企業ホームページ運営の心得

中国人観光客で広がるビジネスチャンス。日本人に有利な市場

中国人のお客を取り込むための、ちょっとしたサイトの工夫を紹介
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の弐百伍十壱

林明美さん

話題の焼鳥屋で「とりあえずビール」と注文します。グビグビと喉を湿らせ、おつまみを注文しようと笑顔の可愛い20才ぐらいの女性スタッフ、林さんに声をかけます。名前は胸に挿した名札が教えてくれました。

ヤキトリィワァ、シオ? タレ?

名札と顔を交互にみて、彼女が「はやし」ではなく、「リン」さんだと気がつきます。テレビアニメ「超時空要塞マクロス」のヒロイン「リン・ミンメイ」の漢字表記が「林明美」ではないかと、当時のアニメ雑誌の読者投稿欄で揶揄されていた四半世紀前の記憶が蘇り、我が人生の重ねた年月の永さを思い、もれた微苦笑をビールで流し込みます。ちなみに「リン・ミンメイ」の正しい漢字表記は「鈴明美」とはウィキペディア情報。

今年、1月末のワイドショーを賑わせたのは「春節」を利用して日本観光に来た中国人たちでした。大胆にお金を使い、ショッピングに興じる姿を切り取ります。そんな中華圏の客が今回のテーマです。

小規模店にも商機が

日本観光に訪れる中国人(海外観光客)の多くは、事前にネットで情報をチェックします。あるレストランの社長夫人は台湾出身で、知人の紹介で来店した香港人を母国語で接待しました。そして香港人が自身のブログで「言葉が通じる」と紹介したところ、ブログをみた見知らぬマカオ人が後日来店したといいます。つまり、中華圏への情報発信によって、海を渡って客が来る……かもしれないということ。

観光地や、繁華街にリアルの店舗を持っているなら、取り組む価値はあります。以前はパックツアーの団体客が主流でしたが、「旅行慣れ」した層の増加によって個人旅行も増えているようで、小規模店でも商機が見込めるからです。

翻訳ソフトの誤訳に注意

対応の一歩は、ホームページに「いらっしゃいませ」の言葉と、代表的なメニューを中国語で掲載するだけでもOKです。「挨拶」があれば、なおよしとします。ちょっとした作業だけで近隣店舗に差をつけるのが本稿の狙いだからです。

それぐらいで効果があるのか

という問いは立場を変えればわかることです。海外を旅行する前に「ネットで検索」をして、現地語ばかりのサイト上に「日本語(母国語)」を見つけたときの喜びは万国共通でしょう。

実際に来店したときに、中国語を話せるスタッフがいなくても焦ることはありません。対面ならばそこは人間同士。身振り手振りで意思の疎通は可能ですし、あらかじめ「ホームページ」をみて来店しているのですから、あなたの店が「何屋」かは、客が知ってくれています。また、「漢字」による筆談ができるのも中国人観光客ならではです。

中国語ホームページの作り方

グーグルやエキサイトが提供する無料の「翻訳サイト」を使うのがもっとも手軽ですが、誤訳も多いので注意が必要です。「いらっしゃいませ」を中国語で書くと「歓迎光臨」や「歓迎涖臨」ですが、グーグル翻訳は「不歡迎」と正反対の意味の言葉を提示しました(2月8日現在)。

そこで中国語を理解できる人を探すことをオススメします。Facebookやツイッターで探せば苦もなく見つかることでしょう。そのとき「中国語」ではなく「簡体字」と「繁体字」で探します。「簡体字」は中国本土やシンガポール、「繁体字」は台湾や香港、そしてマカオで使われています。

微妙なニュアンスを知りたいときや、その後の展開まで考えると、リアルの人脈で探してみるのもオススメです。足立区に引きこもっている弊社の取引先でも、台湾人、中国人とのハーフ、上海人の奥さんを持つ方などがいて、近所で探すのはそう難しくはありませんでした。シャイな人は、TwitterやFacebookの会話のなかから、利用例を見つけてみてもいいでしょう。

ピンインができないと

ホームページ作成の実務においての注意点は「文字コード」です。いまどきのCMSやオーサリングソフト(ホームページ作成ソフト)なら、多言語対応の「UTF-8」となっているのであまり気にすることはありません。しかし、日本語を表す「Shift-JIS」などで作成されているページでは文字化けすることがあります。

新しいソフトやシステムの導入を検討中なら買い換えも賢明な選択ですが、該当ページを文字コードが指定できるエディタで開き、文字コードをUTF-8に変更し、charset(HTMLの文字コード指定)も「utf-8」にすると一時しのぎにはなります。また、イラストレーターやフォトショップといった、画像編集ソフトで繁体字や簡体字を加工する際は、対応した「フォント」が必要となります。

文字入力に関しては「OS名+中国語」で検索すると紹介するページがいくつもヒットするので参考にしてください。ただし、日本語のローマ字入力にあたる「ピンイン(中国語の発音表記)」を理解していないと使えません。たとえば「ニーハオ」は「nihao」とタイプして「你好」となるように。このあたりを考えると、現地語に詳しい方の存在が重要となってきます。もっとも、簡単な挨拶などは「日本語の漢字」でもなんとく意味は伝わるので、それでもOKです。

中国人客を取り込める条件

繁体字を使うか、簡体字か、併記にするか。これはビジネス戦略的な視点で決定します。大きく分ければ中国大陸と台湾で、どちらの地域をターゲットにするかということです。ちなみに、中国大陸は国外サイトへのアクセスを制限しているのは、政治的な理由から。サイトからリンクしたブログで「法輪功」や「天安門」について記述していた場合、ブロックされる可能性は否定しきれません。

冒頭の「林さん」のようなスタッフがいるなら、

中国語を話せるスタッフがいます

とサイトに掲載しておくべきでしょう。圧倒的なセールスポイントとなりますので。

世界第2位の経済規模を誇る中国。そして日本の「お隣さん」であり同じ「漢字文化圏」。漢字に多少の違いはあっても、中国人向けにメッセージを発しやすいのは、世界を探しても日本人だけ。日本に訪れる中国人客をビジネスに取り込まないのはもったいない話です。

今回のポイント

漢字を並べるだけでもなんとなく意味は通じる

簡単にできる差別化

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