出し手を選ぶimp広告(1) / 何回表示されるかではなく何人が見ているか

なぜ純広告は博打なのか。なぜ無駄impが多いのか。なぜ第三者配信が必要なのか。
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どこで聞いても純広告不況らしい。アドネットワークという名のもとに媒体が安価で取引されている昨今にありながら、それでも出稿主は限られる現状が続いている。SEMやアフィリエイトと比較するとハードルはまだまだ高い。
 
バナーを見ていると、出稿状況の背景について想像がつく。
恐らく下記2種の広告主しか存在しない。
 
 
(1)CVRが素晴らしく良い、もしくはLTVが高いために強気な投資が可能な広告主(代理店)。
※CPAを度外視している場合を含む

(2)広告効果の見極めが“キチンと”している広告主(代理店)。
 
 
配信を見ている限り、(2)の場合は極めて少ない。
では、どのような場合がキチンとした見極めができているのか。
 
効果が良かった場合と良くなかった場合の違いを詳細に見てみる。小生の経験上、その違いは多くの場合、フリークエンシーが要因だと考えて間違いない。このことに気づいていない広告主が実に多く、それを最適化できる代理店も少ないように感じる。何せ、広告マンとされる人間でも配信広告のフリークエンシーを聞いても把握していない場合が非常に多い。これでは効果が出るわけがない。
 
わかりやすく説明すると、例えば1日当たりのフリークエンシーが1の場合と10の場合では、同imp配信でもユニークユーザー(UU)が10倍異なる。見ている人の数が10倍違うのだから、効果が大きく異なることは自明である。
 
ではフリークエンシーを小さくして多くの人に見てもらった方が効果が良いのかと思うと、必ずしもそうではない。複数見ることによって注意喚起されることがあるためで、この原理を考慮した時点で最適フリークエンシーが存在することが想像できる。
 
 
そう考えると、ブランディングとしての要素を排除すれば、多くの場合独占枠のimp価値が低くなることは自然であり、ローテーションでありながら何度更新しても同じバナーが出てくる枠は危険な臭いが漂う。間接効果の考え方も重要であるが、その前にフリークエンシーの認識が必要だ。このことを意識しているかしていないかでメディアプランニングは大きく変わるが、意識していない営業マンが多いことが純広告の効果低下に繋がっているという実感は強い。
 
最適の数値が幾つかは議論がある。野村総合研究所のInsight Signal DATA Serviceによると、最適フリークエンシーは7回で、それ以上の数値は横ばいになるとのこと。一定の根拠はあるが、当然のことながら出稿案件によって異なる。コンバージョンポイントが無料か有料か、ECでも商品の価格により変わる。枠がファーストビューにあるか否か、目立つか否かにも寄るため一様ではない。要は、最適フリークエンシーがあるから制御しなければいけないと考えることが重要だ。
 
 
(次回 「グローバルフリークエンシーをどう管理するか」)
 

【参考】
Fringe81、インターネット広告の第三者配信エンジン「iogous*mark」の提供を開始

フルスピード、ディスプレイ広告の総合管理プラットフォーム「FullSpeed Ad Exchange」販売開始

Insight Signal DATA Service 2010年10月15日号 バナー広告のフリークエンシーは7回が最適

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