客層をイメージして、キャッチコピーを作る | 売れるネットショップの法則41
自店舗の「客層」と「購入動機」をイメージする
客層を明確化するメリットは、ベージ制作に限らない。メルマガも書きやすくなるし、お母さん方の夏休み需要を見越した「お子様向け夏野菜カレーピザ」など、新商品開発も的確にできるようになる。集客施策を考えるヒントにもなるだろう。
法則40で固めた店舗コンセプトを踏まえて、今度は自店舗の潜在客、つまり「客層」を何種類かイメージし、具体的なキャッチコピーを作ろう。これは、店舗のキャッチフレーズよりも一歩踏み込んだ「売り文句」で、商品ページやメルマガなど、あちこちに掲載する。
客層は、年齢・性別だけではなく、もっと踏み込んで考える。「その人が、自店舗の商品を『買ったとしたら』それはどんな動機だったか」と想像を膨らませるのだ。例えば「忙しいお母さん」が、自店舗で扱う「美味しい冷凍ピザ」を買ったとする。動機としては「子供が喜ぶし、手軽に作れるから」というものが考えられる。「単身者」が買ったとすれば「忙しくてもすぐ食べられて、保存が利くし美味しいから」、「ホームパーティー好きの人」が買ったとすれば「宅配ピザより安上がりで美味しいから」など。これらはあくまで仮説だが「同じ商品でも、客層によって購入動機がまったく違う」のが実感できるだろう。
考えられるパターンを、できるだけ多く書き出してみよう。自店舗の客層と、その気持ちを理解できれば、より購入したくなるページを作れるはずだ。逆に、客層の気持ちを理解せずに価格訴求や差別化ばかりしていては、苦労の割に、得られる利益は少ないだろう。
QPC分析で、客層に沿ったキャッチコピーを作る
客層と購入動機のイメージができたら、次にキャッチコピーを作る。ここでも、法則40で紹介した「QPC分析」を使う。品質(Quality)、価格(Price)、利便性(Convenience)の観点から、その客層に支持されそうな強みを探し、キャッチコピー化しよう。
例えば、客層が「敏感肌の子供を持つ母親」で、商品が「肌に優しいコットンの肌着」なら、キャッチコピーは、品質面では「大切なお子様の肌を守ります」、価格面では「高価なコットン肌着を、マージンカットでお手頃価格」、利便性では「従来品よりほつれにくく長持ち」などが考えられる。QPC分析を使えば、さまざまな角度から強みを探し、キャッチコピーへと反映させることができるのだ。
以下の表では、QPCに沿った「強みを見つけるヒント」を列挙している。個別商品のキャッチコピーを考える際にも便利なので、ぜひ使いこなしてほしい。
品質(Quality)重視の客層に響く言葉 | |
---|---|
自然 | 天然成分、無添加、自然の中で生まれた |
伝統 | 手作り、ヨーロッパで昔から使われている |
流行 | ○○ランキング1位、友達も使ってる |
権威 | ハリウッドセレブ、有名ブランド |
癒し | ストレス解消、自分にご褒美 |
価格(Price)重視の客層に響く言葉 | |
低価格 | 安い、量の割に安い |
合理性 | 無名だけど高品質、訳アリ、アウトレット |
利便性(Convenience)重視の客層に響く言葉 | |
簡易性 | 押すだけ、初心者向け、誰でもできる |
利便性 | 短納期、品揃え、低額でも送料無料 |
専門性 | ○○用品なら何でも揃う店 |
投資 | 自分磨き、キャリアアップ、資格 |
法人 | 法人用途に使える |
客層のイメージを明確にしていくと、彼らが「業界」に対して感じている不満・物足りなさが見つかることがあります。これは、大きなチャンスです。
例えば「朝カレー」の事例。世の中には「朝食にカレーを食べる」客層が一定数存在します。従来、彼らは「普通のレトルトは大きすぎる」「温める時間がもったいない」という不満を持っていました。そこで某社が「温めなくていい、茶碗サイズの朝食用レトルトカレー」を開発し、ヒット商品になりました。「納豆のたれをゼリー化」した事例も有名ですね。新商品の開発に限りません。接客や梱包など、改善の余地はいろいろあります。
必要は発明の母。あなたの客層をよく観察すれば、ライバルに差を付けるスゴいヒントが見つかるかもしれませんよ。(川村)
- 売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。
- 坂本悟史 (@CommerceDesign)
川村トモエ (@cd_kawamura) 著 - ISBN: 978-4-8443-2837-7
- 発行: インプレスジャパン
- 電子書籍版はBookGateアプリでダウンロード購入可能。iPad/iPhoneにBookGateアプリをインストールしたら、アプリを起動して、「ストア」の「本一覧」→「出版社」→「インプレスジャパン」から。
- 筆者の所属するコマースデザイン株式会社のページ
※この記事は、書籍『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです(序章もご覧ください)。
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