Twitterは“当事者との距離を縮めるメディア” CEOが語るそのビジョン
4月16日、TwitterのCEOであるディック・コストロ氏(@dickc)が来日し、報道関係者を対象にメディアイベント#flywithtwitterを開催した。
Twitterのもつビジョンは
「人々をより近づける力」
TwitterはFacebookやmixiと同じ「ソーシャルメディア」という枠でくくられることが多いが、同社ではTwitterというサービスを「ソーシャルメディア」だとはしていない。
コストロ氏は、「なぜTwitterを使うべきなのか」という問い掛けには「Twitterが距離を近づけてくれる力をもっているから」と答えるのだという。
たとえば自然災害・スポーツ・革命などのニュースをテレビで見ても、それが遠いことのように感じられ、「世界のどこかでだれかが」と自分とは関係のないことのように思われる。しかし、Twitterは世界を小さくする役割を果たすため、Twitterで情報を見ると、その当事者と自分の距離が縮まり、当事者のニュースとしてとらえられるのだという。
スポーツなどでもイベントの最中に当事者がツイートしたり、ニュースの話題となる当事者がツイートしたりするということが多くみられる。これで、イベントを見ている人たちの体験も変わるのだという。というのも、以前は多くの人にとってイベントの情報に触れるのは、事後にテレビを介してだったが、いまは当事者から直接その最中に情報が伝わるからだ。
イベントの当事者たちにとっても人の距離が縮まる効果があるのだという。チュニジアにおける革命では、革命の最中にTwitterや他のプラットフォームを介して世界中の人たちがチュニジアの春に賛成して応援していることが当事者たちに伝わったことがそうだ。
政治家の討論でも、以前ならば他の政党や候補者の発言に対しての反論は、翌日にプレスリリースしていた。しかし今では即座にTwitterで反論を出さなければいけない。他の候補者がそうしているからだ。
テレビで放送されているスポーツイベントや映画に対して多くの人がTwitterで発言したり見たりすることで、Twitterを通して同じ体験を共有し、それによって距離を近くできる効果もある。
特に日本ではそうした動きが強く、瞬間最大ツイート風速の記録の多くが日本でたたき出されている。たとえば、2010年のワールドカップ(3200TPS)、2011年新年あけおめ(6900TPS)、なでしこ決勝(7100TPS)、天空の城ラピュタの「バルス」(2万5000TPS)などだ(TPS:tweets per second、1秒あたりのツイート数)。
311で再認識したTwitterの「人をつなげる役割」
またTwitterは、不測の出来事においても、人々をつなげる。311では家族や友人だけでなく、見知らぬ人とも情報でつながっていた。国によるコミュニケーションがうまく働いていないときにでも、ニュース、鉄道状況、電機状況、各都市で何が起こっているのかなどの情報を伝える「有事におけるライフライン」としてTwitterが機能し、ひとびとの距離を縮めていたのだという。
そして、日本での震災時のTwitterの使われ方をみた各国政府がTwitterをどのように活用すべきかを考えるようになり、「どう利用するのがいいのか」をTwitterに聞くようになったのだという。
たとえば311では、Twitterで情報を発信できていた学校は、生徒たちの安否に関して瞬時に情報を発信できた。こうしたベストプラクティスを世界に広げ、他のユーザーにも推奨していきたいとしている。
Twitterは常に世界の人々をつなげる役割を果たしていたが、311でTwitterの人をつなげる役割の大切さを再認識したのだという。
日本は重要な市場、投資を続けていく
Twitterは世界中で成長を続けているが、コストロ氏によると、日本はさらに世界の成長率を超えたスピードでTwitterの利用が伸びているのだという。
Twitterにとって日本とは、最大のユーザーベースを抱える市場の1つであり、よりTwitterを深く利用しておりそのエンゲージ度も高く、そしてハッシュタグの利用方法など独特で最先端の使い方をしている、そんな国だ。
そうした日本はTwitterにとって大切な市場であり、今後もエンジニア・製品担当・サポートなどの人的リソースやビジネス向けサービスの強化など、日本への投資を続けていくとコステロ氏は宣言した。
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