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「謝れ」「責任者を出せ」「今すぐ回答しろ」「誠意を見せろ」「納得できない」クレーム5大表現への対処法

連載第3回。クレーム対応の現場でよくある言葉への対処法を解説します。

この記事は、姉妹サイトネットショップ担当者フォーラムで公開された記事をWeb担当者Forumに転載したものです。

「謝れ」「責任者(上)を出せ」「今すぐ回答しろ」「誠意を見せろ」「納得できない」

これらはクレームでよく使われる「クレーム5大表現」ともいえる言葉です。言われたことがあるという方も多いのではないでしょうか。今回はこれらの言葉への対処法について説明します。

「謝れ」に反射的に謝らない

苦情・クレームがあった時、まずは自社に非があるかないのかを確認する必要があります。 自社に非がない場合のモンスタークレーマーからの要求には「ゼロ回答」。不当な要求には一切応じないという姿勢を、スタッフ全員で徹底するべきです。

謝罪も同じです。まだ状況がわからないにも関わらず、相手からの謝罪の要求に対して「申し訳ございません」と安易に謝罪すれば非を認めたことになり、モンスタークレーマーが付け入る隙を見せることになります。

それでもとにかく謝らなければならない状況に直面した場合には、「(何かわからないが、今のあなたの状況を見ると)ご迷惑おかけしています」と伝えるのが良いでしょう。

ただし、自社に非がある場合は当然謝罪が必要です。心を込めて謝罪してください。そこにはマニュアルは必要ありません。むしろマニュアル的に謝罪すると状況を悪化させることがあります。自分が謝罪される立場だと想像してみてください。あまりにマニュアル的な対応をされたら「あなた本当に謝罪の意思があるの?」と思いませんか?

「責任者(上)を出せ」「今すぐ回答しろ」と言われても慌てない

この2つは、自分がこれらの言葉を使うという人もいるかもしれません。頼りないあいまいな応対をされると、怒りたくなくてもつい「ちょっと、分かる人に代わって」と、言ってしまいたくなるものです。

この場合、2つのケースがあります。1つは応対しているオペレーター自体がクレームの対象になっているケース。この場合は、それ以上対応することは解決につながらならないので、慣れている別の担当者に代わるのが望ましいでしょう。

もう1つのケースは、モンスタークレーマーが自身の要求や価値観を飲ませようとしているケースです。まだ状況がはっきりしていない時点で有利な回答を出させようとか、相手に動揺を与えて間違った回答を引き出そうとするのが目的です。

「責任者を出せ」と言われて素直に電話を代わること自体、要求の1つに屈したことになり、相手を増長させる機会になりますし、情報がないまま対応せざるを得ない状況を招きかねないので危険です。処理方法の判断をするために、怒鳴り散らされてつらくても、とにかくしっかり状況把握をしてください。

「誠意を見せろ」と言われたら、本当の誠意を見せる

「誠意」は心から謝罪することです。憤慨している相手でも、心から謝れば受け入れてもらえます。別に金品がほしいわけではなく、自分の気持ちを分かってもらいたいのです。

それでも「誠意はそんなもんじゃないだろう」と言われたら、それはモンスタークレーマーのサインです。まずは、「当社の最大の誠意は、心から謝罪することと考えております」と伝えてください。それでも引き下がらないようであれば「では、誠意とはどういうものとお考えでしょうか?」と聞いてみてください。ここで「普通はサンプルを送るとか、値引きするとかあるだろう……」というような返答があればモンスタークレーマー確定です。もともとその要求を行うことが目的で、一般のお客さまのように困ったことを解決するために連絡してきた人ではないと考えられます。

「納得できない」は決別のサイン

通販やネットショップの場合、最大の譲歩は「返品」か「交換」です。それでも納得せず、「あの会社は○○をくれた」「普通はこんな事をしてくれる」などと言いだしたら、それもモンスタークレーマーのサインです。

他社と状況は違いますし証拠もありません。相手が言うような対応をした会社が本当にあるのかもしれませんが、それは単に強要に屈しただけです。自信を持って自社のルールに沿って判断・対応を行ってください。自社の判断に対し「納得できない」と言われても、「ご期待にそえず申し訳ありません」と言い続けてください。

相手の勢いに負けて仕方なく商品券を渡すなどといったことは、もっともしてはいけないことです。「前はこうしてもらったのに」「○○さんは○○してもらったって聞いたわよ」というように、同じようモンスターがまたやって来ることになります。やってはいけないことは、やらないと決めることが大事です。

クッション言葉をたくさん知っておこう

「クッション言葉」とは言いたいことの前に付ける言葉で、ビジネスにおいてはさまざまな場面で使われています。「恐れ入りますが」などがその代表的な例です。

相手が激昂している時にストレートにこちらが言いたいことだけを伝えると、相手の感情がさらに高ぶり、手が付けられなくなることがあります。クッション言葉を使って少しでもおだやかにと会話や交渉を続けられるようにしましょう。

分類クッション言葉伝えたいこと
依頼恐れ入りますが
失礼とは存じますが
差し支えなければ
大変恐縮ですが
ご面倒をおかけいたしますが
お手数をおかけしますが
~していただけませんでしょうか。
反論おっしゃることはわかりますが
ご意見なるほどとは思いますが
お言葉を返すようですが

~かと存じます。
~ではないでしょうか。

拒否お役に立てず、大変心苦しいのですが
せっかくですが
失礼とは存じますが
残念ながら
身に余るお言葉ですが
ご遠慮ください。
ご容赦ください。
お許しください。
いたしかねます。
できかねます。

このように、さまざまなクッション言葉が存在しますが、とっさのときにだけ使えるものではありません。日頃から意識して使うようにしましょう。

◇◇◇

いずれにせよ、心がけていただきたいのは落ち着くことと、怒らないこと。人間は相手の顔が見えない状態では良心が痛みにくいので、きつい言葉を投げかけやすいのです。顔を合わせて話している時なら絶対に口にしないような言葉でも、電話口やネット上だと使ってしまうものです。それを踏まえてカッとせず、落ち着いて対応しましょう

オリジナル記事はこちら:「謝れ」「責任者を出せ」「今すぐ回答しろ」「誠意を見せろ」「納得できない」クレーム5大表現への対処法(2014/06/03)

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