あなたの知らないTwitterユーザーの“今” 世代を問わず使える情報収集ツールへ
- ツイートすることを楽しむ世界
- 新しいモノ好きの積極的な「情報発信層」が中心になって活用
- 企業アカウントはオフィシャル感の強いイメージ
- リアルタイムな「情報収集ツール」としての役割
- 初めてのソーシャルがTwitterという世代の参加、学生の8割が利用しつつ、実はユーザーの約半数が30歳代以上
- 企業がカジュアルな言葉で、情報発信を始めた
マーケティングツールとしての新しい価値
日々最新の情報収集に余念のないマーケティング担当者のみなさん。今、使っているデジタルマーケティングの効果に満足していますか。もし、
最適化の打ち手が切れてきた
競合激化でコストパフォーマンスが落ちてきている……
今のCPA上限では、獲得数をこれ以上伸ばすのは難しい
と感じているとしたら、まずはお尋ねしたいことがあります。
あなたは、Twitterユーザーですか?
ノーとお答えの方、それは少々もったいない話です。特に30代以上のみなさんには、以前アカウントを作ったものの、ツイートをするネタがあまりないので最近はちょっと……という方がいらっしゃるかもしれません。実は私もTwitterで仕事をするようになるまでは、そんな中の1人でした。
しかし今のTwitterは、ユーザーとその活用方法が大きく変化したことによって、ビジネスの強い味方として新しい価値が見出されており、多くの企業がお客様とのコミュニケーション、そして商品・サービスの訴求や販売に活用しています。
日本語版スタート時のユーザー像
Twitterが日本語化されたのは2008年のこと。最初にユーザーとして飛び込んできたのは、たとえば多様な意見やイラスト・写真など、もともと自分を表現するものを持っていた人や、新しいモノ好きな人たちでした。
Twitterユーザーに変化が起きた3つのきっかけ
そんなTwitterの環境にも、さまざまな出来事をきっかけに変化が見え始めます。
1. 2011年の東日本大震災をきっかけとした、防災インフラとしての活用
Twitter上では、災害時に安否確認など重要な情報がやりとりされました。このことが注目を呼び、情報インフラとしての利用価値が見出され、ユーザーの裾野が広がりました。現在は、緊急情報をプッシュ通知する「Twitterアラート」も開始されています。
2. 初めてのソーシャルプラットフォームがTwitterという若い世代の流入
30代より上の世代の方には、ソーシャルプラットフォームの選択肢がいくつかあったはずです。しかし「初めて利用するソーシャルプラットフォームがTwitter」という世代が現れ、今では学生の8割以上が利用するツールになっています。だからといって、Twitterは若年層向けという訳ではないのです。実は、現在の日本のTwitterユーザーの約半数は30歳以上が占めています。
3. 有名人や企業がTwitterで「本音トーク」を始めた
誰もが知っているような有名人や、テレビCMを大量投下するような大企業が、Twitterで既存メディアでは見られないカジュアルな「こぼれ話」をするようになったのです。そこで、新たな「メディア」としての側面が生まれました。
これまで企業が情報を発信できるのは、自社サイトやプレスリリース、宣伝物といったオフィシャル感の強い場所に限られていました。しかし、企業のTwitter運用担当者、いわゆる「中の人」がユーザーの目線に合ったカジュアルな文体と内容で企業の情報を発信し始めたところ、それまでのトーンとのギャップやユニークさに大きな注目を集めるというケースが見られるようになったのです。
このように、テレビの出演者がTwitterでも情報発信するようになったり、リアルに人格化されたメッセージがTwitterを通じて表現されることで、Twitterのユーザー層が若年層だけでなく、より幅広い層に広がっています。
※編集部注
カジュアルな企業アカウントとしては、タニタやNHKなどが一例として挙げられます。Twitterを運用する人の姿が感じられるツイートを投稿しています。
来客の方から、「M1見ましたよ!!」って言われた。
_人人人人人人人人_
> 私は出てない <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
— 株式会社タニタ(公式) (@TANITAofficial) 2015, 12月 8
まもなくおやつの3号です。
時計であるはずなのに、このところ時間のズレが拡大し(とりわけタイマー機能)、われながらどうしたものかと(>Д< ;)
0号に、月に代わってお仕置きされちゃうかも。
〔3号〕
— NHK広報局 (@NHK_PR) 2015, 11月 30
新しいTwitterユーザーの姿と使い方
1. 増えてきたTwitter「情報収集型」ユーザー
こうした発信される情報の変化やバラエティ性の高まりを経て、現在のTwitterユーザーは、“自身のツイート頻度はかなり低いが、毎日Twitterを利用している人”が非常に増えてきているという内部データがあります。
この層は、前段で挙げた、多彩な発信者たちの情報を収集するためにTwitterを使っています。読者の方にも利用されている方が多いと思われる「RSSリーダー」と近いイメージかと思います。さらに流れてきた情報をシェアしたり、自分ならではのコメントをつけて、新たに“発信”したりすることもできるのです。
発信者層の変化だけではなく、情報収集する側の変化の1つとして、スマホゲーム市場の隆盛も考えられそうです。ゲームをより優位に進めるために、長いプレイ時間が必要なスマホゲーム。これまで好きなサイトを直接訪問して情報を集めていた時間が足りなくなり、これまでより短い時間で効率的に情報を集めたい。Twitterなら、タイムラインでさまざまな分野の最新情報が時系列で簡単に集められます。興味がある対象の“今”を効率よく収集できる。これがTwitterの醍醐味でもあります。
実際に、人気スマートフォンゲームのハッシュタグを眺めていると、ゲームの更新やイベントの時期に、多くの情報が投稿され、プレイヤー同士がTwitter上でつながっていることがわかります。こうしたハッシュタグを利用した情報活動が普及したのも、活用法の変化の1つです。もちろんゲームだけでなく、オリンピックやラグビーW杯といったイベントの最新情報を収集するのにも使えます。
2. 日本の「Twitter検索」の利用頻度は他国より多い
日本におけるTwitterでの検索は、他の国と比べて非常に活発です。
今日は絶対遅刻できない日なのに電車が止まってしまった。待つべきか、他の路線に乗り換えるべきか……
今日はヒールだから雨が降り出す前に出発してしまいたいが、雨雲は今どの辺りにいるのだろうか
こんな時、「◯◯線」「中央区 雨」などとTwitterで検索すれば、他の駅で起きていることをツイートしてくれている人や、歩いている途中に雨が降ってきたというツイートを見つけることができます。新しい情報をいち早く見つけて、他の人に教えてあげることに喜びと価値を見出すユーザーがたくさんいるのです。
Twitterビジネス活用で、始めにおすすめしたいこと
日常生活のちょっとした瞬間を発信し、ビジネスのための情報収集まで幅広く活用されているTwitter。ユーザーの興味関心の固まりであり、心を開いて情報を集めようとしているTwitterのタイムラインに、御社の商品・サービスの情報が載せられたら、「きっとよいイメージで情報を受け取ってもらえるのではないだろうか?」というイメージが、少し湧いてきたのではないでしょうか。
とりあえず、昔のアカウントでログインしてみようか
と思っていただいたみなさんのために、Twitterをビジネスに役立てるための準備運動として、改めてフォローすべきTwitterアカウントのカテゴリを紹介します。これらのカテゴリのアカウントは、Twitterでの検索や、それぞれのTwitterアカウントのフォローリストを見ることで、スムーズに探すことができるはずです。
- テレビCMを流しているような大企業やブランドのアカウント
自動車メーカーや携帯電話会社、化粧品メーカーなど何でもOK。テレビCMと連動してTwitter広告を展開しているケースが多いので、比較しながらチェックしてみましょう。
- 御社の類似商品・サービスを展開している企業のアカウント
これらのアカウントをフォローすることで、御社のビジネスやマーケティング活動にとって大きなヒントとなる情報がザクザク流れてきます。他の企業がTwitterでどのようなメッセージを行い、ユーザーとコミュニケーションしているのかが一目瞭然です。
- 自社の商品やサービスに関連する雑誌やメディアのアカウント
御社がファッションのeコマースを運営しているなら、ファッションやライフスタイルを扱った雑誌のTwitterアカウント、車のオプションパーツショップなら車の情報誌といったように、関連する情報誌やWebメディアのアカウントなどをフォローします。同じ属性の企業やサービスの広告展開を把握することはビジネスにおいて非常に有効です。
以上、3つのカテゴリから、少なくとも100程度のTwitterアカウントを新たにフォローしてみてください。意外とあっという間に見つけられるかと思います。
流れてくる情報を確認しよう
上記のフォロー追加ができたら、あとは通勤途中や休憩中など、スキマ時間にタイムラインを眺めてみてください。これは、御社と類似のビジネスがどのような広告を展開しているか、企業名やビッグワードで検索してリスティング広告の出稿状況を見たり、広告枠のあるサイトを確認してみるのと同じ行動だと思ってよいでしょう。
企業がTwitterをどう活用しているのか、どのようなTwitter広告を掲載しているのか、今日からタイムライン上で把握できます。百聞は一見にしかず。ぜひ、試してみてください。
次回は、より具体的なビジネス活用として、先日リリースされたばかりの「セルフサービス式Twitter広告」についてお話します。
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