ここがよかった!ここがスゴイ! 後藤真理恵の企業SNS活用事例ピックアップ

企業のコール&ユーザーの即レスポンスで大盛り上がり! SNSの「問いかけ型投稿」のポイントを解説

過去、もしくは直近で話題になったSNS投稿やSNS施策に関して、「なぜ話題になったか」「良かったポイントは」などをコムニコ後藤さんが解説。

企業・団体のSNS担当者のみなさん、日々のアカウント運用、大変おつかれさまです。お忙しい日々を送られるなか、良質で大量な情報インプットを続けることはできていますか?

当連載では、企業・団体のSNS担当者のみなさんにお役立ていただけそうな良質なSNS活用事例をピックアップし、「どこがすぐれているのか」「なぜ話題になったのか」などをやさしく解説していきます。企業・団体のSNS投稿やSNS施策のなかでも、比較的最近の事例や再現性のある事例を取り上げ、みなさんのSNSアカウント運用の参考にしていただけるような記事を目指しますので、よろしければどうぞお付き合いください。

今回取り上げるのは、SNS上で企業からユーザーに問いかけることで多くの反応を得ただけでなく、認知拡大・好意度向上・新商品開発などに生かすことができた事例です。

簡単そうで難しい「問いかけ型投稿」

SNS公式アカウント運用におけるコツの1つとして、「一方的な情報発信にとどまらず、フォロワーや他ユーザーとの双方向コミュニケーションにも注力する」重要性をご存じの方も多いでしょう。

この「ユーザーとの双方向コミュニケーション」創出を目的とした施策としては、「問いかけ型・参加型」と呼ばれる、クイズやアンケートを含む投稿が王道です。SNSではよく見かけるポピュラーな施策ではありますが、一方で実際にやってみると期待していたほどユーザーからの反応を得られないケースも多いようです。

ユーザーが反応してくれない理由の例として以下が考えられるでしょう。

簡単そうに見えて意外と難しい「問いかけ型投稿」をうまく使い、企業活動にも生かしている好事例をご紹介していきます。

問いかけでユーザーニーズを顕在化、新商品発売の後押しに【acure<アキュア>】

JR東日本エキナカ自販機を中心に展開する飲料ブランド「acure<アキュア>」から期間限定で毎年販売されている人気商品『From AQUA 天然水ゼリー』。現在は小さいサイズと大きいサイズがあるのですが、この「大きいサイズ」誕生の経緯をご存じでしょうか。

2020年の発売当初は小さいサイズしかなかったのですが、熱烈なファンの一部からは大容量を求める声がちらほらと出ていました。そして2021年7月、「スタッフが『このサイズじゃ満足できなくなってきた…!』と増量を切望していたので」と前置きした上で、Twitter投票機能を使ったアンケートを実施したのです。

結果的に2,157件もの回答が寄せられ、「今より大容量がほしい」という声が過半数を占めました。「飲み口を大きくして」「他の味もほしい」など追加要望をリプライしてきたユーザーも多く、アンケートテーマへの関心の高さがうかがえます。

その後しばらく大きな動きはなかったのですが、アンケートから約半年が経った頃(2022年3月)、「Twitterアンケートでも要望の多かった大容量タイプ(の水ゼリー)を商品化」との発表が行われ、大きな話題となりました。

アンケートをとらずとも、“大容量サイズを求めるユーザー層が一定数存在すること”を、実は同社は把握していたのではないかと思います。しかし、あえてオープンに問いかけて回答を集めることでニーズを顕在化させ、社内における新商品開発を加速させることができたのではないでしょうか。また、ユーザー側からすれば、「自分たちの要望を受けて発売された商品」への喜びや愛着を感じたり、「アキュアは消費者の声を聴いてくれた」と同社への好意度が向上したりといったポジティブな行動変容もあったに違いありません。

ユーザー要望に誠実な対応、好意度向上&自社商品認知拡大へ【パイオランテープ【公式】】

「パイオランテープ」という養生テープを主に製造するダイヤテックス株式会社の公式アカウントでは、「養生テープの 好きなところ・嫌いなところ(改善してほしい)教えてください」とユーザーに呼びかけました。

同アカウントは日頃から一般ユーザーや他社公式アカウントらと積極的にコミュニケーションをとっていたためか、この問いかけにも多数の回答が寄せられました。

その一件一件に対し「中の人」がていねいに返信していますが、特に養生テープへの「要望」に対する対応は秀逸です。要望に応える自社商品がすでに存在する場合には、画像付きで紹介することで、商品の認知拡大に寄与。さらに(自社商品では難しいが)要望に応える他社商品が存在する場合には、正直にその旨を返信するという誠実・親切な対応で、フォロワーから感謝や賞賛の声が上がっていたのも納得です。

タイムリーな問いかけで、反応もフォローも大量獲得【(株)梅樹園 【公式】】

2023年1月、梅干製造問屋の梅樹園は「弊社の梅干し倉庫はパンクしており、梅農家さんが作った梅干しの多くは行き場のない状態です。またこの状態が続くようであれば、弊社も含め多くの梅干し屋さんが廃業することになります」などと投稿しました。

このツイートがネットニュースやマスメディアに取り上げられて『梅干し離れ』なるキーワードが拡散。世間の注目が集まったタイミングで「皆様が本当に求める梅干しを作るためにも『こんな梅が欲しい』などのお声をいただければと思います」とTwitterで呼びかけました。

タイムリーな問いかけが功を奏し、「昔ながらのすっぱい梅干しがほしい」「食べきりサイズで売ってほしい」など、現実的かつ具体的な要望が多数寄せられました。この結果を受けて、同アカウントの投稿本数がぐっと増えただけでなく、これまで以上に梅干し愛があふれる内容にアップグレード。結果的にフォロワー数も順調に増え、梅干しの売り上げにも良い影響が出ているそうです。

問いかけ投稿で成果を得るために

問いかけ投稿を実施すること自体は簡単ですが、多くの反応(成果)を得るにはいくつかのポイントがあります。以下に挙げておきますので参考にしてください。

  • 日頃から「土壌づくり」を行っておく
    フォロワーがいない/少ないアカウントや、いつも一方的にツイートするだけのアカウントから突然問いかけても、回答が集まるとは限りません。
    顧客/潜在顧客にアカウントをフォローしてもらう施策を続けること、フォロワーと日頃からコミュニケーションをとり良好な関係性を築いておくことが大切です。
  • 「聞きっぱなし」にしない
    ユーザーから寄せられた回答に「どう対応するか」をあらかじめ決めておきましょう。(例:「いいね」返しする、個別に返信する、まとめて返信する)貴重な「ユーザーのリアルな声」として社内に共有し、企業活動に生かすのもお勧めです。
  • 問いかけるタイミングを意識する
    何の脈絡もなく唐突に問いかけるよりも、「ニュースで話題になっている」「Twitterでトレンド入りしている」「今日は、商品/テーマに関連する記念日である」等のタイミングで問いかけるのがよいでしょう。ユーザーに興味を持ってもらいやすく、ひいては回答してもらえる可能性が高まります。
  • 回答ハードルを下げる
    「面倒」と思われないような形式を採用したり、回答者へのインセンティブを用意したりしましょう。
(例)
  • 答えやすいよう選択式にする、その答えも数字や記号1文字で答えられるよう簡略化する。
  • SNSに用意されている機能を使う(例:Twitterの投票機能、Instagramストーリーズ/リールのアンケートスタンプ、TikTokの投票ステッカー)。
  • プレゼントキャンペーンと組み合わせる(例:アンケート回答してくれた方に抽選でプレゼント)。

まとめ

実施自体は容易ですが、回答を集めるのが意外に難しい「問いかけ型投稿」。フォロワーとコミュニケーションをとれるだけでなく、サービス改善や新商品開発に生かしたり、ブランドや商品の認知拡大・好意度向上にもつなげたりできる可能性を秘めた施策ですので、しっかり準備してチャレンジしてみてくださいね。

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