人流データから小売店の販売額を推計する「エリアポテンシャル・サーチ」の実証実験開始

インテージとDIM、店舗別に商圏特性の変容をリアルタイムに可視化、推計・予測値を提供

山川 健(Web担 編集部)

2021年2月26日 7:02

市場調査・マーケティングリサーチ事業のインテージは、NTTドコモ子会社でリサーチ事業のドコモ・インサイトマーケティング(DIM)とともに、人の流れのデータから小売店舗ごとの販売額を推計するサービス「エリアポテンシャル・サーチ」の実証実験を2月に本格的に始める、と2月25日発表した。実験に協働する企業を募っている。サービス開始は年内を予定する。

エリアポテンシャル・サーチは、小売店舗別に商圏特性の変容をリアルタイムに可視化し、潜在需要の分析に基づいて算出した販売額の推計・予測値を提供するサービス。インテージの全国の小売り販売動向データ「SRI+」と全国小売りチェーンの位置情報付き店舗データベースを基盤に、DIMが持つ携帯電話の位置情報を利用した「モバイル空間統計」を組み合わせる。

モバイル空間統計は、いつ・どんな人が・どこから・どこへ・何人移動したかが分かる人口統計情報。インテージとDIMは2020年8月からデータ分析を行い、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って店舗ごとの販売額が大きく変化した期間でも、高い精度で店舗の販売額が推計できた。過去の販売データを保有していない各店舗の販売推計も高精度で可能なことを実証した。

新型コロナウイルスで消費者の移動習慣が大幅に変わり、その変化は小売店の売れ行きに大きな影響を与えている。小売店は人の移動の変化をタイムリーに捉え、新たな日常に沿った店舗作りや販促策を検討する必要に迫られていることから、エリアポテンシャル・サーチを開発した。小売店は人の流れから商圏の状況を把握することで、効果的な広告展開につなげられる。

AIによる販売額推計と実績額の比較
過去の販売データを保有しない未知の店舗の販売推計
サービス概要 (活用イメージ)

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