経済協力開発機構(OECD)は7月19日、多国籍企業による課税逃れを防止するための新たなルール作りに関する15項目の行動計画を公表した。計画はモスクワで開催中の主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に報告される。OECDは今後、項目ごとに1~2年半をかけて勧告を出し、各国は勧告に基づき関連法や租税条約の改正を進める。
ネット通販では、各国の子会社に業務を委託し、商品の売り上げは本国に集約することで、顧客側の国はその企業に課税できないという問題が起きている。また、音楽データや電子書籍などの場合、サーバーを税金の安い国に置いておけば、他国で売り上げを計上しても、税金を安くすることができ、利益を多くすることが可能となっている。
そうした問題を解決するためOECDは、電子商取引課税や移転価格税制(無形資産)、外国子会社合算税制の強化、租税条約乱用の防止など15項目の行動計画を設定。OECD租税委員会のもと各項目ごとに作業部会を設けて、1~2年半の期限を定めて議論を行い、詳細を決定する。その決定をもとに各国に対して法整備などの勧告を行っていく予定。
OECDには先進34カ国が加盟するが、中国、インド、ブラジルなどOECD非加盟でG20メンバーである8カ国も、行動計画の協議に加わる。経済規模が大きな新興国も議論に引き込むことで、実効性のあるルール作りにつなげる考えだ。
・税源浸食と利益移転に関する行動計画、開始(OECD東京センター)
→ http://www.oecdtokyo.org/theme/tax/2013/20130719beps.html
・行動計画全文(OECD iLibrary)
→ http://www.oecd-ilibrary.org/taxation/action-plan-on-base-erosion-and-profit-shifting_9789264202719-en
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