何が変わった? どう変わる? 担当者に聞いた新広告Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)を理解するためのQ&A
- インタレストマッチからYDNになって何が変わったの?
- YDNと以前のインタレストマッチは違うもの?
- マッチングのしくみが変わったけど運用管理の担当者が気にすべきことは?
- YDNでもスマートフォンとタブレット対応は重要?
- 今後追加される機能やサービスは?
- YDN導入予定のWeb担当者に向けたメッセージ
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)は、
スキルや知識がなくても成果を出せる広告。
Yahoo! JAPANでは、誰でも簡単に使える広告を
提供していく。
これは、ヤフー株式会社でYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)を担当する高田徹氏の言葉だ。
2013年1月29日から、Yahoo!リスティング広告はYahoo!プロモーション広告にブランド変更された。インタレストマッチもYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)に変わったが、もちろんこれらは単なる名称変更ではない。既存の広告主や、これから広告に取り組むWeb担当者のニーズに応えるための機能強化である。
Yahoo! JAPANの広告はこれからどうなるのか。機能強化や変更点、今後予定されている新サービスについて高田氏に聞いた。
インタレストマッチは
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)の一広告掲載方式に
―― インタレストマッチからYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)になって、何が変わったのでしょうか?
高田氏 Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)では、4つの広告掲載方式があります。「インタレストマッチ」は、この広告掲載方式の1つという位置づけになります。その他に、広告主様が配信対象を指定する「ターゲティング」「モバイル」、そして配信対象を特定しない「その他の広告」があります。
インタレストマッチとターゲティングの違いは、「ターゲティングを誰が指定するか」ということです。
広告主様自身が「これは20代の女性向け」「これは30代でスマートフォン向け」と指定するのがターゲティングで、モバイルはそのケータイ向けです。ただし、ターゲティングの組み合わせは膨大で、最適な指定をするにはスキルが求められますから、すべての広告主様にしていただくのは難しいと考えています。
インタレストマッチは、そのターゲティングを広告主様に代わってシステムが行います。広告主様のすべきことが減って利用のハードルが低くなるので、あまり広告に詳しくない方でも気軽に使える広告掲載方式です。
また、ターゲティングを自分でできるとしても、その想定が実際と食い違う可能性もあります。たとえば、広告主様が「30代女性向け」と思っていても、実際は「40代女性」の関心が高いといったケースです。インタレストマッチは、興味関心に連動してシステムが最適化しますから、こういったケースをカバーできます。特にオンラインでお申し込みの広告主様の場合は、まずは運用に手のかからないインタレストマッチから始めるとよいでしょう。
インタレストマッチ | 登録した広告とインターネットユーザーの興味関心(閲覧中のページ内容、過去の閲覧履歴や検索キーワード)に関連性があるときに広告を表示する方式 |
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ターゲティング | PCやスマートフォン、タブレットを使っているインターネットユーザーの属性・地域に対して広告を表示する方式 |
モバイル | 携帯電話を使っているインターネットユーザーの属性に対して広告を表示する方式 |
その他の広告 | 配信対象を特定せず広く広告を表示する方式 |
見た目は同じようでも中身が大きく変わったインタレストマッチ
―― Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)の広告掲載方式の1つであるインタレストマッチは、従来のインタレストマッチと違うのでしょうか?
高田氏 現状で広告主様が意識しなければいけないような違いはなく、運用方法を変えていただく必要もありません。ただし、中身は大きく変わっています。
従来は、ターゲティング設定に沿って配信されていましたが、それが結果データに基づく配信に変わりました。また、インターネットユーザーの行動は「Yahoo! JAPANのサイトでどのページを見たのか」までの把握だったものが、「そのページで何をしたのか」まで把握するようになりました。使い続けるほどシステムの最適化が進み、マッチング精度が向上するようになっています。
大きな違いとしては、これまでのテキスト広告に加えて画像広告も配信できるようになりました。これは広告主様からの要望も多かったものです。
日々の運用に影響を与えずシステムを改善&強化
―― マッチングのしくみが変わったことで、運用管理する際に何か気にすべきことはありますか?
高田氏 その必要はありません。インタレストマッチの機能強化を2012年の夏に実施しましたが、その際に大きな変化がありました。
入稿方法や広告掲載方式が変わりましたが、実はシステムのインフラも大きく変わっています。
以前は、個々のアップデートを節目として切り替える形でしたが、現在は十数個のロジックを並行して動かしています。つまり、アップデートごとに大きく変化するのではなく、小刻みにじわじわと改善されるイメージです。ですから、今までの運用方法や設定の効果が急になくなることはありません。
広告主様は、ターゲティング属性を調整したり、入札価格を変えたり、配信時間帯を指定したりといったことは、従来どおりやる必要があります。ただ、全体的な手間は減るので、ランディングページや商品ページをきちんと作ることに、今まで以上に集中できるようになります。
運用管理において上述の点は、スポンサードサーチと大きく異なるYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)の特徴といえます。スポンサードサーチは完全なターゲティング広告ですので、検索クエリーをいかに組み合わせるかが重要です。一方のYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)では、広告自体をどれだけ正確なものにするか、情報を含めるかがポイントになります。
これからの広告はスマートフォンとタブレットがけん引
―― Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)となっても、依然としてスマートフォンやタブレットといったモバイル向け広告は重要でしょうか?
高田氏 まず市場動向として、スマートフォンは著しい成長を見せています。この傾向は2012年の夏から顕著に表れており、この先も続くでしょう。
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)ではスマートフォンの構成比率が高く、表示される広告の2割以上がスマートフォン向けに配信されています。これはフィーチャーフォンの30倍くらいで、当然Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)もこれに対応していきます。
スマートフォンとタブレットは同列に扱われがちですが、この2つはまったく別のものです。スマートフォンは情報を見るための端末で、タブレットは行動を起こす端末です。
スマートフォンに比べて、タブレットは物を購入するなどのコンバージョンレートが非常に高くなります。現在タブレットを使っている層は、どちらかといえば経済的にゆとりのある方が多いのでバブル的要素もありますが、それを差し引いても2013年はタブレットが本格的に普及する年だと考えています。一般層に広がり、年配の方も多く使うようになると予想しています。
広告的にも可能性の高い市場になるでしょうから、広告主様にはWebサイトをスマートフォン対応していただくよう伝えています。それをサポートするために、Yahoo! JAPANでもスマートフォンやタブレット向けにWebサイトを最適化するソリューションを提供する予定です。
誰でも使えるリターゲティング広告をはじめ新機能を続々追加
―― 今後追加される機能やサービスのロードマップについて教えてください。
高田氏 今回のブランド変更は、これからYahoo! JAPANの広告が大きく変わる、機能が追加されるという意思表示です。多くの要望があったリターゲティング広告もその1つで、5月ごろに「誰にでも使えるリターゲティング広告」とでもいえるようなサービスをリリース予定です。
これはクリテオ社との提携で実現しましたが、Yahoo! JAPANではより小規模な広告主様にも使っていただけるサービスになる予定です。また、リターゲティングに関してWeb担当者の方に影響するのがタグ問題です。多くのタグを使うことで、Webページの表示速度に悪影響を及ぼすケースも少なくありません。さらに、タグの修正も負担になります。変更のたびに外注していてはコストがかかります。それを軽減する、広告主様自身が簡単に修正できるタグソリューションを提供する予定です。
誰でも使える広告ソリューションの提供がYahoo! JAPANの使命
―― Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)を導入予定のWeb担当者に向けてメッセージをお願いします。
高田氏 最近の広告はしくみが高度化して、知らなければいけない技術も無数にあります。それが可能な広告主様ならよいのですが、多くはそこまで手が回りません。お金と知識がないと、広告で効果を出せない状況になりつつあります。Yahoo! JAPANがめざしているのは、「どなたにも気軽にネット広告を使っていただく」ということです。
「リターゲティング」や「アトリビューション」など、業界は新しいキーワードでにぎわっていますが、これらを意識しなくても活用できる広告が理想です。マーケティングそのものではなく、考えたり学んだりすることに時間が費やされてしまっては本末転倒。一部の広告主様だけではなく、日本全国津々浦々の広告主様に使っていただけるサービスを提供することが使命だと考えています。
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)についていえば、使い続けることで徐々に効果が上がる性質の広告です。使ってもらえばもらうほど、よくなります。「どこかが導入してうまくいったら、自社でも使おう」と考える方も多いですが、まずはYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)を試して、先行者メリットやノウハウを得てほしいです。
スポンサードサーチが「運用勝負の広告」である一方、「手のかからない広告」としてYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)を捉え、両方を組み合わせて活用してください。
※この記事の内容は、2013年2月現在の情報に基づいています。Yahoo!プロモーション広告では、さまざまな機能改善を行っており、今後サービス内容が変更される場合があります。
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