OJT最大の課題、従業員・企業ともに「人によって指示や教える内容が異なっている」が4割近く【パーソル総研調べ】

現場でのOJTの難度が近年、構造的/組織的要因によって高まっている。

パーソル総合研究所は、「OJT(On the Job Training)」に関する調査結果を発表した。全国の過去3年以内OJT経験者4,000人が回答している。

OJTは、「企業現場における日常業務に就きながらの教育訓練」を意味し、新人を職場に馴染ませ現場実務を効率的にキャッチアップする人材育成方法として、多くの日本企業で実施されている。一方で教育の品質にバラつきが出るなどの組織的課題が顕在化している。

複数人から教わるほど、新人のパフォーマンスは高まる傾向

まず「どのようなOJTを行っているか」を探るため、OJT時の施策内容を聞くと、新卒の場合は「新人向けの特別な研修」47.3%、中途の場合は「チームでの歓迎会」30.6%が多かった。「メンターや教育係の配置」も多い一方、中途では「どれもなかった」の比率が高い。

次いで、「OJTの課題」を新人側(新卒・中途)、教える側(企業)の双方に聞くと、いずれも「人によって指示や教える内容が異なっている」が最も高く、4割近い結果になった。そのほか新人側は「時間が取れない」「古い教え方」、さらに教える側は「マニュアルや書類・業務ツールがそろっていない」が高い。

また教える側(企業)に「OJTに関する意識変化」を聞くと、「ハラスメントに気を付けなければいけなくなった」「効率よく教えなければいけなくなった」「新人に教える人が少なくなった」という声が多い。

そこで新卒新人(Z世代)に「実態と教える側の(新人への)予想とのギャップ」を聞くと、教える側の予想以上に、新人は「経済的な成長を重視する」「一度就職したら定年まで勤めたい」「会社のために貢献することが重要」といった意識が強かった。

また「教える側のどんな行動が、新人のパフォーマンスにつながっているか」では「勇気づける」「位置づける」「跡づける」が上位。さらに「教わるネットワークが広く、一人に対して複数人で教わっている」ほど、パフォーマンス・組織社会化(社内の人間関係・歴史の理解、業務上の知識やスキルの習得、全体に対する自分の役割の理解)とのプラスの関連が見られたという。

調査概要

  • 【調査対象】全国の正規雇用就業者・男女20~59歳・過去3年以内のOJT経験者
  • 【調査方法】インターネット定量調査
  • 【調査時期】2024年10月8日~11日
  • 【有効回答数】4,000人
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

スマホ決済
スマホ決済(スマートフォン決済)とは、現金を使わずに支払を行えるキャッシュレス決 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]