中の人が教えるTwitterビジネス活用の最前線

Twitterでモノは売れる? 「#Twitterみて買ったもの」3000ツイートからユーザーの購入行動を読み解く

想像していた以上に、Twitterではさまざまなモノが買われていました。

Twitterでモノは売れるの?

Twitterをマーケティングに活用しようとする担当者のみなさんの多くは、このような疑問をお持ちのはず。そこで、Twitter Japanが2016年1月に展開したあるキャンペーンから、その答えに迫ってみたいと思います。

Twitterでモノは売れる?

「Twitterでモノは売れるのか」という疑問に答えるため、今回は1月に展開したあるキャンペーンからTwitterユーザーの購入傾向を読み解き、マーケティングに活用する方法を紹介します。

私はTwitterに入社する前、あるスマホゲームアプリの宣伝担当者としてTwitter広告を使っていたことがあります。そのとき、想像以上に多くのダウンロードがあったことを意外に思っていました。なぜなら、

ソーシャルプラットフォームをビジネスで活用する大きな目的は、ファンを増やし、ロイヤリティを高めること

このように書かれている多くの記事を読んでいたからです。ところが実際にTwitterへ入社すると、Twitterでモノを売ることに成功している企業が数多くあることがわかり、巷で言われているイメージとの大きなギャップを感じました。

でも、一部のアーリーアダプターとかが買ってるだけなんじゃないの?

ですが、このように思う方もいるでしょう。そこで、巷で言われるイメージとのギャップを埋めるために「Twitterトレンド」(よくツイートされている言葉のランキング)の広告枠を使って実施したのが、

#Twitterみて買ったもの

というハッシュタグキャンペーンです。Twitterをきっかけに買った商品に関するリアルなツイートが3000件以上も寄せられました。

Twitterを見てみんなが買ったモノって?

Twitterでハッシュタグ「#Twitterみて買ったもの」と検索をすると、買った商品はもちろん、どうして興味を引かれて購入に至ったのか、ユーザーの生の声を拾うことができます。3000件のツイートを読み解き、分析してみました。

何が買われていたのか

約3,000件のツイート分析からわかったTwitterで買われたもの

1位の「食品・飲料」は、コンビニエンスストアや大手のコーヒーチェーンで手に入る商品の新しいフレーバーが多く買われていました。2位の「ホビー系アイテム」にはアニメ関係やフィギュアなども含まれています。なかにはマンションや車、ダイヤモンドなどの高額商品という声も。実にさまざまなモノがTwitterをきっかけに購入されていることが明らかになりました。

なぜTwitterをみて買ったのか

次に、ユーザーがTwitterを見て購入に至るまでのパターンを分析し、4つに分類しました。

  1. 新発見タイプ
    知らなかったものを見つけられたから

    趣味関連、ニッチ商品、スマホゲームなどで「Twitterをやっていなかったら知らずに(買わずに)終わっていた」「買ったものをきっかけに、新しい趣味や仲間ができた」というコメントが多く見られました。

  2. リマインドタイプ
    もともと知っていたモノをTwitterで再び見たから

    書籍やアパレルなどは、最初に見たときに「いいな」「欲しいな」と思っても、そのまま忘れてしまいがちです。複数のメディアからの多角的なアプローチや、リマーケティング広告で継続的に提案していくことも大切だということがわかりました。

  3. 話題・レビュー参考タイプ
    ユーザーの買った感想を見たから

    新しいスイーツはどんな味なのか、プロバイダの安定性、高機能アパレルの暖かさや軽さなど、実際に試してみないと良さがわからないものは、Twitterに流れているレビュー情報を購入の決め手にしている方が多いようです。

    「みんながツイートしていて」という、流行りを後から追いかけて購入したケースもたくさん見られました。Twitterの特性上、このようなレビューは一般的なサイトやブログの記事よりも早く読むことができます。さらに、レビュワーの日ごろのツイートを見てみることで、情報の信憑性判断もしやすいようです。

  4. 速報タイプ
    セールや限定販売の情報をキャッチしたから

    広い商品カテゴリで「Twitterを見ていたらたまたまセール品を買えた」という趣旨のツイートが見られました。フラッシュセールや再入荷の情報など、限定お得情報をうまく入手できたことが良い購入体験になったようです。
そして、運良く買えた喜びがツイートされることで、さらに情報は拡散されていきます。スマートフォン端末など、お店や時期によって価格や条件が異なる商品を買う際にも重宝されそうです。

ユーザーの“買う喜び”“買う楽しさ”が溢れたツイート

「#Twitterみて買ったもの」には、買った商品だけでなく「買った喜びや楽しさの声」があふれていました。

ぜひ、みなさんも実際に「#Twitterみて買ったもの」から、データでは見えないリアルな「購ったこと・使ったことの喜び」に触れてみてください。

記事の最後では、3000件のツイート(リツイートなどを含めると7500件)をまとめたページを紹介していますので、そちらもぜひ見てください。

商品とユーザーを結びつけるストーリー

このように商品購入にポジティブなTwitterユーザーのみなさんと、売りたい商品・サービスを結びつけるには、どのように考えればよいでしょうか。実際に「#Twitterみて買ったもの」にツイートした方を見てみると、

  • 美味しいもの・新しいもの・面白いものへ好奇心が強い
  • 特定の趣味を持っている
  • 他の人が注目しているものにすぐ乗ってみる
  • 自分の体験をツイートするのが嬉しい

といった人物像が見えてきます。御社の商品・サービスが持つ特徴や新しさは、こういった方にマッチしそうでしょうか? もしくは、どのようなストーリーをプラスしてあげたらよいと思いますか?

こういった、反応してくれやすそうな方へ合わせたストーリー作りが、Twitterのマーケティングを成功に導くヒントになるでしょう。

ユーザーを“巻き込む”のではなく“巻き込まれる”

商品やサービスの新しさや特徴を企業の視点からストレートに訴求するのも1つの手ですが、今回の傾向を踏まえて、Twitterの特徴をより活かすために、より「ネタとして使いやすい訴求」を考えてみましょう。

「お題・テーマ」に、自分ならではのコメントを付けて答えることが、自己表現の一部として発信・拡散→より多くの認知・購入に結びつく

たとえば今回の「#Twitterみて買ったもの」でも、「買ったもの」だけではなく「どうして買ったのか」というユーザー1人ひとりの“行動スタイル”を尋ねた問いかけをしました。このような、自分を表現できる問いかけに対してユーザーはアクティブです。

もし、御社がアパレルの販売をしているなら、

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こんな投げかけをしてみるのも面白いでしょう。

「バズになるネタを考えて、洗練されたキャッチコピーをツイートしないと……」と気負わず、「巻き込まれよう」「おもちゃになろう」という気持ちで等身大のネタを投げ込んでみましょう。そこからTwitterユーザーとのコミュニケーションが始まります。

次回は、まだフォロワー数が少ないTwitterアカウントでのマーケティング活動の方法について紹介します。

「#Twitterみて買ったもの」まとめ
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