企業の不正・不祥事、就業者の13.5%が不正関与または目撃……特に危険な業種は?【パーソル総研調べ】

バッドで邪悪な企業・業種は「個人の不正許容度」「組織の不正黙認度」がともに高い。

パーソル総合研究所は、「企業の不正・不祥事」に関する調査結果を発表した。5年以内に不正に関与あるいは不正を目撃した3,000人、それ以外の1,000人、計4,000人が回答している。

不正・不祥事は、就業者にも悪影響

まず事前調査として就業者である20~69歳男女46,465人に「不正への関与、あるいは目撃した経験」を聞くと、13.5%が「不正に関与あるいは見聞きしたことがある」と回答した。

具体的な内容では、「日常的なサービス残業」「基準を超える長時間労働」「組織的な嫌がらせやハラスメント」など労務管理上の問題が特に多い。一方で「個人情報や機密情報の流出」「資格を得ないまま業務を行っている」といった問題も一定数存在する。

こうした不正発生のリスクを高める要因を分析すると、業績が好調だと「個人の不正許容度(個人が不正しても許される、不正は必要悪だと感じる意識)」が高くなり、業績が不調だと「組織の不正黙認度(勤務先の会社は不正・不祥事が起きても対処せず、隠ぺいするだろうという意識)」が高くなる。そのため、業績はほぼ関係ないく、不明確な目標設定や成果主義・競争的な風土が不正発生のリスクを高めていた。

さらに20種の業種について「個人の不正許容度」「組織の不正黙認度」それぞれの観点から不正発生リスクの度合いを見ると、「運輸業、郵便業」「医療・福祉」のスコアが特に高かった。

こうした不正を目撃した場合、「何らかの対応を行った」人は53.9%で、残る46.1%は「特に何もしなかった」と回答している。対応内容としては、「社内の上司に報告した」36.2%が最多だった。

従業員による法律やルールへの違反、または社会的信頼を損なうような行為は、従業員側のストレスも高め、主観的なウェルビーイング(幸福感)を下げていると、パーソル総研は指摘。一方で大量の手続きや現場感のない研修などは、対策を形式的に「こなす」意識を生み、不正防止につながっていないとも指摘している。

調査概要

  • 【調査対象】全国の就業者20~69歳男女(事前調査数:46,465)
  • 【調査方法】調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
  • 【調査時期】2023年1月30日~2月3日
  • 【有効回答数】5年以内に不正関与・目撃した3000人、それ以外の1000人
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