WebガイドラインはWeb担当者の人間関係を良くしてくれる!?
今日は、Webサイトのガイドラインやルールについて、ちょっとしたコラムを。あなたは、こうした決まり事を「制限」だと考えていませんか? 実はそれだけでなく、あなたの仕事における人間関係を良くするために役立っているのではないでしょうか。
企業Webサイトのデザインやコンテンツをどう作るかを示す「ガイドライン」や「ルール」を定めているところも多いでしょう。
「守らなければいけない規則」を「ルール」として、「こうするようにしましょう」という決まりを「ガイドライン」として定めて、担当者の引き継ぎに使ったり、パートナーの制作会社さんや広告代理店さんとのやりとりに使ったりするものですね。
こうしたものは、Webサイト構築・運営にかかわる決まり事を定めたものであり、関係者がそれに従うようにする「制限事項」だと考えられがちですが、最近、それだけではないのかもしれない、と考えるようになってきました。
というのも、こうしたガイドラインは「Web担当者の、いろんな人との人間関係を良くする」役割を果たしているのではないかと思うのです。
Web担当者という仕事は、多くの人と一緒に仕事をします。社内の他部署の人にコンテンツを提供してもらったり、制作会社さんにデザインしてもらったりHTMLを書いてもらったり、エンジニアさんに開発してもらったりと、いろんな人がいます。
でも、そうした「一緒に仕事をする人たち」は、必ずしもWebに明るくなかったり、御社のサイトの仕事だけをしているわけではないんですよね。
で、多くの場合、上がってきたモノを見て「こうじゃないんだよなー」「なんでこういう書き方するかなー」とつぶやいてから、差し戻したり、Web担当者が自分で直したり、あとから「次からはこうしてくださいね」と頼んだりしますよね。
Web担当者の仕事って、こうしたことを日々やっているのではないかと思います。そのなかで、「なんで何回言ってもわからないんですか?」とか「この指摘をするのは4回目です、次こそちゃんとやってくださいね」とかいうコミュニケーションになっていって、どんどんストレスが溜まっていくんですよね。
本来ガイドラインとかルールっていうのは、決められたルールを守ってWebサイトを更新していくことで質を保つために作られたものだと思います。
でもそれだけではなく、多くの人が気持ちよく仕事をするための潤滑油としての役割を果たすんじゃないかな、と思っています。決まりは決まりとしてわかりやすく示すことで、Web担当者の一緒に仕事をする人たちとの人間関係を改善し、よりチームのモチベーションを高められる役割を果たしているんじゃないかな、と。
だから、ガイドラインとかルールは、わかりやすいシンプルなものにしておくのが良いのだと思います。全部で500ページにものぼるファイル何冊分もあるガイドラインも詳細でいいのですが、関係者が「見ていません」と言えないような、より人間関係を改善するガイドラインの作り方も進めてみてはいかがでしょうか。
たとえばWeb広告研究会が公開している「次世代ガイドライン・フレームワーク」では、誰向けかによってまず「コンテンツ設計ガイドライン」と「コンテンツ実装ガイドライン」の2つに大別し、それとは別に関連ガイドラインとして「用語・表記ガイドライン」「アクセシビリティガイドライン」「SEOガイドライン」などを示しています。このように、関係者がそれぞれ、自分に関するガイドラインだけを参照できるようにする仕組みはいいですよね。
もちろん、関係者向けのイントラネットなどでデジタルデータとして公開して、必要に応じて検索できるようにするのは大切です。
また、ガイドラインのうち多くの人が携わるコンテンツ関連に関しては、CMS(コンテンツ管理システム)のなかで自動的にチェックしたり、守られていない場合はコンテンツを公開できないようにしたりするのも有効でしょう。
「ガイドラインは制限事項」だと考えずに、Web担当者の人間関係を改善し、みんなが気持ちよく仕事を進められるようにする手段だと考えると、いろいろとできることが拡がるのではないでしょうか?
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