プレゼンがうまくならない理由はたった1つ
年齢や階層を問わず、すべてのビジネスパーソンに求められるプレゼン力。そんなに大切なプレゼンを、なぜ多くの人は苦手とし、うまくできないのでしょうか。課題解決のためには、その原因を知ることも大切です。本題に入る前に、プレゼンがうまくいかない理由について考えてみましょう。
Chaper 1 プレゼンの学習を始める前に
Lesson 02 [プレゼン力]
プレゼンがうまくいかないたった1つの理由
○うまくいかないのは「勉強・練習」したことがないから
プレゼンがうまくいかない理由はシンプルです。プレゼンの勉強や練習をしたことがないからです。「したことある」という方でも、「ロジカルシンキング」や「口ぐせをなくす方法」など、断片的なテクニックだけではないでしょうか。
それは、車の運転でいえば、「エンジンのかけ方」や「ハンドルの操作」だけを学んだようなもの。当然それだけではうまく運転できませんよね?
プレゼンも、「内容のつくり方」や「資料のデザイン」、「話し方の練習」など、さまざまな要素で成り立っています。部分的に習得しても、プレゼン全体としては成功させることは難しいのです。〔図表02-1〕
○プレゼンがうまくならない悪循環
あなたにはこんな経験、ありませんか? ちゃんと勉強したことがないのに、ある日突然上司から「プレゼンしろ」と言われて、慌てて準備をします。先輩の見よう見まねでやってみるけれど、結局うまくいかない。
うまくいかないと、当然プレゼンを避けるようになります。でも、やらざるを得ない機会が再びやって来る。イヤイヤやらされて、また失敗。これでは、ますますプレゼンが嫌いになってしまいます。
この悪循環を繰り返すのはもうやめましょう!〔図表02-2〕
プレゼンはちゃんと勉強と練習を繰り返せば、誰でもできるようになります。本書では、その方法を詳しく解説していきますので、安心して、読み進めてください。ちゃんと勉強して練習を繰り返し、この悪循環から脱出しましょう。
プレゼンは、上達すると「楽しく」なります。楽しくなると、もっとプレゼンしたくなります。そして、プレゼンを重ねれば、さらに上達します。このスパイラルに入ればしめたもの。私自身、このスパイラルでプレゼン力をレベルアップしてきました。
私が、プレゼンの仕事を手掛ける理由
プレゼンのコンサルティングという仕事をしていると、「この人はもともとしゃべるのが得意なんだろう」と思われがちですが、はっきり言って、もともとの私はその真逆。
たとえば、見知らぬ方と話をするとき、天気の話題が終わった瞬間に、「ヤバい、次は何の話をしよう……」と黙り込んでしまうような、典型的なコミュニケーション下手だったのです。
そんな人間だったので、プレゼンして企画をバシバシ通していくビジネスパーソンに強い憧れを抱き、社内の研修を受けたり、書籍を読んだりして、とにかくプレゼンを勉強しました。そして、ありがたいことに、勉強するだけではなく、会議でプレゼンしたり、打ち合わせでファシリテーションしたりと、学んだ知識を実践する場が多かったのです。
そうやって、インプットとアウトプットを繰り返すうちに、私のプレゼン力は着実にレベルアップしていきました。社会人6~7年目のあるとき、自分でも肝いりのプレゼンを披露する機会がありました。「これは絶対うまくいく」。自分でもそう思えるプレゼンで大成功を収め、多くの聞き手から感謝の言葉をいただきました。
この経験が、私にプレゼンの楽しさを教えてくれて、プレゼンの仕事を目指すきっかけとなりました。「日本には、プレゼンで苦しむビジネスパーソンがたくさんいる。そんな方々に、自分が感じた『プレゼンの楽しさ』をぜひ知ってもらいたい」。そんな気持ちで、この仕事に携わっています。
本書は、プレゼンの天才やカリスマが書いた本ではありません。もともとコミュニケーション下手だった私が、以前の私と同様、プレゼンを苦手とする方に向けて書いた本です。
この本を読んでも、プレゼンの天才と呼ばれた故スティーブ・ジョブズ氏のようにはなれないかもしれません。しかし、プレゼンの苦手意識をなくし、むしろ楽しめるようにはなっていただけるはずです。ぜひ、肩ひじ張らず、気楽に読み進めてください。
プレゼンの大切さ、そして苦手とする人でも上達できることがおわかりいただけたでしょうか? それでは次の章から、実際にプレゼンが上達する方法を学んでいきましょう。
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