衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座

意外と知られていない? GA分析の時短テク「キーボード ショートカット」を覚えよう[第61回]

GAの「キーボード ショートカット」を使うと、集計期間を変更したり期間同士を比較したりといった操作を素早く行える。よく使う設定は覚えておこう。

第59の連載では、毎回くり返している作業の時間を省く「保存」機能について解説した。それに比べると若干地味ではあるが、「キーボード ショートカット」という別の時短機能がある。

キーボード ショートカットを使えば、直近1か月のデータを表示したり、今日のデータを表示したりといった頻繁に行う操作を素早く行える。今回はこのキーボード ショートカット機能を紹介しよう。

この記事で学べること:
  • キーボード ショートカットで素早く集計期間を変更する
  • よく使うキーボード ショートカットの組み合わせを覚える

キーボード ショートカットの一覧を確認する

Googleアナリティクスにログインしてレポートなどを見ている状態で、単に「?」とキーボードで押してみよう(「Shift」キー+「/」)。すると図1のような画面が表示される。

図1:キーボード ショートカット一覧
図1:キーボード ショートカット一覧

今使った「?」が、キーボード ショートカットだ(図1赤枠部分)。つまり、マウスでメニューから項目を選んだり、ボタンをクリックしたりしなくても、キーボードのキーを押すだけで目的の動作ができるため、よく行う作業を素早く行えるということだ。

入力ボックスなどにカーソルがあり文字入力モードになっている状態でなければ、おそらく「管理」画面も含めたすべての画面で「?」のキーボード ショートカットは有効に起動するのではないだろうか。

このキーボード ショートカット一覧は、上半分が「アプリケーション」という分類で6つ、下半分が「期間」という分類で8つほど表示されている(図1)。

「<shift>+d」という表記(図1紫枠部分)は、「Shift」キーを押しながら「D」キーを押すという組み合わせで動作する図1の説明書きには「現在のビューのデフォルトのマイレポートに移動」とあるが、マイレポートの一番上にあるレポート(図2赤枠部分)の中にいきなり行くことができるというわけだ。

図2:[カスタム]>[マイレポート一覧]画面
図2:[カスタム]>[マイレポート一覧]画面

図2の例では、マイレポート一覧の一番上に表示されている「共有されたマイレポート」(図2赤枠部分)をクリックして表示されるレポートに直接移動できるということだ。

「アプリケーション」の分類にある6つのうち動作するのは2つ

上半分にあるキーボード ショートカットは、残念ながらすべてがちゃんと動くわけではない。アプリケーションの部分にある6つのうち、実際には「?」と「<shift>+d」(図1紫枠部分)しか動作しないようだ。

他のキーボード ショートカットは動作を確認できなかった。各種ユーザーインタフェースの変更が多数あったので、おそらく古いユーザーインタフェースで稼働していたキーボード ショートカットの表示が残っているのではないだろうか。

「期間」の分類のキーボード ショートカットの内容

便利なのは下部の「期間」の分類にあるキーボード ショートカットだ。

集計対象期間を指定するショートカットには2つ、あるいは3つの文字列が記載されている。たとえば「d t」と書いてあるキーボード ショートカット(図1緑枠部分)は、「D」キーを押したあとに続けて「T」キーを押すということを意味する。つまり続けて順番に押せばよい。同時に押すのではないことに注意しよう。

期間を指定するキーボード ショートカットは8つあるが、なぜか「d m(期間を先月に設定)」だけは動作しない。それぞれの動作はキーボード ショートカット ヘルプ(図1)にある説明書きのとおりで、難しくない。以下の表のとおりだ。

キー意味
dt集計対象期間を今日に設定する
dy集計対象期間を昨日に設定する
dw集計対象期間を先週に設定する
dm集計対象期間を先月に設定することを想定していると思うが、動作しない
d7集計対象期間を過去7日間に設定する
d30集計対象期間を過去30日間に設定する
dc日付の比較モードを「前の期間」に設定する
dx日付の比較モードを「前年」に設定する

6つのキーボード ショートカットはプルダウンのメニューに対応している

具体的に説明しよう。Googleアナリティクスにログインしてレポート画面に移動すると、初期設定のままであれば集計期間は過去7日間(昨日からさかのぼって7日)になっている。たとえば今日が2017年10月27日なら、レポートの右上に表示されている集計日は「2017/10/20~2017/10/26」となっている(図3赤枠部分)。

図3:集計対象期間のプルダウン表示
図3:集計対象期間のプルダウン表示

よって今日が2017年10月27日だとすれば、それぞれは具体的に次の指定をしたことになる。

  • dt: 集計対象期間を2017年10月27日に設定する。dtはdate todayだと思えばよい

  • dy: 集計対象期間を2017年10月26日に設定する。dyはdate yesterdayだと思えばよい

  • dw: 集計対象期間を2017年10月15日~21日に設定する。dwはdate weekだと思えばよい。Googleアナリティクスにおける週とは、日曜から始まり土曜で終わる1週間を指す(図4赤枠部分)ので、「dw」のショートカットでも集計対象期間選択のプルダウンで「前週」を選択(図4青枠部分)しても、2017年10月15日~21日になる

    図4:期間のプルダウンから「先週」を選択した場合
    図4:期間のプルダウンから「先週」を選択した場合
  • dm: 集計対象期間を2017年9月1日~30日に設定する、つまり集計対象期間選択のプルダウンで「先月」を選択(図4緑枠部分)した場合と同じ動作をする意図なのだろうが、なぜか動作しない。なおdmはdate monthだと思えばよいだろう

  • d7: 集計対象期間を2017年10月20日~26日(昨日からさかのぼって7日間)に設定する

  • d30: 集計対象期間を2017年9月27日~10月26日(昨日からさかのぼって30日間)に設定する

期間の選択画面と見比べると、「dt」から「d30」までの6つは、集計対象期間選択のプルダウン(図3青枠部分)表示時の期間の選択肢の6種類(図3緑枠部分)に対応しているものとわかる。

「dc」は前の期間、「dx」は前年と比較する

残りの「dc」と「dx」は、今までの6つとは少々種類が異なり、比較対象期間を追加するタイプの設定だ。

たとえば集計期間が過去7日間(2017年10月20日~26日)になっている(図5赤枠部分)状態で、「比較」のチェックボックス(図5青枠部分)をクリックして、その右のプルダウンから「前の期間」(図5緑枠部分)を選択すると、その前の7日間と比較できるグラフが表示される(図6)。「前の期間」を選択したのと同じ効果になるのが、「dc」のキーボード ショートカットだ。

図5:「比較」チェックボックスをオンに
図5:「比較」チェックボックスをオンに
図6:比較で「前の期間」を選択したレポート
図6:比較で「前の期間」を選択したレポート

つまり、この場合は2017年10月13日~19日が比較対象として選択される。もともと選択されていたのが7日分なので、「前の期間」というのは、さらにその前の7日分ということだ。

そして「dx」のキーボード ショートカットは、「比較」のプルダウンで「前年」を選択した場合と同じ動作になる。この場合は、2016年10月20日~26日が比較対象として選択される。

なおこの「dc」と「dx」は、再度同じキーボード ショートカットを使えば、比較機能を解除するキーボード ショートカットとして機能する。比較機能を解除せずにさらに「dt」などの集計対象期間を指定する別のキーボード ショートカットを利用すると、比較機能が適用されたままとなる。

トレンドを比較するのにおすすめのキーボード ショートカットの組み合わせ

図6で示したように、集計対象期間を過去7日間に選択している状態で、「前の期間」と比較する場合は、折れ線グラフで比較する曜日が合致するので、曜日による上下動を正確に比較できる。この応用としては、「dy」に続けて「dc」キーボード ショートカットを利用し、昨日と一昨日を比較する場合だろう。こうすることで、図7のように過去2日間のデータを時間帯別に比較することができる。

図7:「dy」に続けて「dc」のキーボード ショートカットを利用
図7:「dy」に続けて「dc」のキーボード ショートカットを利用

同様に、集計対象期間で先月を選択しており、そのうえで「前の期間」を選択すると先月と先々月を比較する……と思うかもしれないが、実はこれはそうならない。先月が9月の場合に「前の期間」を選択すると、比較対象となるのは8月2日~8月31日の30日間だ。日数が異なる月をそのまま比較すると数字の読み方を誤る可能性が高くなるので、このようにきっちり30日同士を比較するようになっているのだろう。

上記の例は、もし「dm」が動作するならば「dm」に続けて「dc」キーボード ショートカットを利用するパターンなのだが現状「dm」が動作しないので、これに近い「d30」に続けて「dc」を利用するのがよいかもしれない。

集計期間を頻繁に変えてレポートを見ている人にとっては、この機能を使うことで操作時間の短縮を図れるだろう。多くのレポートで集計期間の多様な操作をする人は、ぜひこの機能を活用してはどうだろう。

集計期間の初期設定を変えるには?

図3の前にある文で、「初期設定のままであれば集計期間は過去7日間になっている」と述べた。もし集計期間を毎回決まった範囲に変更しているなら、初期設定を変更するのも1つの手だ。その方法を補足しておこう。

Googleアナリティクスにログインすると、画面の右上に図8のようなアイコン群が表示されているはずだ。この真ん中のアイコン(図8赤枠部分)をクリックすると、図9のようなオーバーフロー メニューが表示される。

図8:画面上部右側のアイコン群
図8:画面上部右側のアイコン群
図9:オーバーフロー メニュー
図9:オーバーフロー メニュー

ここで「ユーザー設定」(図9赤枠部分)をクリックすると、図10のような画面に移動する。

図10:ユーザー設定の編集画面
図10:ユーザー設定の編集画面

「デフォルトの期間」のプルダウン(図9赤枠部分)から他の選択肢(図9青枠部分)を選べば、ログインしたとき最初に表示される集計期間を変更できる。

◇◇◇

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