KDDIウェブ、中小企業向けクラウドサービスの第一弾「CloudCore VPS」提供開始

新ブランド「CloudCore」を設立しサービス開始。12月には提案型の「CloudCore Hybrid」を提供予定

ホスティングサービス事業のKDDIウェブコミュニケーションズは、中小企業向けのクラウドサービスの新ブランド「CloudCore」の設立を11月15日に発表し、同日から第一弾サービス「CloudCore VPS」を提供開始した。12月15日には第二弾サービス「CloudCore Hybrid」の提供を予定している。

CloudCore VPSは、仮想化技術のKVMをベースに完全仮想化環境を自社開発した、IaaSとしてクラウド基盤を提供するエンジニア向けのサービス。自社開発によって低価格かつ高機能を実現したといい、他社サービス連携を視野に入れたIaaSとして、クラウドの専門知識がない担当者でも運用開発ができるサービスとして提供していく。基本スペックは、CPU物理1コア、メモリ2GB、ディスク容量100GB、データセンターの立地は都内。標準OSとしてCentOS5.6を採用しており、FreeBSDやSolarisなどを順次追加していく。初期費用は無料で、月額料金は1,470円から(12ヶ月契約の場合)。月額料金が945円になる、12ヶ月契約初年度月額費用割引キャンペーンも実施している。

もう一方、12月に提供予定のCloudCore Hybridは、クラウド基盤をベースに顧客の要件にあわせた環境を提供する、提案型のソリューションサービス。企業のIT担当者向けのクラウドソリューションとして、インフラのクラウド化をKDDIウェブコミュニケーションズの専門化が支援する。

今後の展開として、2011年内にリモートコンソールの追加と利用OSの拡充を行う。2012年1月~3月にはプランの拡張などを行い、春から夏にかけて、利用中の自社サーバーや他社クラウドからコンバートするためのツールを提供する。

CloudCoreのロードマップ

専門知識がなくても使える「超楽」クラウド

株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ
代表取締役社長
山瀬明宏氏

新ブランド立ち上げにともない、KDDIウェブコミュニケーションズ 代表取締役社長 山瀬明宏氏は「いまのクラウドサービスは大企業にとってはすばらしいものだが、中小企業にとってはそうでもない。後発だからこそ見えてきたことがある。いくつものサービスを我々は見てきたが、問題は難しいこと。難しいということは使える技術者が少なく、スキルの高い技術者を雇わなくてはならない。クラウドによるコスト削減によって、トータルではそれほど高くならないという視点もあるが、それは大企業の話。中小企業にとっては導入費用の高さが問題になる」と話し、中小企業が使えるクラウドサービスとは何かを考え、CloudCoreを設立したことを説明した。

中小企業が使えるクラウドとは何か、山瀬氏が示した答えはクラウドの専門知識やスキルがなくても利用できる「超楽」というコンセプトだ。「2つのサービスを通して中小企業を支援していきたい」というように、超楽を実現するために機能面でサポートするCloudCore VPSと、人による支援を行うCloudCore Hybridという2つのサービスを作成した。

中小企業のクラウド導入については、導入費用が最大のポイントになるとし、「安くするにはどうするのか。エンジニアが1ヶ月かかる作業を半月にできる機能を提供できれば、コストは半分になる。これがVPSのコンセプト。支援力も高めなくてはならないが、人がついてサポートをすると金銭的負担が大きくなってしまう。オンラインで支援できれば人件費を抑えられるというのがHybridのコンセプトで、先日公開したサーバーデザイナーと同じ」だと説明した。

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