ツイートには署名をつけて担当者ごとの個性を見せる
ツイートには署名をつけて担当者ごとの個性を見せる
Twitterの企業活用方法として軟式アカウントやキャラクターの設定をしている企業もあるが、そのような検討はしたのだろうか。
「キャラクターの設定も検討しましたが、運営メンバー全員が設定されたキャラクターでツイートするのは大変だし、続かないだろうということで、それぞれの個性がわかるような署名をツイートに書く形で運営することにしました。ツイートをするときに担当者のイニシャルを入れることで、社内でだれがつぶやいたのかわかりますし、@dinosJPのなかでも担当者それぞれの個性が伝わると面白いよね、というふうに運営開始当初に話していました
」(福田氏)
目標よりも企業らしさを大切にしていく
Twitterの運営のゴールについて、明確な目標は設定しているのだろうか。
「フォロワー数の桁がもう1つか2つ増えてきたらマーケティングツールとして使えるんじゃないかな、とは思っていました。フォロワー限定のシークレットセール開催や、お得なタイムセールの設定なども仕掛けとしてできるのではないかということは、アカウント開設当初には考えていましたが、フォロー数やフォロワー数がまだ少ないので、そこまでには至っていないというのが現状ですね。あまり焦ってしまってディノスらしさをなくしてしまいたくないので、非常にのんきにやっています
」(結城氏)
Twitterの運営がうまくいっているかどうかはどのように判断しているのだろうか。
「フォロワー数は見ていますが、月次で数値をまとめるようなことはしていません。順調に増えてはいるのでよいかなと思っています。あと、Twitter経由で見られたページビューなども取得していません。集客状況は、放映された番組や商品の反響などにも左右されますので、Twitterからどの程度集客できているのかというのは追跡していません。また、ツイート数についても、まだ試行錯誤している段階ですので、特に目標値は設けていません。サイトの更新情報をRSSで自動的に投稿しているので、毎日何回かは企業としてツイートできているので、各自の自主性に任せていますね
」(結城氏)
数値目標は設けてはいないものの、今年に入りTwitterならではのコミュニケーションの手ごたえは感じ始めているという。
「今年春に、通販カタログの家具選びで迷われているお客様がTwitter上にいらっしゃったので、ディノスでも新生活キャンペーンをやっていますよ、というご案内をさせていただきました。こうした双方向のコミュニケーションができるようになったのは、昨年との違いですね。おかげさまで今年の新生活キャンペーンは良かったんですよ
」(福田氏)
「他にも、年明けの寒い時期に袖付き毛布のヌックミィという商品が人気で、これかわいい、どうしようとつぶやいてくださった方に、他の柄もありますよと返したりしました。また、ママブログ(dinos mom's blog)の担当者が子供を抱えている日常の写真をアップしたりしていて、情報を組み合わせることでお買い上げいただけたかもしれない、という感触はあります
」(結城氏)
@dinosJPをマーケティングツールとして育てるために、フォロワー数を高める工夫などはしているのだろうか。
「これも各担当者が自由に取り組んでいることですが、少しずつフォロワー数は増えてきています。私の場合は、『ディノスとdinos.co.jp』を検索してみて、商品をお買い上げいただいたお客様に御礼を伝える際にフォローをするようにしています。しばらくして、フォロー返しをしていただけたかどうかを確認するようにはしていますが、大体8割ぐらいの方にフォロー返しをいただいています。商品の感想をツイートしていただいているだけのお客様については、このタイミングでフォローしてしまうと驚かれてしまうのではないか、という心配もあるので、そういう場合はしばらく様子を見てから適宜フォローするようにしています
」(結城氏)
会社全体としての公式Twitterアカウントの運営開始から半年あまり。最後に、各ブランドや店舗連動など、さまざまな可能性を秘めている同社のTwitter活用について、今後の考えを伺った。
「Twitterは安定稼働をしていますので、このまま順調にフォロワー数を増やしていきたいと思っています。また、こちらからフォローをしなければなかなかフォロワーは増えないということがよくわりましたので、お客様から反響をいただいたときはコメントとともにフォローをして、フォロワー数を増やしていきたいと思っています。また、現在のところ業務的な負担にならない範囲で運営していますけれど、今後戦略的にTwitterを運用するフェーズに入っていく場合には、それなりに考えなければならないと思っています。フォロワー数の桁が1つ2つ増えてきたぐらいのタイミングで、会社としてどのように運営していくのか再度考えるタイミングがくると考えています
」(結城氏)
ありがとうございました。
◇◇◇
@dinosJPのTwitter運営スタイルは、百貨店の総合受付を想起させる。教育が行き届いた百貨店の総合受付であれば、すべての対応は誰がどのお客様に対応しても別け隔てなく気持ちの良い対応をしてくれる。困っているお客様がいればこちらから声をかけてサポートをするだろうし、購入に悩んでいるお客様に売り込みをすることはない。じっと見守り、購入していただいたら御礼をいうだろう。
詳細な問い合わせは受付で解決しようとするのではなく、専門のフロア(お問い合わせフォーム)へ案内するし、イベントの案内は定刻通りにアナウンスされる。もしも彼らが百貨店を運営していたなら、総合受付はきっと今のTwitterの運営スタイルのようになるのではないのか、と感じた。今後マーケティングツールとしての活用を検討している同社に今後も注目していきたい。
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