企業ホームページ運営の心得

ロンブー炎上に見るソーシャルの落とし穴。微罪で失敗しないための心得

ネットやリアルからの突っ込みを回避する心構えをお届けします
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Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の288

無知では通らない社会

先日、人気お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳さんが、ネット動画の生配信中に移動車が駐車禁止で取り締まりを受け、その場で警察のやり方に異議を唱えたことからひと騒動が起こりました。

すでにご本人が全面的な謝罪コメントを発表しているので、ここで蒸し返しはしませんが、ロンブー淳さん側の事実の未確認や、条例の無理解が理由です。そして「生配信」により映像は拡散され、数日間番組出演を自粛するに至りました。

体感的ネット世論では大半がロンブー淳さんを批判していました。支持派も駐車禁止への同情論で、彼の行動を正当化する声はまれです。YouTubeに転載された動画へのコメントも厳しいものが目立ち、「擁護派」らしきものは次々と削除されていました。批判の理由は「道路使用許可」です。自身が率いるバンドのチケットを路上販売したのと、その様子を「撮影」したこと、どちらも警察署への届け出が必要だったからです。ロンブー淳さんはアップルファンを広言しており、ならば手持ちであろうiPhoneで検索すればすぐにわかったことなのですがね。

この騒動に抱く危惧については後に述べるとして、実はこれ、他人事ではありません。そこで勝手に「マイナビニュース」での連載とコラボしています。

だれもが告発される社会

昨日公開のマイナビニュースでの連載で取り上げた、出発前と到着後のTwitterを理由に「違法性」を追究された社長の事例です。その社長はある日、会社から目的地までの距離が約50Kmで移動時間が40分かかったとツイートします。このときの平均時速は約75キロメートルです。都内の最高速度は一部を除いて50Kmに規制されており、首都高速道路も同じく60キロ規制区間が大半を占めます。すると自動的に「スピード違反」という結論が導き出され、法律違反と批判(リプライ)されたのです。

実際の高速道路はどうかといえば、弊社最寄りの「首都高川口線」は加賀から川口ジャンクションまで最高速度80Kmを出せますが、常態的にプラス10~20キロはでているでしょう。また、横羽線の制限速度は60Kmですが、120Kmは余裕で超える速度のハマーにあおられたことがあります。こうした「暴走車」はともかく、「円滑な流れ」に沿えば制限速度の枠内で走行し続けるのは困難です。しかし、その違法行為をわざわざネットでさらす必要はありません。

誉められた行為ではないことをネットで晒して問われるのが「人間性」であり「企業体質」です。

規制するしかない世界への危惧

ロンブー淳さんの動画を見て、私が危惧するのは「確信的脱法精神」の芽生えです。動画のなかで「撮影なのか」と問う警官に「撮影じゃない。生配信だ」と反論します。つまりロンブー淳さんは「撮影」に関しては、なにがしかの許可が求められることを認識していたと考えられます。そのうえで彼は「生配信」がどの法律に触れるのか、違法なのかと警察官に食い下がります。

もちろん「撮影」されたものが「配信」されるわけで、両者の一体性は明白であり、彼の主張は屁理屈に過ぎません。しかし、テレビ局などによる「中継」や「録画」ではないから、「法律で規制されていない=脱法はセーフ」という発想がベースにあったのではないかというのが危惧するところです。

法律とは常識と良識を下敷きにしており、抜け穴を見つけるようなやり方がまかり通れば、法で規制するしかなくなります。そこから遵法精神に溢れる私としては「ネットの自由」が狭められることを怖れるのです。

日常生活にもある違反

日常生活のなかで、細かな法律違反は数知れません。昭和時代はよくみかけた「立ち小便」は論外ですが、ゴミのポイ捨ては当然として、自転車に乗りながら携帯を操作するのも、傘を差しながら自転車に乗ることも、イヤホンをかけての自転車運転も認められてはいません。東京都内ではリード(縄や紐)をせずに、犬を散歩するのは処罰対象で、

うちの子(犬)は、リードをしなくても離れないから可愛い

とブログに書くことは違法行為の告白です。

もちろん、すべての法律や条令を調べてブログを書くことなどできません。しかし、インターネットという「公共の場」に情報を発信することは、相応のリスクを含んでいるということをWeb担当者は特に意識する必要があるということです。

リスクをゼロにするのは困難

「お金」に関してはさらに注意が必要です。三連単の登場で高配当馬券が増えた競馬で、100円が100万円になることは珍しくなくなりました。そしてその大的中の喜びを爆発させて、

100万(円)馬券ゲット!

とツイッターで自慢したとします。すると年末に、こう突っ込みがはいるかもしれません。

確定申告しましたか?

競馬の儲けは「一時所得」とされ、50万円を超える配当金は課税対象となるからです。また、特捜の理不尽な捜査を追ったドキュメント『四〇〇万企業が哭いている~ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』(講談社)によれば、特捜までもが「ブログ」のエントリーを元に捜査しているとあります。どれだけ法を守って生活しているつもりでも、微罪を冒すリスクをゼロにするのは、ほぼ不可能です。

さらすときの注意点

最も有効な対策は「さらさないこと」です。原稿では私事を晒す私ですが、リアルタイムに情報発信するブログ、Twitter、Facebookでは言葉を選んでいるというか、以下の点は特に注意して記しています。

  • 日時の特定は可能な限り避ける
  • 数字はぼかす
  • 現物は出さない

時系列で追われたときにすべてが証拠となって困る悪事は重ねていませんが、当たった馬券でも金額を公開していなければ、突っ込みがはいることはありませんし、現物を見せなければ比較対象がありません。それではつまらないと思うかもしれませんが、一度公開した言葉は本人が忘れた頃に「発掘」されることもあります。

ネットにさらすということは、ロンブー淳さんの騒動のように「リアルタイムに多方面から突っ込まれる」がはいるリスクと、タイマーを指定できない時限爆弾を作動させる行為であることを忘れてはなりません。

今回のポイント

違法をさらすな

私的なことのグレーゾーンはよりグレー(あいまい)に表現する

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