高校生のネット・リテラシー、2018年度「ILASテスト」の正答率は69.6%【総務省調べ】

3つのネット対応能力を測る指標「ILAS」を使い、高校1年生にテストを実施。

総務省は、「2018年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果」を発表した。

総務省では、インターネット上の危険・脅威に対応する能力を測る指標として、「ILAS」(Internet Literacy Assessment indicator for Students)を策定。「違法コンテンツ、有害コンテンツに適切に対処できる能力(違法有害情報リスク)」「適切にコミュニケーションができる能力(不適切利用リスク)」「プライバシー保護や適切なセキュリティ対策ができる能力(セキュリティリスク)」という3つの能力を測るテストを開発し、2012年度より毎年、高等学校1年生を対象に実施している。2018年度は78校・12,626名を対象に、テストとアンケートを実施した。

ネット・リテラシー能力テスト、高校生の正答率は69.6%

まず、能力テストにおいて、2018年度ILASの全体正答率は69.6%。この数字はここ数年大きな変動はないが、項目別に見ると「セキュリティリスク」の正答率が上昇している(2015年度:65.3%→2018年度:67.4%)。一方で、「不適切利用リスク」は下降が見られた(2015年度:82.4%→2018年度:80.2%)。なおほとんどの設問で男子より女子のほうが正答率は高かった。

 

2018年度ILASの結果(正答率[中分類])

インターネット機器の現状としては、95.8%がスマートフォンを保有しもっともよく利用。また、69.2%がフィルタリングを一定程度認知しており、そのうち51.0%がフィルタリングを利用していた。フィルタリングについては高校生の78.0%が肯定的に捉えていた。一方10.0%は「使いたいサイトやアプリを利用できなくする邪魔なもの」と否定的に捉えていた。

 

保有するインターネット接続機器(複数回答)

 

フィルタリングに対するイメージと利用状況

LINEを使う高校生はフィルタリング利用率も相対的に高い?

高校生が利用しているSNSは、「主にメッセージサービスを目的とするサービス」86.1%が1位で、「主に発言投稿を目的とするサービス」52.6%、「主に写真・動画投稿を目的とするサービス」50.8%が続く。これらは順に、LINE、Twitter、InstagramやTikTokを指すと考えられる。

さらにSNS種別ごとに、フィルタリング利用率を見ると、「主にメッセージのやりとりを目的とするサービス」利用者における利用率は43.6%と高いが、「主に発言投稿を目的とするサービス」は38.6%と低かった。またSNSを利用していない高校生のフィルタリング利用率は、さらに49.2%と高い。そのため総務省では、SNSを利用している高校生に周知することで、フィルタリング利用を拡大しうると考察している。

 

利用しているSNSとフィルタリング利用状況

調査概要

  • 【調査対象】全国78の高等学校等の1年生
  • 【調査方法】IDを割り付けた上で無記名形式でテストを実施。併せて、利用している機器やトラブル経験の有無等についてアンケートを行い、クロス集計を実施。
  • 【調査期間】2018年7月~2019年2月
  • 【有効回収数】12,626名
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