正しく競合分析をして顧客獲得単価(CAC)を下げる方法 |敵だと思ったものは大抵、残念ながら、本当の敵ではない

正しく競合分析をして顧客獲得単価(CAC)を下げる方法 |敵だと思ったものは大抵、残念ながら、本当の敵ではない
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自社製品をプロモーションしていくとき、一体我々の競合は誰なのかを考えるのは実は結構難しいです。

万年筆は紙に文字を書くものですが、勿論そこら辺に売ってるペンが競合ではありませんよね。

何故なら、万年筆は高価な贈り物としてプレゼントされる方が多かったりするからです。

じゃあ、紙に文字を書く万年筆の競合って誰でしょうか?例えばちょっと高価なお酒とか、贈り物として贈られるネクタイとかだったりするわけです。

つまり、考えなきゃいけないターゲットっていうのは、製品の使用方法というよりかは、その製品やサービスを使ってもらいたい消費者のことです。

性別や年代、ライフステージなどの他、アウトドア志向の人や猫好きの人といった嗜好性に応じたターゲットもあるでしょう。

ここで重要なのは、最終的にどのようなメディアでコミュニケーションをするかを想定しながらターゲットを決めることでして、

例えば、どんなに精緻にターゲットを設定しても、そのターゲットに効率的にリーチできるメディアがなければ、机上の空論ですよね。

まあ、私も散々この手の失敗をしましたんだけども、もし、そんなことを決めずにプロモーションにお金を使ったら、顧客獲得単価が爆増して破産してしまうかもしれません。

なので、ターゲットに対して訴求すべき製品・サービスは、十分に正しいドメインやジャンルを考えないと、ポジショニングが取れません。

たとえば、もう少し別の話をしますけども、コカ・コーラという飲み物がありますが、この製品のカテゴリーを「コーラ飲料」と定義したら競合は「ペプシ」になります。

けれども「飲料」としたら、ビールもコーヒーも水も、人が口にする飲み物は全部ライバルになるわけです。

なあ、流石にコーラとビールで悩む人は多くないかもしれないが、それを「ソフトドリンク」という定義にするといかがでしょうか。

オレンジジュースやファンタなど、お酒以外の飲み物が競合になります。

つまり、製品・サービスのカテゴリーをどう定義するかによって、想定する競合が変わってくるため、広告や施策がまるで違ってくるわけです。

それで、もしコカ・コーラのカテゴリーがコーラ飲料ならペプシに対抗できる便益(ベネフィット)を提供しないといけませんし、

ソフトドリンクなら、「お~いお茶」を飲まずにコカ・コーラを飲んでくださいといった便益を提供しないといけないことになります。

またマクドナルドの場合なら、カテゴリーを「サンドイッチ系のファストフード」とすれば、競合は「モスバーガー」や「KFC」となりますが、実際の競合はそうではなくて、

大きな競合は、コンビニや街の中華料理店、回転寿司などです。 子どもが喜んでくれて、リーズナブルな食事をしたいお母さんたちは、「今日は中華か、回転寿司か、マックか」、そんなふうに決めているわです。

外食の中でのセグメントは違っても、間違いなくユーザー層が競合しています。

男性一人でガッツリと食べたい一人客では、たとえば吉野家が競合になりますし、朝食では、営業している外食が少ないこともあり、コンビニが最大の競合になルカもしれない。

こう言う風に色々と考えていきますと、カテゴリーや競合は、製品・サービスという提供側の論理ではなく、「消費者が何をどう択しているか」という視点で考えないといけないんですね。

だから、必ずしも同じような業態・製品・サービスではないものが実は競合している、というケースが少なくありません。

有名な話で言われているのが、JR東海が新幹線での帰省を訴求した「シンデレラ・エクスプレス」キャンペーンを企画した時に想定した競合は、飛行機や自動車ではなく、「電話(そもそも帰らないこと)」でした。

こういう感じで、マーケッターは色々な側面から、どう言う人を喜ばせたいのか?と深く深く考えて、出来るだけ多くの潜在顧客を安く集めて、彼らに届くセールスをしなきゃ資金を回収できないっていうことですね。

*参考にした書籍

グロービス経営大学院. [改訂4版]グロービスMBAマーケティング

3.5 out of 5 stars (3.5 / 5) 52個の評価

Kindle版 ¥2,495.  単行本¥3,080
Amazon.com

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  2. JINSはいかにして花粉から目を守る眼鏡をポジショニングしたのか (6)
  3. 小さな会社でも商品のミッションや目的を定めるべき理由 | 万年筆の売り方とブランド論 (6)
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