楽天市場公式 ネットショップの教科書 オンライン版

「すべての点で平均点」のお店よりも何か1つ飛び抜けた「とんがり」のあるお店が選ばれる

『楽天市場公式 ネットショップの教科書』

この記事は、書籍『楽天市場公式 ネットショップの教科書』の内容を、Web担当者Forum用に抜粋してオンライン版として公開するものです。本書は楽天市場に出店するネットショップの運営ノウハウ、繁盛する秘訣を楽天スタッフ自らが書き下ろした、唯一の公式解説書です。

『楽天市場公式 ネットショップの教科書』

  • ISBN9784844324607
  • 1,600円(税込 1,680 円)
  • 楽天大学 編 /三木谷 浩史 監修

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ショップコンセプトを磨く
――見せるトップページの秘訣6

これまで、トップページでお店の魅力をアピールするための要素を見てきました。その中に、「お店のウリ・強みがわかりやすいこと」がありました。先にも述べましたが、インターネットというフィールドはいわば全国(世界)大会になります。したがって、ひしめく強豪ライバルに打ち勝つための強みを持っていることが必要不可欠になります。総合力では負けていても、何か1つ、飛び抜けた特長があれば選んでもらえるチャンスがあります。逆に「すべての点で平均点」のお店に勝ち目はないのがインターネットショップの世界です。楽天大学では、「競合より魅力的に見えるための磨き上げられたウリ・強み」のことを「とんがり」と呼んでいます。

ここからは、とんがりをアピールするための考え方、そして、店舗紹介文にまとめるまでの考え方を紹介していきます。

お客様が持っているあなたのお店のイメージは?

自分のお店の魅力を把握するための手法が、「店舗環境分析」です。名前は難しそうですが、内容は簡単です。自分のお店の置かれている状況を「お客様」「競合店舗」「自店舗」という3つの視点から考えればいいのです。

店舗環境分析(3C分析)の視点
自店舗の市場における「強み」と「弱み」を把握し、「何をどうアピールしていくと、お客様から選んでもらえるか」を考えます。お客様が自店舗と競合店舗を見比べているイメージです

まず上の図を見てください。一番上に「お客様」がいます。自分のお店が置かれている環境を分析していく上で、これはとても重要なことです。つまり、「お客様の立場で考える」ということです。決して「自店舗」の立場で考えてはいけません。

もう一度、上の図を見てください。お客様がキムチを買おうと思ったときに、自分のお店(A)と競合店舗(B、C、D…)を(上から)見比べて、一番条件のよいところを選ぶというのがごく普通の購買行動です。お客様の立場で考えるとあたりまえですが、これを自店舗の視点から考えてしまうと、「なんでセールをやっているのに売れないんだ」「なんで寝ないで一生懸命やっているのに…」と悶々とした日々を過ごすことになりかねません。ですから、これからは必ず「お客様の視点」で考えるようにしてください。「お客様」から見て「自店舗」と「競合店舗」はどう見えているのかが大事です。環境分析の視点が「お客様」「自店舗」「競合店舗」という3つなのは、そういう意味です。

店鋪環境分析のプロセス
  1. 顧客がその商品を選ぶときに、重要であると考える基準を列挙する
  2. ウリになる(またはその可能性がある)軸を2つ組み合わせる
  3. 自店舗と競合店舗のポジション(お客様のイメージ)をマッピングする
  4. 差別化のためのコミュニケーションを考案する

それでは早速、自分のお店の強み・弱みを整理していきましょう。まず、自分のお店と競合店舗を比べるための軸(基準)を設定します。もちろん、この軸もお客様の視点で考えます。つまり、自分のお店の商品を買おうとするお客様が、お店を見比べるときに重要視するであろう基準を軸にするわけです。例えば、価格、品揃え、品質、ファッション性、専門性、楽しさ、店長の情熱など、何でも構いません。

いくつか選んだら、自分のお店でとんがりになる、または磨けばとんがりにできる可能性のある軸を2つ選び出し、上図のように組み合わせてみます。このとき注意しなければならないのは、価格と品質のように関係性の高い2軸を組み合わせないことです。品質がよければ価格は高い、悪ければ安い、というのが通常なので、軸を2つ取った意味がなくなってしまうからです。もっとも、価格は安いのに品質がよいというのが自分のお店のとんがりになる場合はこの限りではありません。

軸をとったら、その上に自分のお店と競合店舗の位置づけを行います。この位置づけをすることをポジショニングというわけですが、このポジショニングの結果、位置づけられたポジションが「お客様から見たときのお店のイメージ」ということになります。「イメージ」というのがポイントです。つまり、客観的な事実ではなく、お客様が「どう思っているのか」というのが「お店のポジション」です。いくら強みを持っていても、それがお客様に伝わっていなければ強みになっていないということなのです。

この「お客様が持っているイメージ」を自分の思っている方向へ動かすためには、お客様に対して「自分のお店はこういうお店です」というコミュニケーションを図っていく必要があります。このコミュニケーションは、「差別化」と呼ばれています。「当店はほかのお店と違って○○がすごいんですよ」というメッセージを発信し、受け取ってもらい、お客様から「あのお店は○○がすごい店だ」というイメージを持ってもらえた(ポジションが変わった)とき、それが「差別化に成功した」ということになるわけです。

話が抽象的になってしまいましたが、次の記事では、これまでの流れを具体的に考えてみましょう。

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