世界デジタル政府ランキング2021、コロナで主要国のデジタル化が急進。日本は2ランクダウンの9位に【早稲田大学調べ】
シンガポールや英国を僅差で上回り、デンマークが1位に返り咲き。
2022/1/27 8:00 調査/リサーチ/統計 | 調査データ
早稲田大学(電子政府・自治体研究所)は、「世界デジタル政府ランキング2021」(第16回)を発表した。ICT先進国64か国・地域について、デジタル政府の進捗度を主要10指標で評価している。
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日本のランクダウン、理由は「国民視点の利便性欠如」?
2021年度は、コロナ禍を経て多くの国で、急激なデジタル・トランスフォーメーション(DX)が見られたという。その結果、前年2位だった「デンマーク」が1位に復帰。そのほか上位は、2位「シンガポール」(前年3位)、3位「英国」(前年4位)、4位「米国」(前年1位)、5位「カナダ」(前年8位)などとなっている。前年1位だった「米国」は4位まで後退した一方、カナダは前年8位から大きく成長した。
デンマークは早い段階からコロナパス(デジタル証明)を整備・発行し、全ての手続きをオンラインで完結させたことなどが評価された。なおデンマークのデジタル化庁(Digitalization Agency)は2011年10月に設置されており、日本に10年先駆けた存在となっている。
日本は前回の7位から2ランクダウンの9位だった。各指標サブの評価では「政府CIOの活躍度(1位)」「行財政改革への貢献度(1位)」などは高評価だったが、「先端ICTの利活用度(10位)」は低い。これについて同研究所では、日本のランクダウンにおける課題と構造的弱点を以下のように分析している。
- コロナ対応で露呈した官庁の縦割り行政、DX(デジタル変革)やスピード感の欠如
- 電子政府(中央)と電子自治体(地方)の法的分離
- 地方公共団体の財政・デジタル格差
- デジタル政府・自治体の推進役となるICT人材不足
そしてそれを解決する方策として、新生活様式へのシフトと行政DXの推進、デジタル庁による中央と地方の全体最適化などを提言している。
調査概要
- 【調査対象】ICT先進国64か国・地域のデジタル政府の進捗度
- 【調査方法】主要10指標で多角的に評価(2005年に研究所初代所長の小尾敏夫現名誉教授によって開発)
- 【各10指標】「デジタル・インフラ整備」「行財政最適化」「アプリケーション」「ポータルサイト」「CIO(最高情報責任者)」「戦略・振興」「市民参加」「オープン政府」「セキュリティ」「先端技術」(35サブ指標)
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