ハラスメントでの離職者は年間86.5万人、うち57.3万人が会社に退職理由伝えず【パーソル総合研究所調べ】

現状では82.4%のハラスメントが未対応のまま放置されている。

パーソル総合研究所は、職場のハラスメントに関する調査を実施した。全国の20~69歳男女の就業者28,135人が回答している。

ハラスメントでの離職者は年86.5万人、うち57.3万人が理由伝えず

全国のハラスメント離職者数(簡易推計)

2021年の1年間において、ハラスメントを理由に離職した人を簡易推計したところ、約86.5万人であった。また、そのうち57.3万人が、退職理由を会社に伝えていないことが分かった。業種別に見ると、「宿泊業・飲食サービス業」でハラスメントを理由とした離職者が多かった。

34.6%の人が「ハラスメントを受けた経験あり」

ハラスメント被害の「経験」と「実態(上位15位抜粋)」

調査対象の全就業者に対し、「過去にハラスメントを受けた経験があるか」を聞くと、34.6%が「ある」と回答した。また、過去5年以内にハラスメントの被害を経験した人に対し、被害の実態について聞いたところ、「自分の仕事について批判されたり、言葉で攻撃される」が最も多く、2位以下は「乱暴な言葉遣いで命令・𠮟責される」、「小さな失敗やミスに対して、必要以上に厳しく罰せられる」と続いた。

会社側の対応は? 現状では8割以上のハラスメントが未対応

ハラスメントに対する会社側の対応

被害者が受けたハラスメントに対して、会社側が何らかの対応をした割合は17.6%であり、82.4%のハラスメントは未対応という結果となった。会社側の具体的な対応内容としては、「被害者の要望を聞いたり、相談にのったりしてくれた」、「被害者に事実確認のためのヒアリングを行った」、「加害者に事実確認を行った」などの割合が高かった。

ハラスメントに対する被害者や目撃者の対応

ハラスメントに対する被害者自身の対応については、「特に何もしなかった」が24.4%、「上司に相談した」が27.2%、「同僚に相談した」が26.2%となった。ハラスメントの目撃者の対応については、「特に何もしなかった」が41.4%と最も多く、僅差で「被害者の相談にのった/声をかけた」が40.7%であった。

上司の75.3%が「飲み会やランチに誘わないようにしている」

属人思考の風土が強い組織と、ハラスメント発生率や会社・被害者の対応との関係

また、「会議やミーティングでは、同じ案でも、誰が提案者かによってその案の通り方が異なることがある」、「トラブルが生じた場合、『原因が何か』よりも『誰の責任か』を優先する雰囲気がある」といったような属人思考の風土が強い組織では、ハラスメントが発生しやすい傾向が見られた。属人思考の高さは、会社の対応率の低さや被害者が「相談しても無駄だろう」と予期する相談無力感とも比例していた。

上司のハラスメント回避的なマネジメントの実態
距離感と部下の成長実感

上司が普段どのようなマネジメントをしているかを調べると、「飲み会やランチに誘わないようにしている」(75.3%)や「ミスをしてもあまり厳しく叱咤しない」(81.7%)など、ハラスメントを回避するような行動を多くとっていることが分かった。一方で、上司と部下との間に心理的な距離感があるほど、過去1年間の成長実感を得られていないことも明らかになっている。

調査概要

  • 【調査方法】調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
  • 【調査時期】2022年8月30日 - 9月5日
  • 【調査対象】全国の就業者 20~69歳男女 28135sのうち、① 5年以内ハラスメント被害経験者 n=3000s ② 5年以内ハラスメント目撃経験者 n=1000s ③ ハラスメント非経験・非目撃者 n=1000s
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