Yahoo! のインフィード広告を最大活用する4つのおすすめターゲティング手法
Yahoo! JAPANのスマートフォン版およびアプリのトップページに広告を掲載できる「インフィード広告」が追加されてから数か月。みなさんはもう試されましたか? スマホユーザーにアプローチできる魅力的な広告ですが、ただ掲載するだけでは十分な効果が期待できないこともしばしば……。
リスティング広告を筆頭とする運用型広告を専門に手がける私たちアナグラムでは、いち早くインフィード広告に取り組んできました。今回はその経験をもとに、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(以下、YDN)のインフィード広告で、より成果を上げるためのおすすめ手法を紹介します。
YDNインフィード広告の最大活用
YDNの広告メニュー、インフィード広告が提供開始された2015年4月13日から約4か月が経過しました。聞きなれなかったその名称もあちこちで耳にするようになり、すでに試してみたという方も少しずつではありますが増加傾向にあるように思います。
私たちは、インフィード広告導入時から早々に取り組みました。それから数か月が経過し、1つの事実にたどり着きます。
インフィード広告はただ出稿しただけで効果が見込める広告ではない
犬が西向きゃ尾は東、柳は緑花は紅、運用型広告において最早当たり前のことではありますが、インフィード広告も他の広告と同様に、ただ出稿しただけで目を見張る効果が見込める広告ではありません。広告に成果を求めるのであればそれもそのはず。
そこで今回は、インフィード広告を最大活用するためのTipsをいくつか紹介します。まだ試せていない内容があれば、ぜひ参考にしてみてください。無数に生まれ続けるリスティング広告の新しいプロダクトは、手法が確立されていない時期こそ莫大な先行者利益が発生するのも事実です。
インフィード広告と合わせて使いたい代表的なターゲティング4選
はじめに述べたように、インフィード広告はただ出稿しただけで効果が見込める広告ではありません。そこで、これまでの私たちの経験から、成果を出すために効果的なターゲティング手法を4つ紹介します。
1. サイトリターゲティング×インフィード広告
おそらく、最も成果を出しやすいのが「サイトリターゲティング×インフィード広告」の組み合わせです。通常のサイトリターゲティング配信で成功しているアカウントであれば、高確率で成功させることが可能です。
設定は難しくなく、YDNのキャペーン設定で「インフィード広告」を選択してから、広告グループ設定で「サイトリターゲティング」のリストを選択するだけです。すでにサイトリターゲティングを実施している場合は、同様のグループ構成で設定すればよいでしょう。
1点注意が必要なのは、「サイトリターゲティング×インフィード広告」を実施するからといって、配信対象のユーザー数が増えるわけではないことです。結局は、これまでのリターゲティングと同一のユーザーに対して、インフィード広告の枠でアプローチすることになるため、それだけで劇的な成果が見込めるわけではありません。
ただし、インフィード広告は「ネイティブ広告」とも呼ばれるように、これまでのYDNとは配信形態が異なり、掲載面に合ったデザインで表示させる広告であるため、自然なアプローチが可能になります。実際に、「サイトリターゲティング×インフィード広告」を開始すると、リターゲティング広告全体のコンバージョン数が増えるケースの方が多いという結果が続きました。
2. サーチターゲティング×インフィード広告
2つ目に紹介するのは、「サーチターゲティング×インフィード広告」です。インフィード広告は、Yahoo! JAPANの各種検索サービスでユーザーが検索したキーワードをターゲティングに利用する「サーチターゲティング」と組み合わせることが可能です。
キャンペーンの設定は「サイトリターゲティング×インフィード広告」と同様で、広告グループの設定でサーチキーワードリストを指定します。以前からサーチターゲティングを実施している場合は、同様のグループ構成で登録すればよいでしょう。
注意点として、YDNのサーチターゲティングと後述する「類似ユーザーターゲティング」では、広告主サイトへの訪問歴の有無にかかわらずターゲティングされます。そのため、サイトリターゲティングのユーザーリストと重複が発生しないように、作成した類似ユーザーリストから訪問者のユーザーリストを除外しておきましょう。
3. 類似ユーザーターゲティング×インフィード広告
3つ目に紹介するのは、「類似ユーザーターゲティング×インフィード広告」です。類似ユーザーターゲティングは、既存のユーザーリストに含まれるユーザーと類似したユーザーに対して広告配信できるターゲティング手法です。これもインフィード広告で利用することが可能です。
設定方法は「サイトリターゲティング×インフィード広告」と同様です。あらかじめ作成した類似ユーザーリストに対して配信します。
類似ユーザーリストは、ターゲットリスト管理画面から設定できます。コンバージョンユーザーリストを元にした類似ユーザーリストなど、高い成果が見込めるユーザーリストの類似を作成し、ターゲットとして設定しましょう。
4. デモグラフィックターゲティング×インフィード広告
最後に紹介するのは「デモグラフィックターゲティング×インフィード広告」です。年齢や性別などのデモグラフィックデータを利用したターゲティングのメリットは、配信対象のユーザーが多いため、クリック単価を安く抑えて配信できる可能性がある点です。
しかし、デモグラフィックターゲティングのみで配信してしまうと、配信対象が広すぎるためコンバージョン率が悪く、コンバージョン単価が高騰してしまうことがよくあります。そのためフリークエンシーキャップ※1や時間帯配信などを設定し、広告配信が過度とならないようにユーザーあたりの配信頻度を調整することも重要です。
年齢、性別は広告グループ設定画面で、フリークエンシーキャップはキャンペーン設定画面で設定することができます。
インフィード広告の組み合わせと可能性はまだまだある
4つのTipsを紹介しましたが、インフィード広告は通常の広告枠より視認性が高いため、成果を出すには定期的なクリエイティブの変更なども重要になります。
また、今回紹介した4つのターゲティング手法以外の組み合わせもいくつかあります。YDNを始めとするコンテンツ向け広告の新機能は、単体で成果が出にくかったとしても、さまざまなターゲティングと組み合わせたり、クリエイティブの変更を繰り返したりすることで強力な配信手法になり得ます。今回のTipsを参考に試行錯誤してみてください。
コンバージョンのトレンド変化を今すぐチェック
さて最後にもう1つ、今すぐ確認してほしいことがあります。それは、インフィード広告ローンチ前後で「コンバージョンのトレンドに変化が起きていないか」ということです。
インフィード広告は、スマホ版のYahoo! JAPANトップページに広告を掲載できるメニューですが、実はリニューアル前のYahoo! JAPANのトップページ(以下、旧トップページ)にも、YDNの広告枠が代理店限定メニューとして存在していました。旧トップページへ配信するためには特別な設定が必要でしたが、その特別な設定をしなくても、サイトリターゲティングやサーチターゲティングなどの広告が旧トップページの広告枠に表示されることが多くありました。
ところが、インフィード広告が追加された現在、スマホ版Yahoo! JAPANトップページに広告を配信するためには、必ずインフィード広告の設定が必要になったのです(図1)。そのため、従来の設定のままとなっている場合、コンバージョン数が純粋に減少している可能性が高いということになります。
時期 | スマホ版 Yahoo!JAPANトップページの広告枠 | その他のYDN広告枠 |
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2015年5月20日前 | ◯ | ◯ |
2015年5月20日以降 | ×(※) | ◯ |
新しいスマホ版Yahoo! JAPANトップページが正式にローンチしたのは2015年5月20日です。この日を境に広告の成果が悪化の推移にあるのなら、インフィード広告のローンチによって、これまで広告が掲載できていた広告枠自体がなくなってしまったなどの影響も考えられます。
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