ネットショップ担当者フォーラム

EC企業にとってのリアル販売の価値とは? 車両を使った移動型店舗での販売に「世界観が変わる」「リピート率も高い」

3 years 11ヶ月 ago
ECサイト「最北の海鮮市場」を運営するノース物産が移動型店舗で商品を販売。参加した鈴木洋一常務取締役は「どんなイベントでもいいが、リアルでの販売を経験すると新たな発見がある」と言う

移動型店舗はEC事業者の新たな販路になるのか――。人口が集中する東京都内の商業施設、オフィス、マンション、公園などの公共施設の空きスペースで商売を手がける移動型店舗サービス。これを新たな販路として活用しようと試みたEC企業がある。北海道の海産物や農産品などをネット販売するノース物産だ。運営するECサイト「最北の海鮮市場」は2006年の立ち上げ。老舗ECサイトを運営するノース物産が挑戦した新たな試みを取材した。

リアル販売は未来の開拓、将来の投資

「最北の海鮮市場」は、カニ、海産物、農産物、ラム肉など北海道の“美味しい”食材を販売するECサイト。

2013年には、北の達人コーポレーションが立ち上げたことで知られる北海道の特産品を販売する通販サイト「北海道・しーおー・じぇいぴー」(北の達人コーポレーションは2011年、広告代理店へ売却済み)を買収。2015年には「最北の海鮮市場」と統合した。

ネット通販以外での商品販売は、北北海道の食のイベント「食べマルシェ」での催事販売のみ。移動型店舗サービスの取り組みはノース物産にとって新たな取り組みであった。ノース物産の鈴木洋一常務取締役は移動型店舗サービスへの挑戦についてこう話す。

リアルでの販売は興味あった。リアルでの販売は社員教育、新規開拓、既存顧客とのコミュニケーション深化などにもつながる未来を開拓する、将来への投資という観点から今回の取り組みにチャレンジした

ノース物産 鈴木洋一常務取締役
鈴木洋一常務取締役

ただ、地方企業が都内の人口が集まる場所でリアル販売を行うには、場所選定から確保、売り場作りなどさまざまなハードルがある。これらのハードルを一気に解決するインフラを活用した。住友商事が提供する移動型店舗サービス「ショップモビリティ」だ。

「ショップモビリティ」は小売りとモビリティの融合により、新たなシナジー効果の創出をめざす住友商事の新事業。人気商業施設、オフィス、マンション、公園などの公共施設の空きスペースに車両を用意し、場所の組み合わせで最適な店舗空間を構築する。

住友商事の「ショップモビリティ」について
「ショップモビリティ」について

リアル販売の1つの手法として代表的な催事とは何が異なるのか? 催事は多くの出店者が1つの場に集まるが、「ショップモビリティ」は「自分のお店が主役になる」(鈴木常務)

住友商事 「ショップモビリティ」の全体像
「ショップモビリティ」の全体像

「ショップモビリティ」で期待される効果

プロモーション効果

顧客が実際に商品を手に取ったり、展示物を見たりできる。そのため、ECサイトを中心に運営しているような顧客接点が少ない店舗にとって、ブランドの認知向上に効果的

オンラインの集客に加え、店舗ディスプレイなどの世界観を顧客が体験すること可能。ブランディング向上、プロモーション強化が期待できる。期間限定で出店するため話題性があり、SNSなどで店舗の写真や感想が発信、拡散されることでさらなる認知度向上が望める。

顧客との関係を構築

リアル店舗での販売では、販売スタッフと顧客とのコミュニケーションを取りやすく、対面接客を介して商品の特徴や使用方法を伝えやすいというメリットがある。来店した顧客に対し、その後オンラインでのコミュニケーションに展開することで、リピーター顧客の獲得にもつながる

実店舗出店に向けたテストマーケティング、効果測定が可能

期間限定という特徴を持つ「ショップモビリティ」は、常設店舗と比べて効果測定を行いやすいというメリットがある。来店数、SNSでの反響、店舗名の検索数などのデータを実施期間とそれ以外の期間で比較することで、実施による販売促進効果を測定できる。

住友商事 「ショップモビリティ」が提供する価値
「ショップモビリティ」が提供する価値

リアルでの販売は新たな発見がある

ノース物産が出店したのは東京・丸井吉祥寺店。自宅で簡単に楽しめる「最北の海鮮市場」専用のオリジナルスープカレー(冷凍食品)などを、7日間にわたって提供した。

丸井吉祥寺店のスペースに置いた車両では、オリジナルスープカレー「saihokまるごとチキンスープカレー」と共に、QRコードを掲載したチラシを配布。自宅に帰り食したユーザーからの「リピート購入が増えた。リアルからネットへの送客ができたと感じている」(鈴木常務)

ノース物産が販売するオリジナルスープカレー「saihokまるごとチキンスープカレー」
オリジナルスープカレー「saihokまるごとチキンスープカレー」(画像はイメージ)

今回の取り組みで新たな発見もあった。「リアルの場で『最北の海鮮市場』のECサイトを知り、再びECサイトで商品を購入した人はモチベーションが高い。そのためリピート率も高くなっている」(鈴木常務)

住友商事 ショップモビリティ 出店風景
出店風景

「ショップモビリティ」に参加したスタッフ、鈴木常務にとってリアルの重要性を痛感した場にもなった。普段はインターネットを通じてのみのコミュニケーションだった常連客が、ノース物産の車両を訪れた。

現地に足を運んでくれた常連客と関係性を深めることができたスタッフも感動していた。スタッフ教育という観点でも大きな効果があった。(鈴木常務)

住友商事 ショップモビリティ 社外スペース活用例
車外スペース活用例

7日にわたって行った「ショップモビリティ」で、約1000人近いユーザーが車両を訪れ、商品を購入した 。車両を置く場所を管轄する保健所の判断になるが、今回は試食なし。「試食なしでこれだけ商品が売れたので大きな成果だと思う」(鈴木常務)

ネット広告市場は現在、レッドオーシャンの状態。今までリーチできなかったリアルの場で新規顧客を開拓してみたい」と話していた鈴木常務。新規顧客獲得単価というKPIだけを見ると採算は取れていないが、社員教育、顧客とのコミュニケーションなどを含めると、「ショップモビリティ」の費用対効果は高かったと感じているようだ。

リアルでの販売を経験すると世界観がかわる。五感を使ってコミュニケーションをとり、商品を販売するのでスタッフの成長につながる。お店の良いところ、悪いところを肌で感じることができる。どんなイベントでもいいが、リアルでの販売を経験すると新たな発見がある。(鈴木常務)

住友商事 ショップモビリティ 既存サービスとの違い
既存サービスとの違い

ノース物産の今回のチャレンジは、SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」を提供するフューチャーショップが、住友商事の「ショップモビリティ」実証実験に参加したことで実現した。

「ショップモビリティ」は現在、まだ実証実験という位置づけだが、EC事業者に新たな販売の場を提供するという価値に、住友商事は手応えを感じているようだ。

販売員の手配、装飾など、「ショップモビリティ」を活用したEC事業者からさまざまな要望・改善点があがっている。ただ、車両を使った販売、低コストで新たな消費者にアプローチできる点などは評価をいただいている。EC事業者のペインを検証して、より価値のあるサービスにしていきたい。(住友商事の森田 杏花氏)

キャプション>住友商事の森田 杏花氏
キャプション>住友商事の森田 杏花氏
瀧川 正実
瀧川 正実

サンリオ、タカラトミー、EVANGELION STOREなどが“メタコマース”に参入。バーチャルショップが集まる商業施設とは

3 years 11ヶ月 ago

タカラトミー、サンリオ、「EVANGELION STORE」を運営するグラウンドワークスなどの企業が、一斉にメタコマースを始める。

メタコマースは、インターネット上の仮想空間「メタバース」に「Eコマース」を掛け合わせた造語。ネット場の仮想空間でアバターを操作し、メタバース内のバーチャルショップで買い物などができる仕組み。

タカラトミー、サンリオ、「EVANGELION STORE」を運営するグラウンドワークスなどの企業が、一斉にメタコマースを始める 「そらのうえショッピングモール」
タカラトミーのバーチャルショップ

タカラトミー、サンリオなどが出店するのはバーチャルショッピングモール「そらのうえショッピングモール」。ITサービスのベネリックデジタルエンターテインメントが運営するバーチャル空間の商業施設で、人気キャラクターのショップやイベントスペースを併せ持つ。

「そらのうえショッピングモール」は、monoAItechnology(モノアイテクノロジー)が開発・運営するバーチャル空間プラットフォーム「XR CLOUD(エックスアールクラウド)」上で展開、4月1日にオープンする予定。

タカラトミー、サンリオ、「EVANGELION STORE」を運営するグラウンドワークスなどの企業が、一斉にメタコマースを始める 「そらのうえショッピングモール」
「そらのうえショッピングモール」のイメージ

スマートフォンやPC、タブレット端末を用い、アバターを通じて参加できる。アバターはゲーム感覚で簡単に操作することができ、キャラクターショップや有名専門店、イベント会場が集まっているメタバースのショッピングモール内を自由に歩き回ることが可能。

バーチャルショップ上の商品を購入する場合は、ECサイトに移動することができる。それぞれのバーチャル店舗の店内でのオンラインショッピング、イベントへの参加などが楽しめる。実際の商業施設を超えた仮想空間ならではのコンテンツも準備し、何度も来店したくなるような魅力あるバーチャルショッピングモールをめざす。

タカラトミー、サンリオ、「EVANGELION STORE」を運営するグラウンドワークスなどの企業が、一斉にメタコマースを始める
バーチャルショップ「トミカ・プラレールショップ」からECサイトに移動できる

「そのらうえショッピングモール」は、「ジブリがいっぱい どんぐり共和国」「ウルトラマンワールドM78」「トミカショップ/プラレールショップ」「エヴァンゲリオンストア」「モンチッチショップ」など人気キャラクターショップが集まったバーチャルショッピングモールとなっている。

キャラクターショップ以外にも、さまざまなショップの出店を計画しており、年内には100店舗以上が集結する予定。360度カメラで撮影したショップで、実際のお店の中にいるように商品を探すことができる。

「そらのうえショッピングモール」内の店舗には相互送客によるECの新規顧客の拡大、リピーターの拡大の可能性が期待できる。
 

石居 岳
石居 岳

銀行口座からの引き落としでECサイトの支払いができる「口座直結決済」、GMO-PGが9月スタート

3 years 11ヶ月 ago

GMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)は3月29日、金融機関口座からの引き落としでECの支払いができる「口座直結決済」の提供を9月下旬から始めると発表した。

「口座直結決済」は、消費者がECサイトでの決済時に口座情報の入力と認証により購入代金を消費者の口座から直接かつ即時に引き落とす決済サービス。

EC事業者がECやオンラインサービスで口座から直接かつ即時引き落としによる支払いを提供するには、各金融機関と個別に契約を結び、システム接続を行う必要があった。「口座直結決済」を利用することで三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、横浜銀行など100以上の金融機関(2022年3月29日時点)での口座引き落とし支払いを提供できる。

GMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)は3月29日、金融機関口座からの引き落としでECの支払いができる「口座直結決済」の提供を9月下旬から始めると発表
「口座直結決済」の概要

「口座直結決済」はGMO-PGが提供する総合決済サービス「PGマルチペイメントサービス」の決済手段として提供する。EC事業者はクレジットカード決済や後払い決済サービス「GMO後払い」などと併せて、「口座直結決済」を一括してECサイトに導入・管理できる。

「口座直結決済」は購入代金を消費者の口座残高から直接かつ即時に引き落とす決済方法のため、「クレジットカードを持たない・あまり利用をしない」「使い過ぎや払い忘れを防ぎたい」といった消費者の利用が見込まれる。

GMO-PGでは「ECだけでなくオンラインサービス、デジタルコンテンツ、サブスクリプションサービスなどのシーンでも利用できる」としている。

内山 美枝子

小売業者のコンバージョン率UPのカギはオムニチャネルにあり!店舗受け取り、カーブサイドピックアップ、提供なしのCVR率まとめ | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

3 years 11ヶ月 ago
カーブサイドピックアップを提供しているトップ2000社の小売事業者の2021年におけるコンバージョン率の中央値は3.1%

オムニチャネルを展開している小売企業は、非展開企業に比べて高いコンバージョン率を示しています。なかでも、カーブサイドピックアップ(車中受け取り)を提供している企業が、最も高いコンバージョン率を実現しているのです。

カーブサイドピックアップ提供で最も高いコンバージョン率

2021年もコンバージョン率が上昇し続けることを期待していたオンライン通販事業者は、肩を落としました。

上位のオンライン小売事業者のコンバージョン率(ECサイトの流入数に対してどれくらい購入に至ったかを示す割合)はほとんど動きがありませんでした。

『Digital Commerce 360』がトラッキングしている14の商品カテゴリーのうち、コンバージョン率の中央値が2020年より0.2ポイント以上上昇したのは、スポーツ用品小売事業者だけでした。

2020年と同様に、オムニチャネルを展開している小売事業者は、展開していない事業者に比べて高いコンバージョン率を示しています。なかでも、カーブサイドピックアップを提供している企業は、最も高いコンバージョン率を実現しているのです。

『Digital Commerce 360』が発行している「北米EC事業 トップ1000社データベース 2021年版」にランクインした小売企業のうち、カーブサイドピックアップを提供している企業における2021年のコンバージョン率の中央値は3.4%でした。

この数字は、2020年のコンバージョン率と同じで、2019年から1ポイント上昇しています。

「北米中堅小売業者トップ1000社」と「北米EC事業 トップ1000社」の両方を網羅するデータベース「Digital Commerce 360 トップ2000社」でも同じパターンが見られました。カーブサイドピックアップを提供しているトップ2000社の小売事業者の2021年におけるコンバージョン率の中央値は3.1%で、2020年から変化はありませんでした。

オムニチャネルサービスごとのコンバージョン率。購入に至った訪問者の割合の中央値 オンラインで購入/店舗受け取り(BOPIS)、カーブサイドピックアップ、BOPISおよびまたはカーブサイドピックアップ、BOPISもカーブサイドもなし
オムニチャネルサービスごとのコンバージョン率。購入に至った訪問者の割合の中央値

在庫と利便性がCVRアップにつながる

在庫と利便性は、何よりもコンバージョンを促進します。『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが1108人のオンライン通販利用者を対象に行った調査(2022年1月に実施)によると、消費者が商品購入する可能性を高める要因のトップに「商品在庫」(66%)をあげました

第2位は「注文した商品を受け取ることができる店舗が近くにあること」で60%が回答。3位は54%で「注文した商品を受け取ることができる時間帯」でした。

利便性を重視する消費者に応えるため、小売事業者は注文受け取り方法のオプションを急速に増やしています。『Digital Commerce 360』のデータによると、2021年にはトップ1000社の小売事業者のうち170社がカーブサイドピックアップを提供しています。わずか25社だった2020年から580%も増加しています

また、2021年には上位1000社の小売事業者のうち232社がBOPIS(Buy Online Pick up in Store、オンラインで購入/店舗受け取り)を提供し、2020年の201社から15.4%増加しています。

上記データは、レポート「2022年版 コンバージョン率の改善方法」に記載されている一部の情報です。「2022年版 コンバージョン率の改善方法」では以下のトピックも明らかになっています。

SMSが好みのコミュニケーション手段トップ3に

『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが行った調査では、若い消費者はテキストメッセージを好むことが明らかになりました。18歳から39歳の半数以上(52%)が、SMSを好みのコミュニケーション手段のトップ3にあげています。また、調査対象者全体では、20%が好みの通信手段のトップ3にSMSをあげました

CVR向上にECプラットフォーム、デザイン、デジマに投資

ほとんどの小売事業者は、2022年にコンバージョン率と全体的なパフォーマンスの向上をめざし、いくつかの分野への投資を増やすことを計画しています。上位3つは、eコマースプラットフォーム(75%)、ECサイトのデザイン(69.6%)、デジタルマーケティング(66.1%)でした。

CVR向上には「SEOが重要」と8割の小売事業者が回答

『Digital Commerce 360』が調査した小売事業者の79%は、コンバージョン率を高めるためにSEOを「非常に重要」または「やや重要」と回答しました。

サイトの表示スピードに課題

『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが1000人の消費者を対象に行った調査(2021年9月実施)によると、オンライン小売事業者はECサイトのスピードをもっと早めることができるはずと回答。サイトの読み込み速度について「期待通り」または「期待以上」と答えたのは、わずか42%にとどまりました。また、73%の消費者は、オンライン小売事業者が迅速で簡単なチェックアウトのプロセスについて、「期待に応えている」「期待を上回っている」と答えていま。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360
Digital Commerce 360

音楽用品EC大手サウンドハウスが始める音楽を通じた「まちづくり」「地域活性化」とは

3 years 11ヶ月 ago

千葉県に本社を置く音楽用品EC大手のサウンドハウスは、宮城県牡鹿郡女川町で「音楽のまち」づくりに向けた新たなプロジェクトをスタートした。

サウンドハウスは女川町が行った旧女川中学校の土地や建物を利活用し事業を行う事業者募集に応募。町は事業内容などを審査して優先交渉権者をサウンドハウスに決定した。サウンドハウスは旧女川中学校を購入、引渡式が行われたと3月26日に公表した。

女川町を「音楽のまち」として活性化するため、新倉庫稼働、ショールームのオープンなど新たな事業展開に向けたプロジェクトをスタート。町も「産業の新たな核としての役割が大いに期待される」としている。

「音楽のまち」づくりに向けてスタッフ募集を行っているWebサイトでは、「音楽の力で日本を元気にする取り組みにチャレンジしたい」「女川を『音楽のまち』としてさらに発展させたい」「子供たちに楽器の楽しさを伝えたい」「女川の雇用を促進して町の活性化に貢献したい」という女川進出理由を説明している。

スタッフ募集を行っているWebサイトで女川進出の狙いなどを説明している(画像はサウンドハウスのWebサイトから編集部がキャプチャ)

サウンドハウスは音響機器ECの大手で、2021年12月期の売上高は208億円。千葉県成田市に本社を構える。関連会社には、大和の湯、印刷全般・製本を手がけるプレスハウスなどがある。

瀧川 正実
瀧川 正実

ベイクルーズがECサイトの検索機能を強化。特定商品を指定した日時まで検索結果に表示させない機能を実装

3 years 11ヶ月 ago

ベイクルーズは、ユーザーのさらなる利便性向上に向けて公式ECサイト「BAYCREW'S STORE(ベイクルーズストア)」にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」の追加機能を実装した。

検索ヒット開始時間の設定が可能に

ベイクルーズは以前から「ZETA SEARCH」を導入している。今回、特定の商品を事前に指定した日時まで検索結果に表示させないように設定できる機能を実装した。

ベイクルーズ BAYCREW'S STORE ZETA SEARCH 商品ごとに検索ヒット開始時間を設定できる
商品ごとに検索ヒット開始時間の設定が可能に

「新商品のサイト内検索ヒット開始時間を店舗の開店時間と合わせたい」「限定の商品を特定の日時から売り出したい」など、状況に応じて活用できるという。

「ZETA SEARCH」とは

ECサイト内の検索における「絞り込み」「並び替え」の設定の自由度・柔軟性を追求したEC商品検索・サイト内検索エンジン。

キーワード入力時のサジェスト機能や、もしかして検索、ドリルダウン式の絞り込み、事前に検索結果の該当数を表示するファセットカウントなど、多数の検索機能を有している。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA SEARCH」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥
藤田遥

小売店や飲食店などの実店舗を探す情報源の1位は「企業やサービスのホームページ」、2位は「Google検索」 | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム

3 years 11ヶ月 ago
小売店や飲食店などの店舗情報を探す際に活用されているものは、1位が「企業やサービスのホームページ」(47.3%)、2位が「Google検索」(46.5%)

株式会社ONE COMPATHが運営する「LocalONE」は、8,576名を対象に店舗の情報収集や口コミに関する調査を行いました。調査の結果、店探しを行う際は公式サイトに加え、Googleマップを使う人が多いことがわかりました。また72.8%の人が、Googleマップの口コミを参考にしており、口コミの重要性が再確認できる結果となりました。

情報源は公式サイト・アプリとGoogle検索

小売店や飲食店などの店舗情報を探す際に活用されているものは、1位が「企業やサービスのホームページ」(47.3%)、2位が「Google検索」(46.5%)となりました。

このように公式のページだけでなく、Google検索やGoogleマップ上に表示される情報もよく参照されます。これらの情報を整備・管理することは、集客に直結すると考えられます。

小売や飲食店などお店の情報は、企業のホームページとGoogle検索で調べる人が多い
▲小売や飲食店などお店の情報は、企業のホームページとGoogle検索で調べる人が多い

またGoogle検索やGoogleマップでは、ほとんどの人が場所や営業時間を調べています。ここに正確な営業時間を載せておくことは、非常に重要です。

Google検索は新規顧客獲得に有効

「行ったことのないお店」を探す際に、もっとも使われるのは「Google検索」(80.4%)で2位が「Yahoo!検索」(75.7%)でした。

このように新規顧客に店舗情報をアピールする場所には、GoogleやYahoo!などの検索エンジンとそれに付随する地図アプリが有効であることがわかりました。

また「前から気になっているお店」を調べる際には「SNS」や「公式サイト」が、さらに「リピートするお店」には、「LINE」や「店舗検索メディア」が使われることが多いようです。

生活者は目的に応じて情報収集するメディアを選択している
▲生活者は目的に応じて情報収集するメディアを選択している

このように新規顧客には「検索エンジン・地図アプリ」、潜在顧客には「SNS・公式サイト」、既存顧客には「LINE・店舗検索メディア」が有効であることが判明しました。

それぞれのメディアをターゲットを意識して利用することで、効果を高めることができます。

72.8%が「口コミを参考にする」

Google上の「口コミを参考にしたことがある」と回答した人は、72.8%でした。多くの人が口コミを参考にして店選びをしていることがわかります。

口コミの情報を参考にする人は72.8%
▲口コミの情報を参考にする人は72.8%

また口コミや評価の良しあしだけでなく、お店からの返信も重要です。

ネガティブな口コミであっても「内容に即した個別の返信」があれば、65.4%に人が「お店に行ってみようと思う」と回答しました。

定型文ではない個別の返信で、ネガティブな口コミでも「お店に行ってみようと思う」65%以上
▲定型文ではない個別の返信で、ネガティブな口コミでも「お店に行ってみようと思う」65%以上
 

たとえネガティブな口コミが投稿されたとしても、ひとつひとつ真摯に対応することで逆に来店につなげることもできることが、調査結果から明らかになりました。

この記事を書いた「口コミラボ」さんについて

「口コミラボ」は、様々な地図アプリ・口コミサイトの監視、運用、分析を一括管理できる店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディアです。近年、企業の評判管理が重要視されるなか、特に注視すべきGoogleマイビジネスを活用したローカルSEO(MEO)や口コミマーケティング、それらを活用した集客事例から、マーケティング全般、店舗経営のハウツー、業界動向データにいたるまで幅広い情報を紹介します。

口コミラボ
口コミラボ

小売・ブランドのECサイトが購入の意思決定に与える影響が拡大。ハイブリッド化するショッピングジャーニーまとめ【2022年版】

3 years 11ヶ月 ago

Criteo(クリテオ)が発表したショッピング動向や広告の好みについてまとめたレポート「ショッパーストーリー2022」によると、新型コロナウイルス感染症拡大により、オンライン上で新たな商品を発見・購入する機会が増えている一方、ショッピングジャーニーにおける実店舗の重要な役割も明らかになった。

月に1回以上インターネットを利用する日本の消費者1045人にショッピング動向や広告の好みなどについて調査、レポートにまとめている。

ショッピング動向

68%が「オンラインで商品を閲覧してから、店舖でその商品を購入している」、72%が「店舗で商品の実物を見てからオンラインで購入する」と回答した。

Criteo(クリテオ)が発表したショッピング動向や広告の好みについてまとめたレポート「ショッパーストーリー2022」

小売業者・ブランドの店舗でショッピングする可能性が高くなる要因

「商品がすぐに必要なとき」が54%、「商品を試用できる」が44%、「便利な立地」が39%、「店舗で利用できる特典がある」が33%。

すぐに商品が欲しい買い物客にとって実店舗は根強い人気があり、流行や最新のトレンドを理解するのに役立っている。実際に商品を確認・試すこともでき、多くの消費者にとって重要な役割があることがわかった。

Criteo(クリテオ)が発表したショッピング動向や広告の好みについてまとめたレポート「ショッパーストーリー2022」 小売業者・ブランドの店舗でショッピングする可能性が高くなる要因

この2年間、オンラインで商品を検索して購入する場合にどこから検索を開始するか

欲しい商品を正確に知っているときは「小売業者・ブランドのWebサイト(楽天、DMM、メルカリなど)」が41%。欲しい商品のタイプを知っているときは「小売業者・ブランドのWebサイト」が35%だった。

ブランド・小売業者のWebサイトは、オンラインでの購入を検討する消費者が最初に閲覧する場所であり、欲しい特定の商品・サービスが正確にわかっている場合、直接小売業者・ブランドのWebサイトでそれらを検索するケースが増加している。

Criteo(クリテオ)が発表したショッピング動向や広告の好みについてまとめたレポート「ショッパーストーリー2022」 この2年間、オンラインで商品を検索して購入する場合にどこから検索を開始するか

購入の意思決定をする上での小売業者・ブランドのWebサイトの影響力

「影響力は強まった」が21%、「影響力は変わらない」が72%、「影響力が弱まった」は7%。多くの消費者が、新しい商品との出会いや欲しい商品を検索する際、小売業者・ブランドのWebサイトに直接アクセスする傾向にあり、消費者の5人中1人が小売業者やブランドのWebサイトは、この2年間、購入の意思決定に影響を与えるようになったと回答した。

Criteo(クリテオ)が発表したショッピング動向や広告の好みについてまとめたレポート「ショッパーストーリー2022」 購入の意思決定をする上での小売業者・ブランドのWebサイトの影響力

この半年で行ったこと

日本の消費者の3分の1以上が、特定の企業が提供する顧客体験が優れていたため、他の人に推薦したことがあると回答。また、約3人に1人が特定の企業が提供する顧客体験が劣っていたため、そのネガティブな体験を他と共有したと答えている。

消費者は自らのオンラインおよび実店舗でのショッピング体験を前向きに捉える傾向があり、43%の消費者は好意的なレビューを投稿したと回答する一方、批判的なレビューをしたとする消費者はこの半年で23%にとどまっている。

Criteo(クリテオ)が発表したショッピング動向や広告の好みについてまとめたレポート「ショッパーストーリー2022」 この半年で行ったこと

定期的あるいは不定期的に行うこと

Z世代とミレニアル世代の70%がインターネットを利用中に広告をクリックすることがあると回答した。この割合はX世代、ベビーブーム&サイレント世代でもほぼ変わらず、広告が幅広い世代にクリックされていることが判明した。特にZ世代&ミレニアル世代では5人中3人がオンライン広告で見た商品を購入すると回答した。

Criteo(クリテオ)が発表したショッピング動向や広告の好みについてまとめたレポート「ショッパーストーリー2022」 定期的あるいは不定期的に行うこと

調査概要

  • 調査期間:2021年12月
  • 調査対象:月に1回以上インターネットを利用する日本の消費者
  • 有効回答数:1045件
石居 岳
石居 岳

流入が取れてもリード獲得できない! コンテンツマーケティングの悩みを解決「SEO×コミュニケーション設計」 ─BtoBサイトでやるべきSEO施策① | EC事業者のための「SEO」と「広告」の話

3 years 11ヶ月 ago
「SEO」「広告」2つの視点から語る、EC事業者のためのデジタルマーケティング講座。アユダンテとさまざまな取り組みを一緒にしているA-canの白砂ゆき子氏と業態別SEO施策を解説「BtoB-ECサイト編」【連載第12回】

BtoBサイトの性質を踏まえた最新の施策、「リードの獲得につながらない」などコンテンツマーケティングの壁とその対策、「SEO×コミュニケーション設計」について専門家と語り合います。

御社の記事コンテンツ、成果を出していますか?

製品とターゲットユーザーが限られるBtoBはSEO施策が難しい業種です。そこまで明確なキーワードがなかったり、商材が専門的すぎて検索が発生しないことも多いのです。

そこで、昨今流行っているのが記事コンテンツ。記事で周辺ニーズを獲得するという手法が流行り、SEOを意識したコラムコーナーなどを運営しているBtoBサイトをよく見かけます。

そして、最近よくある問い合わせが「記事で流入は取れるけど、リードが獲得できないんです……」というお悩み

それはその通りで、記事で情報収集したユーザーはすぐに離脱します。仮に、そのサイトの製品に興味があったとしても、一律「お問い合わせ」に誘導している記事から問い合わせをするでしょうか?

そのような背景を踏まえて、アユダンテでは「SEO×コミュニケーション設計」という新たな施策を打ち出しています。「コミュニケーション設計」とは、SEOで獲得したトラフィックを成約までどうつなげていくか、どう潜在顧客とコミュニケーションを取り続けるか、SEOの先の施策になります。

今回は、「コミュニケーション設計」を得意とし、アユダンテとさまざまな取り組みを一緒に行っているA-canの白砂ゆき子氏をお招きしました。白砂氏はFaber Companyで長年コンテンツマーケティングに携わってきたエキスパート。さまざまなセミナーにも登壇しているのでご存知の方も多いかもしれません。

白砂さんと15年くらいのお付き合いがあり、ここ数年、コンテンツマーケティングやSEOの情報交換をするなかで、BtoBに最適な施策、そしてコンテンツのその先の施策として「コミュニケーション設計」という取り組みを教えてもらいました。アユダンテの製品で施策してみて効果を感じたので、協業する形で顧客にも提供しています。

白砂ゆき子氏(写真右)
株式会社A-can 代表取締役 /株式会社FaberCompany シニアコンサルタント。映像コンテンツプロバイダー・化粧品メーカーECでのWebディレクション・マーケティング担当を経て、コンサルタントに。20社以上のオウンドメディア・コンテンツの企画・戦略設計を行った経験を持つコンテンツマーケティング専門家。2018年5月に独立。検索ユーザーに寄り添うコンテンツ設計を得意とする。 「Web担当者Forum ミーティング 2019 春」「MarkeZine Day 2019 Autumn」で講演。 寄稿はWeb担当者Forum、SATORIマーケティングブログなど多数

コミュニケーション設計の3つのステップ

江沢氏 コンテンツマーケをやっていますが、感じた課題や限界などありますか?

白砂氏 多くのオウンドメディア立ち上げ、グロースに関わってきましたが、コンテンツを充実させて検索流入やPVを増やしたところで、「思ったよりコンバージョンが起こらない」という課題に幾度も直面してきました。

なかには100万PV以上のメディアに育てたのに「成果が出ないから」と経営サイドから閉鎖を言い渡された案件もありました。検索流入のことだけ考えて運営を開始しコンテンツを投下していたら、いずれこのような壁にぶつかるのです。最初からコンバージョンを意識した設計を行う必要があると強く感じました。

全体で100本あることは把握しているが、各コンテンツの役割は不明確。整理してみると……

江沢氏 コミュニケーション設計はどんなことをどんな流れでやっていくのか、改めておさらいさせてください。

白砂氏 おおよそ、図のような流れで進めます。

① 現状把握(コンテンツリスト作成) ② バイヤージャーニーの設計 ③ コンテンツ制作・リライト、リンク設計

① 現状把握(コンテンツリスト作成)

白砂氏 すでに記事コンテンツがある場合は、現状のコンテンツを洗い出し、コンテンツリスト、いわゆる「在庫表」を作成します。

多くのオウンドメディア運営チームではコンテンツが何本あるかは管理していても、そのコンテンツが見込み顧客のどのフェーズ向けのコンテンツなのか把握できていません。各コンテンツのテーマを確認し、どのフェーズ(ターゲット)の読者に当たるのかを洗い出します。もちろん、各コンテンツの現状のターゲットとなる検索ニーズや検索順位、流入状況も把握しておきます。

また、Googleアナリティクスの行動分析からコンバージョンの経路となっているコンテンツも把握します。記事コンテンツ以外のWebページやホワイトペーパー、動画など、コンバージョンさせるために使えそうなコンテンツはすべて洗い出します

江沢氏 そうそう、すでに記事コンテンツがあるサイトの場合、この「在庫表」が重要なんですよね。私も何度か見てますが、全記事を「興味関心」「話題・ニーズ」「認知」「情報収集」「比較検討」の5つのフェーズに分類するんですよね。

これによって、「興味関心フェーズの記事は多いけど、情報収集系の記事がまだ十分ない」というように評価するんですよね。

もちろん新規で記事コンテンツを作っていく際にもこのフェーズを意識した検索ニーズ調査が重要! またこの在庫表は記事だけでなく、そのサイトが保有しているあらゆるコンテンツ(ホワイトペーパー、事例集、デモ動画など)も一覧化するんですよね。「自身がどんなコンテンツを持っているのか」この視点ってとても大事だと感じています。

チラ見せで恐縮ですが、こんな項目でリスト化してこれをずっとアップデートしていきます。ターゲットという列で5つのフェーズにわけています。

② バイヤージャーニーの設計

白砂氏 次のステップで「製品・サービスを購入する」ことが前提となる、見込み顧客のルートを、コンテンツをベースにして作成します。簡単に言うと、先ほど洗い出したコンテンツのどことどこをつなげると、見込み顧客の「買いたい気持ち」を育てていけるか、設計していくのです。

たとえば、製品で解決できる課題に対し「興味関心があるだけ」の人向けのコンテンツから、いきなり製品紹介やLPにリンクしても、なかなかクリックしてもらえませんよね。「課題への興味関心」だけの人には、「その課題を解決することで何が起こるのか」が載っているコンテンツへの誘導が必要なんです。

江沢氏 出た! バイヤージャーニー。これはすごいですよね。どことどこをつなげると見込み顧客の「買いたい気持ち」を育てていけるかを可視化したこの図版は、まさにコミュニケーション設計の肝です。

③ コンテンツ制作・リライト、リンク設計

白砂氏 ②のジャーニーを描くことで不足しているコンテンツや、カギとなるコンテンツがわかってきます。次の3つ目のステップでは実際のコンテンツ制作を行います。たとえばコンバージョンにつながりやすい集客コンテンツの検索順位や流入数が悪い場合はリライトしたり、類似テーマへのコンテンツ拡張をしたりします。

併せて、ジャーニーマップのコンバージョン経路に空白があれば、そこを担うホワイトペーパーや説得型ページなどのナーチャリング・クロージングコンテンツを新規で作成していきます。

また、ヒートマップを確認しながら、CTA(Call To Action)の挿入位置やリンク先の設計も行います。この際に、②で作成したジャーニーが羅針盤となります

江沢氏 やっと制作ですね。キーワード調査→ライティングして記事作成という流れが一般的ですが、やはり最初の分析と設計をまずしっかり行うことが重要だなと私も感じています。改めてまとめるとこんな感じかな?

江沢氏 コミュニケーション設計、奥が深い…。では次に、やはりSEO的に大事な記事コンテンツ部分において、白砂さんのこだわりやポイントがあれば教えてください!

白砂氏 CTAの挿入位置にはすごくこだわっています。必ずヒートマップ分析を行い、熟読エリアの直下(いったん話が終わるタイミング)や、スクロール離脱が50%以内のエリアから送客することなどですね。SEOコンテンツ改善も、ナーチャリング・クロージングコンテンツの改善もすべてヒートマップを使います。

私はミエルカのヒートマップツールをよく使っています。熟読エリアとスクロール離脱、クリックエリアを見比べながらCTA挿入で効果が出そうな場所を特定できます。無料から始めることができミニマムプランが月額9800円というのも嬉しいですね。

ミエルカヒートマップ

江沢氏 ミエルカヒートマップ、アユダンテでもずっと活用しています! 記事のリライトにしてもCTA設置にしても、この分析は欠かせないですよね。

自社が保有するコンテンツの棚卸から始めよう

江沢氏 次にコミュニケーション設計部分でのポイントを教えてください。これ、本当に経験が必要でなかなか難しい施策だと感じています。

白砂氏 重要なポイントは、現在保有しているコンテンツの棚卸と整理整頓をしっかりやることですね。あるクライアントは、Webダウンロードには出していないけど現場で使っているホワイトペーパー(冊子)をたくさん保有しており、それらがリード獲得に使えることがわかりました。

みなさん意外と自分たちが保有しているコンテンツのすべてを把握できていないのです。また、それぞれのコンテンツの役割や目的も曖昧になっています。全体設計の前に、各コンテンツにきちんと役割と目的のラベル付けを行いましょう

そしてジャーニー設計を行ったら、不足コンテンツの作成や成果の悪いコンテンツのリライトやリメイクをし、コンテンツが増えるたびに在庫表とジャーニーマップを更新、これを繰り返していきます。かなり面倒な作業に感じますが、作る意味のわからないコンテンツを作り続けるより成果が出ます。制作本数を減らしてでも、管理体制を整えることをおすすめします

江沢氏 確かに! SEO観点でコンテンツを作るとどうしても人気のキーワードにフォーカスしちゃうんですよね。あと大きな企業になればなるほど保有コンテンツを活用しきれていないケースはよく見かけます。在庫表にしても、ジャーニーマップにしてもとにかく可視化することが大事ですよね。

BtoBの内部施策とは?

白砂氏 江沢さんに質問してもいいですか? 私はコンテンツマーケティングが主ですが、やはりBtoBのSEOで内部施策もまだ重要なんでしょうか?

江沢氏 そうですね、昨今のBtoBのSEO施策は記事優位みたいな風潮がありますが、やはり内部施策は重要だと感じています。案外、本体側にもキーワードがあり、記事よりCVRが高いのに対策できていないケースが多い。ちょうどBtoBの内部施策で何をどう進めるべきか、「Web担ビギナー」のこちらの記事を監修したのでご紹介しておきます。

よくありがちなのが、記事への導線が本体側からほとんどないケースです。やはり内部リンクは超重要ですし、記事の中には訪れたユーザーの役に立つものもたくさんあるので、TOPページのメインエリアから新着記事、人気記事、コラムTOPなどへのナビゲーションをしっかり設置したほうが良いです。グローバルナビにも入れてほしいです。

白砂氏 この連載はSEO×広告ですが、BtoBにおいて広告との取り組みって何かありますか?

江沢氏 結構、BtoBはSEOと広告のコラボレーションの事例があります。広告はキーワード単位のCVRデータがわかるので、そこから記事のネタを探したり、SEOでいまいちの記事を広告でデリバリーして強化したり、逆にキラーコンテンツを広告出稿してさらにコンバージョン獲得を目指すなど、さまざまな取り組みをしています。詳しくは広告の回で河野さんに取り上げてもらいます。

BtoBは「総合力」が大事

江沢氏 最後に白砂さんに聞きたいです。今後のBtoBのSEO施策はどうなりますか? どこに注力していきたいですか?

白砂氏 コンテンツを作って流入を稼ぎ、アクセスを増やすだけだと成果が出ないことがわかってきました。ソーシャルメディアやメールマーケ、オフラインやイベント・セミナー、動画コンテンツなどを融合させて、総合力で勝負できるよう、すべてのコンテンツに詳しくなりたいですね。

そして、先ほど説明した全体設計を行い、描いたシナリオ通りに成果が出るコンテンツマーケティングを実施していきたいです。忍耐力の必要な施策ですが、やりつくせば必ず成果が出ます

江沢氏 そうですね、どの業種でも「SEOだけ」「広告だけ」「SNSだけ」では大きな効果が望めなくなってきていますよね。総合力で勝負、大事な言葉だと感じました。

白砂さん、今回はありがとうございました! SEOのその先のコミュニケーション設計、私自身も今後の打ち手として非常に期待していますし、すでに効果を体感しています。BtoB、そしてBtoCでも検討期間の長い商材では有効ではないかと感じています。

◇◇◇

次回は実際にSEOとコミュニケーション設計を実施して流入とリード獲得の成果が出たサイボウズ様の事例をお届けします。

江沢 真紀
江沢 真紀

GMOペパボが「カラーミーショップ大賞 2022」を実施。全374ショップがノミネート【一般投票受付中】

3 years 11ヶ月 ago

GMOペパボが運営するネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」は、創意工夫を凝らしたネットショップを発掘、表彰するコンテスト「カラーミーショップ大賞 2022」を開催する。

ノミネートショップ公開&一般投票スタート

コンテストに向けて、ノミネートされた全374のショップを特設サイトで公開、一般投票の受付を開始した。一般投票は4月8日(金)23時59分まで。一般投票の結果を踏まえて最終審査を行い、5月24日(火)に行われる授賞式で受賞ショップを発表する。

カラーミーショップ大賞2022 GMOペパボ 全374ショップを公開 一般投票スタート
全374のショップを公開。一般投票を受け付けている
(画像は「カラーミーショップ大賞」特設サイトからキャプチャ)

「カラーミーショップ大賞」とは

「カラーミーショップ」利用ショップのなかから、ネットショップの構築・運営において独自の創意工夫を凝らしているショップを発掘・表彰するコンテスト。2014年からスタートし、今回が8回目となる。

「カラーミーショップ大賞」では「カラーミーショップ」を利用している4万以上のショップすべてが一次審査の対象となる「オファー制」を採用。「カラーミーショップ」スタッフによる審査を経てオファー対象となるショップを選出し、オファーを受けた374ショップが一般投票のノミネートショップとなった。

今回から、サステナブルを意識した商品販売、生産工程を導入しているショップに贈る「SDGs賞」を新設。また、三越伊勢丹の審査協力のもと、ネットショップを通じて日本文化の発信を積極的に行ったショップに贈る「にっぽん文化奨励賞」を2ショップ選定する。

そのほか、各賞は次の通り。

  • 大賞(1ショップ):年間を通して総合的に最も優れたショップに贈る賞。「デザイン・PR・成長率」において最も秀でたショップを優秀賞のなかから決定
  • 優秀賞(10ショップ):「デザイン・PR・成長率」の審査基準をバランスよく満たしている上位ショップに贈る賞
  • 地域賞(20ショップ):国内7つのエリア(北海道・東北、関東、東京、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄)を代表するショップに贈る賞
  • 特別賞(6カテゴリ・10ショップ):「ベスト店長賞」「ベスト商品賞」「ベストセレクト賞」「ベストデザイン賞」「SDGs賞」「新人賞」の6カテゴリで優秀なショップに贈る賞
  • にっぽん文化奨励賞(2ショップ):ネットショップで日本文化を発信しているショップに贈る賞
  • Amazon Pay賞(1ショップ):「Amazon Pay」の決済を導入して、より多くのユーザーに簡単・便利な購入体験の提供を実現したショップに贈る賞

「全国のネットショップを応援しようキャンペーン」を実施

一般投票期間中、Twitterで投票したショップ名とハッシュタグ「#カラーミーショップ大賞2022」をつけて投稿した人のなかから抽選で10人に「カラーミーショップ大賞」歴代受賞ショップのグルメが当たる「全国のネットショップを応援しようキャンペーン」を行う。

カラーミーショップ大賞2022 GMOペパボ 全国のネットショップを応援しようキャンペーン
「全国のネットショップを応援しようキャンペーン」を実施

応募期間は4月8日(金)23時59分まで。期間中は1ショップにつき1日1回まで投票できる。投票できるショップ数に制限はなし。

藤田遥
藤田遥

ニトリがEC需要拡大などに対応するため国内物流拠点を再配置、愛知県飛島村と埼玉県幸手市に新物流センター

3 years 11ヶ月 ago

ニトリホールディングスは、愛知県飛島村と埼玉県幸手市に物流センターを新設する。運用は物流子会社のホームロジスティクスが担う。

2021年に石狩DC(DC=Distribution Center、在庫保管型物流センター)、神戸DCの新設を発表しており、国内物流拠点の再配置を進める。

愛知県飛島村に新設する名古屋DCは、名古屋港から7kmの距離に立地、名古屋市中心部への優れたアクセス性を持ち、東海・北陸エリアをカバーする物流拠点となる。

ニトリホールディングスは、愛知県飛島村と埼玉県幸手市に物流センターを新設
愛知県飛島村に新設する名古屋DC

埼玉県幸手市の幸手DCは、関東・上信越エリアを広くカバー。ニトリグループの国内物流センターでは最大規模の面積。

ニトリホールディングスは、愛知県飛島村と埼玉県幸手市に物流センターを新設
埼玉県幸手市に新設する幸手DC

名古屋DCは2023年11月1日、幸手ICは2024年3月1日に竣工する予定。

ニトリグループは、店舗の出店加速、ライフスタイル変化に伴うEC需要拡大などの環境変化に対応するため、国内物流拠点の再配置を進めている。

2021年9月に一般貨物自動車運送事業を手がける株式会社ホームカーゴを、ホームロジスティクスが設立。ニトリグループが掲げる「製造物流IT小売業」において、グループ全体のスケールメリットを生かした一貫物流を実現するため、関東圏内におけるドレージ輸送を始めた。

ドレージとは、海外からコンテナで輸送されてきた荷物を直接目的地まで陸送する方法。自社で車両を保有し、港から各物流拠点までの輸送の効率化、ならびにコスト削減につなげる。その一環として、国内物流拠点を再配置し、ドレージ事業を拡大する方針を掲げている。

ニトリホールディングスは、愛知県飛島村と埼玉県幸手市に物流センターを新設 ドレージ事業を拡大する
ドレージ事業を拡大する方針

 

瀧川 正実
瀧川 正実

ショップチャンネルの新社長に小川吉宏経営企画本部長が就任

3 years 11ヶ月 ago

テレビ通販最大手のジュピターショップチャンネルは、4月1日付けで執行役員経営企画本部長の小川吉宏氏が代表取締役社長に就任すると発表した。

新森健之代表取締役社長は3月31日付けで退任、4月1日付けで特別顧問(常勤)への就任を予定する。

代表人事は4月1日に開く取締役会の承認を経て正式決定する。

小川吉宏氏は1990年、ショップチャンネルの第2位株主である住友商事に入社。2018年に繊維事業部長、2019年にリテイル事業第二部長、2020年にショップチャンネルの執行役員経営企画本部長に就いた。

ジュピターショップチャンネルは24時間365日生放送のショッピング専門チャンネル「ショップチャンネル」を運営するテレビ通販最大手企業。2020年度(2020年4月~2021年3月)売上高は前期比1.4%減の1610億5200万円。営業利益は199億4900万円、当期純利益は139億4200万円。

瀧川 正実
瀧川 正実

DMからWebへの好意的な遷移方法はQRコード。デジタル化時代の紙媒体活用の今を調査結果に学ぶ

3 years 11ヶ月 ago

トッパン・フォームズは、生活者の意識とダイレクトメール(DM)を取り巻く実態や時系列変化から見えるトレンドの定点的な把握を目的に、生活者のDMに関わる行動調査を実施した。

通知物の受け取り方法において生活者の紙媒体とデジタル媒体それぞれに対する好意度は目的や用途に応じて異なること、スマートフォン利用の拡大でQRコードによるWebサイトへのアクセスが、ますます一般化していることなどがわかった。

1週間に受け取るDMの通数は平均で9.0通、届いたDMの開封・閲覧割合は平均6.9割。2021年以前の調査結果と比較するといずれも横ばい傾向となった。1週間で受け取るDM数は「1~5通程度」が47.6%、「16通以上」が30.4%、「6~10通程度」が14.5%、「11~15通程度」が7.6%。

1週間に受け取るDMの通数
1週間に受け取るDMの通数
DMの開封割合
DMの開封割合

2020年同時点と比較したDMの開封数についての増減認識は、2020年と同様に「増えた」と答えた人が「減った」を上回り、「増えた」と答える割合も2020年より増加している。

2020年同時点と比較したDMの開封数についての増減認識
2020年同時点と比較したDMの開封数についての増減認識

保守・契約更新の通知や複数人で見るもの(商品カタログなど)は、50.8%が紙媒体で閲覧したいと回答。一方で、イベントやセール、会員ポイント関連のお知らせ、広告機関が短いものなどは、PC・スマートフォンでの閲覧意向が6割強を占めている。

紙媒体、PC画面、スマートフォン画面での閲覧意向
紙媒体、PC画面、スマートフォン画面での閲覧意向

DMからWebへの遷移方法の比較において、QRコードでの遷移に対する好意度は継続的に上昇しており、2021年度調査では51.9%と過半数を超えた。

DMからWebへの遷移方法の比較
DMからWebへの遷移方法の比較

2017年と2021年の年代別回答を比較すると、QRコード遷移について、男性60代以上が33.9%、女性60代以上が37.5%となり、60代以上の利用意向の上昇が顕著となっている。スマートフォンの利用率が60代で39.4%から64.4%、70代で16.1%から35.6%へとそれぞれ上昇していることなどが影響したと推察している。

DMからWebへの遷移方法の比較(年代別回答の比較)
DMからWebへの遷移方法の比較(年代別回答の比較)

調査概要

  • 調査手法:Webアンケート方式
  • 調査対象者とサンプル数:全国に居住している20歳以上の男女で、届いたDMをおよそ3割以上開封する人・メールマガジンに登録している人の2000サンプル(20~70代以上男女)
  • 調査実施時期:2021年12月14日~20日
石居 岳
石居 岳

セールの前にチェック! 売上を伸ばすためにGoogle 広告でやっておきたい設定【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

3 years 11ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年3月21日〜27日のニュース

セール期間は準備も忙しいし受注処理なども忙しくて広告は頼むだけになることが多いですが、それはかなりもったいない。Google 広告にはセール向きと言って良い設定があるので上手に活用しましょう。

セール前は広告の仕込みも入念に

セール前の仕込みが勝敗を決める!ECサイト運営者が準備すべき6つの広告施策 | キーワードマーケティング
https://www.kwm.co.jp/blog/ads-for-ec-sale/

セールを行うときは業務がかなり増えますので広告関連が後回しになりがちです。代理店などに伝えるのも「セールなのでお願いします!」となりがちですが、しっかり準備をしておけば広告の効果を伸ばすことができます。Google 広告でやっておきたい設定についての記事があったので紹介します。

ショッピング広告ではセール用に設定をおこなうと、セールバッチが表示され、価格部分がセール用の表示になり、元々の値段からどれくらいお得になっているのかがわかるようになっています

https://www.kwm.co.jp/blog/ads-for-ec-sale/ より編集部でキャプチャ

「セール」と書いてあると何となく見てしまう人は多いはず。ちょっとでも欲しいものがあればクリックしてしまいますよね。ショッピング広告枠だけではなく無料リスティング枠でも表示されるので、この設定は必須

セール期間中に限り「セール」や「アウトレット」などのセールに近いキーワードを追加するのもよいでしょう。

いつもは除外していることの多いこれらのキーワードも、セール期間中は追加しておかないともったいないですよね。当たり前のようで忘れがちです。

検索広告のセール用広告では「カウントダウン広告」を活用できます。カウントダウン広告とは広告文に動的にカウントダウンを表示させることができる広告手法です。

「あと〇時間で終了」と出たらクリックしてしまいますよね。セール前に表示させるのか、終了前はいつから表示させるかなどのタイミングの検討を。

Google 広告ではセール用にプロモーション表示オプションという広告表示オプションが用意されています。検索広告にセール情報を載せることができる広告表示オプションで、他の広告表示オプション同様に設定ができます。

新年、母の日、ハロウィン、ブラックフライデーなどの年中行事に関連した広告が出せるオプションがあります。年中行事は検索数自体も多いので多くの人に見てもらえるチャンス。ちなみにプロモーション広告には「新学期」もあります。ねらえそうな人はお早めに!

今週の要チェック記事

EC受注4つの公式から考えるCVRアップのヒント。注文完了までのユーザー行動を踏まえたサイトと施策の改善アプローチ | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9532

自社ECサイトで売上に伸び悩んだ際にすべき打ち手は?最短経路で結果を出すノウハウを公開 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/15513

データから改善のヒントを得る手法の記事です。基本的なものなので押さえておきたいです。

「アイデアの秘訣? トイレにこもって“社長”になること」イノベーター・濱口秀司に発想の源を聞いた | 新R25
https://r25.jp/article/1046253592606529807

集客なくして収益なし。数と愛を両立する強いビジネスのつくり方【第14回 池田紀行のマーケ飯】 | トライバルメディアハウス
https://note.tribalmedia.co.jp/n/n0f5137a37d00

セールで売るにしてもその前の準備やアイデアが必要です。「でもどうやって?」という人は読んでみてください。

Shopify から「Linkpop」が登場。Link in bio はクリエイターエコノミーの主役になりうるのか | REWIRED
https://rewired.cloud/linkpop-as-link-in-bio-of-shopify/

活用できる人が少ないと思いますが、Shopifyのトレンドはつかんでおきましょう。

プレミアムプランにも提供開始のShopify Flowとは?CRM PLUS on LINEでのメッセージ配信自動化事例 | LINE公式アカウント徹底活用ブログ
https://blog.socialplus.jp/shopify_line/automate-line-message-delivery-with-shopify-flow/

自動化ツールは頭の中を整理して簡単なことから。いきなり難しいことをすると失敗します。

食料品ECの勝敗の鍵は「配達スピード」ではない | ITmedia
https://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/2203/22/news004.html

今は配達のスピード。ここが極まってきたときにどうなるのか? という話です。

Amazon、生鮮食品の「店舗受取サービス」開始 スーパーマーケットバロー 高辻店から | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/11193

「オンラインでの注文から最短約1時間後にバロー実店舗で商品を受け取ることができる」。これは便利では?

今週の名言

さんま、鶴瓶も驚いた…タモリが32年も「いいとも」を続けるために絶対にやらなかったこと 座右の銘は「適当」、「俺は努力ということをしない」… | PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/55347

「目標をもつと、達成できないとイヤだし、達成するためにやりたいことを我慢するなんてバカみたいでしょう。(略)人間、行き当たりバッタリがいちばんですよ」

行き当たりばったりはとっても難しいです。流されていながらもその時その時で判断が求められますので。今はどんな流れがあって、自分はどの流れに乗るのが良いのか見極めて、どっちに転んでも良いようにするための準備をして、その時が来るのを待つ……。ということです。

目標のために頑張るのか、行き当たりばったりで生き残るのか。簡単な方法はないということですね。

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

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森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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森野 誠之
森野 誠之

ポケットマルシェとオレンジページが「レシピ作成サービス」を開始。生産者・消費者双方の満足度向上をめざす

3 years 11ヶ月 ago

産直アプリ「ポケットマルシェ」を運営するポケットマルシェとオレンジページは、直販を行う生産者向けに「レシピ作成サービス」を開始した。

レシピカード同梱で生産者・消費者双方の満足度向上をめざす

「レシピ作成サービス」は、オレンジページが運営する「オレンジページnet」に掲載された1万5000件以上の料理家のレシピから、生産者が手がける食材に適したレシピを同梱して発送することができるサービス。

「オレンジページnet」内の該当レシピに遷移する二次元バーコードが付いたレシピカードを生産者に提供する。

ポケットマルシェ オレンジページ レシピ作成サービス レシピカードのイメージ
レシピカードのイメージ

「料理が不得意で調理方法を紹介できない」といった悩みを抱えている生産者でも、手間をかけずにレシピを食材とともに消費者へ届けることができるメリットがある。また、料理家が監修したレシピを活用することができる。

一方、消費者は届いた食材の調理法がわからない、調理法のバリエーションを広げたい時に、料理家が監修したレシピをすぐに参照できるメリットがある。

7割以上の生産者が「消費者からレシピを聞かれた経験あり」

ポケットマルシェが直販利用生産者に行った「レシピについての簡易アンケート」によると、「消費者からおすすめのレシピを聞かれたことがあるか」という問いに対し、22.7%が「とてもよくある」、50.0%が「ある」と回答した。

ポケットマルシェ オレンジページ レシピ作成サービス 消費者からおすすめのレシピを聞かれたことがあるか
消費者からおすすめのレシピを聞かれたことがあるか(n=66)

その一方で、「直販時におすすめのレシピや食べ方を書いた紙を同梱して送るか」という設問に対して「毎回同梱している」と回答した生産者は34.8%だった。

ポケットマルシェ オレンジページ レシピ作成サービス 直販時におすすめのレシピや食べ方を書いた紙を同梱して送るか
直販時におすすめのレシピや食べ方を書いた紙を同梱して送るか(n=66)

レシピに関する生産者の悩みとして、「料理が不得意で、消費者に紹介できる調理法が少ない」「レシピカードを作成したいが、手間がかかるため作成できていない」などの回答があったという。

こうした結果を受け、ポケットマルシェは「レシピ作成サービス」を実施。サービスを通じ、生産者と消費者双方の満足度向上をめざす。

調査実施概要
  • 調査タイトル:レシピについての簡易アンケート
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2022年2月10日~2月12日
  • 調査対象:ポケットマルシェ登録生産者
  • 有効回答:66件
藤田遥
藤田遥

原材料高騰の影響は? 商品刷新、価格転嫁、梱包資材の変更――通販・EC企業の現状と対応策まとめ | 通販新聞ダイジェスト

3 years 11ヶ月 ago
人口増加に伴う需要増、天候不順、コロナ禍の影響などさまざまな要因で原材料費の高騰化が続いています。通販企業各社への影響とその対応策について通販新聞社がアンケートを実施しました

原材料費の高騰が続いている。世界的な人口増加に伴う需要増や原油高、天候不順による穀物相場上昇、コロナ禍の影響など複数の要因で食用油や海産物、小麦や大豆などの穀物類などさまざまなジャンルの原材料が高騰し続けており、その結果として、それらを原料とする商品の価格も値上がり。仕入れコスト増や商品原価アップなど通販を含む小売事業者に影を落とし始めている。通販実施各社に原材料高騰による影響や対策などについて聞いた。

原材料高騰化、小売企業は価格改定・据え置きなど対応さまざま

原材料の高騰を受けて、すでに小売り各社は対応に乗り出している。

食材の宅配事業などを行うパルシステム生活協同組合連合会では1月31日付で「原料高騰による価格改定について」として小麦・食用油脂・原油などの価格が高騰したことを受けて、「商品価格の値上げについて産地やメーカーなどと協議を重ね、一部商品を値上げすることにした」と発表。今後、パンやマヨネーズ、パスタ、小麦粉など200品目超の商品価格を値上げするとしている。

通販新聞 パスシステム生活協同組合連合会 商品価格値上げの告知
パルシステム生活協同組合連合会の価格改定に関するお知らせ

一方でネットスーパー事業なども展開する西友は3月14日付で6月末まで同社が展開するプライベートブランド(PB)「みなさまのお墨付き」について食料品や飲料、日用品などの全商品、1254品目について売価を据え置くと発表している。

通販新聞 西友 SEIYU みなさまのお墨付き 価格据え置き
西友のPB商品「みなさまのお墨付き」は6月末まで価格を据え置きに
(画像は「西友」サイトから編集部がキャプチャし追加)

通販実施事業者は原材料の高騰を受けてどのような対応をとっていくのだろうか。本紙では3月中旬に通販実施企業約20社を対象に原材料値上がりに関するアンケートおよび聞き取り調査を実施した。同結果をもとに通販各社の動きを見ていく。

仕入れコスト増、約9割が原材料値上がりの影響受ける

アンケートでは有効回答を得られた企業のうち、およそ9割が原材料の値上がりの影響を受けていると回答した。

「影響を受けた」とする事業者に具体的にどの原材料の値上がりがどのような影響を与えると考えているかと尋ねた。

ベルーナでは、「仕入原価の上昇の影響がある見込み(海上運賃の上昇、工場加工賃の上昇など)」で「短期的には売り上げの押し下げ、原価率の押し上げに影響が出ると考えられる」とした。

千趣会は、「主に衣料品の原材料となる綿とポリエステル。主に家具・インテリア商材の原材料となる木材と鉄の値上がりが仕入れコストの上昇に影響」しているとする。

スクロールは、「通販事業において、アパレル商材の原材料となる綿の高騰やカタログに使用する用紙(紙)や印刷関連費の値上がりが、仕入れコスト上昇のほか、為替(円安)も影響し、原価率悪化につながっている。また、原油高により輸送コストも上昇」しているという。

オイシックス・ラ・大地は、「小麦、大豆、植物樹脂、魚の高騰で商品原価の上昇」に影響が出ているという。

くずもちの製造・販売を行い、ネット販売も展開する船橋屋は「(くずもちの原材料である)小麦の価格アップ要請を受けている。砂糖も昨年9月に3%、今年2月には2%アップ。大豆も値上げ要請を受けると思う。寒天は今年5月から5%アップの予定。また梱包箱や包装資材が5~8%程度上がっている」という。

通販企業A社(※匿名を条件に回答)は「商品全般、石油系原材料、輸送費の値上がりが仕入れコスト上昇に影響」したという。

このほか、「商品仕入れコストの上昇が懸念」(DINOS CORPORATION)、「石油化学製品や食品の高騰で仕入れコストが上昇」(ロッピングライフ)、「半導体不足、原油由来の原材料(樹脂・ウレタンなど)の高騰で仕入れコストが上昇し、発注ロットの増加につながっている」(日本テレビ放送網)、「(食品通販事業「虎ノ門市場」の)海鮮商品で仕入れコストの上昇、サプライチェーン(輸送コスト)の値上がり」(テレビ東京ダイレクト)などとしている。

通販各社の対応策は?

原材料の高騰に伴う仕入れコスト増や原価率の悪化に各社はどう対処していくのか。販売価格の値上げなどの対応が多いようだ。各社の回答を見ていく。

商品上代への転嫁を検討中。中長期では高付加価値商品の企画・開発に力を入れる必要がある」(ベルーナ)、「工場の振り替え商品のリニューアル、商品価格の値上げ」(千趣会)、「生産地の変更や生産管理体制の強化など、自助努力により改善できる取り組みを実施し、コストアップ抑制に努める一方で、商品価格の見直しも一部検討している」(スクロール)、「原料の切り替えなども含め、価格据え置きをしているものもあるが、一部商品は価格への反映も行っている。変更する場合、いずれもお客さまに説明した上で実施している」(オイシックス・ラ・大地)、「(複数社による原材料の)比較購買やコスト削減でのKPI菅理の徹底。物流面では業者の変更による値上げ防止やテープ止めが不要な箱への変更、簡易包装でコスト増を吸収する」(船橋屋)、「下代を上げる、内容量を少なくするなど」(ロッピングライフ)、「既存の商品は自社にて吸収。今後、発売する商材は価格の見直しや発注ロットを見直して原価を交渉」(日本テレビ放送網)、「(食品通販事業の)『虎ノ門市場』の売れ筋商品である海鮮セットの内容の見直し」(テレビ東京ダイレクト)、「単純にその商品を値上げするのではなく、商品そのものをリニューアルするなどしてより良い商品づくりを行った上で販売することとしている」(通販企業A社)などとしている。

今後の業績への影響は?

原材料値上がりにおける業績への今後の影響については多くが「回答を控える」「具体的な影響を精査中」などと回答したが、「あまりない」(ロッピングライフ)、「業績全体に与える影響は軽微」(通販企業A社)と大きなダメージはないとの回答もあった。

ただ、一方で「22年度の大きな課題。影響は必至。どこまで影響するか見極めは難しいが、対策を練っているところ」(テレビ東京ダイレクト)、「原価上昇による利益面の圧迫。今後、販売価格を上げることでの顧客の購買行動の減少などが懸念。放送(通販番組)にて商品の価値観を丁寧に伝え、お客さまが納得して購入していただける環境作りをする必要がある」(日本テレビ放送網)との声もあった。

仕入れ商品のみならず、段ボールなどの梱包材も世界的な需要増や物流コストの上昇などで王子製紙や大王製紙、レンゴーら製紙各社が2月から一斉に段ボール原紙1キログラムあたり10円以上の値上げに踏み切っており、これを受けて、段ボール製造会社らは段ボールの価格の値上げをすでに開始している。

このほか、受注委託先のコールセンターや物流・配送事業者に支払うコストも年々、上昇傾向にある

原材料の高騰の原因は複数あり、一過性のものではなく、また、昨今のコロナ禍やウクライナ情勢を踏まえてさらに悪化する可能性もある。今後も関連コストの上昇が続くことを前提とした施策が通販事業者各社には求められそうだ。

カニ高騰で年末商戦に影響、水産物の値上がりも続く

カニなどを販売する「越前かに職人甲羅組」の伝食では、コロナ禍で業績を伸ばしてきたものの、昨年12月にカニの大幅値上げを余儀なくされたこともあり「ここまでのトレンドに急ブレーキがかかった感がある。年初からの動きも鈍い」(田辺晃司社長)という。

近年、ズワイカニの相場は値上がりを続けている。コロナ禍以前は1キロ2000円程度だったが、21年初頭は同2500円に、春頃には同3000円を超えた。現在は同4000円代後半から5000円、大きいサイズは同5500円まで達しているという。

同社では安い仕入れルートを確保していたこともあり、大きな値上げをしていなかった。ただ、12月に入ってからは「企業努力では吸収できないほど相場が高騰した」(同)。値上げ幅は平均で1.5倍、大きいサイズのカニは収穫量が少ないことから、約2倍まで値上がりしている。

相場高騰の原因は、近年アメリカや中国においてカニの需要が高まっており、日本の市場に回ってくるカニの量が減っていることにある。特にアメリカでは、新型コロナウイルス対策の給付金が支給され、「これがカニの消費にも回っているのではないか」(同)。

そのため、今後は相場が下落する可能性はあるものの、コロナで物流が滞留していることもあり、今年の年末商戦は高騰した価格で仕入れたカニを販売せざるを得ない可能性が高い。

甲羅組だけではなく、ECではカニは人気商材だけに、影響は大きそうだ。

ロシア産水産物輸入停滞の恐れも

また、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、ロシア産水産物の輸入が滞る恐れもある。甲羅組のサイトによれば、同店ではこれまで、春漁の5~6月限定で大型サイズのズワイガニをロシアから仕入れていたという。

仮想モールにおいてもロシア産水産物を販売している店舗は少なくなく、特に輸入量の多いタラバガニやズワイガニ、ウニといった水産物はECでは人気が高いだけに、今後の影響が懸念される。

報道によれば、ロシア産水産物の輸入禁止措置は実施しない方向とされているが、今後も情勢の混乱が続けば、カニの最需要期である年末商戦に向けて、さらなる価格高騰は避けられそうもない。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

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通販新聞

EC売上400億円をめざす大丸松坂屋百貨店、通販サイトの刷新3つのポイント

3 years 11ヶ月 ago

大丸松坂屋百貨店は3月29日、現在のECサイト「大丸松坂屋オンラインショッピング」を、「大丸松坂屋 ONLINE STORE」としてリニューアルする。

デパ地下スイーツやグルメといったフーズ、お祝いやお返しなどのギフト商品を中心に、百貨店の強みを生かした商品を強化。顧客の利便性を意識した3つのポイントを改善し、顧客満足の高いECサイトを展開する。

スマホファーストを意識したUI設計

スマホからの流入が約7割を占めていることから、商品をコンパクトにわかりやすくく、ニーズの高い商品の視認性を高く配置するデザインに刷新。スマホファーストを意識したUI設計にした。

グローバルナビを上部に設置し、最初に見えるページを最適化。文字が読みやすく旬のキーワード検索が簡単にできるようにした。

大丸松坂屋百貨店は3月29日、現在のECサイト「大丸松坂屋オンラインショッピング」を、「大丸松坂屋 ONLINE STORE」としてリニューアル
「大丸松坂屋 ONLINE STORE」のUI

百貨店公式サイトの強みを生かす機能

オリジナル画像の使用などカスタマイズの幅が広がったギフトカードサービス、ワイン・食品、洋品雑貨など自需商品のよりどり販売(5月開始予定)、頒布会(6月開始予定)といったサービスを強化する。

大丸松坂屋百貨店は3月29日、現在のECサイト「大丸松坂屋オンラインショッピング」を、「大丸松坂屋 ONLINE STORE」としてリニューアル
お祝いやお返しなどのギフト商品も強化する

多様化する顧客ニーズに対応するサービスの強化

1つのIDでアプリおよびECサイトにログインできるようにする。従来、「大丸・松坂屋アプリ」と「大丸松坂屋 ONLINE STORE」へのログインは、それぞれ別のIDを入力する必要があった。Web会員を大丸松坂屋統合IDへ移行、同一のID・パスワードでログインができるようにする。

大丸松坂屋百貨店は3月29日、現在のECサイト「大丸松坂屋オンラインショッピング」を、「大丸松坂屋 ONLINE STORE」としてリニューアル
1つのIDでアプリおよびECサイトにログインできるようにする

大丸松坂屋などを傘下に持つJ.フロントリテイリングの2020年度(2021年2月期)におけるオンライン経由の売上は100億円強。オンライン経由売上は、大丸松坂屋百貨店が運営する「百貨店WEB DEPACO」などのオンライン決済、外商のWebサイト「コネスリーニュ」、ライブショッピングなどの売上合計額。OMOによるデジタルシフトの加速で、2023年度のオンライン経由売上は400億円を目標に掲げる。

石居 岳
石居 岳

ECサイトを改ざんしクレジットカード情報を窃取する「Webスキミング」に注意を! 通販サイト運営者に求められる対策とは

3 years 11ヶ月 ago

一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター(JC3)は3月22日、不正スクリプトを読み込ませるようにECサイトを改ざんし、不正にクレジットカード情報などを窃取する「Webスキミング」の手口の一種を確認したと公表、EC事業者などに注意喚起を呼びかけている。

警察やラック、トレンドマイクロなどとの連携で、「Webスキミング」の手口の一種を確認した。改ざんされたECサイトで商品の購入手続きなどを行った場合、その間に入力したクレジットカード情報などが悪意の第三者に窃取される。

JC3は「Webスキミング」の流れを次のように推定している。

  1. 改ざん
    攻撃者はクレジットカード情報などを窃取する不正スクリプトを用意。ECサイトを何らかの方法で当該スクリプトを参照させるように改ざんする
  2. 閲覧・購入
    利用者は改ざんに気が付くことなくECサイトにおいて商品の閲覧や購入などを行う
  3. 不正スクリプトの読み込み
    利用者側の環境に不正スクリプトが読み込まれ、利用者がECサイトの画面(例:ログイン画面、会員登録画面、決済画面)で入力した情報が窃取される
  4. 購入時、カード情報などを送信
    利用者が決済画面で商品購入すると、正常に注文が完了すると同時に収集されていた各種情報が攻撃者側へ送信される
一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター(JC3)は3月22日、不正スクリプトを読み込ませるようにECサイトを改ざんし、不正にクレジットカード情報などを窃取する「Webスキミング」の手口の一種を確認したと公表
カード情報などが窃取されるまでの流れ

被害に遭ったECサイトでは、不正スクリプトを参照するようにHTMLファイルが改ざん。JavaScriptのライブラリ(jQuery)を偽装したファイル名で、HTMLファイルを確認しても改ざんに気が付かない可能性があるという。

一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター(JC3)は3月22日、不正スクリプトを読み込ませるようにECサイトを改ざんし、不正にクレジットカード情報などを窃取する「Webスキミング」の手口の一種を確認したと公表
不正スクリプトを参照するようにHTMLファイルが改ざんされた例

脆弱性対策など情報セキュリティ対策の強化を

JavaScriptで記述された不正スクリプトは難読化が施されているなど、改ざんされたECサイトを利用者がブラウザで閲覧しても異変に気が付くことは困難という。そのため、JC3は、ECサイト側での脆弱性対策などの情報セキュリティ対策の強化を求めている。

EC事業者に求めている対策

  • 推測されにくいパスワードを設定する
  • 管理画面へのアクセス制限を行う
  • 脆弱性を解消する(ソフトウェアをアップデートする)
  • ECサイトに意図しないスクリプトなどの記述を発見した場合、改ざんされている可能性が高いと考えられるため、直ちに公開を中止して原因特定などを行う。その際、バックドアが仕掛けられている可能性にも注意する
  • ECサイトの構築を外注する際は情報セキュリティ対策を含めた契約とする。運用開始後の保守契約内容や、インシデント発生時の体制面についても確認しておく
瀧川 正実
瀧川 正実

「そこにしかない」価値を活かすリージョン戦略――地方の中小企業のD2C活用方法とは | D2C SUMMIT

3 years 11ヶ月 ago
「D2C SUMMIT」のボードメンバーや公式セッション登壇者にインタビューし、「D2C」を深掘りしていくシリーズ①。一平ホールディングス代表取締役の村岡浩司氏に「地方創生とものづくりの関係性」というテーマで話を聞きました

地方の企業はどのようにD2Cを事業に活用すれば成長に生かすことができるのか。九州食材をテーマにしたレストラン事業などを手がける一平ホールディングス・代表取締役の村岡浩司氏に、「地方創生とものづくりの関係性」「地方の中小企業とD2C」などのお話を伺いました。

D2Cのノウハウを共有し、新しい商品・価値を生み出す

D2C応援委員会 委員長・プロデューサー 関洋祐氏(以下、関氏):村岡さんが取り組まれている「九州アイランド」というプロジェクトは、九州の多くの生産者とつながり、彼らにD2Cのノウハウを提供することで新しい商品・価値を数多く生み出していらっしゃいます。取り組みについて詳しく教えてください。

一平ホールディングス 代表取締役 村岡浩司氏(以下、村岡氏):2022年、一平ホールディングスの商品「九州パンケーキ」が誕生して10年になります。これまで10年間培ってきたノウハウ、ネットワークなどの資源を「九州アイランド」プロジェクトの仲間に共有しています。

地方の多くの加工食品は、パッケージやマーケティングの手法によって一見地域の特産に見えたとしても、実は原材料を海外輸入に依存していることが多い。

それに対して「九州パンケーキ」はすべて九州産の原料で作ることで、価値あるものとして受け入れられてきました。すべて九州の材料を使っているということは、ある人にとっては気に留めるようなことではないかもしれませんが、ある人にはとてもバリューになるのではないかという仮説でやってきました。

「九州アイランド」は、九州域内のさまざまな一次産業の生産者とつながり、そういった「九州パンケーキ」と同様の創造理念を広げていく、みんなで九州らしいものづくりを考える、ということに取り組んでいます。

D2CSUMMIT D2C 九州アイランドの取り組みについて
「九州アイランド」の取り組みについて
一平ホールディングス 代表取締役社長 村岡浩司氏
一平ホールディングス 代表取締役社長 村岡浩司氏

1970年、宮崎県生まれ。宮崎市高岡町(人口12000人)で廃校となった小学校をリノベーションしたムカサハブ(本社所在地)を運営。“世界があこがれる九州をつくる”を経営理念として、九州産の農業素材のみで作られた「九州パンケーキミックス」をはじめとする、「KYUSHU ISLAND®︎/九州アイランド」プロダクトシリーズを国内外に展開。九州/沖縄の広域経済圏でつながってものづくり産業を支援する、共創・共同体マーケティング「九州アイランドプロジェクト」の運営リーダー。食を通じた地域活性化やコミュニティ活動にも取り組んでいる。

「ここにしかないもの」の活用法を模索

関氏:ノウハウという観点では、どういった内容を共有しているのでしょうか?

村岡氏:「その土地ならではの商品=ここにしかないもの」という価値を生み出して、商品として世にテストマーケティングしていく手法を提供しています。「その土地ならではの商品=ここにしかないもの」は、実はデジタル、SNSととても相性が良いと思っています。

関氏:それはどのような理由でしょうか?

村岡氏:マーケティングの基本原則として、商品の価値は機能的価値と情緒的価値の掛け合わせです。機能的価値の高いもの、もしくは再現性の高いものと言い換えても良いかもしれませんが、そういったものはあまり情緒的価値は高くありません。

たとえばファーストフードは「早い・美味い・安い」という機能的価値がとても高い。あるいは、アルバイトのスタッフでいつでも同じ商品を作れるという意味で再現性がとても高いです。加工食品でいえば、そういった機能性と再現性の極地のような商品は、逆に情緒的価値は低くて、それをわざわざインスタにあげる人はあまりいない。

機能的価値が高い商品を作っている大企業は、CM・広告で情緒的価値を表現しているケースが多いですよね。機能価値も高く再現性があり、情緒的価値も高いことが一番理想ではあるので、それをめざして取り組まれているわけです。

しかし、中小企業にはその方法が難しい。「ここにしかない」というような再現性がないもの、たとえば私が行っている廃校に作った「MUKASA COFFEE」は、そこでコーヒーを焙煎して、九州の素材でパンを作っている、まさに「そこにしかない」ものを作っています。

廃校を使って内装もすべてリユース、プラスチックフリーで、自然エネルギーの電力を使っている。そういう「そこにしかない」ものは、情緒的価値が高くデジタルととても相性が良いのです。

そこにきたほぼ全員が写真を撮ってFacebookやInstagramに投稿してくれる。CMは一度も打ったことがないけれど、日曜日の朝から行列ができ、1時間でパンが売り切れるという現象が起こっています。このような、SNSの時代に小さな主体が戦う戦い方を模索しています。

D2CSUMMIT 一平ホールディングスが運営する「MUKASA COFFEE」
一平ホールディングスが運営する廃校を活用したカフェ「MUKASA COFFEE」(宮崎県宮崎市)
(画像は「MUKASA COFFEE」サイトからキャプチャ)

地方の中小企業は個人でSNS拡散してもらう方法と相性が良い

関氏:地方の中小企業は、大企業のように再現性が高く、機能的価値が高い商品を大量生産してCMで情緒的価値を付加するというような戦法ではなく、そこにしかない地方の資源を使って情緒的価値を生み出し、それをSNSで個人の力で広めてもらうという方法と相性が良いということですね。

村岡氏:おっしゃる通りです。それから、「デジタルマーケティングをハックする」という考え方も地方の生産現場にはあまりフィットしないのではないかと考えています。そこはスタートアップとの違いでもあります。

関氏:大手企業、スタートアップとも考え方が違うわけですね。

村岡氏:まず時間軸が違いますし、資本政策も違います。スタートアップは株主に時限で求められる成果があって、そういった根本が違います。「九州パンケーキ」は広告宣伝費をほとんどかけずにこの10年少しずつファンづくりをしている。そういう方法もありなのではないかと思っています。

関氏:D2Cというビジネスモデルや考え方は、ローカルの小さなブランドにも生きる道を与えたんじゃないかと思います。

D2Cはさまざまな種類のプレイヤーがいます。上場企業、スタートアップ、中小企業、インフルエンサー、主婦、学生でもできるのがD2Cというビジネスモデルです。

村岡さんのおっしゃるとおり、それぞれめざしているゴールや時間軸はまったく違うけれども、それぞれのやり方で目的を達成できるのがD2Cの面白いところだと思います。

村岡氏:そういうなかでD2Cの文脈では地方の中小企業というところにあまりフォーカスが当たってこなかったのではないかと思います。

「Makuake」を活用し、表現方法などのノウハウを蓄積

関氏:「九州アイランド」は「Makuake」と提携して多くのプロジェクトを発信しています。その仕組みや考え方を教えてください。

村岡氏:ローカルのそこにしかない価値を統一したテーマで、つまり“九州”というリージョン単位で括る「九州アイランド」の考え方は、マクアケさんも面白いと言ってくれています。

現在、「九州アイランド」には約150人の仲間がいます。彼らと壁打ちして伴走して、そこにしかない価値の商品を一緒に作り、「Makuake」という場でテストマーケティングしてローンチするという手法が確立してきました。

小さな主体が初めて取り組むD2Cの場としては極めて秀逸だと思っています。コードは必要ないし誰でも販売ページを作ることができる。表現方法や商品の魅せ方などのノウハウも溜まってきていて、それを共有することで失敗しない方程式ができあがってきました

2020年5月のスタート以降、38のプロジェクト(2022年3月17日現在)を実施してきましたが、すべてプロジェクトを達成しています。このペースで行くと年間50くらいの新商品が生まれ、1億くらいの新規流通が「Makuake」だけで発生していくことになります。

その後のマーケティングも、「50の商品群」としてたとえば体験の場を一緒に作っていくなど、一緒に仕掛けるアイディアが色々と考えられるわけです。

初めからデジタル主体でブランドを立ち上げた人たちは、なかなかリアルの体験の場を作るのは得意ではないかもしれません。逆にリアルで情緒的価値を作ってきたブランドは、ストーリーをデジタルで可視化しやすいと感じています。

D2CSUMMIT Makuakeでのプロジェクト一覧
「Makuake」でのプロジェクト一覧

関氏:1つも失敗していないというのはすごいですね。「ばあちゃん食堂の万能まぶし」のようなヒット商品も生まれていますね。

D2CSUMMIT Makuakeで行ったプロジェクトの1つ ばあちゃん食堂の万能まぶし
「Makuake」で行ったプロジェクトの1つ「ばあちゃん食堂の万能まぶし」

ローカルブランドは「小さく産み出して、着実に少しずつ成長する」

村岡氏:大企業やスタートアップとは違う、ローカルブランドならではの戦い方を研究しています。

私たちは、ローカルを「(都会との対比の意味での)田舎」ではなく「そこにしかない価値(を生み出す場所)」と再定義しました。そしてそれは元々SNSと相性が良いはずだったんです。スタートアップの時間軸とは違いますが、自分達のめざす成功はこの方法できっかけを作れます。

関氏:時間軸や資本政策の違いという話がありましたが、ローカルブランドではどのくらいの時間をかけてどれくらいの規模をめざすのでしょうか? 標準的なイメージはありますか?

村岡氏:誤解を招く言い方になるかもしれませんが、目標を持たなくても良いのではないかと思っています。

スタートアップは目標と期限があることが絶対ですが、ローカルブランドはそこと真逆にいます。小さく生み出して着実に少しずつ成長していく、農業のような世界観でビジネスを見ています

たとえば年間2000万円の売り上げというのは、小さい企業にとってはそれなりのヒット商品です。それを20、30と生み出し、総和で戦うという考え方があっても良いのではないでしょうか。

関氏:そういう運営の仕方ができるような、リスクを大きく張らなくても良いビジネスをD2Cモデルで取り組めているということですね。

村岡氏:そうですね。「Makuake」で新商品を売れるようになって、最初の立ち上げもほとんどリスクゼロで戦えるようになりました。「Makuake」は「お金を集めるクラウドファンディング」という考え方ではなく「応援購入」という考え方に変化しています。小さな主体がそこにしかない情緒的な価値を集めて作った新商品を世に問う場として、「応援購入」という考え方はとても相性が良いです。

ローカルプレイヤーのチャレンジを無限に生み出せる

関氏:社会貢献や地方創生という観点で見ると、そういったローカルスターのようなブランドが次々に生まれることで、雇用創出につながっていると思います。雇用創出というのは地方の課題に対して一番大きな成果だと思いますが、他にどのような貢献がありそうでしょうか?

村岡氏チャレンジできる数を無数に増やせることが貢献だと思っています。

D2Cをスタートアップの文脈で捉えてしまうと「市場の競争原理で勝ち残った人こそが起業家」のような風潮があるかもしれない。しかし、小さなチャレンジでもチャレンジそのものが美しいと思います。その背中を押せているのが最大の貢献ではないかと思います。

雇用を産むという観点では、資本が大きい方が当然多くの雇用を生めるのでそこでは敵いません。しかし、成果をスケーラビリティだけに求めず、きちんと0から1を生み出して着実に成長させるということを成果とするならば、そのチャレンジは無限に生み出せます

関氏:スケールすることを目的・目標に置かなくても、D2Cに取り組めますよね。そしてそれを実現するためにローカルには「そこにしかない」という使える資源が色々とあり、うまく活用する方法も提供することで、小さなチャレンジをたくさん生み出すことができているのですね。

D2Cという取り組み自体は、ローカルの中小企業にとって良いものになっていますか?

村岡氏:放っておくと消えてしまうような零細なものづくり企業が生き残っていくための手段としてD2Cはとても有用で必須だと考えています。

いつの間にか父親の代で大手の流通の下請けになっていて、「自分達のオリジナル商品にチャレンジするけれど、どうやって売れば良いかわからない」という企業がほとんどです。

そういう人たちにとって、D2Cという手段・手法を学ぶのは非常に大事なことです。

関氏:企業が生き残るためのツールとして、誰の手にも届くようになったのはD2Cの意義だと言えそうですね。

とはいえ、使いこなすにはまだ少しハードルがあり、そこをコミュニティで支援している「九州アイランド」の取り組みは、ローカルのものづくり企業にとって大変有意義なものになっていますね。本日はお話を聞かせていただきありがとうございました。

にっぽんD2C応援委員会
にっぽんD2C応援委員会

メーカーとユーザーが“仲間”になってブランドを育成。「突っ張り棒」国内トップシェアの平安伸銅工業の竹内社長が語るファンマーケティングとは

3 years 11ヶ月 ago
突っ張り棒の国内トップシェアメーカーの平安伸銅工業が語る「visumo」を活用したファンマーケティング手法とは
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「突っ張り棒」の国内トップシェアを誇る平安伸銅工業。DIYパーツブランド「LABRICO(ラブリコ)」、ライフスタイルブランド「DRAW A LINE(ドローアライン)」を展開し、時代の変化と消費者のニーズに合わせて機能性とデザインを進化させている。そんな平安伸銅工業の扱う商品を、多くの消費者がSNS上にインテリアコーディネート画像として投稿。それを見た他の消費者が共感するというサイクルを生み出すことに成功している。コンテンツの充実化を通じてユーザーとのコミュニケーションを深化、メーカーとユーザーが“仲間”になる場を創出する――。

そんな平安伸銅工業の取り組み、メーカーがダイレクトチャネルやSNSを活用する意義などについて、代表取締役社長の竹内香予子氏、ワクワク制作グループの舟渡史氏、岡本洋輔氏が語る。

1975年の「突っ張り棒」発売以降、時代のニーズに応えた商品を展開

「突っ張り棒」の国内トップシェアメーカーで、家庭用収納用品やDIYパーツなどを開発・販売する平安伸銅工業は、「アイデアと技術で『私らしい暮らし』を世界へ」をビジョンに掲げ、ユーザーが自分らしい暮らしを実現するためのベースとなる商品を提案している。

「突っ張り棒」国内トップシェアメーカーだからといって現状に安住しない。「アイデアと技術で『私らしい暮らし』を世界へ」を体現するための1つが、多様化する消費ニーズへの対応だ。

さまざまなユーザーの「私らしい暮らし」を叶えるため、①「突っ張り棒」・突っ張り棚のブランド②DIYパーツブランド「LABRICO(ラブリコ)」③ライフスタイルブランド「DRAW A LINE(ドローアライン)」――の3ブランドを展開し、幅広い選択肢を提供している。

「LABRICO」は、ホームセンターなどで市販されている木材にパーツを組み合わせることで、自分好みのインテリアが作れる商品群を取りそろえる。「DRAW A LINE」は “1本の線からはじまる新しい暮らし”をコンセプトに、「突っ張り棒」や土台といったミニマルなインテリアと、それらに対応するアクセサリーパーツなどを販売している。

平安伸銅工業 DIYパーツブランド LABRICOの商品ラインナップ
DIYパーツブランド「LABRICO」の商品ラインナップ(画像は「LABRICO」サイトからキャプチャ)

ねじ・くぎを使わずに部屋がアレンジでき、空間を有効活用できる「突っ張り棒」は、1975年の発売以降、多くの消費者に支持されながら成長の一途を辿ってきた。便利な商品がまだ少なかった80年代。都市化が進み、手狭な住環境のなかで効率よく暮らすためにトイレや廊下、押し入れなどのデッドスペースを新しい収納に変える道具として「突っ張り棒」のニーズがさらに拡大した。

その後、生活に便利な道具がそろう時代になり、消費者の個性や憧れのライフスタイルが多様化、利便性や機能性だけでなく外観も含めたニーズが高まった。特にこの10年はSNSの台頭で、消費者が自宅の様子を公開する機会が増えている。

機能的に便利な道具にも、自分のこだわりを反映できるような見た目が重視されるようになったため、平安伸銅工業は雑貨感覚でDIYパーツを選べる「LABRICO」や、空間をシンプルにアレンジできる「DRAW A LINE」を新たに展開。情緒面にも訴えかけるような商品にも幅を広げるようになった。これが、現状に安住せず、多様化する消費者ニーズ、時代の変化に対応するために進める多ブランド化である。

平安伸銅工業 ライフスタイルブランド DREA A LINEの商品ラインナップ
ライフスタイルブランド「DRAW A LINE」の商品ラインナップ
(画像は「DRAW A LINE」サイトからキャプチャ)

誰がどんな目的で「突っ張り棒」を買っているのか? エンドユーザーとのコミュニケーションを開始

平安伸銅工業は竹内氏の祖父が創業。父が2代目社長を務め、2015年に竹内氏が社長に就任した。もともと新聞記者として勤めていた竹内氏は当時、家業を継ぐ意思はなかったという。

しかし、父が体調を崩したことで考えが一変、2010年に平安伸銅工業に入社した。竹内氏は当時をこう振り返る。

自分の好きなことをやらせてもらっていたが、求められているところで自分の役割を発揮する生き方も良いかもしれないと思った。ビジネスの知識はまったくなかったが、縁あって家業を継ぐことになった。

平安伸銅工業 代表取締役社長 竹内香予子氏
平安伸銅工業 代表取締役社長 竹内香予子氏

竹内氏が入社した2010年頃。「突っ張り棒」の販売個数はピーク時と変わらず、小売店からも「『突っ張り棒』なら平安伸銅」と言われるほど業界のなかでは圧倒的な知名度、信頼を得ていた。

だが、状況は一変する。デフレによって価格競争が激化し、以前と比べて販売価格が半分~3分の1にまで下がっていた。このため、マーケットシェアを維持していても売上高がシュリンクする状況にあったという。

本来であれば、まだ競争の少ない新しいジャンルを開拓して、次の柱となる商品で売り上げを支えるサイクルを作るべきだと思うが、国内経済自体がシュリンクするなかで、当社にとっても新しいことにチャレンジする余力がなかった。「突っ張り棒」をしっかり守っていくという、「選択と集中」の道を選んだ。(竹内氏)

竹内氏は入社当時、「『突っ張り棒』は、一般的な金属加工やプラスチック成型を組み合わせれば作れる商品だから、製造設備さえあればどの会社でも真似ができるのではないか」と、製造技術がコモディティ化していることを危惧していた。そのため、実は「突っ張り棒」を守っていくという「選択と集中」にも不安は大きかったという。

それでも「突っ張り棒」やその派生商品は毎年300万本ほどの販売数を売り続けている。「一体誰が、どういった目的で購入しているのか」。こう疑問を抱いていたが、メーカーであるため、どこのホームセンターに何本卸しているかは把握できても、最終的なエンドユーザーについては社内で把握できていなかった。

なぜ平安伸銅工業の商品を購入しているのか、エンドユーザーから直接聞きたい」と考えた竹内氏は、整理収納アドバイザーの資格を取得。整理収納が得意な人がブログなどで収納技を披露するコンテンツが人気を集めていたため、自身もその輪に入って愛用者の声を聞こうと考えた。

これがきっかけとなり、以降の平安伸銅工業は、メーカーでありながらもエンドユーザーを積極的に巻き込んでビジネスを盛り立てていくことになる。

何十年にもわたって愛用者がいるような誇るべき商品を持っていることに気付かされた。それならば、メーカーとして商品の良さをしっかり伝えていかなければならないし、エンドユーザーの方々にもっと発信していただければ、ブランドが埋もれることなく「『突っ張り棒』を買うなら平安伸銅」と指名買いしていただける環境が作れるのではないかと考えた。そう感じた2014年頃から、情報発信やエンドユーザーとのコミュニケーションを設計するようになった。(竹内氏)

エンドユーザーを見ていくと、ねじ・くぎを使わず壁を傷つけない使用方法を生かした上で、より雑貨感覚で家のなかをオシャレにアレンジできる商品が求められていると判明した。

この結果を受け、インテリア性の高さを特徴とする「LABRICO」や「DRAW A LINE」は、ブランド開始当初から“エンドユーザーを巻き込んだ情報発信”を事業戦略の重要な施策に置いている。

自社ECは「メーカーから小売店までのトータルで顧客体験を創造」するため

ECサイトの開設はエンドユーザーとのコミュニケーションの一環。「LABRICO」「DRAW A LINE」のECサイト2店舗を2017年3月に立ち上げ、2018年11月には「平安公式ショップ」の1店舗に統合した。その後、2020年11月にシステムを刷新し、「平安伸銅工業オンラインショップ」で、「突っ張り棒」をはじめ、「LABRICO」「DRAW A LINE」の製品を販売している。

平安伸銅工業 自社ECサイト オンラインショップ
「平安伸銅工業オンラインショップ」(画像は「平安伸銅工業オンラインショップ」サイトからキャプチャ)

卸先との関係を重視するメーカーにとって、自社ECサイトの開設はタブー視されやすい風潮がある。しかし、平安伸銅工業は「メーカーから小売店までがトータルで顧客体験を創造する場」という戦略のもと自社ECによるダイレクト販売のチャネルを運営している。

顧客体験を創造する上で、メーカー自らがエンドユーザーに商品をしっかりと説明できる場所、つまり“情報発信”は重要であり、商品について確認できる場所があるからこそ小売店や他のショッピングサイトでの販売にもつながっていくという考えがある。

ファンマーケティングの活発化を実現した「visumo」活用

平安伸銅工業はここ数年、メーカーからの情報提供に力を入れてきたが、メーカーから発信するコーディネート画像だけではどうしても生活感のリアリティを出し切れていないという課題を抱えていた。

そのとき、販売するDIYパーツを暮らしのなかでさまざまな使い方をして、商品の特性が十分に伝わる魅力的なコンテンツがSNS上に多く投稿されていることに気付いた。それらを伝えることができれば、他の消費者からもより強い共感を引き出せるのではないか――。

こう考えた平安伸銅工業は2022年1月、ユーザーのインスタグラム投稿をオウンドメディアに活用できるツール「visumo」を「LABRICO」の公式ブランドサイトに導入した。

DIYは作ったものを見せたい。「visumo」と商品の親和性の高さを実感

平安伸銅工業は「visumo」を用いて「LABRICO」のブランドサイトにユーザーのインスタグラム画像を掲載。商品のさまざまな使い方を紹介できる効果的なコンテンツとなっているほか、それらの画像が自社ECサイトへの導線となる役割も果たしている

また、「visumo」の(二次利用の)申請機能によってエンドユーザーとの接点が多く持てるようになり、メーカーである平安伸銅工業にとってユーザーからの貴重な意見が得られるツールとしても大いに貢献しているようだ。

平安伸銅工業 LABRICOに掲載しているInstagramユーザーの使用例
「LABRICO」に掲載しているInstagramユーザーの使用例(画像は「LABRICO」サイトからキャプチャ)

これまではInstagramをうまく活用できていないという課題があったが、「visumo」を導入したことで活用が進んでいる。社内でも、エンドユーザーのコンテンツを探す習慣が以前にも増して身についたと思う。

ブランド公式から直接「画像を使わせてください」と打診すると皆さんからとても喜んでいただけることも実感しており、今後ももっとエンドユーザーとの接点を作り続けていかなければいけない。(ワクワク制作グループ 岡本洋輔氏)

平安伸銅工業 ワクワク制作グループ 岡本洋輔氏
平安伸銅工業 ワクワク制作グループ 岡本洋輔氏

また、竹内氏は「visumo」と「LABRICO」の親和性の高さも評価している。

DIYは「自分で作る」「自分でアレンジする」という工程があるので、「使い方を調べたい」という購入前のユーザーのニーズだけでなく、「作ったものを誰かに見せたい」という購入後のユーザーの思いも強い。そのため、「LABRICO」は多くのユーザーが発信してくれている。そうした発信をブランドが探し、ユーザーとコミュニケーションを取ると喜んでいただけるし、「visumo」を介して紹介したコンテンツを見た他のユーザーが「私も使ってみたい」と思ってくださるので、とても良い循環が創出できていると思う。(竹内氏)

ユーザーと「仲間」になり、一緒にブランドを盛り立てる関係性を築く

SNSの台頭により、ここ数年でファンマーケティングやアンバサダーマーケティングの成功事例が多く見られるようになった。ブランドとユーザー間のコミュニケーションや、ユーザー同士のコミュニケーションを活発化させる上で、竹内氏は「(ユーザーと)仲間になってしっかりとコミュニティを作り、一緒にブランドを盛り立ててくれる関係性を構築することが理想」と語る。

単にインフルエンサーを集めて商品の良さを一方的に発信する手法では、エンドユーザーが信頼を持ちにくい状況になっている。だからこそ、“仲間”になってブランドを応援したくなる状態を作り上げていくことが大事だと言う。

平安伸銅工業は、DIYについて語り合うSNS上のサークルや、「つっぱり棒研究所」というコミュニティを立ち上げるなど、積極的にユーザーを“仲間”にしていくための活動に励んでいる。

「つっぱり棒研究所」では、YouTubeチャンネルやSNSで「突っ張り棒」に関する情報を発信しているほか、「突っ張り棒」の正しい使い方や活用術の認定制度「つっぱり棒マスター」を設置。認定を取得したユーザーと共同で、「突っ張り棒」の使用シーンを紹介する動画を制作し、コンテンツの充実化にもつなげている。

「突っ張り棒」の活用方法などを紹介している「つっぱり棒研究所チャンネル」

こうした地道な取り組みにより、商品を長く愛用してもらい、他の消費者にも勧めてもらえるような“仲間”関係が築き上げられているようだ。

現在、平安伸銅工業の公式SNSアカウントにはユーザーから日々多くの投稿が寄せられており、双方向のコミュニケーションが活発化したことでファンマーケティングが着実に進展している。

「メーカーとユーザー」という垣根をなくしていきたい

ユーザー発信の情報は、企業側が作ろうと思って簡単に作れるものではない。しかし、商品企画やユーザーへの積極的なアプローチなど、企業側からの働きかけでユーザーが情報を発信したくなるような状況は作り出せると竹内氏は捉えている。

UGC(ユーザー生成コンテンツ)は大きな財産だ。ユーザー自身が商品・サービスを「良かった」と思って発信してくださっているので、他の消費者からすると信頼性の高い情報として受け取られやすく、ポジティブな情報においては特に影響が大きくなる

ユーザーが積極的に情報を発信してくださって、コンテンツがどんどん蓄積していくようなサイクルを磨き上げていくことが、当社の大事な目標の1つになっている。(竹内氏)

ユーザーをファン化し、ファンとメーカーが1つのコミュニティとなってブランドを育てる状態を作り上げている平安伸銅工業。こうした取り組みが進んでいくと、今後はファン同士がつながれる媒介のような役割がメーカーに求められ、ファン同士の情報交換がますます活発化していくと予測している。

今までのメーカーとユーザーの関係性は、たとえるならメーカーが主でユーザーが従のような縦の関係にあったと思うが、当社は今後、この垣根をなくしていきたいと考えている。良い点も悪い点も含めてフィードバックいただけることでブランドは育っていき、提供価値が高められる。だからこそ、当社のコミュニティは「上下関係がまったくなく、みんながファン」という、意見しやすい状態をめざしている。(ワクワク制作グループ グループリーダー 舟渡史氏)

平安伸銅工業 ワクワク制作グループ グループリーダー 舟渡史氏
平安伸銅工業 ワクワク制作グループ グループリーダー 舟渡史氏

ユーザーを見れば、やるべきことがおのずと見えてくる

一昔前までは、卸先を持つメーカーがエンドユーザーと直接つながれる機会は少なく、マス広告を打てる大手メーカーでなければブランドが広く認知されることも、指名買いしてもらうことも難しかった。

だが今は、SNSを活用してユーザーの意見を聞いたり、ユーザーとのコミュニティを構築したりと、メーカーでも多くの顧客接点が持てる上、ユーザーの声が他の消費者の購買にも大きく影響する時代になっている。

そのなかで、平安伸銅工業は卸先への営業活動と並行して、エンドユーザーとの関係性づくりにもビジネスの軸を置くようになった。

SNSを活用してメーカーの立場から顧客体験を向上させる取り組みに励み、ファンマーケティングを推し進める竹内氏は、最後にこう締めくくった。

メーカーは立場上、流通の過程でさまざまなステークホルダーがいるため、エンドユーザーのことを忘れがちかもしれない。しかし、実際にエンドユーザーとの接点を持っていくと、これからの時代は「ユーザーを見る」ことがいかに重要か実感するユーザーを見れば、おのずとやるべきことも見えてきて、それが結果的には中間流通業者や小売店への貢献にもつながっていくだろう。

エンドユーザーを理解するツールとしても、SNSの活用はとても有効だ。自社の改善点を知る上でも役立つのはもちろん、自分たちが思っている以上の自社の価値を発見することもできるからだ。(竹内氏)

平安伸銅工業 代表取締役社長 竹内香予子氏

◆「visumo」とは

ブランディングや商品訴求を強化するビジュアルデータを一元管理できるビジュアルマーケティングプラットフォーム。スマートフォンの普及やネットワークインフラの発展により、文字のコンテンツだけでなく画像や動画などの“見る”リッチコンテンツがマーケティングに有効に働くようになったなか、2017年のサービス開始以降、国内で400社超が導入している。

Instagram上に投稿されたコンテンツをサイトに掲載する場合、投稿したユーザーから二次利用の許可を得る必要があるため時間と労力がかかってしまう。その点、「visumo」の申請機能を使えば申請作業がシステム上で管理できるため作業が大幅に軽減できる。また、インスタグラム上の画像とECサイトの商品詳細ページを関連付けてサイトに画像を掲載することも可能となる。

「visumo」が提供する主な4つの機能は以下の通り。

  1. Instagram上の投稿写真や動画を活用する「visumo social
    Instagram上の写真や動画をECサイト、オウンドメディアに活用できる機能。
  2. ECサイトの動画コマースを推進する「visumo video
    YouTubeやIGTVなどで活用している動画データを、最適な容量に圧縮、自社サイトやオウンドメディアなどでストリーミング配信できる機能。
  3. アンバサダーやスタッフが投稿できる専用ツール「visumo snap
    アンバサダーやスタッフが投稿できる機能。アンバサダーやスタッフが撮影したコンテンツをECサイトに投稿できる。
  4. ノーコードで商品ページを充実させる次世代CMS「visumo comment
    スタッフやアンバサダーの撮影コンテンツ、接客コメントなどがECサイトに掲載できる機能。
visumo Instagram ビジュアルマーケティングプラットフォーム
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朝比美帆
朝比美帆
確認済み
26 分 ago
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