溜め込まれた“デジタルクラッター”、「全従業員が責任あり」は2割にとどまる【カスペルスキー調べ】

雑多な状態のデータ「デジタルクラッター」の問題点を、カスペルスキーが指摘。

カスペルスキー(Kaspersky Lab)は、業務で使うデジタルデータ(デジタルクラッター)の管理について、インターネット調査を実施した。日本を含む世界14か国の企業に勤務する従業員7,000人が対象。

「デジタルクラッター」とは、“業務上作成したファイル・文書・データが、企業側によって保管やアクセス権などが管理されないまま溜め込まれている状態”(またはそのデータ)を指す。

“関係者全員”がデジタルクラッターに責任

まず、セキュリティ的に重要な「個人を特定できる情報や機密データを含む文書」を、「職場に保管している」と回答したのは全体の72%(日本は59%)。これらの多くはデジタルクラッターの状態にあると考えられる。実際に「給与やボーナスの金額など、同僚の機密情報を偶然知ってしまった」と回答した人が37%、「今でも前の職場のファイルにアクセスできる」と回答した人が33%存在した。

 

一方、“適切なアクセス権限の設定”を保証する責任は、「自分たちではなく、企業の上層部、IT部門、またはセキュリティチームにある」と従業員の71%(日本は59%)が回答している。「いない」「わからない」という回答もあわせて9%存在。「自分たち」(全ての従業員)と考えていたのは20%にとどまっている。

実際には人為的なミスもありうるため、「“関係者全員”が雑多なデータを溜め込まないように行動に責任を持たなければならない」と、カスペルスキーは指摘している。

 

“冷蔵庫の整理”と“業務データの整理”には相関関係あり

「自宅の冷蔵庫を整理する人は、業務で使うデータも整理する」という意見がある。これについてもカスペルスキーは実際に調査を実施したところ、相関関係が見てとれたという。

「自宅の冷蔵庫が整理できている/どちらかと言えば整理できている」と回答した人にしぼって、「業務で使うデータ類も同様に整理できているかどうか?」を尋ねたところ、「自宅の冷蔵庫の中は片付いている」と思っていた人は、全体の95%(日本は80%)におよんだ。なお「休暇前に冷蔵庫を片づける」と回答した人にしぼると、全体の88%(日本は68%)だった。

 

さらに「冷蔵庫に入っている品物を、気づかず再び買ってしまった人」にしぼり、「仕事中に文書やファイルを見つけるのに苦労するか?」を聞いたところ、66%が「苦労する」と感じていた。

 

カスペルスキーは、デジタルクラッターによる悪影響を排除するために、実用的なスキルのトレーニング、定期的な啓発活動、最重要データのバックアップ、IT機器の定期的なアップデートなどを推奨している。

調査概要

対象国は、英国、米国、フランス、スペイン、ドイツ、イタリア、ブラジル、中国、メキシコ、日本、マレーシア、南アフリカ、ロシア、トルコ

  • 【調査対象】世界14か国の企業や組織に勤務する従業員
  • 【調査期間】2018年12月~2019年1月
  • 【調査数】7,000名(うち日本の対象者は500名)
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