MA導入前に知っておきたい、メールマーケティングで効果を出す10のTips大公開!
日々、メール配信に取り組んでいるが、「いまいち効果が出ない」「思ったようにコンバージョンにつながらない」あるいは「MAを導入したけどうまくいかない」などと悩んでいるマーケターは多いだろう。MAを本格導入する前に、メールマーケティングで効果を出すコツは知っておきたい。
そこで、今回はメール配信ツール「配配メール」を提供するラクスの安藤氏に、自社の経験から導き出したメールマーケティングで効果を出す10のTipsを語ってもらった。
- メールは質より量で勝負する
- ユーザーの余暇時間を狙って送る
- HTMLメールで送る
- CTA(誘導)ボタンはファーストビューに入れる
- タイトルの【〇〇様】は効果なし
- ひとつのメールに要件はひとつ
- 購読解除を怖がらない
- リストはホットとコールドの2つに分ける
- Webサイトの閲覧をきっかけに次の打ち手を自動化する
- シナリオは3ステップで、細かく何度も回す
MAを導入したが使いこなせず、メール配信システムに逆戻り
ラクスの調査によると、中小企業のマーケティング担当の76%は他の職務をやりつつマーケ担当を兼任している。さらに、リスティングやSEOなど、やらなければならないことはいろいろあり、メールマーケティングだけに注力できないのが現実だ。
また、メール配信の先にあるマーケティングオートメーション(MA)は、昨今、経営層にも認知が広まっており、導入を検討する企業が増えているが、そう簡単にはいかない。下記のような悩みからMA導入に足踏みするケースも多い。
- 高額な予算が必要
- 運用設計が難しい
- 多機能すぎて駆使しきれない
- 人的リソースが確保できない
流行に乗って、メール配信システムを卒業し、MAに移行したはいいが使いこなせず、メール配信システムに“出戻ってくる”ケースも多いという。
安藤氏は、「MAは、自社で見つけた“勝ちパターン”を自動化するもの。まだ勝ちパターンを見つけていない場合は、MAを導入しても手に余る。まずはメール配信でしっかりと実績を積み上げ、勝ちパターンを見つけるのがいい」と述べる。
そこで安藤氏には、メールの文面などをひと工夫する基本編から、勝ちパターンを見つけるための上級編まで、メールマーケティングの効果を倍増させるTipsを紹介してもらった。先にリストアップした項目を詳しく紹介していく。
基本編 ユーザーのメール閲覧事情を考慮しよう
Tips ① メールは質より量で勝負する
メールは質と量どちらで勝負するべきだろうか。安藤氏は、「メールは量」と言い切り、「毎日送っても構わない」と断言する。なぜなら、メール受信のプッシュ通知を設定している人は少ないからだ。
メールの量が多すぎると購読解除されてしまうのではないかと考えてしまうが、それはメール受信をメールソフトが必ず通知していた時代の話だ。受信するとメールサーバからメール自体が削除されるPOP(Post Office Protocol)では、見落としがないようにメール受信を通知するのが一般的だった。
しかし今は、メール受信をプッシュ通知設定にしていない人も多く、メールアプリを立ち上げたら、受信メールの一覧から見たいものだけタップし、残りはサクサクと削除するのが一般的な行動だ。少しメールが多いなと感じても、わざわざ購読解除まで考える人は少ない。
Tips ② ユーザーの余暇時間を狙って送る
裏を返せば、「メールアプリを開くタイミングで視界に入らなかったら、なかったのと同じ」(安藤氏)だ。そのため配信時間は重要となる。
安藤氏は下記のようなポイントを紹介した。
- BtoCは「通勤・通学時間」「昼休み」「21時以降」に送る
- BtoBは「通勤時間」「昼休みに入る直前(11時30分)」に送る。ただし、月曜日と金曜日を除く(月・金は開封率が下がる)
- Googleアナリティクスを確認し、自社サイトに人が来ている曜日や時間帯を狙って配信する
- 毎週同じ曜日に送るというような定期配信は、メールマーケティングでは意味はない
Tips ③ HTMLメールで送る
安藤氏は、「テキストメールにクリックするURLを書いた場合と、HTMLメールに遷移ボタンを描いた場合では、HTMLのほうがクリック率が4倍高い」とデータを紹介し、「メールは絶対にHTMLで送るべき」だと主張する。
10年ほど前に、HTMLメールを開いただけで感染するウイルスが存在した。その印象のためか、メールのベテランほどHTMLメールを忌避しがちな傾向がある。しかし、各種メールソフトではすでに対応が済んでおり、特にスマホではHTMLメールを受け取るか受け取らないかの設定すら存在しない。
「日本の企業でも、メールソフトでテキストしか受け付けないというケースはほとんどありません。リッチテキスト形式を使用して、普通のテキストメールに見えるようなメールでも構わない。重要なのはHTMLメールなら、開封データが取れることです」(安藤氏)
メール配信サービス側でHTMLとテキストの両方を作っておき、受信環境に合わせて自動配信するという方法もある。
Tips ④ CTA(誘導)ボタンはファーストビューに入れる
安藤氏によれば、「ファーストビューにCTA(誘導)ボタンが入っているかどうかで、クリックされる割合は最低でも4倍は変わる」という。
そのためには、タイトルの文字数や、メール本文の構成にも注意が必要だ。メールの件名が20文字以上あると、スマホのメールアプリで見た場合に件名とコンテンツが半々くらいになってしまう。すると、ファーストビューに置いたつもりのCTAが視界に入らなくなる。
ユーザーのメール閲覧時間は、65%が「7秒以内」です。7秒で読めるのは流し読みでも140文字くらい。「いつもお世話になっております。安藤です」と挨拶して、「最近寒くなってきましたが……」といった時候の挨拶やリード文を書いていると、肝心な目的部分は読まれない。名乗ったらすぐに目的の内容を書く。ゴテゴテしたヘッダーや飾りも不要です(安藤氏)
- タイトルは20文字以内(15~20文字程度がベスト)
- 時候の挨拶やリード文は不要
- エクスキューズ、ブランドロゴ、グローバルナビなどは下の方に入れる
- 編集後記はなくしても問題ない
Tips ⑤ タイトルの【〇〇様】は効果なし
タイトルに【 】(隅付き括弧)の中に相手の名前を入れて、オリジナルの件名にすると、パーソナライズとして効果があるイメージがあるが、実はあまり効果がないと安藤氏は言う。
隅付き括弧を使用して【〇〇様】などとするのは一時期は効果があったが、今は逆に一斉メールらしさが出てしまう。もしタイトルで呼びかけるなら【】には入れずに、〇〇さん、と書く方が良い。【セミナー紹介】【プレスリリース】なども同様に、【】をつけると一斉メールらしさが出てしまうので注意が必要だ。
タイトル決めのポイントは、セールスライティングの「4U原則」が参考になる。良いタイトルには次の4点が必要だというものだ。
- Urgent(緊急性)
- Unique(独自性)
- Ultra_Specific(超具体性)
- Useful(有益性)
安藤氏は、「この中でも“超具体性”が一番いい」として、メールのタイトルは15~20文字程度で内容を具体的に書いた方がいいとアドバイスした。
Tips ⑥ ひとつのメールに要件はひとつ
ひとつのメールに要件は1つしか書かないほうがいい。セミナーを3本紹介したい場合、ひとつのメールで3本紹介するより、それぞれ別のメールで紹介するべきだ。
なぜなら、「ひとつめのCTAをクリックしたら、ユーザーはメールには戻ってこない」からだ。3本に分けて配信したほうが見てもらえる率は高くなる。
Tips ⑦ 購読解除を怖がらない
Tips①にも関係してくるが、メルマガを担当していると、購読解除が怖くて配信回数を減らしたり、当たり障りのない内容になってしまうことがある。しかし安藤氏は、「購読解除はいいこと」だと発想の逆転を勧める。
たとえ、今回の内容が自分にそぐわなくても、「過去にセール紹介のメールで買い物をしたことがある」などメリットを感じた経験がある顧客や、「いつか買うかもしれない」と考えている本当の見込み客は購読解除することはない。解除する人は、そもそも自社の商品やサービスに興味がないので、いくら待っていても買ってくれるわけではない。そういう人が解除してくれたことで、リストの質が上がったと考えればいいのである。
安藤氏によると、「メール配信による購読解除率は、ほとんどの場合、0.25%くらいで安定する」という。週イチでしかメールを送らない場合でも、ECの会社が6万人のリストに一日3回(朝昼晩)メール配信した場合でも、購読解除率は0.25%で変わらないというのだ。
購読解除率が0.3%を超えるような場合は、メールそのものではなく、「リストがそもそも商品のターゲット層ではない」とか、「受け取り手の温度感を考えず、セグメンテーションなしで同一内容を一斉配信している」など別の問題があると考えるべき(安藤氏)
メールマーケティングの本来の目的は、セミナーに申し込んでもらったり、商品を買ってもらうなど態度変容を起こしてもらうことだ。顧客にならない人を慮って行動するよりは、動いて欲しい人を意識してメールを作成した方がいい。
上級編 メール配信で勝ちパターンを見つける
Tips ⑧ リストはホットとコールドの2つに分ける
メールはできるだけパーソナライズした方が良いと言われているが、深く考えすぎると動き出せない。そこで安藤氏は、「リストを、まずはホットとコールドの2つに分ける」ことを推奨する。
例えば下記のような人は「ホットリード」に分類し、セールスメールを配信する。
- 過去一カ月に何度もメールを開封し続けている人
- 過去一カ月に何度もリンクをクリックしている人
- 料金表など重要なコンテンツに誘導するメールを開封した人
一方で、下記のような人たちは「コールドリード」に分類し、セミナーや展示会などオフライン施策の紹介、ホワイトペーパーダウンロードなどのメールを配信して、ナーチャリングする。
- 何の反応もない人
- 一回しか開封していないような人
コールドリードに対してセールスメールを送っても鬱陶しがられて効果はないし、ホットリードに対してナーチャリングしても、クロージングスパンが伸びるだけで意味がない。BtoCでも自動車や住宅などクロージングスパンが長い商材の場合は、これに当てはまる。
このセグメント分けは手動でやると手間がかかる。なぜなら、一般的なメール配信システムでは、一回の配信ごとに「このメールを開封したのは誰か」はわかっても、「この人はどのメールを開封したか」(複数のメールを開封したか)は把握できないケースが多いからだ。
しかし、安藤氏の所属するラクスがこの10月にローンチした「配配メール Bridge」(以下、Bridge)では、「この人は、過去3回の配信のうち2回以上開封している」「特定期間内にメール内のURLを3回クリックした」など、メールの配信結果を元にユーザーを自動でグルーピングする「ホットリード抽出機能」を備えている。こういった機能を活用し、顧客ステータスを自動で管理するのが、忙しいマーケ担当者にはオススメだ。
Tips ⑨ Webサイトの閲覧をきっかけに次の打ち手を自動化する
メールだけではなく、自社サイトのキラーコンテンツを見たという行動もホットリードの判断材料になる。キラーコンテンツとは、顧客が問い合わせや資料請求など、何らかのアクションを起こす直前に閲覧することが多いコンテンツのことで、企業ごとに異なるが、一般的には下記の3つが“鉄板”コンテンツだ。
- 価格表
- 導入事例ページ
- 機能紹介ページ
メール配信システムでもWeb閲覧を検知できる機能はあるが、多くの場合、「メールを開いて、書かれたURLをクリックしてページを見た」という行動を把握しているにすぎない。しかし、検討期間が長い商材では、コンバージョン発生までにWebページの訪問は複数回発生する。
Bridgeでは、メール本文内にあるURLのクリックで付与されるCookieの有効期限を最長13カ月まで設定できるため、クリックしてから時間がたっていても、特定のページを閲覧したことを検知し、ホットリードと判断することができる。
さらに、「トリガーメール機能」を使えば、そのWebページの閲覧をトリガーとして、特定の動作を設定できる。例えば、サービスAのページを見た人にはAに関連するイベントの紹介メールを自動送信するという使い方はもちろん、ホットリードだと判断できるページを見たら、すぐに営業担当に通知し、営業からアプローチをかけることも可能だ。
Bridgeでは、トリガーページを最大で5つまで設定できる。前述したキラーコンテンツに対応するには十分だろう。
Tips ⑩ シナリオは3ステップで、細かく何度も回す
MAの主要機能である「シナリオ機能」は、顧客が購買に至るまでのメールやWebサイト訪問などのシナリオを作成し、自動化するものだ。
しかし、カスタマージャーニーを基に複雑なシナリオを考えるのは手間がかかる上に、自社の顧客が購買に至るまでのマップをしっかりと掴めていないと見当違いなシナリオになってしまう。
しかも、「作成したシナリオ通りに進む顧客はごく少数だ」と安藤氏は警告し、「いきなり複雑なシナリオを作るのではなく、3ステップで作り、何度も短いシナリオを回す方がいい」とアドバイスする。
Bridgeの「シナリオメール機能」では、メールに対するアクションをきっかけとしてステップメールを配信するというシンプルな運用を実現できる。例えば、「メールを開封し、導入事例ページを見た人にホワイトペーパー付きのメールを送信。開封したら営業に通知」のような流れだ。
これを何度も繰り返す中で、自社の勝ちパターンを見つけていくのが安藤氏のオススメだ。
メール配信ツールからMAツールへの架け橋となるBridge
「配配メール Bridge」は、ラクスのメール配信システム「配配メール」から発展し、10月10日にローンチされたばかりの新しいサービス。その開発のきっかけは、配配メールを卒業してMAツールに移行した利用者が挫折して戻ってきたことだという。
メール配信を卒業してMAに移るのは普通の流れだと思っていたのですが、出戻ってくる方がかなりの数いました。理由は、MAの操作が難しいとか、自社の勝ちパターンが見つかっていないうちに入れてしまったとか、価格も高く、そもそも運用に乗らなかったという方が多かった。それを聞いて、メール配信からMAへの架け橋になるものを用意しておくべきだったなと反省しました。Bridgeという名前は、その意味を込めています(安藤氏)
MAツールは高機能だが、導入したものの使いこなせず、結局“高価なメール配信システム”になってしまっているケースは多い。そこで、ラクスでは一般的なMAで多く使われている機能をリサーチして取り入れ、同時にあまり使われていないものをそぎ落とし、Bridgeを開発したという。
Bridgeは、料金設定もシンプルかつリーズナブルで、使い方も簡単だ。海外製のツールでありがちなサポートの不安もなく、使えるようになるまでオンボーディングでサポートしてもらえる。
Bridgeでしっかりと自社の勝ちパターンを見つけられたなら、Bridgeを卒業して、MAに移るのが理想の道筋というわけだ。
- 顧客の行動に即したメール配信がしたい
- マーケ担当が兼務なので手軽に運用したい
- 予算が限られているのでなるべく安価に導入したい
- まだ自社のメールマーケティングの“勝ちパターン”を把握できていない
- MAの導入はハードルが高い、MAを導入したが失敗した
こんな方は一度、「配配メール Bridge」を検討してみてはいかがだろうか。
ソーシャルもやってます!