ネットショップ担当者フォーラム

北の達人の木下社長が語る「利益を生みだす一流のマーケッター」になる方法。Webマーケの成果を最大化するノウハウを解説 | 「D2Cの会」が解説、D2Cビジネス成功の秘訣

3 years 6ヶ月 ago
【前編】に続き、北の達人コーポレーションの代表取締役社長・木下勝寿氏が、Webマーケティング成功の秘訣を解説する

北の達人コーポレーションの木下勝寿社長が、売れるネット広告社主宰の「D2Cの会」に登壇し、一代で東証プライム上場を実現した木下氏が実践する「ファンダメンタルズ ×テクニカル マーケティング」の秘訣を解説した。今までにない成果を生み出す「ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング」について、踏み込んだノウハウをお伝えする。

ファンダメンタルズマーケティングを可能にする「4段階セールスコピー」

前編において、クリエイティブ制作ではいきなり広告表現を考えるのではなく、まず「誰に」「何を」伝えるのかを確定させなければならないことをお伝えした。

北の達人コーポレーション 代表取締役社長の木下勝寿氏
北の達人コーポレーション 代表取締役社長の木下勝寿氏

すなわち、「誰に(どのようなターゲットに向けて)」「何を(どのようなUSPを)」伝えるのかが確定して、初めて「どのように」伝えるのかを考える段階に入っていくのだ。この時に有効なのが「4段階セールスコピー」である。

4段階分けの例【薄毛対策の育毛剤】
  • 第1段階(大分類)
    • まずは、薄毛対策をする消費者の選択肢を分類する(「サロンなどに通う」「自宅でケアする」など)。サロンに通うデメリットとして、「通うのが面倒くさい」「押し売りの可能性」があげられる。一方、自宅でケアするメリットには「自分のペースでできる」「いつでもやめられる」などがある。
  • 第2段階(中分類)
    • 上記のメリットを踏まえ、「自宅でケアする」を起点として中分類に入る。自宅でケアする場合の選択肢として「サプリメント」「育毛剤」がある。サプリメントの場合「成分が届いてほしいところに届くかわからない」というデメリットがあり、育毛剤の場合は「直接患部に届く」のがメリットだ。
  • 第3段階(小分類)
    • さらに、「育毛剤」を起点として選択肢を考えると、「サラサラしたテクスチャーのもの」、「ベトベトしたテクスチャーのもの」がある。サラサラした育毛剤は「浸透する前にポタポタ落ちてくる」可能性があるが、ベトベトした育毛剤は「患部に塗った後、長時間残りじっくり浸透する」というメリットがある。
      ただし、ベトベトした育毛剤は「塗った後、髪型に影響を与えてしまう」というデメリットもある。自社がどのような商品を扱っているかによって、競合商品のデメリットと自社商品のメリットを考える必要がある。
  • 第4段階(商品分類)
    • 「ベトベトした育毛剤のほうがいい」という結論になった場合、自社商品をベトベトしたテクスチャーの他社の育毛剤と比較していく。
木下氏は4つの段階を経たセールスコピーを提唱している

上記の流れをコピーにすると、次のようなテキストに落とし込むことができる。

「4段階セールスコピー」の例【薄毛対策の育毛剤】
  • 第1段(大分類)
    • 【例】「薄毛対策は長期で取り組むものだから、通うのは大変ですよね。自宅で無理なく続けたいですよね」
  • 第2段階(中分類)
    • 【例】「自宅でケアするならサプリメントと育毛剤がありますが、成分がどこに届くかわからないサプリメントよりも患部に直接届く育毛剤がおすすめです」
  • 第3段階(小分類)
    • 【例】「育毛剤の液体はサラサラしたタイプとベトベトタイプがあります。サラサラタイプは浸透前にボタボタ落ちますが、ベトベトタイプはしっかり患部に届きますよ」
  • 第4段階(商品分類)
    • 【例】「ベトベトした液体タイプの育毛剤ならこれです!」。

競合の商品を1つひとつあげてつぶしていくのは大変だが、このようにグループでほかの選択肢をつぶしていくことによって、効果的にセールスコピーを作成することができる。

「2次クリエイティブ」を作れてこそマーケター

「ファンダメンタルズマーケティング」のクリエイティブを制作する際は、まずフィールド情報が必要となる。「フィールド情報」とは、ユーザー情報、商品情報(成分など)、競合情報(メソッド競合、プロダクト競合、他社のクリエイティブなど)などを指す。

「フィールド情報」をもとに「オリエン情報」を抽出し、クリエイティブに生かしていく
「フィールド情報」をもとに「オリエン情報」を抽出し、クリエイティブに生かしていく

このフィールド情報をもとに「オリエン情報」が作られる。「オリエン情報」は、メーカーから代理店や制作会社に渡す情報、あるいは自社で商品企画をしている企業の場合は、クリエイティブチームに渡す情報だ。

たとえば、ユーザーにインタビューした生の情報が「フィールド情報」であり、インタビューした内容をまとめて紙や動画にした情報が「オリエン情報」となる。

フィールド情報の情報量が「1000」だとすると、オリエン情報は「100」まで絞られる。オリエン情報をもとに最初に作られるクリエイティブを「1次クリエイティブ」と呼ぶ。「誰に、何を、どう伝えるか」の部分である。ここでの情報量は「10」までそぎ落とされる。

  • 1次クリエイティブ・リライト

クリエイティブが疲弊(ひへい)してきたときや、新しい媒体に広告を出す際に制作する。文章を多少変える程度なので、情報量は変わらない。

  • 1次クリエイティブ・ブラッシュアップ

他社の類似商品を見て、他社を参考にしながらブラッシュアップする。

  • 1.5次クリエイティブ

オリエン情報に戻って、再度ゼロから再構成する。

  • 2次クリエイティブ

フィールド情報に戻って制作する。ゼロからユーザーインタビューをする、成分を1つひとつ確認するなど、商品の企画までさかのぼる。

北の達人コーポレーションでは、2次クリエイティブを作れる人が「マーケター」で、それ以外を「クリエイター」と定義しているそうだ。

広告を出稿しているとクリエイティブの疲弊が起きてくる。チューニングして延命しても「これ以上伸びない」という状態になったときに、「この商品はもうダメだ」と思うのか、2次クリエイティブを作るのかによって商品の寿命が変わってくる。

自動車で例えると、これまではビジュアル面を売りにしていましたが、実は「加速性も強み」だという場合、加速性を訴求するクリエイティブを作り直すことで、息を吹き返させるのがマーケターの仕事なのです。(木下氏)

北の達人コーポレーション 代表取締役社長 木下勝寿氏

正しいA/Bテストのあり方とは?

ここからはテクニカルマーケティングの領域に入っていく。まず、A/Bテストをする際は、「何」と「どう」のレイヤーを意識するべきだという。

フリースを例に考えてみよう。フリースの特徴が「軽さ」と「暖かさ」だとして、どちらをメインの訴求にするかをテストすることが「何」のレイヤーのA/Bテストになる。

具体的には次のようになる。

「着ていることを忘れさせる軽さ」VS「季節を勘違いしてしまうほどの暖かさ」

このテストの結果、「着ていることを忘れさせる軽さ」がよりクリックされた場合、軽さを訴求した方がよいということがわかるので、次に「どう」伝えていくのかのレイヤーに入っていく。

たとえば次のようなコピーが考えられる。

「着ていることを忘れさせる軽さ」VS「奇跡の200g、スマホ1 個分の軽さ」

ここで「奇跡の200g、スマホ1 個分の軽さ」VS「季節を勘違いしてしまうほどの暖かさ」としてしまうと、レイヤーのずれたA/Bテストになってしまうので、注意が必要だ。

比較レイヤーのずれたA/Bテストでは正しい検証ができないため、注意が必要だ
比較レイヤーのずれたA/Bテストでは正しい検証ができないため、注意が必要だ

売上最大化と利益最大化は違う

D2Cビジネスは、すべて1円単位で数字を細かく計算できるビジネスである。

きっちり計算すれば確実に利益が出るので、利益を出すための計算式が大事になってきます。(木下氏)

木下氏が提唱する“利益を出すための計算式”
木下氏が提唱する“利益を出すための計算式”

D2Cにおける利益は、顧客1人あたりの利益(LTV-CPO)× 顧客獲得数である。ここのバランスを最高値になるようにすることが重要だ。

仮にLTVが1万円で、CPOを6000円、7000円、8000円とすると、1人あたりの利益はそれぞれ4000円、3000円、2000円となる。

CPOが高ければ獲得件数は多くなるので、顧客獲得件数はそれぞれ1000件、1500件、1800件とする。LTVに顧客獲得件数を掛けると、売り上げはそれぞれ1000万円、1500万円、1800万円になる。

多くの人は、顧客1人あたりの利益が黒字であれば、売り上げを最大化すれば利益が最大化すると考える。ただ、全体利益でみるとそうではないケースがある。

木下氏は売り上げではなく利益の最大化を狙うことをすすめている
木下氏は売り上げではなく利益の最大化を狙うことをすすめている

「全体利益」とは1人当たりの利益×獲得件数だ。CPOが7000円の場合、全体利益は3000円×1500件で450万円、CPOが8000円の場合、2000円×1800件で360万円となる。

売り上げが大きいのは後者だが、利益が大きいのは前者である。「売上最大化と利益最大化は違う」ということがわかるだろう。

広告運用をする際は、CPOを上げれば上げるほど獲得件数が増えていく。ただ、CPOを上げることによって利益の減少が起きるので、この計算をきっちりしていないと獲得件数は増えても利益が減るという事態になってしまう。

 売り上げを下げても利益を最大化する方法とは?

北の達人コーポレーションでは、「売り上げ」よりも「利益」の最大化に注力している。それを下支えしているのが「売り上げ最小化、利益最大化の法則」である。

たとえば、年間LTV1万1000円、上限CPO1万円、年間目標利益1000円の案件があったとする。1000万円の広告費をかけて1000件の顧客を獲得した場合、CPOは1万円となる。年間売上は1100万円、年間利益は100万円、利益率は9%だ。

ここで、広告の内訳をキャンペーン単位、もしくは広告原稿単位で詳しく見ていこう。

広告Aは300万円、広告Bは100万円、広告Cは600万円で、計1000万円の広告費をかけていたとする。獲得件数はそれぞれ375件、125件、500件で合計1000件であった。CPOで見ると、それぞれ8000円、8000円、1万2000円となる。

広告全体の平均CPOは1万円だったが、CPO1万2000円の広告Cは上限CPOを超えており、1年で見ると赤字であることがわかる。

この広告Cを止めると、売り上げ550万円、利益150万円、利益率27%となり、売り上げは半減するが、利益は1.5倍、利益率は3倍になる。これが「売り上げ最小化、利益最大化の法則」が意味するところだ。

CPOの上限を超えている広告をあぶり出し、利益の最大化につなげていく
CPOの上限を超えている広告をあぶり出し、利益の最大化につなげていく

通販・D2Cビジネスは、広告さえ出せば売上は絶対に上がるが、どうやって利益を出していくかが重要になってくる。

北の達人コーポレーションでは、運用している広告に対し、デイリーでCPOを計算し、上限CPOを超えているキャンペーンを停止し、採算が合っている広告しか回らないような仕組みにしている。

ストップした広告は、CPO、CVR、CPCなどの数字を見て、広告原稿や出稿条件などをチューニングして再出稿。採算が取れている広告のみを残すようにしている。

近年は、広告出稿量が増加してCPOが高騰する中、採算の合わない広告を出している事業者が多い。1社1社がWebマーケティングのスキルを上げて、採算の合わないムダな広告を出さなくなると、事業者の利益が増える。

無駄な広告がなくなり、ユーザーにとってWebメディアが使いやすくなると、メディアの視聴時間が増えて広告枠が増える。メディアの売り上げも上がる。

無駄な広告をなくすことによって、広告主・ユーザー・メディアのハッピーなトライアングルが完成すると考えています。1社1社のスキルアップがデジタルメディアの世界を変えていくのです。(木下氏)

北の達人コーポレーション 代表取締役社長 木下勝寿氏

次回の「D2Cの会 フォーラム」は、2023年6月15日の開催を予定している。

店舗を運営する知っておくべき「MEO」とは? SEOやローカルSEOとの違い、重要性などMEOの基礎を徹底解説 | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム

3 years 6ヶ月 ago
「MEOの意味は?何の略?」「MEOとSEOの違いは?」「MEOの重要性は?注目されている3つの理由」を解説します

MEOとは、Googleに載っているお店・施設の情報を充実させることで、Google上での露出増加(上位表示)、集客・売上向上を目指す取り組みのことを指します。「MEO対策」とも呼ばれます。

GoogleマップやGoogle検索が「お店探し」に利用されるようになった現在、MEOは飲食店や小売店、観光施設などをはじめとした実店舗における集客施策として注目され始めています。

そこで本記事では、MEOの意味、MEOとSEOの違い、MEOの重要性などについて詳しく解説します。

MEOとは?SEOとの違いや重要性をわかりやすく解説
▲MEOとは?SEOとの違いや重要性をわかりやすく解説:編集部作成

MEOの意味は?何の略?

MEOとは、Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)の略で、日本語に直すと「Googleマップの検索エンジンに向けて最適化する」という意味になります。

しかし、これでは「最適化とはなんなのか?」と疑問に思ってしまいますよね。結局何を意味しているのか、よくわかりません。

では「最適化」とはなんなのかというと、

  • Google上のお店・施設の情報を充実させる
  • GoogleマップやGoogle検索で検索された際に、できるだけ多く表示させる(上位表示)
  • 表示された際に、来店したくなるような情報を伝えることで集客・売上向上につなげる

といった取り組み、施策内容のことを指して言われることが多いようです。

わかりやすく図にすると、以下のようになります。

MEOとは?
▲MEOとは?:編集部作成

まとめると、

MEOとは、Googleに載っているお店・施設を充実させることで、GoogleマップやGoogle検索での露出増加(上位表示)、集客・売上向上を目指す取り組み

だと言えるでしょう。

2023年3月現在では、一般的な知名度は低い状況ですが、Webマーケティングや実店舗の集客に詳しい人たちの間では、徐々に浸透してきている言葉です。

ここまでのポイント

MEOは、Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)の略。

Googleに載っているお店・施設の情報を充実させることで、Google上での露出増加(上位表示)、集客・売上向上を目指す取り組みのこと。

MEO=上位表示?MEOの本質とは

MEOは「Googleマップで上位表示を目指す」取り組みであると定義されることも多いのですが、この定義にはいくつかの問題があります。

まず、Googleマップでは、必ずしも「1位が選ばれやすい」というわけではありません。必ず2位や3位以降と”比較”された上で選ばれるので、「1位に上がったから集客力が上がる」というものではないのです。上位に表示されるだけではなく、表示された後に選ばれるようにするための工夫も、施策として必要になります。

また、1位になったとしても、そのキーワードが全く検索されていないものだったら、集客にはつながりません。検索される頻度が多く、かつ店舗に合ったキーワードで表示されることが重要です。

さらに、検索結果は「どこから検索されたか(距離)」や「時間帯」などによっても細かく変わります。

例えば、あるラーメン屋の店主が、休憩時間中に店内で「ラーメン」と検索した際、自分の飲食店が1位になっていたとしましょう。つい喜んでしまうと思いますが、検索結果には「距離」が影響するので、自分のお店のそばで検索した際に上位に表示されるのは当たり前といえば当たり前なのです。もしかしたら、駅前で検索されたときには表示されていないかもしれませんよね。

このように、いつ・どこで検索した際に上位表示されたのかによっては、全く役に立たない指標となってしまう可能性もあるのです。

ここまでのポイント

Googleマップでは、必ずしも「1位が選ばれやすい」というわけではない。

1位になったとしても、そのキーワードが全く検索されていないものだったら、集客にはつながらない。

いつ・どこで検索した際に上位表示されたのかによっては、全く役に立たない指標となってしまう可能性もある。

以上の理由から、「MEO=上位表示(順位さえ上がればよい)」という考えで、順位だけを調べて「上がった」「下がった」と一喜一憂するのは、本質的ではないと言えます。

ただし、ここまで「上位表示を目指すという考え方=悪」のように述べてきてしまいましたが、「上位表示」を目指すことが完全に悪手というわけでもありません。例えば、「店舗から近い最寄り駅で、多く検索されているであろうキーワードで検索した際、以前は全く表示されていなかったのに1位に上がった」としたら、集客力は上がる可能性が高くなりますよね。

いずれにせよ最終的な目的は「集客・売上の向上」のはずなので、それにつながる取り組みであることが重要だと言えます。

ここまでのポイント

「MEO=上位表示」ではない。

最終的な目的は「集客・売上の向上」なので、それにつながる取り組みであることが重要。

MEOの由来は?海外では通じない!?

MEOという言葉は、「SEO」から来ています。

SEOとは、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略で、日本語に直すと「Google検索の検索エンジンに向けて最適化する」という意味になります。こちらはMEOよりももっと以前から使われている言葉ですので、知っているという方も多いでしょう。

MEOは、この「SEO(Search Engine Optimization)」の「S(Search)」を「M(Map)」に置き換えてできた言葉です。

ちなみに、SEOは海外でも使われている言葉ですが、実はMEOは日本で作られた言葉(和製英語)ですので、海外では通じません。

海外では「Local SEO(ローカルSEO」という言葉が似たような文脈で使われています(詳細は後述します)。日本でも「ローカルSEO」という言葉を使う人もいますが、MEOの方が比較的知名度が高いと思われます。

ここまでのポイント

MEOは、「SEO(Search Engine Optimization)」の「S(Search)」を「M(Map)」に置き換えてできた言葉。

海外では「Local SEO(ローカルSEO」という言葉が似た意味で使われている。

MEOとSEOの違いは?

MEOとSEOの大きな違いは「Googleマップ」に向けた施策であるか、「Google検索」に向けた施策であるかという点です。

ただし、Google検索上にもGoogleマップ上の情報が表示されることがあるので、「MEOはGoogleマップ"だけ"に向けた施策である」というのは正確ではありません。

この関係性を正確に理解するために知っておきたいのが、「ローカル検索」という概念です。例えばGoogle検索で「レストラン」などと検索してみると、複数のお店の情報と地図が上部に表示されます。このような、ある地域に位置する施設の情報を検索することを、ローカルな情報を検索するという意味で「ローカル検索」といいます。

ローカル検索とは
▲ローカル検索とは:編集部作成

Googleはこの「ローカル検索」に最適な情報としてお店の情報や地図を表示していて、この情報枠には、Googleマップ上の情報とほぼ同じものが掲載されているというわけです。

そこで、MEOは「Googleのローカル検索」、SEOはそれ以外の通常の検索に向けた施策だと定義できます。

他に、実施する施策もMEOとSEOでは異なります。MEOでは、Googleマップ上の施設情報管理ツール「Googleビジネスプロフィール」を中心に施策を行っていくのに対し、SEOでは公式のHP(ホームページ / Webサイト)などを活用した施策を行っていくという点で異なります。

さらに、MEOはGoogleマップ上で集客できる(Googleビジネスプロフィールが使える)ビジネスでないと実施できませんので、SEOよりも施策として採用できるかどうかが限られる、というのも違いの一つです。

例えば賃貸物件などはGoogleビジネスプロフィールに登録できません。また、SEOではブログを活用して収益化する、いわゆるアフィリエイトのような収益化方法がありますが、MEOではなかなかそうした収益化の方法はなく、基本的に実店舗や何らかの施設を持っている、または管理・運営に関わっている方が実施する施策です(※一部、デリバリーや訪問型サービスなどは「非店舗型」ビジネスとしてマップ上に登録できます)。

また、先述した通り、Googleマップでは必ず2位や3位以降と”比較”された上で選ばれるので、MEOでは「1位に上がったから集客力が上がる」というものではありませんが、SEOでは基本的に上に表示されていればいるほどクリックされやすい傾向にあります(これが、MEOで「上位表示」が最重要であると勘違いされやすい原因の一つでもあります)。

ここまでのポイント

MEOは「Googleのローカル検索」、SEOは通常の検索に向けた施策。

MEOはGoogleビジネスプロフィールを中心に活用する、SEOは公式のHPを中心に活用する。

MEOでは「1位に上がったから集客力が上がる」わけではないが、SEOでは上位の方がクリックされやすい。

MEOとSEOの共通点

一方で、MEOとSEOには、共通点もあります。

実はMEOという言葉に使われている「Map Engine」(Googleマップ固有のエンジン)というのは、存在しません。Googleマップも、Google検索と同じ検索エンジンで動いています。

SEOもMEOも、同じGoogleの検索エンジンに最適化し、ユーザーに見てもらうための施策ですので、方法は違っても根本的な考え方は似ていたりします。

例えばGoogle検索では、検索ユーザーのことを考えず、検索エンジンに当たるためだけにキーワードを並べたり、同じコンテンツを大量に生成したりする行為はスパムとして判定されますが、これはGoogleマップでも同じです。

以上のようなMEOとSEOの違い・共通点を押さえて、施策に活かしていきましょう。

ここまでのポイント

GoogleマップもGoogle検索も、検索エンジンは同じ。施策の考え方は一部似ているところがある。

MEOとローカルSEOの違いは?

先述した通りMEOが日本国内で生まれ、日本でしか使われていない言葉であるのに対し、Local SEO(ローカルSEOは海外で生まれた言葉です。先ほど言及した、「ローカル検索」に最適化する手法という意味合いで使われます。

MEOは基本的にGoogleマップを対象とした施策ですが、ローカルSEOに関してはApple Mapsのような他の地図サービスや、ローカル情報のポータルサイトなども対象としている場合があるようです。

とはいえ、地図アプリの中でのGoogleマップ、検索エンジンの中でのGoogle検索のシェアは圧倒的で、海外のLocal SEO(ローカルSEOもやはりGoogleを中心としたものになっていることが多くなっています。

ちなみにMEOについても、Apple Maps、Yahoo!マップなどの地図全てを対象にする場合や、Googleマップの表示順位等に影響のある施策であってもGoogleビジネスプロフィール以外の施策は対象としない場合があるなど、語る人によって定義が分かれることがあります。

そのため、MEOとローカルSEOの違いについても「MEO≒ローカルSEO」「MEOはGoogleマップだけ、ローカルSEOはほかのサービスも含む」「MEOもローカルSEOもGoogle以外を対象とする場合がある」など、定義はさまざまとなっています。

ここまでのポイント

Local SEO(ローカルSEOは海外で生まれた言葉。

Apple Mapsのような他の地図サービスや、ローカル情報のポータルサイトなども対象としている場合がある。

ただしGoogleが圧倒的な利用率を占めることから、海外のLocal SEO(ローカルSEOもやはりGoogleを中心としたものになっていることが多くなっている。

MEOの重要性は?注目されている3つの理由

MEOが注目され始めている3つの理由を解説します。

1. 多くの人がGoogleマップを「お店探し」に使っている

Googleは、2015年ごろから「近くの〇〇検索」CMを定期的に公開しています。GoogleマップやGoogle検索を「お店探し」に使ってもらえるよう、Google側でもブランディングを進めていたことがわかります。

その使いやすさや、情報の網羅性を背景に、Googleは日本でのシェアを拡大。現在も検索エンジン、地図アプリともに日本国内のシェア率1位を誇っています。

地図アプリ 月間利用者数 Googleマップ 4,717万人で1位
▲地図アプリ月間利用者数はGoogleマップが4,717万人で1位:ニールセン デジタルコンテンツ視聴率 地図・旅行情報カテゴリ 2020年
直近 Google検索利用率 約77% statcounter
▲日本における直近のGoogle検索利用率は約77%:statcounter 2022.2-2023.2

そこで、多くの人がお店を探すのに使っているGoogleマップを集客に活用するという取り組みが、店舗の集客として注目され始めたのです。全く見られていない場所で宣伝をするよりも、はるかに効率的な集客ができるというわけです。

また、GoogleマップやGoogle検索は世界的にも使われています。世界のアプリダウンロード数ランキングでは、2021年に旅行系アプリで最も多くダウンロードされたのがGoogleマップで、約1億600万ダウンロードでした。またstatcounterによると、検索エンジンにおけるGoogle検索のシェアは約90%です。

そのため、MEOはインバウンド対策としても有効です。しかも、Googleでは多くの情報が自動で翻訳されるので、国内向けの対策の一部はそのままインバウンド対策としても機能します。

一方で、公式HPやSNSの対策に比べて、Googleマップ向けの対策がどれだけ効果的なのかと疑問に思われる方もいるでしょう。

実は、Twitterの月間利用者数は4,500万人、Instagramの月間利用者数は3,300万人。(調査元が違うため単純比較はできないものの)Googleマップの方が月間利用者数が多いのです。しかも、SNSよりも「お店探し」に使われる割合は高いはず。SNSのように"バズって"広がっていくようなことはないものの、Googleマップのほうが手堅い集客には役立ってくれます。

では、HPと比べたときの効果はどうでしょうか。

これについて、ある有名飲食チェーン店のデータを確認したところ、Googleマップ(ローカル検索)の閲覧数がHPの閲覧数の3倍となっていました。有名チェーンのしっかりと整備されたHPですら、Googleマップに勝てないのです。そして中小規模の店舗になるとさらにこの差は大きく、最大40倍になっている店舗もありました。*

今や「MEOは、SEOよりも重要」になっているのです。

SEO MEO 重要性 閲覧数 インサイト
▲Googleマップの閲覧数はHPの閲覧数の3倍に:編集部作成

* movクライアント実績データ。Googleマップの閲覧数は、Googleビジネスプロフィールの旧インサイト「検索数」より。HPの閲覧数はGoogleアナリティクスより

<データ参照>

2. 簡単に始められて、操作も比較的簡単なので続けやすい

MEOとHPでの集客を、違った視点から比べてみましょう。

HPでは、記事の投稿はもちろん、お店の方が簡単に投稿できるような仕組み(「CMS」と呼ばれたりします)の更新なども必要になります。

SEOやシステムの更新、記事の投稿などを専門家に依頼するとなると、相当な費用がかかる可能性があります。

一方で、GoogleビジネスプロフィールはGoogleがシステムを更新してくれますので、お金を払ったり、こちらでシステムを更新したりする必要はありません。

さらにアクセス解析をしたい場合、HPの場合は「Googleアナリティクス」と呼ばれる分析ツールなどと連携しなければならず、ハードルが高くなっています。

一方で、Googleビジネスプロフィールでは「パフォーマンスレポート(旧:インサイト)」という機能があり、連携などしなくても自動でデータを表示してくれます。HPよりは簡単に操作できるので、ウェブ初心者でも比較的始めやすく、継続的に使っていけるでしょう。

もちろんHPも店舗集客には非常に重要で、MEOでもHPでの施策が影響してきますので、MEOをやっていれば、他の施策は全くやらなくていいというわけではありません。

ですが、多くの人がお店探しに使っているGoogleマップに向けた取り組みを全く行わず、HPだけ更新しているという状況なのであれば、「簡単にできるのに、もったいない!」と言えます。まずは登録し、情報を更新するところからやってみましょう。

3. 無料で始められる

Googleビジネスプロフィールの利用は、2023年3月時点では無料です。

無料で・簡単に・大きな集客効果が期待できるのですから、もはや"やらない手はない"と言えるでしょう。

一方で、管理する施設が多いと、Googleビジネスプロフィールの機能だけでは手間がかかりすぎてしまう場合もあります。

例えば、Googleビジネスプロフィールでは複数の施設に一括で投稿する機能がありません。基本的に管理画面が分かれていますので、営業時間を更新したり、情報をチェックしたりするにも手間がかかります。

そういった場合は、有料にはなりますが、一括で管理できるツールの導入を検討すると良いでしょう。

ここまでのポイント

1. 多くの人がGoogleマップを「お店探し」に使っているので、MEOを実施すれば効率的な集客ができる。

2. 簡単に始められて、操作も比較的簡単なので続けやすい。

3. MEOは無料で始められる。

この記事を書いた「口コミラボ」さんについて

「口コミラボ」は、様々な地図アプリ・口コミサイトの監視、運用、分析を一括管理できる店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディアです。近年、企業の評判管理が重要視されるなか、特に注視すべきGoogleマイビジネスを活用したローカルSEO(MEO)や口コミマーケティング、それらを活用した集客事例から、マーケティング全般、店舗経営のハウツー、業界動向データにいたるまで幅広い情報を紹介します。

口コミラボ

通販エキスパート検定、試験科目に「フルフィルメントCX」追加。CX向上やマーケにつながるフルフィルメントを学ぶ機会に

3 years 6ヶ月 ago

一般社団法人通販エキスパート協会は、新規試験科目「フルフィルメントCX」を第20回通販エキスパート検定で導入する。

フルフィルメント部門がより良い顧客体験を生み出すために必要なことについて学び、フルフィルメントCXのスペシャリストとして活躍するための資格試験と位置付ける。

CX向上やマーケティングにもつながるフルフィルメントを学ぶ

「通販エキスパート検定」は、通販業界で必要とされる知識やスキルを把握し、実践的な能力を評価することができる資格試験。試験はテスト会場とオンラインで実施している。

試験科目には、「ベーシックコース」として3級、2級、1級の3つのレベルがある。初めて通販、ECに携わる人から、マネージャーや部門長、ネットショップ経営者まで、経験やポジションに合わせて受験することで、現在の業務に役立つ知識を習得できるという。

今回、「ベーシックコース」とは別に、専門的な知識を身に付けるスペシャリストコースに「フルフィルメントCX」を導入した。次のような人に受験を推奨している。

  • 通販ECに携わるコールセンター、物流および倉庫、債権管理、情報システムの担当者
  • 商品、マーケティングなどの企画担当者
  • CX(顧客体験)推進部門の担当者
フルフィルメントはマーケティングと連携し、顧客体験の向上につなげることができるフルフィルメントはマーケティングと連携し、顧客体験の向上につなげることができる(画像は通販エキスパート協会のホームページから編集部がキャプチャ)
フルフィルメントはマーケティングと連携し、顧客体験の向上につなげることができる(画像は通販エキスパート協会のホームページから編集部がキャプチャ)

【第20回通販エキスパート検定】

  • 試験日程:4月3日(月)~6月30日(金)※試験期間中、都合の良い日程で受験可能
  • 受験申込:受付中~テスト会場受験、受験希望日の3日前
  • オンライン受験:受験希望日の5日前
  • 試験科目:1~3級、カスタマー・セントリシティ、通販CXマネジメント

「フルフィルメントCX」のみ

  • 試験日程:5月15日(月)~6月30日(金)
  • 受験申込受付:4月3日(月)~6月30日(金)
高野 真維

DINOS CORPORATION、カタログの古紙を再資源化し再びカタログとして活用するリサイクルをスタート

3 years 6ヶ月 ago

DINOS CORPORATIONは、カタログの古紙を再資源化し、新たなカタログ用紙として活用する取り組みを始めた。

カタログ用紙の調達先である日本製紙と連携。DINOS CORPORATIONが発行したカタログ(顧客への配布用と書店販売用)の古紙を、流通業者を経由して日本製紙が買い受け、石巻工場で再資源化する。

DINOS CORPORATIONは生産された用紙を使用し、新たなカタログとして発行する。古紙を長期的、安定的に印刷用紙の原料として循環させることをめざす。

カタログ古紙の「クローズド・ループ」の構築

カタログ販売を展開する通販ブランド「ディノス」では、住所不明などの理由による返送、店頭から返本されたカタログは、検本した上で利用可能なカタログは再使用するなどリユースを行ってた。ただ、再利用できないと判断したカタログは、古紙として流通業者を通じ国内製紙メーカーへ販売していた。

DINOS CORPORATIONと日本製紙は、消費された製品を新たな資源と捉えて再製品化する「クローズド・ループ」の形式で、カタログ古紙を国内循環させる。

瀧川 正実

「au PAY マーケット」で障害【3/17に復旧】/北の達人・木下社長が明かすWebマーケティング成功の秘訣 | 週間人気記事ランキング

3 years 6ヶ月 ago
2023年3月17日~2023年3月23日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. KDDIグループのECモール「au PAY マーケット」で障害、アクセスできない状況が続く【3/17に復旧】

    障害が発生しECモールへのアクセスができなくなったのは3月16日の16時5分頃。3月17日15時点でまだ再開できていない

    2023/3/17
  2. 北の達人・木下社長が明かすWebマーケティング成功の秘訣「ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング」を解説

    北の達人コーポレーションの代表取締役社長・木下勝寿氏が、Webマーケティング成功の秘訣を解説する【前編】

    2023/3/20
  3. 日本航空がスマートフォン決済サービス「JAL Pay」、2023年度にはタッチ決済など集約した新アプリをリリース予定

    JALは、約3000万人の顧客基盤に対して航空以外の日常生活でサービスを提供し、マイルの「ためる」「つかう」領域を拡大する「JALマイルライフ構想」を推進している

    2023/3/22
  4. 香水EC市場に新たな風! テクノロジーで香水のファンマーケティングに成功した「カラリア」の独自戦略とは

    「カラリア」で香水のサブスクリプションサービスを提供するHigh Linkに、ファンを増やす“仕掛け”などマーケティングの成功事例を聞いた

    2023/3/20
  5. GMOペパボ、「ChatGPT」を活用したマーケティング支援機能を提供開始

    SNSの集客に利用できるPR文、商品説明文を自動生成する機能を「カラーミーショップ」「minne」「SUZURI」に提供する

    2023/3/23
  6. 予約抽選倍率は最大52倍。ANAとオンワードのルームシューズ、ヒットの秘訣とは

    ANAとオンワード商事は、共同事業で旅客機のシートカバーをアップサイクルした商品を複数回販売してきた。予約抽選販売の倍率は最大で52倍に達している。両社の担当者に取り組みを詳しく聞いた

    2023/3/22
  7. ECならではのSEO対策とは?押さえておきたい基礎知識+外部サービスを検討するときのポイントを解説

    Googleにページを認識させる「インデックス」の重要性など、ECサイトならではのSEO運用のコツと、SEOの外部サービスを利用するときのポイントを詳しく解説

    2023/3/22
  8. 【楽天の常務に聞く2023年の戦略】流通総額10兆円をめざす戦略、配送品質の基準を満たした商品へのラベル付与、OMOは?

    前期比2桁増の成長を続けている「楽天市場」。常務執行役員の松村亮氏に、楽天グループならではのエコシステムなど成長の理由と、OMOをはじめとした今年の戦略を聞いた

    2023/3/23
  9. パルコがECサイト「ONLINE PARCO」を刷新。独自コンテンツ発信でファン作りをめざす共創型ECの取り組みとは

    電子チケットや抽選販売など「PARCO MEMBERS」会員だけの販売機能の実装や、決済手段の拡大、表示速度改善などを行った

    2023/3/20
  10. スタッフ1人ひとりがLINEで顧客とつながる「LINE STAFF START」とは? 2種類の使い分けができる最新接客DX

    バニッシュスタンダードが提供する、LINEの公式アカウントを通じてスタッフが顧客とコミュニケーションできるサービス「LINE STAFF START」を解説

    2023/3/20

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    配送費2000万円/年の削減可能性を見込むオルビスの施策とは?機械学習を使って梱包サイズを最小化する実証実験

    3 years 6ヶ月 ago

    オルビスは、発送時の梱包サイズを機械学習によって最小化し、配送コスト削減をめざす実証実験を実施する。

    商品データ・出荷データ・梱包材の価格データを元に機械学習によって最適な梱包サイズを算出。物流現場と連携し、商品が破損しない範囲で梱包を最小化して配送コストの削減をめざす。従来は商品サイズから梱包箱のサイズを決定していた。

    オルビスは、発送時の梱包サイズを機械学習によって最小化し、配送コスト削減をめざす実証実験を実施
    配送コスト削減をめざす取り組みの内容

    実証実験開始前の効果検証では、1か月分のデータを元にシミュレーションを実施、最大で年間約2000万円の配送費を削減できるという結果を確認した。

    今後は物流現場で分析結果を活用する実地検証を始め、2023年中の本番導入をめざす。

    実証実験は、データサイエンスで企業と社会の課題を解決するDATAFLUCTと実施する。DATAFLUCTの機械学習サービス「Perswell」とデータプラットフォーム「AirLake」を組み合わせ、オルビスの商品データ・出荷データ・梱包材の価格データを元に機械学習で最適な梱包材のサイズを算出する。

    オルビスは、発送時の梱包サイズを機械学習によって最小化し、配送コスト削減をめざす実証実験を実施
    実証実験のスキーム

    オルビスは通販向け出荷ラインにAGV(無人搬送ロボット)、直営店舗・BtoB向け出荷ラインに重量計を搭載した最新のAMR(自律走行搬送ロボット)を導入するなど、テククロジーの活用によって物流システムの自動化、省人化を促進している。

    さらなる効率化をめざすなか、実現可能性があるとして着目したのが「梱包のダウンサイジング」だった。将来的には新たな配送方法への対応や、グループ共通の新たな梱包規格や梱包資材を作ることも検討し、より効率的な配送をめざしていく。

    石居 岳

    日米仏のフードデリバリーサービス利用状況、月1回以上利用はアメリカが58.4%で最多、日本は23.5%

    3 years 6ヶ月 ago

    MMDLaboが運営するMMD研究所が発表した「日米仏3ヶ国比較:都市部消費者の食の意識・動向調査」によると、日米仏都市部在住の20代~40代でフードデリバリーサービスを月1回以上利用する人は、アメリカが58.4%で最も高かった。調査対象は、日本(東京)、アメリカ(ニューヨーク)、フランス(パリ)に住む20歳~49歳の男女。期間は2023年2月15日~2月20日。

    日米仏都市部在住の20代~40代、フードデリバリーサービスを月1回以上利用はアメリカが最多

    調査対象者にフードデリバリーの利用について聞いたところ、「利用したことがある」と回答したのは日本が66.3%、アメリカが84.5%、フランスが85.0%だった。月1回以上利用しているのはアメリカ(58.4%)で、フランス(54.2%)、日本(23.5%)が続いた。

    MMD研究所 調査データ 日米仏3か国比較 都市部消費者の食の意識・動向調査 フードデリバリーサービスの利用頻度
    フードデリバリーサービスの利用頻度(国別、出典:MMD研究所)

    フードデリバリーサービスの注文方法、「フード注文・配達プラットフォームのアプリ・サイト」が最多

    「直近1年間にフードデリバリーサービスを利用した」と回答した人に、フードデリバリーサービスの注文方法について聞いたところ、3か国ともに「フード注文・配達プラットフォームのアプリ・サイト」が最多で、日本が65.0%、アメリカが80.3%、フランスが79.6%だった。

    MMD研究所 調査データ 日米仏3か国比較 都市部消費者の食の意識・動向調査 直近1年間でのフードデリバリーサービスの注文方法
    直近1年間でのフードデリバリーサービスの注文方法(国別/複数回答可、出典:MMD研究所)

    フード注文・配達プラットフォームのアプリ・サイト、3か国とも「Uber Eats」がランクイン

    「直近1年間にフード注文・配達プラットフォームのアプリ・サイトを利用した」と回答した人に、利用したフード注文・配達プラットフォームのアプリ・サイトを聞いた。その結果、日本は「Uber Eats」(70.6%)が最多。次いで「出前館」(69.9%)「menu」(25.2%)だった。

    アメリカは「DoorDash」(71.5%)が最も多く、次いで「Uber Eats」(69.2%)「GrubHub」(51.4%)だった。フランスは、「Uber Eats」(87.0%)が最多で、次いで「Deliveroo」(61.3%)「Just Eat」(30.0%)。

    MMD研究所 調査データ 日米仏3か国比較 都市部消費者の食の意識・動向調査 直近1年間で利用したフード注文・配達プラットフォームのアプリ・サイト(日本)
    直近1年間で利用したフード注文・配達プラットフォームのアプリ・サイト(日本)
    (n=143/複数回答可、出典:MMD研究所)
    MMD研究所 調査データ 日米仏3か国比較 都市部消費者の食の意識・動向調査 直近1年間で利用したフード注文・配達プラットフォームのアプリ・サイト(アメリカ)
    直近1年間で利用したフード注文・配達プラットフォームのアプリ・サイト(アメリカ)
    (n=253/複数回答可、出典:MMD研究所)
    MMD研究所 調査データ 日米仏3か国比較 都市部消費者の食の意識・動向調査 直近1年間で利用したフード注文・配達プラットフォームのアプリ・サイト(フランス)
    直近1年間で利用したフード注文・配達プラットフォームのアプリ・サイト(フランス)
    (n=253/複数回答可、出典:MMD研究所)

    フードデリバリーサービスの利用シーン、日本は「料理をするのが面倒なとき」が最多

    「直近1年間にフードデリバリーサービスを利用した」と回答した人に、サービスを利用したシーンを聞いたところ、日本は「料理をするのが面倒なとき」(55.0%)が最も多く、次いで「自分では作れない料理が食べたいとき」(33.6%)「割引などキャンペーンがあるとき」 (32.7%)だった。

    アメリカは「仕事や家事などで料理する時間が取りづらいとき」(45.7%)が最多で、次いで「料理をするのが面倒なとき」(38.7%)、「自宅で外で食べる料理を食べたいとき」(38.4%)だった。

    フランスの最多は「料理をするのが面倒なとき」(53.5%)。「仕事や家事などで料理する時間が取りづらいとき」(48.1%)「自宅で外で食べる料理を食べたいとき」と「自分では作れない料理が食べたいとき」(それぞれ37.1%)が続いた。

    MMD研究所 調査データ 日米仏3か国比較 都市部消費者の食の意識・動向調査 直近1年間でフードデリバリーサービスを利用したシーン
    直近1年間でフードデリバリーサービスを利用したシーン
    (国別、上位5位抜粋/複数回答可、出典:MMD研究所)

    モバイルオーダー利用経験、日本は42.3%

    モバイルオーダーの利用経験について聞いたところ、「利用したことがある」と回答した人は日本が42.3%、アメリカが79.1%、フランスが69.7%だった。

    マクドナルドのモバイルオーダーでは、日本が38.4%、アメリカが62.8%、フランスが61.3%で、スターバックスのモバイルオーダーは日本が13.0%、アメリカが42.9%、フランスが20.9%だった。

    MMD研究所 調査データ 日米仏3か国比較 都市部消費者の食の意識・動向調査 マクドナルドやスターバックスが提供しているモバイルオーダーの利用経験
    マクドナルドやスターバックスが提供しているモバイルオーダーの利用経験
    (国別/複数回答可、出典:MMD研究所)
    調査実施概要
    藤田遥

    エコ配、梱包・出荷の物流代行業務「eコマース応援便」を本格展開

    3 years 6ヶ月 ago

    自転車による宅配事業を手がけるエコ配は3月20日、EC事業者の受注から出荷までの一部業務を代行する新サービス「eコマース応援便」を開始した。

    帳票発行、仕分け、梱包、出荷といった作業を代行。アウトソーシングするEC企業などは、出荷作業時間を大幅に削減できる。

    自転車による宅配事業を手がけるエコ配は、EC事業者の受注から出荷までの一部業務を代行する新サービス「eコマース応援便」を開始
    「eコマース応援便」について

    繁忙期や閑散期の状況に合わせた出荷費用の変動費化で、無駄なコストが省くことが可能。商品企画や販売戦略、マーケティングに集中ができるため、売上高拡大につながるとしている。

    初期費用・固定は0円。梱包・出荷作業量は154円(税込み)から、。加えて、配送料の従量課金制を採用している。

    石居 岳

    EC実施企業のCVR率は? 小売事業者は2.8%、ダイレクトマーケは3.6%、EC専業は2.5%【米国企業の調査】 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    3 years 6ヶ月 ago
    調査結果によると、2022年に最も高いコンバージョン率(CVR)を記録したのはダイレクトマーケターでした。ダイレクトマーケターをはじめとした、ビジネスモデル別のCV率を調査結果から解説します

    2022年に最も高いコンバージョン率を記録したのは、過去2年間と同様に"ダイレクトマーケター "と呼ばれる事業者でした。米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』が発行する『北米EC事業トップ1000社データベース』には、ダイレクトマーケティングを手がける小売事業者が36社含まれています。

    こうした事業者の多くはカタログ販売をルーツとする企業で、他にはテレビショッピングを通じて商品を販売する事業者もいます。

    CV率が最も高いのはダイレクトマーケティング実施企業

    コロナ禍が終息し、消費者が実店舗に回帰しています。こうした状況下、オンラインショップは従前のコンバージョン率を維持し続けています。

    『Digital Commerce 360』が2022年に収集したデータからわかったことを1つあげると、コロナ禍後もコンバージョン率はほとんど変化がないのです。

    ビジネスモデル、事業規模、商品カテゴリーを調べても大きな変化はありません。2022年に変化があったとしても、それは緩やかなものでした。そして、全体を見ると、コンバージョン率の中央値は過去3年間2.8%で安定しています。

    2022年に最もコンバージョン率が高かったのは、過去2年間と同様でダイレクトマーケティングを手がける事業者です。カタログ販売からスタートした企業がメインで、他にはテレビショッピングを展開する事業者も存在します。

    ビジネスモデル別・トップ2000社におけるコンバージョン率の中央値(画像は『Digital Commerce 360』が分析)
    ビジネスモデル別・トップ2000社におけるコンバージョン率の中央値(画像は『Digital Commerce 360』が分析)

    カテゴリー別のコンバージョンを見ても同様の状況です。2022年に販売していた商品が何であっても、コンバージョン率はほとんど変わりません。

    ただ、北米EC事業トップ1000社の小売事業者のコンバージョン率(2.8%)は、トップ2000社の小売事業者のコンバージョン率(2.6%)を0.2ポイント上回っています。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん、白川久美さん、中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360

    GMOペパボ、「ChatGPT」を活用したマーケティング支援機能を提供開始

    3 years 6ヶ月 ago

    GMOペパボは、「カラーミーショップ」「minne(ミンネ)」「SUZURI(スズリ)」において、OpenAIの「ChatGPT」APIを活用し、SNSの集客に利用できるPR文や商品説明文を自動生成する機能の提供を開始した。

    「カラーミーショップ」向け機能を第一弾として提供

    第一弾として、3月22日からSNS投稿用の宣伝文章を生成する機能「カラーミーAIアシスタント(β)」(ベータ版)を、「カラーミーショップ」の公式iOSアプリにてユーザー向けに無料で提供を開始。

    ユーザーが登録した商品情報をもとにTwitterやInstagramなどのSNSに共通して投稿できる文章をAI(人工知能)が自動生成する。

    GMOペパボ AI ChatGPT カラーミーショップ カラーミーAIアシスタントβ
    3月22日から提供を開始した「カラーミーAIアシスタント(β)」の画面イメージ

    「カラーミーショップ」のiOSアプリ上の商品設定画面から「カラーミーAIアシスタント(β)」のアイコンをタップすると、ユーザーが登録している商品情報をもとに最短10秒程度でAIがSNS投稿用の宣伝文を作成する。

    また、最適なキーワード、ハッシュタグ・絵文字を含んだ文章が生成されるため、ユーザーはより効果的な投稿を行えるだけでなく、SNS投稿のためのリサーチ時間削減にもつながるという。

    3月27日からは、ユーザーが入力したアイテム名やキーワードをもとに、アイテムの説明文を自動生成する「SUZURI」向けの機能を提供予定。また、購入者が検索窓に入力した情報をもとに関連するキーワードを提案する機能も3月下旬頃にアプリで提供する予定だ。

    GMOペパボ AI ChatGPT SUZURI アイテム説明文の生成画面イメージ
    「SUZURI」アイテムの説明文の生成画面イメージ

    「minne」向けでは、ユーザーが登録している作品情報をもとに、AIがSNS向けの宣伝内容を自動で生成する機能を3月中に提供する予定。

    GMOペパボ AI ChatGPT minne SNS向け宣伝内容の生成画面イメージ
    「minne」SNS向けの宣伝内容の生成画面イメージ

    最新のIT技術を活用した事業活動やプロダクト開発を実施

    GMOペパボは「人類のアウトプットを増やす」をミッションに、最新のIT技術を活用した事業活動やプロダクト開発を行っている。

    2022年3月には、Web3に関する取り組みを進める組織「ペパボ3推進室」を新設。「SUZURI」にNFTコンテンツで作成したオリジナルグッズ販売ができる機能を実装するなど、Web3に関する取り組みを進めている。

    最近は「ChatGPT」API を活用した「教えてAIロリポおじさん」を提供するなど、Web3やAIなど今後一般化していくと考えられる技術や最新技術・分野に着目し、事業活動やプロダクト開発に取り入れている。

    藤田遥

    【楽天の常務に聞く2023年の戦略】流通総額10兆円をめざす戦略、配送品質の基準を満たした商品へのラベル付与、OMOは? | 通販新聞ダイジェスト

    3 years 6ヶ月 ago
    前期比2桁増の成長を続けている「楽天市場」。常務執行役員の松村亮氏に、楽天グループならではのエコシステムなど成長の理由と、OMOをはじめとした今年の戦略を聞いた

    楽天グループが運営する仮想モール「楽天市場」が成長を続けている。2022年12月期における国内EC流通総額は、前期比12.3%増の5兆6300億円に。競合他社と比較しても高い成長率を維持している。

    2030年までに国内EC流通総額10兆円をめざす同社では、「楽天モバイル」の契約者増をテコに、「楽天市場」をさらに成長させていきたい考えだ。

    松村亮常務執行役員コマース&マーケティングカンパニーヴァイスプレジデントに昨年の「楽天市場」を振り返ってもらうとともに、今年の戦略を聞いた。

    松村亮 常務執行役員コマース&マーケティングカンパニーヴァイスプレジデント
    松村亮 常務執行役員コマース マーケティングカンパニーヴァイスプレジデント

    楽天が成長した3つの理由とは?

    エコシステム(=楽天経済圏)が成長エンジンに

    ――2022年を振り返って。

    コロナ禍が一巡、二巡した環境化ではあったが、引き続き非常に強い成長力が維持できた。国内EC流通総額は5兆6000円となり、2桁成長を遂げたということで、非常に良い1年だった。

    「楽天市場」に関しても、顧客が増加しているほか、購入額も堅調に成長しているので、流通額が増えただけではなく、成長の仕方という意味でも良かったのではないか。

    ――世界的に見ても、コロナ禍が落ち着いて苦戦するEC企業が多かった。楽天市場が好調だった理由は。

    3つあると思う。1つは、楽天がエコシステムを築いており、引き続き強化されているという点だ。ポイントアッププログラム(SPU)を中心に、楽天のサービスを使えば使うほど、「楽天市場」での買い物が得になるという仕組みになっているので、そこが非常に機能しているということ。

    その中でも「楽天市場」と楽天カードの親和性は非常に高く、お互いに成長を続けてきた。

    現在でも楽天カード所有者の方が非所有者よりも購入額が明らかに高い。そして、昨今は楽天モバイルも貢献している。昨年はSPUを改定し、楽天モバイルユーザーのポイント倍率が最大でプラス3倍となった。こちらも楽天モバイル加入者の購入額が非加入者よりもかなり高くなっており、成長エンジンとなった。

    つまり、楽天エコシステムとの掛け算が強化されており、さらにはエンジンとして非常に強力なので、マーケットの強弱にあまり左右されないということだ。

    ポイントを「ためて使う」良い循環

    2つ目は、「楽天市場」自身のサービス改善と品質改善。「楽天市場」自身も「使えば使うほどお得になる」という仕掛けであり、これは「楽天スーパーセール」や「お買い物マラソン」の「買い回り」という仕組みにもあらわれているが、最近はブラックフライデーなど季節のイベントも増やしている。

    消費者にとっては、「楽天市場」で買い物する機会が増えてポイントがたまり、そのポイントを買い物で使うという循環がきちんと作れている。これもマーケットの強弱とは関係なく、「楽天市場」で買い物をし続けてもらえるポイントだろう。

    エコシステムでのポイント循環が多くのエンドユーザーに定着している(画像は「楽天市場」から編集部がキャプチャ)
    エコシステムでのポイント循環が多くのエンドユーザーに定着している(画像は「楽天市場」から編集部がキャプチャ)

    長年の課題だった配送のスコアが上向き傾向

    3つ目は配送回りの強化。「送料込みライン」に参加する「39ショップ」の参加店舗が昨年末に95%を超えた。

    消費者にとっては大半の店舗が対応している感覚になっているようで、顧客推奨度を示すネットプロモータースコア(NPS)に関して、配送関連のスコアの低さは長年の課題だったが、ここ数年大幅に拡大している。これも成長の要因だろう。

    レコメンドのAI活用に投資

    ――人工知能(AI)やビッグデータを使ったサービス改善については。

    商品ページにおいては、さらなるパーソナライズ化を進めている。たとえば、個別なイベントやキャンペーンに関して、喜んでくれそうな顧客にだけ参加してもらうようにする、などというものだ。

    レコメンドについても中身が改善を続けている。データに関していえば、ここ数年カタログデータに投資を進めている。「楽天市場」では、同じ商品を複数店舗が販売している場合、商品検索画面では違うものとして表示されるという問題点がある。

    カタログデータを活用することで同じ商品と認識し、その商品を扱っている店舗の一覧ページに遷移し、価格を比較できるようにしているわけだが、その精度をどんどん上げている。

    「この商品とあの商品は同じである」と自動で見分けるのは結構大変で、もちろん人力ならわかるが、「楽天市場」には何億という商品があるので物理的に無理。データを整理するためにAIを活用しているわけだ。

    また、楽天社内では「タブロー」という分析プラットフォームを使っているが、ECコンサルタントが店舗にコンサルティングをする際、「タブロー」を活用しながらデータを分析し、提案できるようにしている。

    広告関連でもデータ活用は進んでおり、ここ最近伸びているRPP広告(検索結果表示広告)にも生かされている。

    レコメンドのAI活用に力を入れている(画像はレコメンドの一例。「楽天市場」から編集部がキャプチャ)
    レコメンドのAI活用に力を入れている(画像はレコメンドの一例。「楽天市場」から編集部がキャプチャ)

    配送品質基準のラベル化で配送品質を向上

    ラベル付与は“2023年の年内に発表”

    ――配送品質が高い商品を優遇する仕組みとして、基準を満たした商品にラベルを付与する仕組みを導入する。配送品質の基準に関しては「納期順守率96%以上」「6日以内の配送件数比率80%以上」「出荷件数が月に100件以上」「送料込みライン導入」「午前の注文については常に翌日届けを、午後の注文については常に翌々日届けを指定できるようにすること(『あす楽』に対応)」といったものを検討しているとのことだが、具体的にはいつ頃決まるのか。

    仕組みの導入は来年なので、これから店舗とコミュニケーションを取りながら、年内にも発表したい。

    ――ラベルは店舗ではなく商品に付与されるのか。

    店舗基準と商品基準の2つを考えている。実績として店舗が基準を満たしていれば、「あす楽」対象の全商品にラベルが付与される。新たに商品が追加された場合でも、「あす楽」対象ならラベルが付与されるわけだ。

    ――ラベルが貼付された商品は、「楽天市場」内検索で優遇されるのか。

    ユーザーから見て品質が良い商品を上に表示するというのが、モール内検索の基本的な考え方だ。配送品質が良い商品に関しても、ユーザーが目にしやすい場所に表示されるということになるだろう。

    ――ラベルが貼付された商品を絞り込んで検索できるようにするのか。

    これから議論していくが、機能として検討する。

    ――どの程度の店舗にラベルが与えられるのか。

    それなりの時間をかけて増やしていかなければいけないと思っているので、制度を導入していきなり90%が対応ということにはならないだろう。

    ただ、ユーザーにとっては配送品質が高い方が良いことは店舗にも納得してもらえると思うので、きちんとオペレーションが回るよう、我々がサポートしていく。

    「楽天スーパーロジスティクス」導入店舗は10%超

    ――「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」の導入を求めていくのか。

    RSLは基準を満たしているので、店舗の選択肢の1つにはなるはずだ。ただ、店舗自身で基準を満たせるのであればラベルは付与される。

    ――RSLの導入店舗が6000店超になったとのことだが、数年後の目標店舗数などはあるのか。

    具体的に目標をイメージするのは難しいが、全店舗の10%を超えたというのは、ようやく1合目に到達したという感じだ。そのため、次のステップとして20%、30%をめざしていきたい。

    「楽天スーパーロジスティクス」の導入は堅調に進んでいる(画像は「楽天スーパーロジスティクス」サービス紹介ページから編集部がキャプチャ)
    「楽天スーパーロジスティクス」の導入は堅調に進んでいる(画像は「楽天スーパーロジスティクス」サービス紹介ページから編集部がキャプチャ)

    ベースのサービスはできているのだが、もっと店舗を取り込むために細かいサービスにも対応していきたい。店舗と話をすると、大筋は良くても物理加工をしていたり、特殊な処理をしていたりという場合があって、その部分が解決できないと移行できないということがある。

    もちろん、細かくカスタマイズするのは難しいが、良くある要望についてはメニューとして用意していく。

    たとえば、180サイズ以上の大型商品の取り扱いを開始するほか、メール便の翌日配送や熨斗(のし)シール貼付への対応を決めた。こうした取り組みを進めていけば、今よりもっと多くの店舗に活用してもらえると思う。

    ファッション分野のプレゼンス向上を計画

    ――販促施策としては、近年ライブコマースを強化している。

    売り方をもっと多様化しないといけない。モール内検索や広告を導線とした従来の手法以外にも、ユーザーに店舗の商品を紹介する手法を増やす必要がある。その1つがライブコマースということだ。

    さまざまなジャンルの店舗と取り組んできたことで、どういった企画ならユーザーに訴求しやすいか、というノウハウはだいぶたまってきた。成功事例は作れてきたので、次のステージとしては成功事例をパッケージ化し、もっとサービスを使ってもらうようにしないといけない。

    ――中国などに比べると、日本の場合は配信での販売だけでペイするのは難しいという声もあるが。

    中国はライブコマースの使い方がやや特殊なので、ああいった形での普及は難しいと思う。ただ、ライブならではの双方向感や臨場感があるし、店舗の熱量もテキストよりもリッチに伝えられるというメリットがある。

    そういったものが大事なカテゴリーの商品についてはライブコマースとの親和性が高いので、もっとシャープにしていけば、それなりに有用な販売手法となるのではないか。

    ――東京ファッションウィークのスポンサーとなって3年経過したが、どんな影響があったか。

    業界内での楽天のプレゼンスを作ってくれた。ファッションブランドとの関係性を作るには、文化的な側面への理解やリスペクトを示すことが大事。ファッションウィークのスポンサーになったことで、そういった面がダイレクトに伝わったのではないか。

    これから先は、コンシューマー向けにファッションウィークについてもっと発信していきたい。そして、エンドユーザーに対して楽天のファッションに関するプレゼンスを構築する、というのが次のステップだ。

    楽天は今後、ファッション領域のプレゼンス向上に乗り出す(画像は「楽天市場」から編集部がキャプチャ)
    楽天は今後、ファッション領域のプレゼンス向上に乗り出す(画像は「楽天市場」から編集部がキャプチャ)

    OMOは実装段階へ

    ――OMO戦略に積極的に取り組んでいるが、どんな成果が出ているか。

    さまざまなトライアルをやっている中で、成功事例が少しずつ積み上がってきている。O2O・OMOと相性が良いカテゴリーとジャンルの特徴に関しては見えてきた部分がある。実験フェーズは終わり、実装の仕方に関して思考するフェーズだ。

    ――ショールーミング店舗で重要なことは何か。

    たとえば同じ化粧品のブランドでも、ドラッグストアで説明なく売っていくような商品もあれば、こだわりや特徴を伝えるために販売員とコミュニケーションした方が良い商品もある。

    十把(じっぱ)ひとからげで考えず、商品やブランドごとに、売り方とサービスをきちんと考えて組み立てないといけない。

    ――仮想モールの競合に勝るために必要なことは。

    楽天の特徴はエコシステム。EC単体というよりは、グループのさまざまなサービスと連携できることが最大のメリットなので、もっと強くしていく。

    次に、「楽天市場」そのものの品質を上げていかないといけない。

    3つ目は、国内EC流通総額10兆円を達成するためには、ECそのものの幅を広げていく必要がある。従来型のECだけではなく、オフラインと関わりを持ったECも構築していきたい。

    「楽天市場」に出店する店舗やブランドの多くはリアルの世界でも活動しているので、楽天としても今の領域から踏み出すことで、リアルの世界での付加価値も高めていく。

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    コーエンが自社ECを刷新。ZOZO委託型から“自前化”したECの強化ポイントとは? | 通販新聞ダイジェスト

    3 years 6ヶ月 ago
    コーエンがZOZOから独立し自社通販サイトを開設。OMOの推進や、基本性能の強化など、従来のECサイトを刷新したポイントを解説する

    カジュアルウエアを展開するコーエンは2月7日、自社通販サイト「コーエンオンラインストア」をリニューアルオープンした。親会社のユナイテッドアローズと同様、ZOZOへの運営委託から自前化にかじを切った。

    自社ECの基本機能を強化するとともに、アプリの進化を実現。実店舗とオンラインをシームレスにつなぐコンテンツを充実させるなどOMO施策を推進する。

    スマホ版「コーエンオンラインストア」のトップページ
    スマホ版「コーエンオンラインストア」のトップページ

    複数条件で検索できる機能を追加

    刷新後の自社ECは、複数のカテゴリーやカラーをまとめて検索できる「絞込検索機能」、店頭で気になった商品のバーコードをスキャンすることで商品を保存し、自宅などでゆっくり詳細を確認できる「バーコードスキャン機能」を追加した。

    ユーザーが複数のカテゴリーやカラーをまとめて検索できる「絞込検索機能」(画像は「コーエンオンラインストア」から編集部がキャプチャ)
    ユーザーが複数のカテゴリーやカラーをまとめて検索できる「絞込検索機能」(画像は「コーエンオンラインストア」からネッ担編集部がキャプチャして追加)

    コンテンツ面では、「スタッフページ」を新設し、コーエンのスタッフが従来のスタイリング紹介に加え、ブログを駆使した上でさまざまな情報を発信する。ユーザーは気になったコーデやブログのスタッフをお気に入り登録して最新情報を得られるようにした。

    リニューアルに伴ってスタッフページを充実させた(画像は「コーエンオンラインストア」から編集部がキャプチャ)
    リニューアルに伴ってスタッフページを充実させた(画像は「コーエンオンラインストア」からネッ担編集部がキャプチャして追加)

    決済方法と受け取り方法の幅を拡大

    決済方法はクレジット決済のほかにd払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い、ワイモバイルまとめて支払い、楽天ペイ、アマゾンペイに対応。カード情報を入力しなくても購入できる決済を増やした。

    注文時に置き配指定が可能となり、自宅にいなくても商品を受け取れるため、商品到着まで配送時間を気にしなくてすむ。

    また、返品についても自宅への引き取り集荷のほか、コンビニ(ファミリーマート)、宅配便ロッカーのPUDO、ヤマト営業所持ち込みなどを、都合に合わせて選べるように充実させた。

    限りなく“店舗に近い”購入体験を提供

    コーエンは、実店舗とECがそれぞれの付加価値と利便性を補完し合って進化するOMOを推進することで、質の高い買い物体験の提供をめざす。

    リニューアルした、PC版「コーエンオンラインストア」のトップページ(画像は「コーエンオンラインストア」から編集部がキャプチャ)
    リニューアルした、PC版「コーエンオンラインストア」のトップページ(画像は「コーエンオンラインストア」からネッ担編集部がキャプチャして追加)

    ECの購買体験を限りなく店舗レベルに引き上げる。実店舗は接客品質や魅力をさらに高めることで、いつでもどこでも快適に買い物ができる環境と新しいコミュニケーションやサービスを提案していく。

    今後も継続的に自社ECの開発を推進し、店舗との連動性をさらに高めるサービスの追加などに取り組むとしている。

    ※記事内容は紙面掲載時の情報です。
    ※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
    ※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

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    通販新聞

    日本航空がスマートフォン決済サービス「JAL Pay」、2023年度にはタッチ決済など集約した新アプリをリリース予定

    3 years 6ヶ月 ago

    日本航空(JAL)は3月22日、スマートフォン決済サービス「JAL Pay」を開始する。

    金融商品の拡大、キャッシュレス化の促進に取り組み、2023年度内には決済機能を中心としたさまざまな機能をスマホアプリ上に集約する会員アプリを提供する予定。

    第1弾としてグループ会社のJALペイメント・ポートが提供するトラベルプリペイドカード「JAL Global WALLET(JGW)」が、QRコード決済・バーコード決済に対応する。

    グループ会社のJALUXが運営する全国の空港店舗「BLUE SKY」、セレクトショップ「JALプラザTABITUS+STATION」、コンビニエンスストア、ドラックストア、スーパーマーケットなどのSmart Code(スマートコード)対応店舗で決済可能。また、3月30日からはJAL機内販売で利用できるようにする。

    日本航空(JAL)はスマートフォン決済サービス「JAL Pay」を開始
    「JAL Pay」について

    「JGW」会員はスマホアプリを最新バージョンにアップデートした後、トップ画面の「Pay」をタップし、規約同意後に会員ログインをすることで、「JAL Pay」が利用可能になる。

    会員以外の顧客は、「JGW」へ申し込みをしてカードが届いた後、初期設定が完了してから、「JGW」スマホアプリをダウンロード。トップ画面の「PAY」をタップして、規約同意後にログインすることで「JAL Pay」が利用できる。

    2023年度中には、バーチャルカード発行によるカードレス化、その後もタッチ決済といった新たな決済方法やチャージ方法の追加を予定する予定。日常生活において「JAL」のアプリで快適に過ごせる世の中を実現するとしている。

    「JALマイルライフ構想」とは

    JALは、約3000万人の顧客基盤に対して航空以外の日常生活でサービスを提供し、マイルの「ためる」「つかう」領域を拡大する「JALマイルライフ構想」を推進。2021年度の売上高6827億円のうち、「マイル・ライフ・インフラ」は1516億円で全体の22.2%を占める。

    「JAL Wellness & Travel」「JAL住宅ローン」「JALでんき」といった新サービスの提供、楽天とのポイント交換サービスを始めている。また、「異業種事業者との提携拡大」「DXの推進」に加え、航空以外の日常利用や環境に配慮した活動などでポイントを獲得できる「新マイレージプログラム」を2024年に導入する予定だ。

    JALマイルライフ構想
    JALマイルライフ構想について(画像は2022年5月の公表資料から編集部がキャプチャ)

    物販領域では、EC事業の強化を図るために物販事業のJALUXを連結子会社。JALUXと共同で2023年初夏、ECモール事業に進出する予定だ。

    約3000万人のJALマイレージバンク(JMB)会員に向けて、物販を手がける出店企業の商品を購入できる“買い物の場”を提供。全店舗でマイルが貯まり、使えるようにする。JALオリジナル商品のほか、グルメ、ワイン、ファッション、生活雑貨、家具・家電など幅広い商品を取りそろえる。

    金融サービス領域では、(保険/証券などの)金融商品拡大、キャッシュレス化の促進(タッチレス拡大/二次元コード決済導入)推進。物販領域ではJALUXとのシナジー拡大、モール事業により「JALマイルライフ構想」を加速させる。

    石居 岳

    ZETA、ユーザーのクチコミやQ&Aの表現が「ChatGPT」などを使い適切か自動判定する「コンテンツチェック機能」を提供

    3 years 6ヶ月 ago

    ZETAは、「ChatGPT」をはじめとするAIを活用し、ユーザーが投稿したクチコミ、Q&Aの表現が適切かを自動判定する「コンテンツチェック機能」の提供を開始した。

    誹謗中傷や景表法などで制限されている表現を自動でチェック

    「コンテンツチェック機能」は、レビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」のオプションサービスとして提供する。

    機能を利用することで、「ZETA VOICE」の管理画面上でユーザーが投稿したクチコミ、Q&Aの内容を自動でチェックし、「他者への誹謗中傷」「景表法や薬機法により制限されている表現」などに当てはまるような、適切でない可能性があるキーワードを判定する。

    ZETA ZETA VOICE コンテンツチェック機能 AI クチコミ Q&A レビューの表現が適切か自動判定
    ユーザーのクチコミ、Q&Aの表現が適切か自動で判定する「コンテンツチェック機能」

    判定事例としては、次のようなものがあげられる。

    誹謗中傷の可能性

    • サイズを間違えて購入してしまい、気づくのが遅れたので交換できず最悪でした。もうこのショップは利用したくありません

    景表法違反の可能性

    • この商品を購入すると、豪華なプレゼントがもらえます。絶対にお得なので、今すぐ購入したほうがいいです
    • この商品を使ったら肩こりが劇的に改善されました! 買って損はありません

    薬機法違反の可能性

    • このサプリを飲み始めて風邪を引かなくなった気がします。病気を治す効果があるのだと思います。オススメです
    • インフルエンサーAさんのインスタを見て購入。飲み始めて1週間で2キロ痩せました。副作用もなく続けられそうです

    目視チェックの時間削減や、見落とし防止が期待される

    ユーザーが投稿したクチコミ、Q&Aの内容が、他者への誹謗中傷、景表法・薬機法で制限されている表現に該当しないかなどのチェックはこの先ますます重要になることが予想される。一方で、EC業界の成長やユーザーレビューの需要拡大を踏まえると、今後チェック作業を人力で行うことはECサイト運営上のコスト増加につながると考えられる。

    目視で行っていたチェック作業を自動化することで、企業側の運営面での負担軽減、目視チェックによる見落とし防止などにつながることが期待されるという。

    藤田遥

    売上アップ事例を紹介! 継続的に伸ばすにはDM、無駄の排除、施策の磨き込みと組織力【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    3 years 6ヶ月 ago
    ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年3月13日~3月19日のニュース

    売り上げを上げる方法はたくさんありますが、単発施策を続けるのはきついですよね。少し長い目で見た施策を磨き上げることで、安定した売り上げを作ることができるようになります。

    目先の売り上げだけを見ると伸びないことが多いです

    ひとりECはAmazon・楽天を目指す必要ないですよね?よくある質問をミウラタクヤさんに聞いてみた | ECzine
    https://eczine.jp/article/detail/12506

    少し手間はかかりますが、僕はInstagramでフォローしてくださった人全員にDMを送っています。そうすると、「お客様との距離が近づいてきているな」という手応えがあるんですよね。

    今週は売上アップの記事がたくさんありましたので、参考になりそうな部分だけを紹介していきます。最初はひとりECの話。SNSはフォロワーを増やして拡散して…ではなくて、1対1の接客ツールにしていくという考え方。何かしら興味があってフォローしてくれているので、そこにDMを送って仲良くなっていくのはいい方法です。ECは小売ですしね。

    配送の時間帯指定をやめたんですよね。「追跡番号を送るので配送会社に連絡してください」という方法に変えたら、対応時間がガクンと減って、お客様の満足度も高まりました。頑張るのではなく、要るようで要らない作業をどんどん削っていくことだと思います。

    お客さまの満足度が上がって自社の作業も減る。これぞ一石二鳥のアイデア。要るようで要らないサービスって意外と多いので、ゼロベースで見直していきたいところです。ちょっとしたことでもやらないだけで気分が楽になったりしますから。

    2022年の振り返りと2023の目標 | 斜め上から目線-うちる経営奮闘記-
    http://relux.hiho.jp/blog/2022-2023/

    去年の施策の中に、おととしに仕込んだ企画があって、それを昨年バージョンアップしてリリースしたのですが、初回よりも反応がよい、かつすでにベースとなる素材ができてるので手離れが良いということがわかりました。

    つまり、種まきしたものの初回がダメでも育てばちゃんと花開く、ということです。

    これはやっていない人が多いのでは? 施策を進めても1回ダメなら振り返らずにそのままで終わり。何も積み重ならないから徒労感が出ますし、人が変われば同じ失敗を繰り返すはず。施策もPDCAサイクルを回すことで磨かれたものになって成果も出ます。

    特に海外については、5年後を見据えて、今よりも海外ニーズが下がるということは考えられないため、既定路線とすら考えています。

    一言で越境といっても、マーケット調査だけで半年以上かかりましたので、本当にちょっとずつ、ちょっとずつ、あきらめずに地道に挑戦していきたいと思います。

    こちらも種まきに近いです。「とりあえず海外モールに出店とか、翻訳をしよう!」だと失敗するでしょうから、まずは情報収集から。しかも、余裕があるうちに着手しないといけません。売れるためにはテクニックではなくて、事業として先を見据えたお金と時間の投資が必要ですね。

    EC事業成長のカギは組織の「運営力」。「EC組織力」向上させる6つのポイントとは? | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/10691

    EC事業を成長させるポイントは、サイト上の改善施策とその成果データの取得だけではありません。実店舗や営業部門など、実際にお客さまと直接意見を交わす部門の「生の情報」が、ECにおいてもお客さまへの次の提案の「ヒント」になります。

    「リアル」である実店舗や営業部門と「ネット」であるEC部門、お互いの情報が常に行き来するような仕組みを作っていきましょう。

    ちょっと大きな規模になったり実店舗を持っていたりすると、EC事業が分断されていることはよくあります。売れるネタは現場にありますので、積極的に拾いに行きましょう。教えてくれないのは聞きに行っていないか、現場のメリットを提示していないかの2つです。

    マーケティング定例会議はその名のとおり「定期的」に実施します。まずは対応する課題を決め、具体的な対応策を書き残します。そして次の定例会議では前回の対応策の進捗管理を行うのです。対応策は実践してこそEC事業の成長につながります。

    当たり前のことですが、これができていないところが多いです。忙しくても絶対に定例にすること、会議で決まったことは進捗を必ず確認すること。これができればうちるさんの記事のように積み重なっていきます。

    売り上げを伸ばすための秘訣なんてものは存在しなくて、考えて動いていけばいいということですね。何から考えたらいいのかわからない人は、動いている施策を振り返ることから始めましょう。改善点がわかって徐々に結果が出てくるはずです。

    関連記事
    ECサイトの基礎基本、売上方程式で売上を上げる方法 - 後編 | コマースピック
    https://www.commercepick.com/archives/31872

    今週の要チェック記事

    ニトリ、軽量ランドセル発売の衝撃 各社が新商品を投入するワケ:通販で先行販売 | ITmedia ビジネスオンライン
    https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2303/12/news020.html

    「ランドセルみたいなリュック」発売 名古屋タカシマヤ、2024年モデルなど約400種用意:ランドセル商戦始まる | ITmedia ビジネスオンライン
    https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2303/15/news068.html

    ランドセル業界はどんどん競争が激しくなっています。勢力図も変わっていきそうです。

    中国で越境ECするなら「購買行動の無限ループ」に乗れ! | ウェブ電通報
    https://dentsu-ho.com/articles/8466

    中国EC市場を狙う企業が知っておくべきECビジネスに関する法律と規制 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/10747

    中国EC記事を2つ。国内市場の縮小は見えているので、今のうちから少しずつ準備を。

    STORES ブランドアプリ で作成された「猿田彦珈琲公式アプリ」、Shopify との連携を開始 | コマースピック
    https://www.commercepick.com/archives/32197

    「Shopify」で構築したショップとアプリがつながってしまうという、ものすごく便利な仕組みの事例です。アプリは重要なので気にしておきたいです。

    物流の「2024年問題」まであと1年。4月は再配達削減PR月間に、斉藤国交大臣は「物流業界にとって大きな課題」 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/10749

    国交省、農林水産省、経済産業省などが動いて対策をしていますが、個人でも再配達を減らすようにしましょう。

    ノーリスクでGoogle 広告での売上が2倍以上に!BASEに運用をまかせる「BASEにおまかせ集客」とは? | BASE U
    https://baseu.jp/28553

    インスタで商品販売をしよう!インスタとBASEの連携方法を解説 | デジオデジコ
    https://www.onecruise.co.jp/degiodegiko/instagram-base-alignment/

    「BASE」はこの2つを導入するのが基本といってもいいかも。手間なく集客できるのがいいですよね。

    「MakeShop byGMO」、年間流通額が11年連続でEC構築SaaS業界No.1に!前年比111%の3,055億円に到達し過去最高を更新【GMOメイクショップ】 | GMOインターネットグループ
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003915.000000136.html

    地方のショップ、越境ECが伸びてきたようです。「次世代EC開発プロジェクト」も控えていますので「MakeShop」はまだまだ伸びそうです。

    今週の名言

    反省 / 結果を出すために変えた行動と、これからの話。 | 平塚 直樹|note
    https://note.com/nnnnaokiiin22/n/n70f86997dfb3

    人のせいにせず、自分がコントロールできるところで勝負する。つまり自己責任にするのは精神的にラクですよ。

    結局のところ、自分ができることしかできないので、自分ができることをやり切るのが重要です。自分ができないことをお願いできる人がいるとさらに加速。

    筆者出版情報

    「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

    「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める
    小さい会社のウェブマーケティング必勝法

    森野誠之 著
    翔泳社 刊
    発売日 2021年10月15日
    価格 2,200円+税

    この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

    この本をAmazonで購入
    森野 誠之

    ECならではのSEO対策とは?押さえておきたい基礎知識+外部サービスを検討するときのポイントを解説 | 「ECタイムズ」ダイジェスト

    3 years 6ヶ月 ago
    Googleにページを認識させる「インデックス」の重要性など、ECサイトならではのSEO運用のコツと、SEOの外部サービスを利用するときのポイントを詳しく解説

    突然ですが、自社でECサイトを運営されているご担当者様に質問です。自社サイトのSEOについてどれだけ取り組みができておりますでしょうか?

    SEOとは、Googleなどの検索エンジンで、あるキーワードを検索した際に特定のウェブサイトを「検索結果の上位や、検索結果の目立つ場所に表示させるための施策」を意味します。

    コンサルティング業を営む森澤佑輔さんはSEO歴なんと10年のプロ! そんな森澤さんに、「ECサイトにおけるSEO」についてお聞きしました。SEO対策について最初に取り組むべきことや、SEOは長期目線で見ると「ストック型の投資」という考え方など、森澤さんが提唱するSEOのやり方を詳しく紹介します。

    ECタイムズ コンサルタント 森澤佑輔氏

    SEO初心者が初めにやるべきこととは?

    ⸺ 本日はどうぞよろしくお願いいたします! まず初めに、森澤さんのこれまでのご経歴を簡単にお聞かせください。

    森澤:はい。僕はSEOを中心にコンサルティングを行っており、EC事業者も含め累計2000社ほどのご支援に携わってきました。SEO歴で言うと10年ほどになります。

    森澤佑輔氏
    森澤佑輔氏

    ‍⸺ ありがとうございます。ここからはSEO歴10年であり豊富な経験をお持ちの森澤さんに、詳しくお話をお伺いしていきます。

    EC事業者の方から我々に「SEOについてネット上に情報があふれてるけど、そもそも何から始めればいいの?」とよくご相談いただきます。森澤さんとして、「まずはこれをやりましょう」というご提案はありますか?

    森澤:まずは業界理解と、その中で自分たちが置かれたポジションを確認することから始めるといいですね。ポジションというのは競合他社との差分だったり、現在流入してきているキーワードなどを指します。

    今自分たちが置かれている状況を理解せずに対策を行っても、あまり効果が期待できないと思うんですよね。

    また、サービスの提供形態にもよりますが、優先順位を決める必要があります。これは施策の優先順位というよりは製品の優先順位を指します。

    どの商品を売ったら利益率が高くて、会社に対するインパクトが大きいのかをベースに、対策するページの優先順位をつけていくところがまず最初のフェーズだと思います。あとはKGIやKPIなどの目標を明確にすることも大事ですね。

    ‍⸺ なるほど。施策の効果を出すには現状分析と目標設定が大切なのですね。

    森澤:特にEC事業を立ち上げたばかりの事業者によくあるのが、商品ページに十分な情報や説明文、魅力的な訴求が入っていないということですね。実は誰でもできるSEOの第一歩が、商品ページのコンテンツの改善なんですよね。

    ⸺ 確かに。これはすぐにでも取り組めそうですね!

    森澤氏はまず最初に現状分析や優先順位づけをするべきだと指摘している
    森澤氏はまず最初に現状分析や優先順位づけをするべきだと指摘している

    SEOのポイントを整理

    ECサイトのSEOは“いかにGoogleに認識させられるか”

    ⸺ ここからは、ECサイトでのSEOについて伺っていきます。一般のホームページとECサイトとでは、SEOにおいて何か違う点などはあるのでしょうか?

    ‍森澤:インデックス、つまりGoogleにページを認識させられるかというところの重要性が大きく異なります。

    検索エンジンから見たときに同じようなページだとインデックスされないことがあります。その場合、Google上には存在していない扱いとなり検索結果にも絶対出てきません。

    なぜインデックスが重要かというと、ECサイトは似たページが生まれがちだからです。たとえばアパレルのサイトを見てもらうとわかりやすいです。

    通常のサイトではそこまでインデックスを気にすることはないので、ECサイトならではのSEOになると思います。

    ECのSEOではGoogleに細かく認識させるための工夫が必要となる
    ECのSEOではGoogleに細かく認識させるための工夫が必要となる

    インデックスさせるための2つのポイントとは?

    ⸺ では、インデックスされやすくするには具体的にどういったことをすれば良いのでしょうか?

    森澤:1つ目のポイントはページの価値が高いか否かです。そもそも検索エンジンに認識されるコンテンツかどうかを見られているので。

    たとえばTシャツでUネックのページとVネックのページがあった場合、明確に違いを見分けにくく、インデックスされない可能性があります。

    そこでたとえばUネックのページにはUネックについてのコンテンツがあるといったように、カテゴリーページを少し違う状態に改変することでインデックスさせるということが一つです。

    2つ目に、どれだけサイト上からそのページにリンクを貼れるかというところも重要なんですよね。いわゆる内部リンクをきちんと認識できる形で設定し、コンテンツを充実させるということも対策になります。

    インデックスさせるための2つのポイント

    SEOは「ストック型の投資」

    ⸺ そもそもECでは施策の効果が出て売り上げが上がるまである程度の期間を見なければいけませんよね。SEOで成果が上がるまでの期間の目安はありますか?

    森澤:セッション数や売り上げなど数値的結果が現れてくるというレベルで言えば、6か月〜1年をベースに見ていただきたいと思います。

    個人的にSEOは「投資」だと思っています。実装してその場で結果が出るものではなく、どちらかというとストック型の施策なので、1年かけて投資したものを来年で回収するというイメージです。

    逆に言えば1回実装した施策ってずっとストックとして残り続けるので、去年分を今年回収して今年はまた改善して、その来年分を再来年に回収する、そういった投資だと思っています。

    外部サービス検討のポイントとは

    ⸺ SEOは難しいイメージがあることから、外部サービスを検討される企業さまも多いです。そこで、選定の際のポイントがあれば教えていただきたいです。

    森澤:ポイントになるのはフロントの方との相性ですね。外部であっても1パートナーという立ち位置になるので、コミュニケーションの相性は大切にした方が良いかと思います。

    併せてその裏でどのようなキャリアを持った人が手を動かして実際に分析するのかというのも見ておくべきです。

    でもまずはやっぱり、自分たちでできることを試してみることが大事なんじゃないかなと思います。

    運用は「できることを試しながら」

    森澤:難しいことも多いと思いますが、本当にどんな小さいことでもいいので自分で試してみると、現状の確認にもなるかと思います。特に知識面は自分ではどうにもできない部分もあると思うので、そこはタイパ(タイムパフォーマンス)やコスパを考えて外注という選択肢も大いにアリですよね。

    トライアンドエラーを繰り返しながらやっぱり無理だとなった場合には、相談していただいたら解決しに行きます。

    ‍⸺ 自分で手を動かして現状を把握しつつ、上手く外部サービスを使っていくのが理想的なんですね。SEOという少し難しいテーマではありましたが、森澤さんの落ち着いた語り口のおかげでスムーズに理解することができました。森澤さんがコンサルとして入られる時に、コミュニケーションで意識されていることはありますか?

    森澤:僕は相手に今後のサービスをイメージをしていただいた上で、「この人に相談すれば何とかなる」という安心感を持ってもらえるように心掛けています。

    また、どのような領域の質問にも答えられるように、知識のインプットは常におこたらないですね。お客さまが不安に思う要素をできるだけ減らすようにしています。

    ⸺素晴らしい心掛けですね。初心者の私にもわかりやすく説明していただきありがとうございました!

    ◇◇◇

    みなさん、いかがでしたか? 「ECサイトにおけるSEO」についてわかりやすく解説いただき、理解が深まったのではないでしょうか。

    まず第一ステップは業界理解と自社の立ち位置確認! そして優先順位を付けて商品ページのコンテンツ改善!

    そして肝となるのは「いかにしてページをインデックスさせるか」。「SEO施策は『投資』」というお話も印象的でした。

    ECタイムズ

    予約抽選倍率は最大52倍。ANAとオンワードのルームシューズ、ヒットの秘訣とは

    3 years 6ヶ月 ago
    ANAとオンワード商事は、共同事業で旅客機のシートカバーをアップサイクルした商品を複数回販売してきた。予約抽選販売の倍率は最大で52倍に達している。両社の担当者に取り組みを詳しく聞いた

    「SDGs」「アップサイクル」というワードが消費行動に影響を与えつつある。地球環境や資源ロスに配慮した商品・サービスに好感を持つ消費者は広がっており、近年はこうした観点を商品開発に生かす企業も増えている。

    アップサイクル製品の共同事業を実施してきた全日本空輸(ANA)とオンワード商事。52倍に達した商品の予約抽選販売、新規顧客の獲得などの成果があった取り組みなどについて、オンワード商事の原野大樹氏(ソリューションデザイングループ インサイトセールス第2Div.)、ANAビジネスソリューションの照沼有紀子氏(シェアードサービス事業本部)に話を聞いた。

    アップサイクル製品の共同事業を実施してきた全日本空輸(ANA)とオンワード商事

    予約抽選販売の最大倍率は52倍、アップサイクル商品「ANA 特製ルームシューズ」とは

    協業のきっかけは、ANAグループがサステナビリティへの取り組み「ANAアップサイクルプロジェクト」の第1弾としてオンワード商事とルームシューズを開発したこと。ルームシューズは、旅客機の客室のシートカバーをルームシューズの生地に再利用した。

    オンワード商事は廃棄問題のポジティブな解決をめざす「オンワード商事Re-make-upプロジェクト」を行っており、ANAグループの持続可能な社会の実現をめざす「ANA Future Promise」に共感、協業がスタートした。なお、ルームシューズはANAグループの自社ECサイト「ANA UP-CYCLE PROJECT SHOP」で販売している。

    価格は一組6930円(税込)。別途、送料1500円(同)がかかる。ルームシューズとしては高価格帯。だが、商品のコンセプト、売り出し方が価格以上の価値を顧客にもたらしているようだ。

    「ANA UP-CYCLE PROJECT SHOP」で販売している、ANAグループとオンワード商事が共同開発したアップサイクルのルームシューズ
    「ANA UP-CYCLE PROJECT SHOP」で販売している、ANAグループとオンワード商事が共同開発したアップサイクルのルームシューズ

    初回製作分の予約抽選販売は2022年11月に実施。初回製作分は50セットで、予約抽選はその52倍申し込みがあったという。

    反響を受け、商品の製作数を増やして第2回販売、第3回販売を実施してきた。70セット製作した第2回販売分の予約抽選は倍率20倍。200セット製作した第3回販売分の予約抽選は倍率7倍となった。

    予約期間を2023年2月9日~14日とした第4回販売も実施。第4回の製作は230セットで、予約抽選の倍率は約4倍となっている。

    ルームシューズのプロモーションは、「ANA UP-CYCLE PROJECT SHOP」会員向けのメルマガ配信、Facebook、TwitterといったSNSで訴求したという。

    「ANA 特製ルームシューズ」は、1つひとつが手作り。ECサイトの商品ページでは、商品の画像だけでなく、製作の過程も見えるようにしています。(照沼氏)

    ECサイトでは廃棄の客室シートカバーがルームシューズに生まれ変わる“過程”も見せている
    ECサイトでは廃棄の客室シートカバーがルームシューズに生まれ変わる“過程”も見せている

    新規顧客獲得にも一役! ハンディキャップある人も「飛行機に乗る感覚を味わえる」

    購入者は男性が多く、購入者全体の7割近くを占めるという。年代は40~50代が中心だが、10代や70代からの引き合いもあり、幅広い年代が購入している。嬉しい誤算もあった。「既存のANAファンだけではなく、新規顧客獲得にもつながった」。(照沼氏)

    地球環境に配慮した製品作りに共感する人、心身にハンディキャップをもち飛行機に乗ることができない人からも「飛行機に乗る感覚を味わいたい」と引き合いがありました。飛行機ユーザー以外からも反響があったことは嬉しい誤算でした。

    ANAビジネスソリューション 照沼有紀子氏
    ANAビジネスソリューション 照沼有紀子氏

    ヒットの秘訣(ひけつ)は、飛行機が好きな方やANAをご利用してくださっている方から多くお申し込みをいただいたことは言うまでもありませんが、このほか、「地域創生に貢献したい」という思いで購入される方もいるようです。「ANA 特製ルームシューズ」の製作を担っているのは、スリッパ生産量で日本一の工場。山形県の株式会社後藤で、職人が手作りしています。販売に当たってはこうした製作ストーリーも押し出しています。

    オンワード商事 ソリューションデザイングループ インサイトセールス第2Div.  原野大樹氏
    オンワード商事 ソリューションデザイングループ インサイトセールス第2 Div. 原野大樹氏

    航空ファンからの引き合いも多い。「出張のときによく利用した機体のルームシューズを履きたい」「飛行機好きの家族や知人にプレゼントしたい」「上司への退職祝いに」といった購入理由があがっている。

    照沼氏によると、予約抽選販売の申し込みフォームに、注文した理由や思いを記述する顧客も多い。「申し込みフォームがファンと関わる機会になっています」(照沼氏)

    「自分がよく利用した機体のルームシューズを履きたい」というファンも多いようだ。
    「自分がよく利用した機体のルームシューズを履きたい」というファンも多いようだ。

    「飛行機のシートカバーのルームシューズを履ける」という話題性だけではなく、商品の製作過程などの裏側を伝えたことで、飛行機ファン以外のニーズも開拓できた秘訣(ひけつ)と言えそうだ。

    オンワード商事とANAグループは、今後も環境配慮に根ざした取り組みを継続していく予定だ。両社の協業はもちろんこと、ほかの企業との連携も視野にいれていく。

    高野 真維

    最も推奨したい通販化粧品はハーバー研究所。2位はアスタリフト、3位はファンケル

    3 years 6ヶ月 ago

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した、通販化粧品部門のNPSベンチマーク調査によると、最もNPSが高いのはハーバー研究所だった。

    調査対象の通販化粧品会社7社で、NPSのトップはハーバー研究所(-2.0ポイント)。2位は富士フイルム ヘルスケア ラボラトリーのASTALIFT(アスタリフト、-7.0ポイント)、3位はFANCL(ファンケル、-7.1ポイント)だった。トップ企業とボトム企業の差は26.9ポイント、7社のNPS平均は-12.0ポイント。

    NPS1位のハーバー研究所は、「効果・効能」「使い心地の良さ」「自分の肌質に合った商品がある」で高評価を得た。ASTALIFTは「有効成分の含有量が多い」「パッケージや容器のデザインのよさ」が、3位のFANCLは「企業イメージ・ブランドイメージのよさ」「目的に合った商品の探しやすさ」が評価された。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した、通販化粧品部門のNPSベンチマーク調査
    NPSベンチマーク調査の結果

    ロイヤルティーの醸成要因は「効果・効能」「使い心地の良さ」

    ロイヤルティーの要因を18の項目別に分析したところ、ロイヤルティーを醸成する要因にとしてあがったのは、「効果・効能」「使い心地の良さ」といった化粧品の品質に関する項目。

    「有効成分の含有量が多い」「無添加・添加物が少ない」「商品の信頼性・安全性」といった成分や信頼性、「自分の肌質に合った商品がある」「自分に合ったサイズ・内容量の商品がある」といったニーズに即した商品の提供がロイヤルティーの向上に寄与することがわかった。

    一方、「お客様の声に沿った商品・サービスの提供」「目的に合った商品の探しやすさ」の項目は、今後の改善が期待される結果となったとしている。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した、通販化粧品部門のNPSベンチマーク調査 化粧品部門全体のロイヤルティ要因分析
    化粧品部門全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

    無料サンプルや有料トライアルキットが商品購入の決め手に

    通販化粧品各社は、無料サンプルや有料トライアルキットの提供といった化粧品を試用する機会を通じて、お試し購入、そこからの本購入への引き上げを促進する取り組みに注力している。

    そこで、対象となる通販化粧品の商品を試す目的で行ったことがある行動も調査。「無料のサンプルを利用した」は57.0%、「有料のトライアルキット・トラベルセットを利用した」は20.4%で、いずれかを利用したことがある68.9%だった。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した、通販化粧品部門のNPSベンチマーク調査 無料のサンプルや有料のトライアルキット・トラベルセットの利用経験
    無料のサンプルや有料のトライアルキット・トラベルセットの利用経験

    無料サンプルや有料トライアルキット・トラベルセットが対象の通販化粧品を購入する決め手になったかどうかを聞いたところ、「無料のサンプルセット」は33.9%、「有料のトライアルキット・トラベルセット」は11.8%。無料サンプルや有料トライアルキット・トラベルセットが化粧品購入の大きな決め手になっていることわかった。

    無料サンプルや有料トライアルキット・トラベルセットが購入の決め手になったと回答した消費者は、そうでないと回答した消費者と比べてNPSが高い。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した、通販化粧品部門のNPSベンチマーク調査 購入の決め手別のNPS 無料のサンプルや有料のトライアルキット・トラベルセットが購入の決め手になった割合
    左図は購入の決め手別のNPS。右図は、無料のサンプルや有料のトライアルキット・トラベルセットが購入の決め手になった割合

    推奨理由においても、「無料サンプルを試して自分に合ったタイプを選べた事で安心感が持てた」「サンプルをいただくことができたので、実感した上で購入できた」「商品を購入するごとにサンプルが選べて、気になっている商品の使い心地が確かめられる」といった意見があった。

    無料サンプルや有料トライアルキットの利用が商品への納得感を醸成し、同一ブランドにおける他商品の購入を促進するなど、よりよい購入体験につながっているという。

    コスメの情報取得は「@コスメ」「メーカーのサイト」

    メイクやコスメに関する情報取得について調査したところ、最も高いのは「アットコスメ(@cosme)」の37.5%。「メーカーのサイト」が34.6%、「友人や知人からの口コミ」が31.8%で続いた。

    情報源の変化を2019年と比較分析したところ、「友人や知人からの口コミ」「テレビやラジオの番組や広告」「雑誌記事や雑誌広告」「新聞の記事や広告」といったリアルの口コミやリアルメディア広告は低下した。

    一方、「Instagram」「YouTubeのコスメ関連動画」といったSNSは増加。年代別で見ると、20代以下では「Instagram」が約4割に達し上位3番目の情報源となっている。メイクやコスメに関する情報源は、若い年代を中心にリアルの口コミや新聞・雑誌からSNSへと移行しているようだ。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した、通販化粧品部門のNPSベンチマーク調査 メイクやコスメに関する普段の情報源
    メイクやコスメに関する普段の情報源

    対象の通販化粧品において、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねた結果、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.5ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.9ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均6.3ポイント。推奨度が高いほど継続利用意向も高くなっている。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した、通販化粧品部門のNPSベンチマーク調査 推奨セグメント別継続利用意向
    推奨セグメント別継続利用意向

    調査概要

    • 調査対象企業(アルファベット順、50音順):ASTALIFT(アスタリフト)、DHC、FANCL(ファンケル)、ORBIS(オルビス)、ドクターシーラボ、ハーバー研究所、マナラ化粧品
    • 調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち上記通販化粧品利用者(1年以内)
    • 調査方法:NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
    • 調査期間:2023年1月30日~2月6日
    • 有効回答者数:2502人
    • 回答者の属性:女性が100.0%。年代20代以下が9.1%、30代が13.3%、40代が23.5%、50代が22.6%、60代以上が31.5%

    NPSとは?

    推奨度が高ければ高い顧客ほどリピート率が高く、クチコミによる新規顧客の獲得にもつながるため、企業はNPSを向上させることで収益を上げることができるとされている。

    NPSは次のように計測する。

    「友人に(特定商品などを)すすめたいと思いますか?」と顧客に質問し、0~10点で推奨度を計測。次のように分類する。

    • 0~6点を付けた人 → 「批判者」
    • 7~8点を付けた人 → 「中立者」
    • 9~10点を付けた人 → 「推奨者」
    ネットショップ業界(EC業界)のNPSに関する調査結果
    NPSの計測方法

    NPSは、「推奨者」の割合(仮に40%)から「批判者」の割合(仮に25%)を引いた数値(40%-25%=15%)のことを指す。「推奨度」を聞くことで、顧客がどれほど企業・ブランドに対してロイヤルティがあるかを数値化する。

    石居 岳

    上州屋が公式アプリを刷新、会員証機能を搭載。アプリを軸にコミュニケーション

    3 years 6ヶ月 ago

    釣り具の販売を手がける上州屋は、公式アプリ「上州屋アプリ」をリニューアルし、新たに会員証機能を搭載した。

    メンバーズカードの会員情報を登録すると、会員証バーコードの表示、ポイントをアプリ上で確認、貯めることができるようになる。

    会員証機能を持たないリニューアル前の「上州屋アプリ」は3月末でサービス提供を終了する。会員証機能を持つ新しい「上州屋アプリ」で新製品、入荷、旬の釣りといった最新情報などを発信し、アプリを中心にした顧客コミュニケーションに集中する。

    NTTドコモの新規事業型子会社であるDearOneのアプリ開発サービス「ModuleApps2.0(モジュールアップス2.0)」を活用し、リニューアルした。

    「ModuleApps2.0」は、実店舗を運営している企業や自治体を対象にした公式アプリ開発サービス。「モジュール」と呼ばれるあらかじめ開発した豊富なアプリ機能(サンプル・ひな形)から、必要な機能を組み込むことで自社オリジナルの公式アプリを短期間で開発する。

    DearOneと共同で「上州屋アプリ」をリニューアルした
    DearOneと共同で「上州屋アプリ」をリニューアルした

    アプリの主な機能は次の通り。

    • 上州屋ニュース:商品紹介、イベント情報などのニュースを配信
    • 釣り方入門&おすすめ商品:釣り方入門やおすすめ商品のコンテンツを提供
    • クーポン:アプリ限定クーポンの配信
    • 店舗検索:現在地周辺の上州屋店舗を地図上から確認できる
    • プッシュ通知履歴:今まで配信されたプッシュ通知の履歴を確認できる
    高野 真維

    パルコがECサイト「ONLINE PARCO」を刷新。独自コンテンツ発信でファン作りをめざす共創型ECの取り組みとは

    3 years 6ヶ月 ago

    パルコは、3月16日にECサイトをリニューアルオープンした。名称を「ONLINE PARCO(オンラインパルコ)」に変更。共創型ECサイトへと刷新し、パルコの独自コンテンツの発信、実店舗業務の効率化、ユーザーの利便性向上、越境ECの強化を進める。

    リニューアルでパルコの独自性を発信、ファン作りにつなげる

    「オンラインパルコ」は2022年11月に先行オープン。店舗での買い物ポイントサービス「PARCO POINT(パルコポイント)」、パルコが提供するさまざまなサービスのIDを統合した顧客サービス「PARCO MEMBERS(パルコメンバーズ)」を展開している。

    パルコ ONLINE PARCO ECサイトリニューアル PARCO MEMBERS
    2022年11月から展開している「PARCO MEMBERS」

    パルコの上岡靖弘氏(CRM推進部 部長)は、「ID統合により、リアル・オンラインの顧客データを一元管理し、データ取得、示唆・分析、コミュニケーションの構築を可能にする」と話す。

    これまで、CSとしての売り上げ補完がECの役割だったが、独自コンテンツの提供をめざす。パルコの実店舗がないエリアにおいても楽しさや独自性を伝えていき、パルコの魅力を感じてもらいたい。(上岡氏)

    パルコ ONLINE PARCO ECサイトリニューアル パルコ CRM推進部 部長の上岡靖弘氏
    CRM推進部 部長の上岡靖弘氏

    デザインの柔軟性向上のため、ヘッドレスコマースを採用。商品詳細画面、カート・決済画面、購入履歴、「PARCO ID」登録などはデザインを統一しつつ、トップページごとのデザイン性に自由度を持たせることで、ユーザーと出店テナントのニーズに合わせた販売コミュニケーションを実現する。

    パルコ ONLINE PARCO ECサイトリニューアル 画面イメージ
    「ONILE PARCO」の画面イメージ

    販売メニュー拡大、決済手段の拡大、越境ECを強化

    リニューアルで、表示速度改善、検索性の向上といった基本機能を改善。さらに、決済手段を従来の2種類からQRコード決済の「ポケパル払い」を含む5種類に拡大し、ユーザーの利便性向上をめざす。

    パルコ ONLINE PARCO ECサイトリニューアル ポケパル払い
    パルコが提供するQRコード決済「ポケパル払い」(画像は「パルコポイント」のサイトからキャプチャ)

    越境EC強化として、海外向け代理購入サービス「Buyee」を導入。ショップのトップページや商品詳細ページを「英語」「中国語(繁・簡)」「韓国語」に翻訳する。

    成長分野から見えた課題解決に向け、新機能を追加

    販売メニューには、電子チケット機能、抽選販売の機能、来場限定販売などの機能を追加。こうした機能を追加した背景について、パルコの林謙一氏(執行役員 営業政策部、宣伝部、CRM 推進部担当)は「コロナ禍で実店舗を閉店していた際、ECを使って営業できたことで、ECの重要性を再認識した」と話す。

    一方、アート、アニメ、カルチャー系の売り上げが伸長。ポップアップストアなどを積極的に実施したこともあり、年間取扱高はコロナ前と比べて1.7倍、企画本数も1.5倍に増加したという。しかし、「成長分野の成果がみえてきたなかで、課題も見つかった」と林氏。

    密を回避する、人の多いところには足が向かないお客さまも一定数いる。運営側として会場の密回避のために人数を制限する必要があった。しかし人数を制限すると待機列で密ができてしまうため、事前予約制を導入するなど対策を行ってきた。

    また、人気が高いほどチケットが購入できない、グッズが買えないという課題もあった。こうした課題を解決する一助としてECプラットフォームを活用していく。(林氏)

    パルコ ONLINE PARCO ECサイトリニューアル 執行役員 営業政策部、宣伝部、CRM 推進部担当の林謙一氏
    執行役員 営業政策部、宣伝部、CRM 推進部担当の林謙一氏

    今後は、「PARCO」出店ショップによる商品販売に加え、パルコが実施するイベントやコンテンツのオリジナル商品、期間限定ショップ(POPUPショップ)のオンライン出店などを行う予定だ。

    藤田遥
    確認済み
    3 分 31 秒 ago
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