人事評価制度を10年以上“放置”している中小企業が5割、「わからない」14%という声も【あしたのチーム調べ】

経営者の7割超は「自社の人事評価制度に満足している」と自画自賛するが、従業員は3割未満。

あしたのチームは、「人事評価制度の運用」に関する調査結果を発表した。人事評価制度を導入している全国の中小企業(従業員数5名~300名の企業)の従業員・経営者300人(経営者:100人、従業員:200人)から回答を得ている。

5割の企業が、人事評価制度の改訂を10年以上行っていない

まず経営者に「直近で人事評価制度を改訂した時期」(小さな規約改訂や運用条件の変更までを含む)を聞くと、「改訂していない」26.0%と「2010年より前」24.0%を合わせた5割が、10年以上放置状態だった。「わからない・覚えていない」14.0%も存在しており、かなりの企業が長期間にわたり人事評価の改訂を行っていないことがうかがえる。

「人事評価制度の見直しをする頻度」については、「1年に1回程度」28.0%が最多だが、見直しても改訂されない場合も多い。さらに「2年に1回程度」「3年に1回程度」「それ以下の頻度」「わからない・見直していない」の合計も47.0%と半数近い。

さらに経営者に「人事評価制度で実現したいこと」を聞くと、「従業員の能力やスキルの正当な評価」69.0%、「給与決定基準の明確化」68.0%が特に多く、「昇格・降格の基準の明確化」56.0%がそれに続く。人員配置や働き方改革以前に、客観的な指標を設けたいという方向性が感じ取れる。

「従業員の意識や行動に関して、人事評価制度が良い影響を与えると期待すること」では「従業員のモチベーション向上」83.0%が最多で、“客観的な指標が示されることで、従業員のやる気がアップするはず”という経営者の思考が見てとれる。

経営者と従業員の間で、人事評価制度の感想に大きなへだたり

一方で、経営者に加え従業員も含めた全300人に「自社の人事評価制度は総合的にうまくいっていると思うか」を聞くと、「うまくいっていると思う」「ややうまくいっていると思う」の合計は、経営者75.0%、従業員33.0%と、42ポイントもの差が付いた。

「自社の人事評価制度に満足しているか」という質問でも、「満足している」「やや満足している」の合計は、経営者71.0%に対し、従業員26.0%と45ポイントもの差が付いており、経営者と従業員の認識に、大きなへだたりがあることが明確になっている。

さらに、自社の人事評価制度に「あまり満足していない」「満足していない」と回答した経営者29人・従業員148人に、「不満に感じる点や改善すべきと思う点」を聞くと、経営者は「評価をしても年功序列が排除できていない」27.6%、「評価制度の形骸化」24.1%が上位、一方で従業員の不満は「評価が給与に反映されない」50.0%、「評点を決める明確な基準がない」39.2%が上位だった。

調査概要

  • 【調査対象】全国の従業員数5名以上300名未満で人事評価制度を導入している企業の、経営者(20歳以上の男女)、および勤続1年以上の従業員(20~59歳の男女)
  • 【調査方法】インターネット調査
  • 【調査期間】2021年1月26日~28日
  • 【有効回答数】300名(経営者:100人、従業員:200人)
     
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