABO 伊豫氏のファミリーの一員である猫はCCO(Chief Cat Officer)として重要な広報の役割を担っている
    伊豫氏のファミリーの一員である猫はCCO(Chief Cat Officer)として重要な広報の役割を担っている

    サブスクリプションにも対応できる「Amazon Pay」のメリットは大きい

    「Catlogシリーズ」は、デバイス本体の「Catlog」「Catlog Board」を購入し、猫1匹あたり月額580円のアプリをダウンロードして利用する仕組みとなっている。

    このほかにも、まずはお試しをしたいユーザー向けに、「Catlog」本体が月額690円で、「Catlog Board」本体が月額750円で一定期間利用できるレンタルプラン(アプリの月額利用料は別途必要)も用意している。

    こうしたサブスクリプションのビジネスモデルにも、「Amazon Pay」は「Auto Pay」機能で対応できる。「Auto Pay」は、利用者が初回購入時に以降の支払い方法や配送先が設定できる機能で、次回からはその設定情報を使って事業者側で請求ができるため、ユーザーの手間が省けるようになる。

    クレジットカード決済でも継続課金や定期支払は可能だが、初回の購入ステップも簡単な「Amazon Pay」がサブスクリプションにも対応しているメリットは大きいようだ。

    Amazon Pay 「Auto Pay」の内容
    「Auto Pay」の内容

    販路の中でも自社ECの利用者が最多。だからこそ、決済ニーズまでくみ取るべき

    「Catlogシリーズ」はRABOが提供している複数の販路のなかでも、説明が特に充実している自社ECサイトで購入するユーザーが最も多いという。だからこそ、カスタマーエクスペリエンスに大きな影響を与える自社ECの決済手段を重要視している。

    「Amazon Pay」の手数料は、一般的なクレジットカード決済と比べて手数料が少し高い印象があるが、それ以上に導入する意味合いは強いと伊豫氏は話す。

    「Amazon Pay」で決済するお客さまは多いので、途中で離脱することなく最後のコンバージョンまで至っていると実感している。「Amazon Pay」はお客さまの商品購入を後押しする効果もある。RABOにとっては機会損失しないためのトリガーになっていると捉えている。(伊豫氏)

    
「猫様の飼い主にとって買いやすく続けやすいサービスにする」。IoTデバイス+EC+データで“猫と一緒の生活”を支えるビジネスとは

    離脱を防ぎ、高いコンバージョンと顧客満足を実現するためには、RABOのように事業者側から率先してユーザーに選ばれる決済手段を導入していくことが必要なのだろう。

    今後の目標は「獣医療との接続」と「データを生かした新規事業」。グローバル展開も視野に

    RABOは今後の取り組みとして、「獣医療との接続」と「データを生かした新規事業」の、大きく2つを掲げている。

    RABOは猫を軸とした「獣医療との接続」「データを生かした新規事業」の新事業展開を進めていくという
    猫を軸とした「獣医療との接続」「データを生かした新規事業」の新事業展開を進めていくという

    これまでの動物病院は、猫が来院したときの状態と、飼い主への問診しか診察材料がなく、また飼い主も猫を24時間見ているわけではないので、非常に限られた情報だけで診察するほかない。

    こうした現状を打開するため、まずは「Catlogシリーズ」で定量的に猫のデータを取得し、普段の猫の様子や情報が細かく獣医師に接続できるようになる世界を広げていくことがRABOの第一の目標だ。

    たとえば、猫の排尿状況から体調変化の兆候を把握するのも「Catlogシリーズ」で可能だ。猫のトイレの回数が増えた場合、何度もトイレに行っているだけのように見えても、「Catlog Board」のデータを見れば、実際は排尿をしていなかったということも把握できる。そうすると、「何か泌尿器系のトラブルがあるかもしれない」という裏付けがデータから得られるようになり、最善のタイミングで医療を受けられるようになる。

    実際、RABOが行ったユーザーアンケートによると、「『Catlogシリーズ』がきっかけで泌尿器系のトラブルに気付いた」というユーザーが82%にも達したほどで、猫の細かな健康管理に役立っていることは明らかだ。

    現時点では、診察時に飼い主がスマートフォンアプリで猫の情報を見せるといった使い方が多いようだが、なかには飼い主と獣医師がアカウントを共有して、一緒に猫の体調管理をしているケースもあるという。

    次いで、人の世界でもバイタルデータが商品開発や新サービスに生かされているように、「Catlogシリーズ」で取得したデータを、次の事業に生かしていく目標も立てている。

    「Catlog」シリーズに蓄積された行動ログデータや体重・排泄データなどを活用した研究機関「Catlog総合研究所」を2021年に設立した
    「Catlog」シリーズに蓄積された行動ログデータや体重・排泄データなどを活用した研究機関「Catlog総合研究所」を2021年に設立した

    「猫様の行動、食事、排泄、運動量などのデータを、これほどまでに蓄積している企業は珍しい」と話す伊豫氏。フードやトイレ、保険など、猫の健康に貢献できる商品開発に、「Catlogシリーズ」の膨大なデータが役立つ可能性は無限に広がる。すでに、大手企業とも連携した独自製品の開発に取り掛かっているそうだ。

    そして、ゆくゆくは「Catlogシリーズ」をグローバル展開したいと意欲を見せている。

    技術的には「Catlog」をほかの生き物にも転用できるが、やはり生き物ごとに特徴も違えば、飼い主のインサイトもまったく違ってくるもの。人間用のモノをほかの動物に転用しても中途半端になってしまうように、その生き物に対してしっかり特化しなければ、プロダクトとして芯を食ったものにならないと思う。製品・サービスとしては今後も「猫様のために」を追求しながら、販路はグローバルに広げていきたいと考えている。そのときは、世界でサービスを提供するAmazonの価値がまた享受できればと期待している。(伊豫氏)

    
「猫様の飼い主にとって買いやすく続けやすいサービスにする」。IoTデバイス+EC+データで“猫と一緒の生活”を支えるビジネスとは
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    朝比美帆
    吉田 浩章
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