アジア10都市比較、東京は「コロナで生活に変化なかった」が他国平均の3.5倍以上【トランスコスモス調べ】

オンラインショッピングでも、東京除く9都市では「ライブコマース」が盛んな様子が判明。

トランスコスモスは、「アジア 10都市オンラインショッピング利用調査 2021」の結果を発表した。東京を含むアジア10都市におけるオンラインショッピングの利用実態・越境ECへの関心を探ることを目的に、毎年実施されている。今回は各都市320人・計3,200人から「ライブコマース」と「新型コロナによる行動変化」の2つについて回答を得ている。

各国に比べ非常に低い、東京の「ライブコマース」利用

「ライブコマース」は、商品やサービスの紹介を動画でリアルタイム配信し、視聴しているユーザーからの質問にもコメント機能などで即座に回答するサービスだ。オンラインショップで行うことができるため、国内でも有名デパートや化粧品大手などがすでに提供している。

「ライブコマースで購入経験がある」と答えた人は、アジア10都市では「ハノイ」62.5%、「バンコク」60.6%、「ムンバイ」52.5%が上位だが、「東京」はわずか5.9%と最下位だった。認知についても、他国が「知らない」という人が1割前後なのに対し、東京のみ65.9%と突出している。

この理由については、企業個別では参入ケースが増えているものの、集客力のある大手オンラインショッピングサイトがまだ本格的にライブコマースを展開していないこと、実店舗での購入を好むことなどが理由として考えられる。

実際「ライブコマースを利用しない理由」で日本は「どこでライブコマースが実施されているかわからない」「テレビショッピングみたいで嫌い」「買い物はじっくり考えて行いたい」が同率32.0%と高く、まだまだ認知も慣れも低いことがわかる。今後の利用意向についても東京は低い。

ただし、コロナ禍によりオンラインショッピングが拡大しているため、店舗と同等の接客体験ができるライブコマースは、今後広く受け入れられる可能性もある。実際「ライブコマース利用に関する感想」において、「画像やテキストでは分かりにくい説明を聞くことができる」というメリットは東京73.7%(全体平均65.2%)と日本では高く評価されている。ただ海外で2位の「買い物をするとき、不明点や疑問点をすぐに確認できる」57.3%、「商品の使い方について実演してくれる」50.9%といった理由は、東京は42.1%、21.1%と平均より低い。

お国柄による違いなどもあるが、まだ評価されていないメリットが伝わるライブコマースの登場が、日本では拡大のきっかけになるかもしれない。

やはり独特な東京の傾向、「コロナで生活に変化なかった」が4人に1人

「新型コロナウイルスによる生活への変化」を聞くと、上位は「実店舗での買い物回数が減った」56.5%、「オンラインで購入する頻度や金額が増えた」49.8%、「自炊やオンラインデリバリーを利用して在宅で食事をとることが増えた」41.7%が、どの都市も多い。

他都市との比較では、東京は「オンラインで購入する頻度や金額が増えた」27.8%の数値がやや低い。一方「生活の変化はなかった」25.6%とする声が東京は突出して多かったが、これは各都市の規制内容や市民感情からの影響が高いためと考えられる。

「オンライン購入で増えたジャンル」では、「日用品・トイレタリー」が10都市平均50.4%で最も多く、「フードデリバリー」47.0%、「食品・飲料・酒類」46.3%がそれに続く。一方東京は、「ファッション(アパレル、カバン、アクセサリーなど)」29.8%が1位で、「食品・飲料・酒類」29.0%、「日用品・トイレタリー」24.4%がそれに続いた。「フードデリバリー」はトップ5には入っていない。なお「フードデリバリー」は、マニラ(61.6%)とハノイ(61.5%)、クアラルンプール(60.4%)、バンコク(59.6%)では1位となっている。

調査概要

  • 【調査対象】各都市在住の10~40代の男女で、直近1年以内のオンラインショッピング利用(購入)経験者
  • 【調査対象都市】日本(東京)、中国(上海)、台湾(台北)、インドネシア(ジャカルタ)、シンガポール(シンガポール)、タイ(バンコク)、マレーシア(クアラルンプール)、ベトナム(ハノイ)、フィリピン(マニラ)、インド(ムンバイ)の10都市
  • 【調査方法】インターネットによるパネル調査
  • 【調査期間】2020年12月25日~2021年1月12日
  • 【有効回答数】320×10都市=計3,200サンプル
     
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

UCD
ソフトウェア/ハードウェアの制作において、エンドユーザーにとっての利便性を第一に ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]