「若年層のソーシャルメディア離れ」が進行? 利用率が平日休日ともに減少【総務省調べ】
総務省 情報通信政策研究所は、東京大学大学院 情報学環との共同研究として実施した、「2018年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の結果を発表した。インターネットメディア・テレビ・ラジオなどの情報通信メディアと、新聞・雑誌等の非情報通信メディアの関係性や利用実態の変化を調べるもので、2012年から毎年実施している(今回で7回目)。
利用時間がもっとも長いのはテレビながら、利用者率はネットが上回る
それによると、主なメディアのなかで、平均利用時間がもっとも長いのは「テレビ(リアルタイム)視聴」で、平日156.7分、休日219.8分を費やしていた。2位は「インターネット利用」で、平日112.4分、休日145.8分だった。
一方、行為者率(利用者率)でみると、「テレビ(リアルタイム)視聴」は平日79.3%、休日82.2%。「インターネット利用」は、平日82.0%、休日84.5%となっており、インターネット利用が上回る。
「テレビ(リアルタイム)視聴とインターネットの並行利用」(ながら視聴)の状況については、多くの時間帯で並行利用の割合が高まったものの、前回調査からはあまり変わっていない。平日休日ともに、ゴールデンタイム(19時台~22時台)の間に、10%台後半~20%台後半程度の人たちが「ながら視聴」を行っている。
若年層のソーシャルメディア利用、10代が増加・20代が減少
「インターネット利用」について、利用目的ごとに利用時間を見ると、平日は「メール」30.8分、「ソーシャルメディア」26.7分が高いが、休日は「動画投稿・共有サービス」36.6分、「ソーシャルメディア」35.6分。「動画投稿・共有サービス」が初めて休日利用で1位となった。定額制動画サービスなどの「VODを見る」は別項目となっており、YouTubeに加え、InstagramやTikTokなどのSNS系動画サービスの台頭が見てとれる。
「ソーシャルメディア」について平均利用時間を見ると、引き続き10~20代の若年層がきわめて長いが、今回調査では、10代は大幅に増加した一方で、20代は減少した(10代平日54.0分→71.6分、10代休日75.8分→98.7分、20代平日61.4分→51.9分、20代休日77.8分→64.6分)。ただし若年層のソーシャルメディアの行為者率は、平日休日ともに減少している。
調査結果のみでは明確に判断できないが、ソーシャルメディアの平均利用時間および行為者率は、概ね増加傾向にあるため、ネットサービス側でなく若年層のライフスタイルそのものの変化に起因するとも考えられる。手垢の付いた言い方だが「若年層のソーシャルメディア離れ」と表現できるかもしれない。
なお、具体的なソーシャルメディア系サービス/アプリの利用率を見ると、「LINE」の利用率は全体で82.3%と突出(前回調査75.8%)。以下「Twitter」37.3%、「Instagram」35.5%、「Facebook」32.8%が続いている
調査概要
- 【調査対象】13歳~69歳の男女(性別・年齢10歳刻みで住民基本台帳の実勢比例)
- 【調査方法】訪問留置調査(実査:山手情報処理センター)。日記式調査とアンケート調査を併行実施
- 【調査期間】2019年2月23日~3月1日
- 【回答者数】1,500人
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