アシックスが策定した中期経営計画(2021年1月1日~2023年12月31日)は、デジタルを軸にした経営への転換を掲げている。
デジタルを活用したタッチポイントの拡大により、ECビジネスの成長を加速。中計最終年となる2023年のEC売上高は、2019年比の3倍以上に拡大する計画だ。
アシックスの2019年3月期のEC売上高は278億円。2023年12月期は単純換算で834億円以上に引き上げる。
EC売上の計画など(画像は中計から編集部がキャプチャ)
なお、2020年12月期のEC売上は前期比85.8%増の517億円、EC構成比率は2019年12月期の7.4%から15.7%に拡大している。特に北米や欧州で大幅に増えており、北米のEC売上高は同111.9%増、欧州は同133.3%増。日本は同61.2%増、中華圏は同39.8%増だった。
アシックスのチャネル別売上高(画像は決算説明会資料からキャプチャ)
デジタルを軸にした経営の内容は、「デジタルサービスと連携したランニングエコシステムを通して、一生涯、心も身体も満たされるランニング体験」を提供すること。
無料のメンバーシッププログラム「OneASICS」、フィットネス・トラッキング・アプリ「ASICS Runkeeper(アシックスランキーパー)」などを軸にランニングエコシステムを構築、スポーツイベントの集客や商品の販売につなげている。
アシックスが進めるランニングエコシステム(画像は決算説明会資料からキャプチャ)
「OneASICS」では2020年7月、ポイントプログラム制度を導入。アシックスジャパンが運営する店舗で会員が商品を購入すると、対象店舗でポイントが利用できるようにした。今後、顧客タッチポイントの拡大、ECサイト、EC中心のオムニチャネルでの利便性の高い購買体験を構築する。
ECに関する具体策は、①自社ECサイトのパーソナライズ・価値の向上②自社ECを中心としたオムニチャネルの推進③「OneASICS」によるロイヤリティ向上④データドリブンによるマーケティングの強化――などに取り組んでいく。
デジタルを軸にした経営への転換(画像は中計から編集部がキャプチャ)
収益事業の変革として、直営店戦略を見直す。ECを中心としたオムニチャネル戦略を進めるため直営店を再編。出退店管理強化による直営店事業の収益性向上を図る。コロナ禍の影響を踏まえた直営店の厳選や、不採算店舗のスクラップにも着手する。
オムニチャネル戦略ではデジタルと連携した店舗体験を用意。店舗顧客の「OneASICS」会員化、パーソナライズされたサービスを提供する。さらに、アウトレットストアの役割を深化。顧客とのタッチポイントと、チャネル横断による在庫消化促進の両立を図っていく。
ECを中心としたオムニチャネル戦略における直営店の再編(画像は中計から編集部がキャプチャ)
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オリジナル記事:アシックスがデジタルを軸にした経営への転換を掲げた中期経営計画の中身とは?
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