アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)診断で、95%以上が“自身の偏見”を改めて認識【連合調べ】
日本労働組合総連合会(連合)は、「アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)」について、Googleアンケートを用いた診断を実施した。回答者数は50,871名。
アンコンシャス・バイアスが存在したのは、全体の95%以上
アンコンシャス・バイアスとは、「○○なら普通はこうだ」「○○はこうあるべき」「○○ならこうに決まっている」といった、日常にも存在する無意識の思い込み、偏見、先入観による判断などを指す。そのこと自体は避けにくいが、こうした価値基準を他人にも押しつけた場合は、差別などにもつながる大きな問題になる可能性がある。
この調査では、
- 親が単身赴任中というと、父親を想像する(母親を想像しない)。
- ドメスティック・バイオレンス)と聞くと男性が暴力をはたらいていると想像する(女性を想像しない)。
- LGBTであると聞くと、戸惑いを感じてしまう。
- 介護しながら働くのは難しいと思う。
- 外国人労働者は日本の企業文化にあうのか、つい心配になる。
- 年配(高齢者)の人は頭が固く、多様な働き方への融通が利かないと思ってしまう。
といった設問20問を用意し、回答を得て、アンコンシャス・バイアスの有無を洗い出している。
その結果、すべての設問に「いいえ」と答えた人(アンコンシャス・バイアスがなかった人)は、4.5%。残る95.5%が、何らかのアンコンシャス・バイアスが自身に存在していることを、改めて認識したと言える。
1人あたりの該当数は4件(11.0%)が最多だったが、性別の平均件数を見ると、男性は5.9件、女性は5.0件と、男性のほうがやや高かった。
最も多い偏見は「親が単身赴任中というと、父親を想像」
具体的な内容ごとで見ると、もっとも多かったのは「親が単身赴任中というと、父親を想像する(母親を想像しない)」66.3%、以下「介護しながら働くのは難しいと思う」58.4%、「体力的にハードな仕事を女性に頼むのは可哀そうだと思う」51.5%が上位となった。逆に「定時で帰る人は、やる気がないと思う」2.8&、「LGBTの人は一部の職業に偏っていて、普通の職場にはいないと思う」4.3%などは少ない。
なお30代以下の「若年層」と40代以上の「中高年層」の世代別で見ると、若年層ほど「DV被害者は女性」「お茶出し・受付は女性」「年配の人は頭が固い」といった項目で数値が高かったが、特に明確な差はなく、一人あたりの平均件数も若年層5.8件、中高年層5.6件とほぼ同じだった。
性別で見ると、男女ともにもっとも多かったのが「『親が単身赴任中』というと、父親を想像する(母親を想像しない)」で6割以上だった。
一方で男女差がもっとも大きかった設問は「体力的にハードな仕事を女性に頼むのは可哀そうだと思う」で、男性56.6%に対し、女性は32.5%に留まった。また「LGBTであると聞くと戸惑いを感じてしまう」も、男性20.3%に対し、女性は9.6%と半分以下だ。また「外国人労働者は日本の企業文化にあうのか、つい心配になる」「外国人労働者をみると、出稼ぎなど、一時的な滞在者だと思う」などの外国人労働者に関する質問でも、男性のほうがやや高い傾向が見られた。
調査概要
- 【調査対象】連合本部、構成組織、地方連合会、単組の役職員、組合員、その他一般
- 【調査方法】日常、職場のなかでのアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)について、Googleアンケートを実施
- 【調査期間】2020年6月10日~11月11日
- 【有効回答数】50,871名
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