誰でもできる「企画書」の書き方

誰でもできる企画書の書き方! 提案力を高める作成方法と10のコツ

企画書の作り方を身につけたい! 心を折らさずに書き切りたい! 会社や企業で働く上でなくてはならない提案力。今回は、プロジェクトがうまくいく企画案を作るコツや、考え方・内容のポイントをわかりやすく解説します。いきなり真っ白なパワーポイントに座るのは時間の無駄です。「完成までのタスクを10項目で見える化」して、まずは企画書の方向性と概要を決めることから始めましょう。

「よし、企画書を書くぞ!」といってすぐにパワーポイントを開くべからず。

真っ白で無限の可能性を持つパワーポイントは強敵です! あなたの心を簡単に折ってしまいます。企画書を書くためには、必ず事前準備が必要です。

今回は、真っ白なパワーポイント(PowerPoint)に負けずに、企画を書ききる事前準備の仕方を紹介していきます。事前準備の段階で企画書は8割完成しているといっても過言ではありません。超重要です!

白いパワーポイントのもつ“無限の可能性”が人の弱い心をへし折る

企画書を書き始めるときに一番やってはいけない行為は、何のアイデアもなく白いパワーポイントを開くことです。これだけは絶対にやってはいけません。パワーポイントの持つ無限の可能性が、いとも簡単にあなたの弱い心をへし折ります。

よく会社のなかで「企画書を書くぞ!」なんて言って、白いパワーポイントの前で1,2時間フリーズしているひとがいませんか? あれは、本当に時間の無駄です。絶対にやめましょう。強敵白いパワーポイントに立ち向かうためには、やつらをどう攻めるかというイメージを作る事前準備が必要です。

料理を作るときだってそうですよね? 何のアイデアもなくキッチンに立っても料理ができあがることはありません(スペシャリストは別ですが……)。重要なのはそこで何を作るかを決めてイメージしておくことなのです。

まずは、企画書完成までのタスクを見える化しよう!

心の準備をするために、企画書が完成するまでのタスクをまずは箇条書きにしてみてください。参考までにまとめますと私の場合、10項目程あります。

企画書完成までのタスクを10項目で見える化

【事前準備】
  1. ぼんやり企画と企画の方向性を考える
  2. Wordやメモ帳に企画の概要をざっと書く
【パワーポイントの準備】
  1. パワーポイントを台割して、言葉のルールとデザイントーンなどを決める
  2. パワーポイントに見出しだけざーっと書いていく(図は描かない)
【パワーポイント清書】
  1. パワーポイントに細かく書いていく(図を細かく描く)
  2. 見直す
  3. パワーポイントを編集する
  4. 人に見てもらって、意見をもらう
  5. パワーポイントを再編集する(※必要があればアニメーションをつける)
  6. 完成、提出する

実際に、普段はここまで細かく管理はしていませんが、始めのうちは練習だと思って、企画が完成するまでにどのくらいのタスクを行う必要があるのか見える化してください。またこのように、タスクを文字化して実行していくことは、身体に作業を覚えさせるのにとても有効です

企画書が完成するまでの道のりは、紙、メール、ワードでも何でも良いので、必ず何かに落とし込んでドキュメント化しましょう。企画を書くときのことに挫折しないポイントは、全体を俯瞰して見てみて「企画書のゴール」と「作業が進んでいること」を実感することです。自分が、「自分の力で企画書を書き始めたんだ」ということを確認してください。

状況にもよりますが、ここの段階で一度提案予定先にスケジュールを提出し、報告相談してコミットしてしまうのもオススメです。リスクなく加点されますし相手も安心して、今後の相談もしやすくなります。

では、次の章から事前準備①②で具体的に何をしていくのか紹介していきます。③以降は、次回紹介していきます。

①ぼんやり企画と企画の方向性を考える

企画書を書く前にまず、決めなければいけないことは、企画と企画の方向性です。企画書なんて提案するテーマが決まっていれば、書かなければいけない内容は、だいたい決まっています。

「現状分析」⇒「課題」⇒「解決策の提案」⇒「その効果」⇒「予算・スケジュール」

これらの項目を「ぼんやり」考えてみてください。机に向かって頭を捻っていると、企画書を書くのが嫌になってしまうので、たとえば、空き時間、移動時間、お風呂のなかなどの机以外でぼんやりとでいいので、毎日考えましょう。

なんにも思いつかなければ、本屋に行って関連書籍を流し読みしてみる、昼ごはんを食べながら、飲みながら、他の人にさりげなく意見を聞いてみるのも有効です。あくまで気軽に進めてください。私は頭のなかでここが固まるまでは、絶対に机には向かいません。

企画の方向性が定まったら、企画書のタイトルを決めて、企画書を提出する期限を確認しておきましょう。企画書のタイトルは仮でかまいません。まずはその企画の名前を決めて、企画書に命を与えてあげましょう

また、提出期限を確認し、最低でも提出日の前日までに企画書が完成するように、スケジュールを立ててください。タスクの横にスケジュールを記入するでもかまいませんし、手書きのメモ帳に別途記載しておくでもかまいません。この段階で、スケジュールもドキュメント化しておきます

企画書が苦手な人は余裕のあるスケジューリングを心掛けましょう。あまり厳しいスケジュールを組んでしまうと、スケジュールに心を折られてしまい挫折してしまいます。

企画の方向性が定まらないときは実際の現場を見なおそう!

企画の方向性やいいネタが浮かばないときは、現場に再度赴くことです。企画を考えるモードに頭を切り替えてから現地に赴き、現場を見て、ヒアリングをしてみると、意外と今まで見えていなかったものが見えてきます

よくこのフェーズで「みんなでブレストだ!」なんて人たちがいますが、企画の方向性が見えていない状況では絶対にやめてください。人選ミスをして、企画があらぬ方向へ進む可能性があり、時間が無駄になるだけで周りにも迷惑です。

ブレストをやるのであれば、企画の方向性を決めてオリエンできるレベルまで自分のなかでまとめて、自分の企画に必要なスタッフを集めたうえでやりましょう。

「果報は寝て待て」と言いますが、気軽に焦らず自分の頭のなかで企画の方向性が固まるのを待ってください。人の脳というのはおもしろいもので、考えることさえ決めてあげれば自動的にいろいろなことを考えるようになっていきます。

ここでもポイントはあくまで「企画書を作る」という作業に心が折れないようにすることです

アイデアは突然下りてきて、すぐに消えていく!

企画についてずーっと考えていると、突然いいアイデアやネタが思い浮かぶときがあります。そんなときは、絶対にメモを取ってください。使える、使えないは別として、「これは!」と思ったものはこまめにメモを取る癖をつけておきましょう。素敵なアイデアも、1秒後には頭から消えてしまう可能性があります。

余談ですが、何個も並行してアイデアを進めるようになると、「あぁ、これどっかで使えそうだなぁ」レベルのものをよく思いつくようになります。私は「Google Keep」を使ってメモしていますが、自分宛てにメールを送るなど、アイデアを思いついたときにメモする方法を自分で決めておくと後々役に立ちますよ!

参考:亀谷のGoogle Keepメモ

②Wordやメモ帳に企画の概要をざっと書く

方向性が決まったからといってすぐにパワーポイントは開かないでください。まずは企画書の概要をざっと書き出すことです。

ここまでぼんやり考えてきた「現状分析」⇒「課題」⇒「解決策の提案」⇒「その効果」⇒「予算・スケジュール」をざっくり書き出してみてください。

Word、Excel、メールなんでも構いません。文章だけで簡単にざっと書いてみてください。たとえば、この連載を始めるための企画書で紹介すると、次のようにまとまります。

【企画書のタイトル】

Web担当者Forum執筆企画 「企画書の書き方」(仮)

【現状分析】

最近、ネット系の広告代理店の若い人たちが、運用系広告の提案が増えてきて、広告代理店なのに企画提案する機会が減ってきている。

【課題】

自分で仕事を作り出している意識が少ないため、仕事がおもしろくないという声をよく聞く。企画提案する機会が少ないため、そもそも企画書すら書けない。

【解決策】

Web担当者Forumの連載で、初心者向けの企画書の書き方をやる。

  • 連載を通じて、企画書の書き方を少しでも若い人に伝えたい!
  • ネット広告業界を楽しんでもらい、今後の業界を変えていってもらいたい!
【効果】

ネット広告に携わる若い人たちが、新しい文化を生み出し、業界的にも活性化していく。

【予算・スケジュール】

まずは年内月1連載。

こんな感じのざっくりまとめで十分です。綺麗な文章でなくても構いません。一歩ずつやりたいこと、やるべきことを明確にしていきましょう。始めのうちはこのシートをベースに他の人に見せたりして何度かブラッシュアップしていきます。提案する相手が社内や関係ができている方であれば、このレベルで決裁者の方に方向性を相談・確認しておくのもありです。企画が通る可能性がアップし、後々書き直しを命じられる可能性が減ります。

準備完了! とうとう宿敵パワーポイントをあけるときが来た!

ここまで来ればあとは、書くだけです。とうとう白い悪魔、パワーポイントを開くときが来ました。企画書に書かなければいけない内容は明確になっています。ここまで準備すると、パワーポイントに書きたいイメージすら見えてきたのではないでしょうか?

あとはちょっとしたパワーポイントを書くテクニックを身につけて、パワーポイントに落とし込むだけです。

前回、「企画書なんて誰でも書ける!」と書きました。実はこの気持ちが企画書恐怖症の人にとっては一番重要なポイントです。企画書なんて幼稚園生でも小学生でも誰でも書けます。小さいころ、ほしいおもちゃを買ってもらうためにいろいろ考えませんでしたか? それも立派な企画です。

私は好きでやっていますが、企画書を“書けない”“書くのが苦手”と言っているひとのほとんどは、心のどこかで

忙しくて時間がないし、書くのが面倒くさいから書きたくない

そう思っています。正直なところ、こんな連載書いている私ですら時折そう思います(笑)。ただ、この気持ちに負けてしまうと、企画書なんて絶対に書けない(もしくは雑な企画書を作る癖がつく)ので、まずはこの気持ちを乗り越えていきましょう!

やってできないことはない!

◇◇◇

ということで、次回は「挫折せずにパワーポイントをかきあげる!」方法を紹介してきます。

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