進化が止まらない! 最新ツール

待ってました! Figmaファン待望の日本語版が登場【記者会見レポート】

デザインコラボレーションツール「Figma」が7月27日、日本語版を発表した。リリース会見をレポートする。

デザインプラットフォーム「Figma(フィグマ)」が7月27日、日本語版の提供を開始した。英語以外の言語を公式にローンチするのは、今回が初めてとなる。またヘルプセンターと、オリジナルグッズを販売するオンラインショップ「Figma Store」の日本語版も同時にリリースした。

共同創業者・CEOのディラン・フィールド氏らアメリカ本国の経営陣が来日し、Figma Japanのカントリーマネージャー川延浩彰氏とともに都内でプレスカンファレンスを開催した。その会見をレポートする。

(左から)Figma,Inc. CPO 山下祐樹氏、CCO アマンダ・クレハ氏、CEO ディラン・フィールド氏、​Figma Japanカントリーマネージャー 川延浩彰​​氏

「Figma」は、ブラウザ上でリアルタイムに共同編集できる!

Figma社が提供するツールは2つ。

日本語版「Figma」

「Figma」はデザインコラボレーションツール。ソフトをインストールする必要がなく、ブラウザ上でリアルタイムに共同編集できるのが特長だ。企画からデザイン制作、開発まで一気通貫で取り組めることから、デザイナーだけでなく、マーケターやプロジェクトマネージャーなどにも重宝されている。

日本語版「FigJam」

またオンライン上のホワイトボードである「FigJam(フィグジャム)」は付箋や絵文字をつけたり、図形や線も書き込めたりするなど、インタラクティブにブレストできる機能を持つツールである。

カスタマーサポートの最高責任者であるアマンダ・クレハ氏は、「住宅の内装や家具のデザイン、結婚式のプランニングにまでFigmaを使うユーザーもいる」と、ユニークな活用事例を紹介した。

コミュニティの盛り上がりで日本語版リリースを決意

「日本は建築から自動販売機に至るまで、グッドデザインの宝庫。テクノロジー面でも革新的な企業が生まれた国なので興味を持った。そうしたなかで、アジア初のハブとして日本市場を選んだのは、ユーザーコミュニティが盛り上がりを見せていたから」と語るのは、CEOのディラン氏だ。

CEO ディラン・フィールド氏

日本のFigmaコミュニティでは、ユーザーがブログやTwitterで、Figmaについて解説記事を書くだけでなく、書籍を出版した者もいた。また記者会見の後、原宿で開催されたユーザー向けイベントには、平日にも関わらず300人以上のFigmaファンが詰めかけた。

熱狂的なファン向けにオリジナルグッズを展開するオンラインストアも日本語版をリリース
プレス向けに提供されたFigmaオリジナルアイテム。どれもオシャレ!

日本に投資する責任があると感じ、2022年1月に日本法人を立ち上げた。今後は日本の組織におけるDX支援や教育支援にも寄与したい(ディラン氏)

アメリカではChromebookを通じてどの学区でも学生たちにFigmaを無償提供しているという。

デザインが日本経済の起爆剤に?

円安の影響もあり、日本経済は目下低迷中だが、デザイン部門には勝機があるとFigmaは見ているようだ。川延氏は、マッキンゼー・アンド・カンパニーの記事『なぜ今、日本に「デザイン」が必要なのか』を引用しながら、日本市場におけるデザインの重要性を指摘した。

Figma Japanカントリーマネージャー 川延浩彰​​氏

経済規模でいえば日本はGDP3位だが、OECDにおけるデジタルの競合性は28位。デジタル化へ大きく舵を切れば、今後10年で100兆円規模の経済効果が見込まれるだろう。そのなかでデザインは、会社の勝敗を左右する重要なものになっている(川延氏)

コロナ禍でユーザーの購買行動が対面からデジタルに急激にシフトしたこの数年、各企業は、ただ単にWebサイトやアプリを作るのではなく、いいデザインにしないと立ち行かなくなることに気が付き始めているという。

デザインは企業と顧客をつなぐ橋渡し役である。だからこそ、経営陣レベルからデザインの意識付けが必須だ。一般社員や社外のクリエイティブエージェンシーなども含め、多くの人たちが参加できるようになれば、デザインはもっと良いものになる(川延氏)

Figmaのプランは4つ。「Figma」「FigJam」ともに無料から利用できる。チームで利用することを想定したプランは1人あたり、Figmaで月12米ドル~、FigJamは月3米ドル~(現在は、米ドルの価格設定のみ)。

◇◇◇

デザインは、もはやデザイナーのみの仕事ではなくなってきている。デザインを軸に経営を考える未来がやってくることだろう。

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